ウィンターズ・ボーン / ジェニファー・ローレンス
ウィンターズ・ボーン
/デブラ・グラニック
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全体の平均評価点: (5点満点)
(53)
解説・ストーリー
サンダンス映画祭でのグランプリ受賞をはじめ各地の映画祭で評判を呼んだインディーズ系クライム・ヒューマン・ドラマ。残された家族を守るため、行方不明となった父を捜して危険な裏社会へと足を踏み入れていく少女の姿を描く。主演はハリウッド期待の新星、「あの日、欲望の大地で」のジェニファー・ローレンス。監督はこれが長編2作目の新鋭デブラ・グラニック。ミズーリ州の貧しい寒村で病気の母と幼い妹弟と暮らす17歳の少女、リー。とうの昔に家を出ていた父が、自宅を保釈金の担保にしたまま失踪してしまい、自宅差し押さえの窮地に陥っていた。そこで彼女は、自ら父を裁判所へ出頭させるため、その行方を追って危険な裏社会へと乗り込んでいくが…。
サンダンス映画祭でのグランプリ受賞をはじめ各地の映画祭で評判を呼んだインディーズ系クライム・ヒューマン・ドラマ。残された家族を守るため、行方不明となった父を捜して危険な裏社会へと足を踏み入れていく少女の姿を描く。主演はハリウッド期待の新星、「あの日、欲望の大地で」のジェニファー・ローレンス。監督はこれが長編2作目の新鋭デブラ・グラニック。ミズーリ州の貧しい寒村で病気の母と幼い妹弟と暮らす17歳の少女、リー。とうの昔に家を出ていた父が、自宅を保釈金の担保にしたまま失踪してしまい、自宅差し押さえの窮地に陥っていた。そこで彼女は、自ら父を裁判所へ出頭させるため、その行方を追って危険な裏社会へと乗り込んでいくが…。
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「ウィンターズ・ボーン」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
サンダンス映画祭でのグランプリ受賞をはじめ各地の映画祭で評判を呼んだインディーズ系クライム・ヒューマン・ドラマ。残された家族を守るため、行方不明となった父を捜して危険な裏社会へと足を踏み入れていく少女の姿を描く。主演はハリウッド期待の新星、「あの日、欲望の大地で」のジェニファー・ローレンス。監督はこれが長編2作目の新鋭デブラ・グラニック。ミズーリ州の貧しい寒村で病気の母と幼い妹弟と暮らす17歳の少女、リー。とうの昔に家を出ていた父が、自宅を保釈金の担保にしたまま失踪してしまい、自宅差し押さえの窮地に陥っていた。そこで彼女は、自ら父を裁判所へ出頭させるため、その行方を追って危険な裏社会へと乗り込んでいくが…。
「ウィンターズ・ボーン」 の作品情報
「ウィンターズ・ボーン」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ウィンターズ・ボーンの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
100分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
10DRJ20594 |
2012年04月03日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
37枚
|
0人
|
0人
|
ウィンターズ・ボーンの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
100分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
10DRJ20594 |
2012年04月03日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
37枚
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ユーザーレビュー:53件
生き抜く
投稿日:2012/02/19
レビュアー:TOMY
「十代は爽やかでいいな」などと呑気なこと言ったら「甘ったれんじゃね〜っ」ってぶっ飛ばされそうな17歳の女の子が出てきた。
この世の中には、実は珍しくない家庭なのかも。
映画全体の印象は、「フローズン・リバー」を思い出す。
シンとした冷たい空気、樹々の多い森の中での暮らし。
父は失踪。
母は病。
今日も食べないといけない。
小ものなら、猟くらいやる。
まさに「食べるため」には何でもやる。
親戚、近所。
人はみな顔見知り。
暴力とも隣り合わせ。
閉鎖的な世界で生きてる。
逃げ場はない。
視野は広がらない。
ここを守らないといけない。
ここで生きないといけない。
17歳のせいいっぱい。
12歳と6歳のきょうだいも居る。
なぜ自分はこんな状況なんだろう?
世の中には何の苦労もなく生きてる人も居るのに、
などと考えてる暇なんかない。
守るものがある。
希望を失くすことはできない。
しようとできない。
守りたい人がいる。
ずっしりと重い、ハードな内容。
じわじわとした気味悪さが追いかけてきて、サスペンスとしても観られる。
だけれど、シンプルな言葉しか出て来なくて申し訳ないけれど、生きる力を感じる、力強い作品。
ぜひお薦めします。
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3人の会員が気に入ったと投稿しています
凍りついた冬の世界に小さな灯りがともる
印象的なのは、ジェニファー・ローレンスの冷めきった瞳。オスカーを獲った『世界にひとつのプレイブック』も観ましたが、個人的には本作の方が彼女の魅力をよく顕わしている気がしました。なかなかこういう独特のオーラを持ち合わせている女優はいないし、順調に育っていってほしいです。
大人びた、というよりは、大人の役目を務めることを余儀なくされた少女、リー。
馬を手放すのも、父を探すのも、その過程で「会わない方が身のためだ」と言われた人物に会おうと試みるのも、すべて自分の判断だ。
それは大人たちにとっては、逆に子ども特有の大胆さであって、うざったい。と同時に、ある意味、脅威でもある。
彼女は、そんな大人たちの動揺に気づかない。とにかく必死だからだ。
「森を売れ」という伯父の言葉に迷い、「今回だけはお願い。どうしたらいいか教えて!」と、何も答えてくれるはずのない母親の前でとうとう弱音を吐くシーンには、17歳にとって重すぎる決断を迫られたこの少女があまりに不憫で、胸がしめつけられるようだった。
そんな少女リーに、一族の大人たちが最終的に下した判断は、意外にも優しいものでした。きっと彼女を大人扱いしたのでも、子供扱いしたのでもなく、荒んだ自分たちの世界とは別にある、1個の自立した存在として認めたからだと思います。
清々しいラストシーンに、ようやく暗く凍りついた冬にぽっと小さな灯りがともったような気がしました。
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2人の会員が気に入ったと投稿しています
前が見えない現実
私はこの終わり方は好きじゃないので、☆2つです。
ドキュメンタリーならOKですが、映画でこれはなしにしてよ、と。
誰も助けてくれない。働きにも行けない。妹、弟もいる。母親は精神を病んでる。
行政も助けない。親族たちは敵。
現実はそれでもゴミでもたべて生きてる人々はいるとおもう。
たとえば、貧困国とかはそうでしょう。
でもこれはアメリカの映画。
アメリカも貧困地域はあるし、餓死する人もいる。
ホームレスは冬を越せない人が多い。
でも、映画なんだから、解決策というか、助言や夢を見る人に与えてほしかった。
これじゃあ〜、不愉快になるだけ。
この監督は何を見る側に訴えたかったの?
こんな社会が人々がアメリカにもあるよ。ということ?
なんか、もやもやムカムカして終わりました。
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凍てつく骨の白さ
投稿日:2012/04/22
レビュアー:ひろぼう
いかにもサンダンス映画祭選出といった印象が強い作品で、インディペンデントとして、身近な題材を制作者の強い思いで語っていますね。
ミズーリーの寒村で男が行方不明となり、その男の娘、17歳のリーが父を探すことで、隠されている犯罪の全容が明らかになっていく物語は、閉鎖的で排他的な村社会の仕組みを暴くのが主題で、ミステリー仕立てで鑑賞者の興味を引っ張っていきます。村の描写が極めてリアリスティックで、廃材や廃車が家の近くにごろごろ転がってるすさんだ暮らしぶりや、多くの人の営みであろう養畜や狩猟の実際という、寒々とした風景を淡々と描写します。
リーは、心を病んだ母と、弟に妹と家族の面倒を一人で見る健気な少女ですが、向こう気が強く、親戚や村の有力者の忠告を無視して突っ走ります。そのため、あちらこちらで衝突を繰り返し命の危機にさえさらされますが、突っ走るのを一向に止めようとはしません。リーが弟たちに狩猟のイロハを教えるシーンがありますが、リーも同じように父に教えられ、それがいつしか生き方になったのだと思いました。リーたちの日々の暮らしは狩猟と同じで、常に立ち向かって闘わないと生きられないほど厳しいのでしょう。男社会で、極端な教えを受けて育ったリーの荒々しい生き方。周りの大人にまともな者はおらず、軍隊に入り家族を養おうとしたその時、徴兵係からかけられた言葉にどこか嬉しそうに従うリーの姿に、本当は父からこの言葉を聞きたかったのだと思いました。子を守り、正しい手本として生き方を示すべき親のあり方を考えさせられました。また、意地悪くリーに敵対する女たちが、最後には協力するのも男社会への反発からの団結なんでしょうね。
物語のクライマックスでは激しい慟哭をあらわにするリーですが、終始淡々としたクールな表情を崩しません。敵の一族の不気味さやアンチヒーローな叔父さんの、キャラクター設定の特異さは際立って映えていますが、殺伐とした風景ばかりが続いてしまうのには、インディペンデントとしての製作者の主張が強すぎると思います。これが物語としての娯楽性を阻害しており、登場人物への感情移入のしやすさまで邪魔して、よく出来ているとは思うがメッセージは心に響きませんでした。新人監督さんがもう少しだけ肩の力を抜いて、リーの心象風景の挿入に時間を割けばもっと良くなったでしょうか。★3
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『ツイン・ピークス』のリアル&ネガティブ版?
気になっていた作品だけど、タイトルからしてどうも寒々しいダークな内容の感じがして長く敬遠していた。
アメリカの人里離れた山奥に住む白人マイノリティーの地域を舞台に、その因習と「掟」に縛られた閉鎖的な社会を描いており、やはりどうにもやりきれない気分になり、また気が重くなる内容ですね。日本ならこういった作品はだいたい殺人事件を中心にしたサスペンス・ミステリーもの(「金田一耕介」シリーズなど)になるんだけど、あちらでは地方部村落の冷厳な現実をそのまま描くことがよくあって、その評価はともかく、娯楽映画としての楽しみはねぇ...
なんかかつて観たような既視感をもちつつ見てたら、それがわかった。これはあの『ツイン・ピークス』に雰囲気が似ている。あの傑作のオカルト&カルト的な部分を除いて、もっとリアリティをもたせたドラマがこれだ。『ツイン・ピークス』もその自然環境とは裏腹に麻薬に侵された地方の小さな地域社会の暗部を描いているのだ。そしたら中盤あたりで、なんと『ツイン・ピークス』でローラ・パーマーを演じたシェリル・リーが出てきたじゃないの。こりゃなんか曰くをもたせたキャストじゃないかと思われた。
それにしても、アメリカではあれほど荒んだ人間関係の村社会がほんとにあるんですかねぇ...
住んでる人々は男も女もみな荒くれで無教養に見える。無邪気なのは子どもたちだけ。もちろん日本でも深地方へ行けば、古い因習と掟が残る村落は今でもある。しかし、あれほど荒んだ人間関係は表面上は日本ではそう見られないだろう。閉ざされた地域社会で血縁が濃くなっていることがあるかもね。サラブレッドでよく知られていることだが、インブリード(近親交配)は気性が荒くなる傾向があるのだ。そのかわり時折すごい名馬が生まれる場合もある。人間社会でこれが続けば、そりゃ不健全なコミュニティになっていくだろうね。
ジェニファー・ローレンスの演技はよいのだけど、これは映画化の是非を問われる作品と私には思われますね。
作者の伝えたいことはなんとなくわかるものの、小説と映画では求められているものがちがう。こうした冷厳な現実を映画化するなら、「真に伝えたいこと」は娯楽的な要素でうまくカバーする工夫が必要と思うんですね。
なんたって映画は、息苦しい現実世界から逃れ、その時間は別の世界にいられる娯楽の殿堂なわけだから。
このレビューは気に入りましたか?
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ユーザーレビュー
生き抜く
投稿日
2012/02/19
レビュアー
TOMY
「十代は爽やかでいいな」などと呑気なこと言ったら「甘ったれんじゃね〜っ」ってぶっ飛ばされそうな17歳の女の子が出てきた。
この世の中には、実は珍しくない家庭なのかも。
映画全体の印象は、「フローズン・リバー」を思い出す。
シンとした冷たい空気、樹々の多い森の中での暮らし。
父は失踪。
母は病。
今日も食べないといけない。
小ものなら、猟くらいやる。
まさに「食べるため」には何でもやる。
親戚、近所。
人はみな顔見知り。
暴力とも隣り合わせ。
閉鎖的な世界で生きてる。
逃げ場はない。
視野は広がらない。
ここを守らないといけない。
ここで生きないといけない。
17歳のせいいっぱい。
12歳と6歳のきょうだいも居る。
なぜ自分はこんな状況なんだろう?
世の中には何の苦労もなく生きてる人も居るのに、
などと考えてる暇なんかない。
守るものがある。
希望を失くすことはできない。
しようとできない。
守りたい人がいる。
ずっしりと重い、ハードな内容。
じわじわとした気味悪さが追いかけてきて、サスペンスとしても観られる。
だけれど、シンプルな言葉しか出て来なくて申し訳ないけれど、生きる力を感じる、力強い作品。
ぜひお薦めします。
凍りついた冬の世界に小さな灯りがともる
投稿日
2013/03/18
レビュアー
みみ
印象的なのは、ジェニファー・ローレンスの冷めきった瞳。オスカーを獲った『世界にひとつのプレイブック』も観ましたが、個人的には本作の方が彼女の魅力をよく顕わしている気がしました。なかなかこういう独特のオーラを持ち合わせている女優はいないし、順調に育っていってほしいです。
大人びた、というよりは、大人の役目を務めることを余儀なくされた少女、リー。
馬を手放すのも、父を探すのも、その過程で「会わない方が身のためだ」と言われた人物に会おうと試みるのも、すべて自分の判断だ。
それは大人たちにとっては、逆に子ども特有の大胆さであって、うざったい。と同時に、ある意味、脅威でもある。
彼女は、そんな大人たちの動揺に気づかない。とにかく必死だからだ。
「森を売れ」という伯父の言葉に迷い、「今回だけはお願い。どうしたらいいか教えて!」と、何も答えてくれるはずのない母親の前でとうとう弱音を吐くシーンには、17歳にとって重すぎる決断を迫られたこの少女があまりに不憫で、胸がしめつけられるようだった。
そんな少女リーに、一族の大人たちが最終的に下した判断は、意外にも優しいものでした。きっと彼女を大人扱いしたのでも、子供扱いしたのでもなく、荒んだ自分たちの世界とは別にある、1個の自立した存在として認めたからだと思います。
清々しいラストシーンに、ようやく暗く凍りついた冬にぽっと小さな灯りがともったような気がしました。
前が見えない現実
投稿日
2012/04/25
レビュアー
ミーナ
私はこの終わり方は好きじゃないので、☆2つです。
ドキュメンタリーならOKですが、映画でこれはなしにしてよ、と。
誰も助けてくれない。働きにも行けない。妹、弟もいる。母親は精神を病んでる。
行政も助けない。親族たちは敵。
現実はそれでもゴミでもたべて生きてる人々はいるとおもう。
たとえば、貧困国とかはそうでしょう。
でもこれはアメリカの映画。
アメリカも貧困地域はあるし、餓死する人もいる。
ホームレスは冬を越せない人が多い。
でも、映画なんだから、解決策というか、助言や夢を見る人に与えてほしかった。
これじゃあ〜、不愉快になるだけ。
この監督は何を見る側に訴えたかったの?
こんな社会が人々がアメリカにもあるよ。ということ?
なんか、もやもやムカムカして終わりました。
凍てつく骨の白さ
投稿日
2012/04/22
レビュアー
ひろぼう
いかにもサンダンス映画祭選出といった印象が強い作品で、インディペンデントとして、身近な題材を制作者の強い思いで語っていますね。
ミズーリーの寒村で男が行方不明となり、その男の娘、17歳のリーが父を探すことで、隠されている犯罪の全容が明らかになっていく物語は、閉鎖的で排他的な村社会の仕組みを暴くのが主題で、ミステリー仕立てで鑑賞者の興味を引っ張っていきます。村の描写が極めてリアリスティックで、廃材や廃車が家の近くにごろごろ転がってるすさんだ暮らしぶりや、多くの人の営みであろう養畜や狩猟の実際という、寒々とした風景を淡々と描写します。
リーは、心を病んだ母と、弟に妹と家族の面倒を一人で見る健気な少女ですが、向こう気が強く、親戚や村の有力者の忠告を無視して突っ走ります。そのため、あちらこちらで衝突を繰り返し命の危機にさえさらされますが、突っ走るのを一向に止めようとはしません。リーが弟たちに狩猟のイロハを教えるシーンがありますが、リーも同じように父に教えられ、それがいつしか生き方になったのだと思いました。リーたちの日々の暮らしは狩猟と同じで、常に立ち向かって闘わないと生きられないほど厳しいのでしょう。男社会で、極端な教えを受けて育ったリーの荒々しい生き方。周りの大人にまともな者はおらず、軍隊に入り家族を養おうとしたその時、徴兵係からかけられた言葉にどこか嬉しそうに従うリーの姿に、本当は父からこの言葉を聞きたかったのだと思いました。子を守り、正しい手本として生き方を示すべき親のあり方を考えさせられました。また、意地悪くリーに敵対する女たちが、最後には協力するのも男社会への反発からの団結なんでしょうね。
物語のクライマックスでは激しい慟哭をあらわにするリーですが、終始淡々としたクールな表情を崩しません。敵の一族の不気味さやアンチヒーローな叔父さんの、キャラクター設定の特異さは際立って映えていますが、殺伐とした風景ばかりが続いてしまうのには、インディペンデントとしての製作者の主張が強すぎると思います。これが物語としての娯楽性を阻害しており、登場人物への感情移入のしやすさまで邪魔して、よく出来ているとは思うがメッセージは心に響きませんでした。新人監督さんがもう少しだけ肩の力を抜いて、リーの心象風景の挿入に時間を割けばもっと良くなったでしょうか。★3
『ツイン・ピークス』のリアル&ネガティブ版?
投稿日
2020/01/12
レビュアー
哲郎
気になっていた作品だけど、タイトルからしてどうも寒々しいダークな内容の感じがして長く敬遠していた。
アメリカの人里離れた山奥に住む白人マイノリティーの地域を舞台に、その因習と「掟」に縛られた閉鎖的な社会を描いており、やはりどうにもやりきれない気分になり、また気が重くなる内容ですね。日本ならこういった作品はだいたい殺人事件を中心にしたサスペンス・ミステリーもの(「金田一耕介」シリーズなど)になるんだけど、あちらでは地方部村落の冷厳な現実をそのまま描くことがよくあって、その評価はともかく、娯楽映画としての楽しみはねぇ...
なんかかつて観たような既視感をもちつつ見てたら、それがわかった。これはあの『ツイン・ピークス』に雰囲気が似ている。あの傑作のオカルト&カルト的な部分を除いて、もっとリアリティをもたせたドラマがこれだ。『ツイン・ピークス』もその自然環境とは裏腹に麻薬に侵された地方の小さな地域社会の暗部を描いているのだ。そしたら中盤あたりで、なんと『ツイン・ピークス』でローラ・パーマーを演じたシェリル・リーが出てきたじゃないの。こりゃなんか曰くをもたせたキャストじゃないかと思われた。
それにしても、アメリカではあれほど荒んだ人間関係の村社会がほんとにあるんですかねぇ...
住んでる人々は男も女もみな荒くれで無教養に見える。無邪気なのは子どもたちだけ。もちろん日本でも深地方へ行けば、古い因習と掟が残る村落は今でもある。しかし、あれほど荒んだ人間関係は表面上は日本ではそう見られないだろう。閉ざされた地域社会で血縁が濃くなっていることがあるかもね。サラブレッドでよく知られていることだが、インブリード(近親交配)は気性が荒くなる傾向があるのだ。そのかわり時折すごい名馬が生まれる場合もある。人間社会でこれが続けば、そりゃ不健全なコミュニティになっていくだろうね。
ジェニファー・ローレンスの演技はよいのだけど、これは映画化の是非を問われる作品と私には思われますね。
作者の伝えたいことはなんとなくわかるものの、小説と映画では求められているものがちがう。こうした冷厳な現実を映画化するなら、「真に伝えたいこと」は娯楽的な要素でうまくカバーする工夫が必要と思うんですね。
なんたって映画は、息苦しい現実世界から逃れ、その時間は別の世界にいられる娯楽の殿堂なわけだから。
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