恋愛睡眠のすすめ

よってきれいな結末を期待するとがっかりします。そういう意味では、（いつか途中からちょっとだけ見ていつかはちゃんと見ようと思っていた、）「エターナル・サンシャイン」によく似た空気感を持った映画と言えるでしょう。そりゃそうか、監督同じだもんね。

その空気感ですが、テーマでもある「夢と現実の境界線がわからなくなる」という演出の世界観に見事にハマりました。おかげで、いったいどこまで夢の話でどこまで現実の話なのか最後まで混同してしまいました。おそらく監督のもくろみ通りでしょう。どうみても安っぽいパッチワークやフェルトで作った小道具、パペットアニメーションが違和感なく実写とミックスできている辺り、監督の力量を感じます。


夢の中では誰もが主役になれる。夢の中なら数えきれないほど告白して数えきれないほどデートしてるのにね。でも、なんで現実だとうまく行かないんだろ？そんなことを感じた経験のあるヒトは少なくないはず。そんな思春期に抱いていた頃にタイムスリップできます。
でも。。。そこから抜け出さないとね。僕らは現実世界に生きてるんだから。そこまであえて描かなかったんでしょうが、それがやっぱ「これでいいの？」って思ってしまいました。

これを見る時には細かいところを気にせずにゴンドリー・ワールドに浸ることをオススメします。かなり笑えるポイントもありますよ。

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とっても素敵な映画でした！！！
わたしは劇場で観たのですが、こういう作品が人々の目に触れれば、もっと平和な世の中になるんじゃないかと思うくらい、人間らしい素直な気持ちになる映画です。

”夢見がち”で実際に夢と現実の区別がつかなくなってしまうステファンが、隣人のステファニーに恋をして、その気持ちどころか、住所まで偽って、つい嘘をついてしまって…でも大好きでどうしようっ！！っていう必死さが、可笑しくてかわいらしいんですよね。

ステファンの夢の世界（これ、ものすごいヘンテコです）を垣間見ながら、はじめて暮らしたパリでの夢と現実がオーバーラップして、彼を取り巻く人間関係も描かれていて、映画を観ながらクスクスゲラゲラ笑っているうちに、すっかり引き込まれてしまうオリジナルワールド。
好き嫌いはあるかもしれないけど、個人的にはこれを笑って一緒に観れる人と恋人になりたいものです（笑）

最後まではっきりしないステファン、なんだか暖かさをかもし出すキュートなステファニー、ふたりの気持ちが小さく衝突！して、ふたりはこうやって離れられなくなるのかぁ、なんて嬉しくなったりして、最後まで存分に楽しめました。

いちばん好きな場面は、ステファンの上司がパンクの格好して満足気なところ！！！大きな手も捨てがたいけれど…。

不思議な話でした。

「ヒューマンネイチュア」「エターナル・サンシャイン」に続いてこの監督の長編映画３作目になる作品ですが、３作とも同じ監督の作品とは思えないそれぞれ違った感じがします。今作もあまりフランスっぽくなかったですね。
ガルシア君のつたないフランス語や英語のせいかもしれませんが、監督自身が前２作でアメリカでの映画作りがあったのかもしれませんね！
夢と現実がふくそうする手法はありきたりだしやっぱフランス語を話せないガルシア君にはフランスと言う設定があっていなかったのでは？引っ張りだこの彼ですが、「天国の口、終わりの楽園」や「アモーレス・ペロス」みたいな役の方が合っていますね！

前２作が好きだっただけに期待した分、もう一つの映画でした。

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まだ、私が受験勉強をしている頃、寝ながら頭が良くなる、
睡眠学習法・・・なんてのが雑誌をにぎわしていたこともありました。
脳は眠っている間も活動している・・・それも、普段使っていないところが。
ってのが、その広告の中にかいてあったような記憶があります。
睡眠中の脳の中って、なんだかミステリーです。

映画の冒頭に、クッキングコーナーのように、夢の作り方、を
ガエル君がみせてくれるんだけど、そうそう、そんな感じ！
昔から心の引き出しに隠してるものと、今日さっきみたものと
見たと記憶さえしてないパラパラとめくった雑誌の一行、とかを
鍋にぐちゃぐちゃにして、夢はできあがっているみたい。

この主人公は、自意識がすごく強い。
その自意識が思い描く理想の自分と、
現実の自分とのギャップが大きくなればれば大きくなるほど、
夢の世界に現実逃避してしまうようで・・・

うまくいかない仕事。
うまくいかない恋愛。
しょうがないから、夢の世界に逃避行。
でも・・・
夢の世界で、現実世界を軌道修正してくれればいいけれど、そういうわけでもなく。
コントロールできないのが夢の世界・・・
逆に夢の世界が現実世界に浸食してきて、
うまくいくものも駄目にしていくから、さぁ、大変。

ミッシェルゴンドリーだから、夢の世界の描き方が半端じゃない。
クラフト感にこだわりつつも、かわいい狂気がそこかしこに。
ステッチのきいたフェルトの動物たちが動き出す。
段ボールのクルマに乗って、ゴダール映画の主人公になっている。
泳ぐように、空を飛んでいる。（私もこうやって空を飛ぶ夢をみるのです）
そうそう、夢の世界ってこんな感じ！
この夢の世界をみるだけでも、この映画を見る価値はあるでしょう。
夢の数だけ、楽しめます。

かれらの現実の世界がうまくいかなくても、うまくいっても、
もうどうでもいい。ずっと、その夢の世界にいさせてほしい・・・
と、私は映画が終わるのがさびしくて、さびしくて・・・
とうとうDVDを買ってしまいました。苦笑

ミッシェルゴンドリーの脳の中をのぞいてみたような、
そんな気分をあじわえる、かなりプライベートをさらけだした映画です。
なさけなくって、いいです。
実世界でおつきあいするのは、結構大変だけど、
神経症的な男性、嫌いじゃないです。