遠すぎた橋

リチャードアッテンボローという監督は相当真面目でいい人なんだと思う。この人の作品は「ガンジー」「遠い夜明け」等観ても生真面目すぎて立派な映画というのは分かるが、面白味に欠けるのだ。教育映画を観ている様な気がする。ただ映画はエンターテインメントだとすればこの人の映画は退屈だ。本作も公開当時は１４大スターと銘打って大々的に宣伝していたのをよく覚えている。ただ「史上最大の作戦」「パリは燃えているか」もそうだがスターが大勢出ると得てして内容が散漫になって盛り上がりに欠ける傾向がある。本作も各スター達に見せ場を作ってやるのに監督が苦労して、その整理に精一杯でそれ故まとまりに欠ける。監督の生真面目さで淡々ときっちり撮った場面が過ぎ、このテの作品に絶対必要な、本来最高に盛り上がるべきレッドフォードの決死の河横断も何故か盛り上がらない。こういうのを観るとデビッドリーンという監督は何を撮っても作品に風格が有り、なおかつ面白さや盛り上がる術を心得ているなと改めて感心する。

この映画、マーケット・ガーデン作戦を知っている人には十分楽しめる作品なのですが、知らない人には『今流れているシーンはどこの話なんだ？』となります。手前から順番にソン橋、ナイメーヘン橋、アーンヘム橋（本当は5つですが）と紙に書いて道路（線）で結んだ地図を作って、映画を観ながらどこの話かを確認する必要があります。地図に俳優の名前も書き込むとなお良きかな。『映画を観るのにそんな面倒臭い事やってられない』という方は観ない方がいいでしょうね。
でも地図を片手に観るのと観ないのでは、評価が180度変わってしまう映画です。映画を観るなら観て良かった映画を増やしたいものです。また、この映画のストーリーを理解できたら、「バンド・オブ・ブラザーズ」がさらに楽しめます。

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　いや、何がいいんだかさっぱり。
　「橋が遠すぎたんだね」の一語でいいんじゃないのかな？
　ナチは悪モンなのは別にいいけど…。軍事戦略のマニアががんばって、作戦立てて前線の兵士が死んで、涙ぐましい彼らの勇気に士官が泣く。おろかな人は軍人になるな、という映画なのだろうか？
　第二次大戦のときの日本の陸軍はこんな感じだったのかな？海軍はアタマ良かったのだろうか？あんまり、軍事オタじゃないと、観ていてもつまらないね。

迫力もかなりなものですが、何よりもリアルさが良かった。
ＣＧや特殊撮影ではないと聞いて実際の迫力と壮大さは圧巻です。
連合軍にも馬鹿な政治家や将軍と言われる上官によって無駄な犠牲を強いられた現実が有ったのですね。
古今東西を問わず、いつも犠牲になり悲惨な目に遭うのは一般の庶民や普通の人達なんですね。
戦争がどんなに悲惨で無益なものであるのかを問う作品が数々有るにも拘らず、今でも戦争や地域の紛争が有るこの現実に人間の愚かさとエゴイズムが支配する人間の本能にやりきれない思いです。
評価としては９０点かな。

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当時の戦禍での連合軍の状況や、戦争が如何に政治的であるかということがリアルに表現されています。
本物の戦車が使用されただけあって、実にリアルな映像になっていますし、戦闘機の出撃シーンやパラシュートで降下するシーンは、まるで海の中のくらげを見ているようで、妙に美しく感じた。

キャスティングにいたっては、豪華キャストでこの上なく、若い往年のスターを見られるだけでも値打ちがあります。

第二次世界大戦の歴史を知っている人にとっては、史実通りなので目新しさはないかもしれませんが、「マーケット・ガーデン作戦」の予備知識を少なからず持って見るほうが、この作戦の無謀さや、無謀とは知りながらも、進軍せざる終えない状況などがリアルに理解でき楽しみも倍増すると思います。

それにしても、ＣＧや特殊効果の限られた時代の作品であるので、全て実写になると思ってみると、当時(リバイバル）見て驚いた印象とはまた違った、感動を覚えました。

当然のことながら、主役級以外の名もない兵士たちは、映画の中でもゴミのように吹き飛ばされて、役としての「一巻の終わり」を迎えますが、現実の戦いでも「終わり」ます。つまり「死」を迎えます。
「橋は遠すぎた。」という言葉の中には、多くの兵士の「死」は込められていたのでしょうか？