ブラインドネス

ファーストシーンはそこそこインパクトがあったように思うし、見終わってすでに１０日間以上たってるのにストーリーを思い出せるからそんなに悪い映画ではなかったように思う。が、なにかもの足りない感じはした。エンディングにインパクトがない、っていうこともあるんだろうけど、全体を通して強烈なものが足りない。それは、たぶん、リアリティーがイマイチだからだろう。

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＊ なかなか新鮮な映画だった。
次々と広まっていくナゾの伝染病…、
それは目が見えなくなるという症状……、
肉体的にも精神的にも苦痛はなく、ただ目が見えなくなるというだけ…。
何とも不思議な伝染病だった。

　盲目の人達だらけの世の中…、
それは、時として獣に映り、時としてゾンビにすら見えた。

　もしも、目が見えなくなったなら？
自分だけではなく、周りの人達も見えていないとしたら？？…
確かに、こんな展開の仕方で、そして、こんな光景になっていくのかもしれない…と、妙にリアルに感じた。

　＜いったい、どうなっていくのだろう？＞…
ただただ、画面に釘付けだった…。
これまで見た事ないだけに、まったく先が読めない映画だった。
まさに、最後の最後まで引き込まれた。

　が、見終わってみると…
？？？？
あまりにも、あっけない収束に、ぽか〜んとしてしまった。
そもそも、この伝染病は何だったの？？…
どうやって、第一感染者は発症したの？
なぜ、主人公の女性だけが発症しなかったの？？
結局、何も解らないまま、映画は終わってしまった……。
ナゾはナゾめいたままに…というのは、嫌いではないけれど、あまりにも煙に巻かれてしまったようで……。
いまひとつ、後味がスッキリしなかった。
何ていうか、宙ぶらりんな状態で置いていかれてしまった気分だ…。

　最後の最後まで、夢中で見たのは間違いない。
でも、最後の最後に、何ともビミョーな余韻が残る……そんな映画だった…。

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まず、先に。
近年多い、つまらないとか、見る価値なしとか単純に簡単に終わらすレビューの方々へのメッセージ。

価値観は人それぞれですが、つまらないなら何がどうつまらないのか。なぜ見るべきでないのか。などを書きましょうよ。
あと、映画の一部分だけしか見ずに、全体を判断するのも浅はか。
主人公はなぜ見えなくならないの？とかの恥ずかしいレビューやめましょうよ。
映画をちゃんと見ていないだけです。それ。
まさに、ブラインドネスです。見れていないんですよ。



この映画、色々な内容が盛り込まれています。
人間の残虐な部分。
支配者の台頭。
犠牲。
女性への不遇。

人間の「生」への極限の状態を描いた作品は他にも沢山ありますが、この映画は、
「視力が奪われる謎の伝染病」という切り口で、それを描いています。

実際、こんなことに、、、、おそらくなるでしょう。
前半は最悪な状況を丁寧に描いてくれています。
不快な場面は全てこの映画に必要です。
おそらくもっとたくさんの残虐な汚い場面は撮影されているでしょう。
最低限の内容まで絞り込んでいると思います。

そして後半、
とても大切な絆を描いてくれています。
ぜひ、観て下さい。
そして、大切なものを見つめなおして下さい。
幸せを感じてください。


それと最初に書きましたが、
ブラインドネスというテーマ、近年、わかりやすすぎる単純明快な映画ばかりが増えてしまったことへの風刺が効いていますよね。
一見、見るに堪えないような不快なシーンを長めに撮っているのも頷けます。
私たち、観客が、映画をしっかり観てくれない。
ちゃんと観てくれ、部分部分、一つ一つのセリフ、キャスティング、全体のディテール、脚本、映像、そして編集。
全て、考えに考えた末、このようにまとめているということを。

もちろん、独りよがり映画もありますが、
この作品は、とても丁寧でわかりやすく、感動できると思うんですけどね。

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　何といっても、地獄の描写が秀逸です。
　本当に汚い、病院の風景。不衛生なんてもんじゃありません。たとえ演技でもあの廊下を歩きたくないと思いました。
　そしてようやく出られた巷の、これまた荒れ果てた風景。
　その描写たるや、生半可な戦争映画に出てくる収容所なんてもんじゃありません。

　でも。初めの数人の段階からあんなに酷い環境に入れられるのは、今日び、いくらなんでも共感できかねる。犯罪者でもないわけだし。
　初めはそこそこ手厚いケア⇒入所者が増えるごとに反比例にサービスは落ちてきて、食糧の供給も途絶えがちになり、だんだん汚れてきて、地獄と化していくという方がリアルだったと思う。これじゃあ、失明どころかちがう病気に感染しちゃいます。
　ということで、感情移入という点では冒頭でつまずいた感が否めません。残念です。

　既に皆さんご指摘の通り、「見えない」という設定自体には、あまり意味はなかった気がします。
　逆にむしろこのドラマありきで、
�@集団的感染の中、ひとりだけ感染していないという設定を作りたい
�A感染した者は、非常に絶望的な状況に陥るのだけど、見た目には健康で自由に動き回れるような病気、という条件を満たす設定は何か？と考えたら、「盲目」だった。という気がします。

　絶対に続編を作らないでほしい作品ですね。このドラマはこれで完結、でいいと思います。この後の７人の行く末（特にダニー・グローバー）なんて観たくありません。

評価７６点（１００点満点）
ある日一人の日本人男性が信号待ちをしている時、突然視力を失う。こんな冒頭シーンから診察した眼科医に感染し、彼の車を持ち逃げした男も感染、すごいスピードでこの原因不明の失明症は広がってゆき、政府は隔離政策をとる。
確かにパニック・サスペンスとして捉えると、そんな馬鹿なという一言で終わってしまうかもしれないが、本作を一つの寓話だと考えれば、なんとなく納得させられる。
急に視力を失ったことで極限状態に追い込まれた人間の本性が醜くあぶりだされる。感染者を監視する正常な護衛兵もしかりである。
そんな中に一人だけ視力を保っている眼科医の妻（ジュリアン・ムーア）が存在しているところが本作のミソというところで、彼女の目を通して「見えない者」の「見える物」を写しだしている。
逆に言うと全員が「見えない」中に一人置かれた孤独感みたいなものも感じられる。
隔離病棟で起こる地獄絵図、最初はいたわり合っている人達が、いつしか人間性を失ってゆく恐ろしさ。そして外へ出れば、人類そのものが破壊されつつある状況、そんな中で「見えないこと」で絆を深めてゆくグループもあるわけで、その点少し安心させられる。
そして一人の視力が戻ったとき、今まで唯一人視力というアドバンテージでグループを先導してきた彼女が重荷から解放された笑顔が印象的。何故彼女だけが感染しなかったんだなんて考えんいほうがよろしいようですぞ。