レ・ミゼラブル

素晴らしい！！
舞台を何度かブロードウェイで観ました。
若干、お話が舞台とは違うところもありますが、舞台もプロデューサーによって、変わるので、そこは本当に楽しめました。
Hugh Jackmanがジャン・バルジャンを演じてますが、さすが、トニー賞俳優、抜群の歌唱力と演技力です。
役者はみんな超一流どころなので、どれだけ歌えるのか、というのが楽しみでした。
エポニーヌ役が二転、三転、と配役変更があり、サマンサ・バークスに落ち着きましたが、お見事ですよ。
テイラー・スイフトから逆転して配役決定しただけある。
しかもこの役一番おいしい役だよね。
Amanda Seyfriedがかすんでみえた。
Amanda Seyfried、今回歌唱力があまり発揮できなかったように思う。
売れっ子になると違うのか、とさえ思った。

Eddie Redmayne もこんなに歌えるとは。
顔もますます好きになるわ〜。

Anne Hathawayも頑張ってます。
歌に関しては、 Russell Croweと並んで微妙だった。
もちろんうまいんだけど、ちょっと、微妙。オスカーおめでとう。


Sacha Baron Cohenと Helena Bonham Carter、お笑いパート担当でいいんだけど、この宿屋のシーンもなが〜い


衣装も素敵です。途中だるくなったところもありますが、見ごたえある一本です。根底にあるのは「愛」ですよ。

リーアム・ニーソン主演の「フライト・ゲーム」で、彼の「レ・ミゼラブル」（1998）に触れ、それがミュージカルという誤ったコメントを書いてしまいました。
1998年版は、ビレ・アウグスト監督、リーアム・ニーソン主演ですが、シリアス・ドラマで、ミュージカルではありませんでした。
お詫びいたします。

ミュージカルは、この2012年版でした。
ジャン・バルジャンを演じ、歌うのは、ヒュー・ジャックマンです。

どうか、ご寛恕のほどを……。

以下、この2012年版について、慎重に書かせていただきます。

昔のミュージカルでは、スターは演技をし、歌は吹替という作品がありました。
ヘップバーンの「マイ・フェア・レディ」、ドヌーヴの「シェルブールの雨傘」、ナタリー・ウッドの「ウエスト・サイド物語」のことです。

もちろん、歌えるスターがいて、ジュリー・アンドリュース「サウンド・オブ・ミュージック」、ライザ・ミネリの「キャバレー」があります。

最近は、吹替はなくなったようです。
演技が達者で歌も上手い俳優たちが続々、ハリウッドに集まってきているのでしょう。真田広之、渡辺謙もそうだ。

また、ウディ・アレンの世界中がアイ・ラブ・ユー」のような手法もある。下手で結構だ、という裏技。

この映画で、特筆すべきは、まず、アン・ハサウェイです。（前半）
主役の、孤児で未婚の母ファンティーヌを演じています。
モントルイユ市長ジャン・バルジャンの工場で働いていた美しい女工の役。
彼女は、一人娘のコゼットを「知人」に預けていたが、４年後、娼婦になり、今は病の床にある。
落ちていく女の役をアン・ハサウェイは短髪で好演し、名唱を聴かせてくれる。

ジャン・バルジャンは、フォンティーヌに約束する。コゼットを守り育てることを。
が、彼は再び投獄され、フォンティーヌは病死する。

ジャン・バルジャンは、複雑な男だ。
パンを盗んだ罪で19年服役し、出獄後、ただひとり温かく受け入れてくれた司教の銀器を盗む。
司教は彼を守り、彼は更生する。成功し、工場主となり、市長になる。
ここで、フォンティーヌに会う。しかし、投獄され、脱獄・収監を繰り返す。罪深い男だ。

ジャンを演じるヒュー・ジャックマンは、この複雑な役を演じ、歌が上手だ。ハイ・バリトン。
ジャンに影のようにつきまとい、追い詰めるジャベール警部を、ラッセル・クロウが演じている。彼も、ハイ・バリトンだ。
アンやヒューに比べ、歌は上手ではないように思える。そう見せている。
けれども、ラッセルの「囚人は逃げている」という歌は、名唱だ。それまで抑えていた心情が、はじける。

ヒューも、ラッセルも、オーストラリア出身だ。

預けられたコゼット虐待するテナルディエ夫人を、ヘレナ・ボナム・カーター。
成人したコゼットをアマンダ・サイフリッド。
彼女に魅かれる、貧しい弁護士マリウスに、最近、注目されているエディ・レッドメイン。彼は完璧なテノールだ。

合唱の一人一人は、専門の声楽の学習をした若者で、この映画の集団劇で、威力を発揮する。

最近、わが国でも、芸大の声楽科を出た優秀な人材が、オペラではなく、ミュージカルの世界に行くことが多いという。

そのほうが、稼ぎが高く、早く有名になれる。
世の流れだろう。

しかし、飽きられるのも早い。

エディ・レッドメインの眼と歌に魅かれたので、「グッド・シェパード」をこれから、見よう。

名作だから一応借りたけど、本も読んだし内容知っているだけに、少し覚めた目でみてしまったかもしれない。いちいち歌い出すからめんどくさい。どうでもよいシーンでも歌い出すし、同じ歌詞繰り返すから本当にめんどくさい。早送りしまくって観た。内容は本とミュージカルとアニメとだいたい一緒。歌うシーン削ってくれ。

ミュージカルを映画化した作品。私はミュージカルの方に行ってから観るべきだと感じました。
映画だと「なぜ、演技せずに歌うの？」って思っちゃう。
その点、コーラスラインが気にならなかったのは、現場がまるっきりミュージカルだから、かな。
昔から「ああ、無情」として有名だったこの作品。
一つの舞台にしてしまうと、色々なところを省略しちゃうでしょ。
それにミゼラブルそのものも舞台化によって浄化されてしまうのではないでしょうか。
映画だから下水管の汚さは視覚的には伝わるのですが、その臭気や不潔感は伝わってこないでしょう。
やはり、ミュージカルでの各場面を実際に体験し感動しておかないと、同じシーンを観て追体験する方がベターでしょう。
小さい頃に読んだ原作のイメージに凝り固まった頭からは、やはり、登場人物にはスピーチ（英国王ではありませんが、）してほしいな、と感じました。

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ミュージカルの『レ・ミゼラブル』、舞台は昔観ました。
『夢やぶれて』『オン・マイ・オウン』『民衆の歌』は一度耳にするとしばらく心から離れないミュージカルナンバー。
舞台を観ながらその歌声に鳥肌が立ち、今も忘れられません。
今回この映画では全編台詞が歌、さらに同時に撮影するという事の驚き。
ヒュー・ジャックマンをはじめとするキャストがやりたいと本心から思い、オーデションを受けたといいます。
キャストの豪華さもこの映画の見所。すべてのシーンが見逃せないほどです。

特にアン・ハサウェイが演じるファンテーヌが愛する娘のために身を落としていく様はあまりの悲しさに胸が痛みます。
そして高まった感情を吐き出して歌い上げる『夢やぶれて』の迫力。彼女の歌声も素晴らしかった。
髪を本当に切りリアルさを追求したアン。髪を切った後、思わず泣いてしまったと言ってました。

ミュージカルの舞台で１番私の心を震わせたのは『オン・マイ・オウン』だったんですが、映画でも期待を裏切らない歌声で素晴らしかった。
この切ない恋にも胸をつまらせてしまいます。
ジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマンも誰もが知ってるこの有名すぎる役を見事に演じきっていて、重圧は凄かったんではないかと想像します。
映画の冒頭に現れたヒュー・ジャックマンの姿を見た時のその衝撃、これがあのヒュー・ジャックマンかと目を疑ってしまいました。
不条理な社会への恐ろしいまでの憎悪の気持ちがその表情に感じられ、彼がそのあと出会う司教によって気付かされ、正しき道を歩んでいく勇気。
悲劇的な物語ではあるけれど、愛がたくさん詰まっています。

身が震える感動を経験してるミュージカルも素晴らしいけれど、今までとは違うミュージカル映画として作られたこの映画も臨場感にあふれていて良かった。
キャストの皆さんに拍手！観終わったあと、好きな歌のシーンをリプレイしました。
あーまた歌が聴きたい。。。ついつい返却しそびれる・・・