クィーン

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あのダイアナ死亡事故にまつわる
英女王の葛藤を描いた作品。
映画というよりも、
ドキュメンタリーを見ている感じでした。

オスカーを受賞した女王役はもちろんのこと、
トニー・ブレアとその奥さん、チャールズなど、
よく知られている人物たちが
どれだけソックリに演じられているかが
最大の見所と言っていいでしょう。

こんな映画が作られること自体、イギリスの皇室はある程度開かれているんだなぁと思った。
日本ではまずありえない。
むしろ皇室の離婚がありえない。

映画自体は、女王にも首相にも好意的に描かれていて思ったよりはいい感じだった。

ダイアナが注目されるのはその美貌とゴシップが原因なわけで、そんな女に皇室の伝統を壊されたくないってゆう気持ちも分からんでもない。
まぁ描き方を変えれば、視点を変えれば別の意見もあるだろうけど。

見ていてやっぱり日本の皇室と比較してしまう。
日本の首相が天皇に電話することなんてあるのかな？
天皇や皇太子が自分で車運転することなんてあるのか？

皇室は伝統を守るべきなのか、時代に合わせて変化するべきなのか？
難しい問題ではある。

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全編に緊張感が続く知的なドラマでした。

僭越ながら女王陛下の気持ちが良く理解できました。
何といってもダイアナ妃の死は身内のできごとなんですよね。孫の２人の子どもたちは良いママの突然の死にショックを受けている。息子も動揺しながら皮膚感覚で国民一般の反応が予測できている。

でも、女王はプライベートをおいて公務に忠実でなければならない。この不幸に際して最初からダイアナに特に冷たかったんじゃなかいんだと理解できます。クイーンマザーはともかく、フィリップ殿下がかたくなに伝統固執の様子が描かれていましたね。女王はこんな内輪の人たちもコントロールしなければならない。

最初は小さな身内の不幸で済むと思っていたんだけれど、事態が想像を超えて膨らんでいく。女王の次の手に世界中の関心が向けられて。

女王は、ゆっくりと”この不幸に対する一般市民の王室への行動の期待”が自分が想像していたのと違っていることが理解でき始めます。あとは決断です。労働党の若き首相トニー・ブレアのアドバイスを受け入れるのは屈辱的でしょう。でもこの決断力はすばらしかった。

ブレアさん本人は好意的に描かれていましたが、皇太子や侍従長の描き方と比べ、ブレア夫人とかブレア氏の取り巻きは冷たい扱いをされているとも思えました。

全編通してみると、結局は女王を讃えた映画なんですね。また、それで良かったと思います。

女王陛下は大変なお仕事なんですね。

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イギリス女王の孤独と誇りを訴える。これ、ダイアナ死後の約1週間という短い期間では、いささか時間不足ですね。それに、彼女の焦燥の火種となる描写に、当時のニュース映像をインサートするという手法が、ちょっとずるいなと思う。事実として説得力はあるかも知れないけど、それを使わずに表現してこそ、もっと上質な映画になったのではないかと思うのです。

結局、この作品を見るに、イギリスではダイアナなくしてイギリスの王室は語れない、ということ。ですからむしろ、ダイアナの何がそこまで国民の心を捉えたのか、という方に興味が湧きます。そして、鑑賞後そのような感想を持ってしまうこと自体、女王そのものを描ききれなかったという欠点を露呈しているんではないしょうか。

ただね。前半部は結構興味津々で見ました。これ、ひとえにゴシップ心が満たされるからなんですね。ダイアナが亡くなった時、王室ってこんなんだったんだ、なんて。だから、ダイアナを取り巻くメディアだとか、それを利用するブレアだとか、まるで「週刊女性」を読んでるような感覚になっちゃうんです。そこんところがね、（冒頭述べたニュース映像もそうですけど）最終的に王室の威厳とか尊厳に落とし込めない大きな障害じゃないでしょうか。そして、このゴシップ感覚が最後まで抜けきらない作品で最優秀主演女優賞？と言う気がします。

女王の気持ちは理解できます。「なぜ、あの女ばかりがもてはやされる？」慎ましやかに伝統を守って生きるより、メディアに出て批判する方がよっぽどラクですもんね。でも、彼女の心の奥底には、何が渦巻いていたのでしょう？ダイアナへの嫉妬か、国民への失望か、理解者を得ぬ孤独か。その辺、もっともっと研ぎ澄ませて欲しかった。意を決して、バッキンガム宮殿に降り立つ彼女の後ろ姿に、もっと心の奥底から込み上げるような感情を味わいたかったのにできませんでした。

あの日、私はあちらにおりまして、一部始終リアルタイム＆現地で観察出来た幸運（？）な人間の一人ですが、はっきり言って、あれは集団ヒステリー。今となっては誰もが知ってる（脳味噌がちょっとでも備わっている人ならですけど）、ブレア元首相のスピンドクターでマスゴミ出身のアリスター・ダーリン。あれとザ・タイムスとサンも傘下に入れているマードック・マスゴミ帝国とその他諸々で結託して、あのスラット（意味は自分で調べてちょうだい）を「ピープルズ・プリンセス」なんぞに仕立て上げて、女王陛下他ロイヤルファミリーを悪党一味に仕立て上げたわけです。

まあね、もう亡くなってしまった人を悪く言うべきじゃないでしょうけど、日本のマスゴミも相変わらずヒステリーの片棒担いでギャーギャーしているので、一度吐き出すチャンスが欲しかったからちょうど良かった。チャールズ皇太子の劇中の台詞が全てを物語っているわけですよ。ばかばかしい。

それからブレア元首相。あのさー、これどういうつもりよ！？と思いながら観てましたけど、まあそうかも。あの人、オタンコナスだけど人としてまともな感情はもっていそう。とんちきは金の亡者のミセス・ブレアの方なのは誰もが知ってる話だし。あのオバハンとスピン・ドクターのパペットちゃんだったんだから、実際、女王陛下に対しては同情心の方が大きかったかも。でもあんまり美化するのも如何なものよ、と思いますけどね。

で、映画の話。上手いな〜…良い役者。しかも似てるよ、むっちゃ似てる。

ヘレン・ミレン様の女王陛下には、ハー・マジェスティも悪い気はしなかったのでは？彼女の素晴らしさは周知のことなのでおいておくとして、ブレア元首相役、恐ろしいほど似てる。物真似までする必要はないんじゃまいか、と思ったけど愉快愉快。チャールズ皇太子役の人も、誰が上手いこと真似しろと（笑）。シャリーのデカ口とクソ意地の悪さもそれっぽかったし。

でもぶっ飛びナンバー1はクイーン・マザー役！ちょっとデカくないですか〜？というのはありますが、らしいらしい。ついでに言えば、ロイヤルファミリーで一番人気はスラットで保守層には超嫌われてたダイアナ妃よりもクイーン・マザーでしょ。

それから失言で超有名なフィリップ殿下。評判悪いしトンデモな殿下ですが、私は外国人だからか知りませんが、とにかく愉快極まりない。それをあのベイブの俳優さんがなりきってやってくれるって、あ〜、もう涎ものですよ。楽しかったです。

さ、結論。
私はロイヤル・ファミリー・ラブな人々の一人じゃあありませんが、あの騒動は頂けない。女王陛下に心底同情してますので、この映画には拍手です。