ふたりの５つの分かれ路

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主人公夫婦二人が離婚するところから物語が始まり、二人が付き合いだすきっかけになった最初の出会いまでどんどんと遡っていくストーリー構成になっています。原題の通り、キーポイントとなるタイミングが５ヶ所あり、その５ヶ所で二人の気持ちが離れていったりすれ違ったり・・・という二人の心の揺れを描いています。

２ヶ所目・３ヶ所目のところまでは正直言って、「今回のオゾン作品はやっちゃったかな・・・？」とか思っていたのですが、最後のシーンで完全にひっくり返されました。本当にすごい作品です。この作品のような描き方や考え方をすれば、世の中の愛すべてが永遠でいられるんだ・・・と感動してしまいました。フランソワ・オゾンってやっぱりすごい才能の持ち主です。

日本語タイトルは非常に思わせぶりですが、原題はただの『5×2』。観終えてみてどっちが相応しいかと言われれば間違いなく原題の方ですね。


★ヨーロッパ映画通信というブログやってます。
ameblo.jp/antonioni/

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男女の些細なすれ違いに、あ〜、あるかも知れないと思わず頷いてしまいそうな映画。
　離婚から出産、結婚までは、男の無神経さや都合良さは、妻マリオンが可哀想な気もしたが、同性ゆえに夫の気持ちも分かる気もした。ただやっぱり男にとっては立ち場悪い映画だなと思いながら観ていた。
　ラストの出会いまで進む（戻る）と、そうでもない、誘惑してる女性にも原因があるなどと思えて、ちょっとホッとする。まあこの映画はどちらに原因があるのかを問うている訳ではないのでしょう。

　本当に小さなことから始まるすれ違い。たとえば皿の洗い方が違うとか。ちょっとしたことの積み重ねなのでしょうか。そういうごく普通っぽいことを、時間を遡ることによって変化を付けながら見せています。その辺が本作のユニークなところ。コミカルと言っても良いかも。男性と女性とでは、感じ方が違いそうな映画です。
　途中に挿入されている音楽も心地よかった。

　オゾン監督はフランス的な微妙な心理変化を描きながら、アメリカ的なサービス精神も感じられて、そういう意味では観ていて飽きない作品になっていると思います。わりと好きな監督さんです。

私は時系列を遡って語られるのが苦手です。最初に観たものを忘れてしまうからです。あの時どんな表情していたっけなあ・・・？どんな言葉かけていたかしら・・？？などなど。

このカップルに関して言えば、男性がすごく子供っぽいように思えました。仕事人間ですけど、性格はちょっと少年のような・・。それを受け止める女性としては、４年付き合って結婚も考えていたあの女性のほうが合っていたのかもしれないです。倦怠期に突入するも、第３者の登場によって燃えるような夜を過ごし・・。年下のきれいな女性では、彼を受け止め切れなかったかもしれないです。全くの私見ですけど。。

　フランス映画では女優さんはよく脱ぐと思う。とても普通に生活を描いていることが多いからだと思うが、体は細いだけではなく胸もしっかりあって緩やかな曲線を描いている。ドレスもよく似合う。若くはないが表情がきれいだった。
　過去にさかのぼっていくこの映画の構成にどんな効果があるのかよくわからないが、こういうタイプの映画ならいくつでも見たいと思う。深く感動したりはしないけれど音楽もとても気に入ったし、物語には驚くようなエピソードもあったし退屈はしなかった。
　私自身まだ新婚なので夫婦のあり方はよくわからないが、ある夫婦の歴史を綴った映画で冒頭で別れを決意しているが男性に未練があるように女性側にも本当は受け入れる余裕があるのではないかと思う。私も妊娠中なので夫に出産の際逃げられては許せる自信はないけれど。

どんなに劇的な出会いをしても、感情は冷める。夫婦って忍耐なのかー。離婚直後にセックスしてわかれるってのも、いやーな感じが良くでてました。