ワイルド・アット・ハート

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この映画の大ファンの知人がいる。
私もニコラス・ケイジは好き。
でも、、正直なところ、この映画の良さがいまいちわからない。。
知人は最後の歌のシーンが最高！と言っていたのだが・・・

リンチの作品では一番退屈。刺激が足りなかった。不気味さもなく。

リンチといえば、ハードなモチーフ。

しかしながら、確かに、この映画では、マルホランド・ドライブなどの背筋がぞわっとするような、特有の感覚は味わえません。

でも。
刺激に慣れ過ぎて、ゾクゾクする映画が見たいという気持ちがエスカレートしすぎていなければ、
これで十分異次元体験ができると思います。。

わけのわからない暴力、意図の不明な悪意、心身のどうしようもない不安定さといったこと。

薄暗いモーテルや、絶対にひとりで歩きたくない町並み、
そういった中で希望と絶望の本質は、結局なんなのだろうということを、ドキドキしながら考えました。

好きな映画です。
情けない、平凡な小さい人間でも、ワイルド・アット・ハート！のひとことを本気で実践することでいきなり誰よりかっこよくなれちゃいそうな…
いや、主人公たちは普通の意味ではイケテル若者なんでしょうがね。

そんな意味でも、こんな映画だけど、見た後の印象はファンタジー、でした。

デヴィッド・リンチ作品と言えば
不可解で不快でクセになる
めくるめく世界が広がるばかりなのですが
その中で唯一といっていい
わかりやすくシンプルなストーリーものが
「ストレイトストーリー」という作品。
というのが世間の常識ではないでしょうか
しかし、実はこの作品も
ストレートでわかりやすいラヴストーリー
相変わらずのリンチワールドが広がりつつ
幹となるストーリーは単純そのもの
ただし登場人物がイカレてる「リンチ印」であるのは間違いないので
そのキョーレツな行動と個性の印象が
他の不可解不快な
めくるめくリンチワールド作品と一緒にされている要因だと思います。
再鑑賞してみると
初鑑賞時には見えなかった
感じられなかったことにたくさん気づき
中々味のある作品だなぁと評価が上がりました。
まず何と言ってもニコラスでしょう。
若さだけが暴発して
シャープでもなければキレもない
そのダサさが絶妙にカッコイイ
ヘビ革ジャケットでカンフーダンスのような動きで
踊り狂う姿は
何とも言えない色気がありました。
中途半端にハゲだしている感じもまた
色気となっております。
そしてウィレム・デフォー
狂気で笑気のデフォーここに在り
忘れられないスマイルで
存在感をこれでもかと示しました。
リンチ作品と言えば、な
ワールドの住人も多数出演
この作品が公開されたのは
丁度「ツインピークス」と同時期なので
「ツインピークス」でリンチにハマった人間には
たまらないキャスティングでした。
ツインピークスの住人があちらこちらだもの
キャスト探しという見方も楽しそうです。
サントラもツインピークス風な曲が使用されていたり
物語の雰囲気も似てたりと
まるで世界観を共有しているかのような印象です。
特に屋内のシーンの感じなんか
ツインピークスって言われたらすんなり受け入れられるぐらい
兄弟作品とまではいかないまでも
いとこ作品ぐらいの位置づけであってもいいと思います。
そんな中
中盤のニコラスの歌唱シーンや
ラストシーンにはうっとりせずにはいられません。
これはとてもグっとくるシーンですね。
なんせニコラスのプレスリー好きは有名
プレスリーの娘と結婚した程ですからね（笑）
そんなニコラスのスウィートヴォイスが堪能できます。

なんだこらって感じのアウトローの与太話。ストーリーは、あることはあるけど、特になにもない展開。

愛の物語なのかな？？愛を感じなかったけどね。ただヤりまくってるだけだったし。中途半端なオズの魔法使いの挿話はなんやねんって感じ。コメディ？なんかなぁ？？