悪魔を見た

「悪魔を見た」って。

婚約者を殺されて犯人に「同じ地獄を見せてやる」と復讐鬼と化したスヒョン（イ・ビョンホン）か、快楽殺人犯のギョンチョル（チェ・ミンシク）か、対比するどちらの中にも「悪魔」が見えるって事なのかもしれないけど、2時間以上に渡る復讐劇ですがなんかイマイチだったな・・・。最後がさ・・・。

犯人に同じ苦しみをと犯人のギョンチョルをストーキングしながら痛めつけては放り出すを繰り返すスヒョン。その方法は思わず「イテテ・・・」と言っちゃう様なプチ拷問で、身内を殺されたスヒョンの慈悲の無さをしつこく表現していて、だんだんと増殖する心の中の「悪」が垣間見れる。この辺は結構面白い。

どんなに痛めつけられても欲望のままに行く先々で殺人や暴行を繰り返し異常者ぶりを見せつけるギョンチョルに人間的な部分が無く、悪魔と呼ぶにふさわしい人間。チェ・ミンシクってやっぱり上手いな。自分以外はどうでもいいか、ただの欲望の対象物と思ってる彼。

どっちが悪魔って言われれば、私的には鬼畜なエロ悪魔ギョンチョルの方が悪魔度が高いと思います。

ただ、ラストの部分で死刑執行人になるのは誰かというところで、どっちが悪魔かって見せたかったんだと思うけど痛みや苦しみの部分でもっと徹底的にやってもらいたかった。

復讐劇って最後はスッキリしてもらわないと、と思うんですがなんかしっくりいかないモノが胸に残る終わり方で・・・。これが悪魔の仕業ですかね？

重いタイトルの割には印象に残らない映画でした。

そしてそんな悪魔のような男を執拗なまでにとことん痛めつけて
これでもかこれでもかとジリジリと追い詰める男がいた。
ビョン様演じる捜査官スヒョンだ。
婚約者を殺され、バラバラにされ、捨てられたことで
心には復讐しかなくなる。
犯人には愛する女性が味わった苦しみと同じくらい
いやそれ以上の苦しみを与え、まさに生かして殺す。
激しく殴打した後、犯人ギョンチョルの手首の骨を折り
追跡カプセルを飲み込ませ、お金まで置いて彼を泳がせる。
ギョンチョルは懲りずにまた犯罪を繰り返そうとする。
そこに踏み込み、また更に痛めつけて、半殺しにするスヒョン。
それでもまだ殺さない。

『これは始まりにすぎない、もっと苦痛を味わえばいい』

そういってまたギョンチョルを逃がす。
すぐ殺してしまえばよかったのに、それをしなかったために
新たな犠牲者が大勢出てしまうわけで
そこはかっこいいビョン様でも、ちょっと許せない。

生まれながらの悪魔であったギョンチョルと
愛する人を失ったことで、悪魔と化したスヒョン。
悪魔を見たとは、この二人のことなんだろう。
それにしても、バイオレンスシーン、グロシーン、汚物のシーン、
韓国映画はパワフルに描いていて圧倒される。

144分の長尺にも拘わらず、気付いたら終わっていた・・ってほど釘付けに。
その理由は、情け容赦ない暴力描写。
あまりのヴァイオレント具合にひいちゃう人も多いはず。でも、そのパワフルで理不尽な暴力なしでは成立しない映画。

復讐がさらなる復讐を呼ぶ復讐劇なんだけど、ストーリーやテーマに着目して観るタイプの映画ではない感じ。とにかくひたすら続く暴力の激しさと残酷ぶりに圧倒される。
その暴力がまたリアルに痛々しくて、自分がその痛みを受けているかのように感じて、思わず顔を歪めてしまう。洋もののスプラッタ映画などとは違う、生々しさがモロだしな残酷描写。

シリアルキラー役のチェ・ミンシクのド迫力な演技力も、この作品に観る者を引きずり込む。
本当の殺人鬼って、こんな風に無表情に無感動に機械的に惨殺するんだろうな…と思わされた。

とにかくグロい残虐シーン満載でセクス描写もエグくてかなりなので、そーゆーの苦手な方は観ない方がいいでしょう。観ていて気持ち悪くなった、嫌悪感を覚えたというご感想をよく聞くので要注意。
それ以外の方にはお勧めしときます。思わず見入っちゃう、韓国ヴァイオレンスならではのダークサイドなパワーと強烈な勢いがある。

スプラッター映画が苦手な方は見ない方が良いです。
婚約者を惨殺された国家情報員捜査官スヒョンの復讐劇。

見ていて「怒り」を覚えた。
復讐するならバッサリやっちゃって！！！
「ジワジワと苦しめる」なんて生ぬるい事をやっているから他の人が犠牲になるのよ（怒）
ま〜それじゃ映画にならないけど・・・

エグくてイラッとする映画です。

ラスト・・・スッキリして欲しかったのに
残酷としか言い様のない終わり方です（泣）

　韓流グロテスク、久々の注目作品です。しかしこのグロテスク、これはやりすぎでしょう。作品自体、稚拙で大味な印象を受け、韓流グロテスク独特の緻密な展開、そしてサスペンス・スリラーの醍醐味というものが感じられない、見られない。
　「オールド・ボーイ」に見られるような、練りに練った構成・脚本から来る衝撃度、人物描写の奥深さ。「チェイサー」に見られるような、全編にわたる一本スジの通った緊迫感、スリル・サスペンスの醍醐味。といったものが感じられない、見られない。
　そこに見え隠れするのは、怖いもの観たさ・グロテスク観たさといった、人間心理・観客心理を利用して、作品の中に引っ張り込むという、あざとい・小賢しい手法のみ。と言えば、言い過ぎでしょうか。
　下ネタで笑いをとるのと同様、エログロで観る者を作品の中に引っ張り込むのは簡単です。しかしそれは、熟練の世界では、禁じ手となるはずの手法です。当作品は、意図してか、せずか、結果としてこの禁じ手を使ってしまったが故に、熟練し・熟成し、独自のステータスを誇る韓流グロテスクとは成り得ず、ただ単にグロテスクな作品として終わっている。と言わざるを得ないでしょう。
　イ・ビョンホン、そして何よりもチェ・ミンシク、御両人共に上手いだけに残念です。
　韓流グロテスク、久々の注目作品でしたが、本当の意味での韓流グロテスクには、成り得ず。また、「殺人の追憶」・「オールド・ボーイ」・「チェイサー」等と比べ、明らかに１ランク・２ランク劣る、韓流グロテスク久々の注目作品。といったところでしょうか。