美しすぎる母

作品としてはイマイチだったかも。

母親の異常さはよく伝わってきたけど、狂気にいたる息子の心情変化やその過程がスッとばされてる感じがして、母親殺しも唐突な印象。
「家族」という身近で重いテーマな実話なのに、実話という感じがしなかったのはなんでだろう？
「間違った人生を歩んできた」と漠然ともの想うだけの息子の意志薄弱さと浮遊感のせいだろうか。

何もしなくていい快楽を追求するだけの優雅な生活って、退屈で人間性を腐らせる部分があるんでしょう。
働こ（笑）

暗く重く悲劇的。正に負の三重奏という感じでした。
事実を描いているという点が何と言っても衝撃的です。
それにしても、ジュリアンは“悲劇に耐える女性”役をよく見るけど、雰囲気がそうさせているんでしょうか。
結局息子の人生って何だったんだろう…

この作品は、原題が「SAVAGE GRACE」となっています。よって、邦画タイトルから想定した内容とは違うものと考えたほうがいいです。ただし、「ブギー・ナイツ」のジュリアン・ムーアが好きな方は、満足のいく内容です。

お金持ちの夫婦と、その一人息子をメインキャラにしたドラマです。モラルや理性をSAVAGEにざくっと無視していく話の展開にはおもしろさを感じました。

世界中に家を移っていく生活に、スタイリッシュな雰囲気も味わえて、スペクタクル的にも嫌いではないです。

何か大きな期待をして観賞するものではないので、ご注意ください。

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この邦題はおかしいと思う。
美しすぎる母、って関係ないし。

実話を基にした映画ということですが、非常に救われない映画です。

しかも、倫理観がおかしい。

上流社会の倫理観とかではなく、この Julianne Moore演じるバーバラの神経衰弱ぶりが異常である。

上流階級に憧れてたんだろうね、きっと。
最初のほうに、出てた家政婦のようなニニという女性が、バーバラの実母だったのね。
最後まで気がつかなかった。

旦那のブルックスは、生れながらのセレブ。
この人のほうが、全然常識的に見えるよ。

まあ、息子のデート相手と、妻と離婚して一緒になったのは、ちょっとどうかと思うが、このビアンカというスパニッシュの女の子は可愛いもんね。
納得。賢そうだし。
お似合いです。

息子トニーは Eddie Redmayne。
このひと最近大活躍だよね。
一度見たら絶対忘れないルックスなんだけど、いろんな映画で重要な役をやってます。
この役は、なんかあってるよね。

夫に去られたバーバラが、息子と二人で暮すんだけど、息子はもともとゲイであり、バーバラの友人、サムとも関係する。
このサムに Hugh Dancy。
私、結構好きなんだけど、この役はびっくり。
サムは、バーバラとも関係がある。
ここまで来たら、もうめちゃくちゃなのに、さらに。トニーとバーバラも近親相姦。

気持ち悪いなあ。

この日本版のポスターのドレス、こんな柄なんだけど悪趣味だよね。
血に染まったみたいに見える。
これをポスターにしちゃう配給会社もえげつないよね（笑）

映画の絵的には結構好きな感じなんだけど、内容が、もう凡人にはついていけなくて。
すごく長く感じました。

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なんだか全然入り込め
ない映画。
母親のバーバラ目線で見るか、息子役のアンソニー目線で見るか。
おそらく、この映画を見た人には伝わると思うのだけど、どっち目線で見ればいいのかわからないままに終了する。もしくは、バーバラ目線で見ていたら、話の内容が息子になってきて、息子目線にした時には終了していた。という結果だと思う〜。
実際、あたしは母親役目線で見なきゃなのかなと思っていたら、結局息子のお話になってきて、あれ？と息子目線で見ていて、入り込む前に話が終わった。
なので、全然面白いとも思えなくて。。。

いまいち入り込めなかった理由はまだある。
作りものの夫婦関係をずーっと続けていたのに、取られたことで激怒するけど、それなら昔からそういういざこざを表面化するような感じでもいいのでは？
息子が狂っていくのは結果的によくわかるのだけど（そんな状況だから）、映画の中では彼の精神がズレていくところがまるで描かれていない。「そうだろうな・・・」と思うからいいけど、少し間違えれば、突然おかしくなったとも受け取れるような・・・。

なんだか中途半端な映画に思えた。

「美しすぎる母」という題名は、おそらく息子目線でのことで、彼にとってはいろんなことを小さなころから見てきて、外に向かってふるまっている母が「美しく」見えると同時に、自分に足りないものを彼は母の中に見つけたのだろう。だから彼にとっては母親がまぶしくて「美しすぎた」のかもしれない。
ということで、「美しすぎる母」なんだろうか。

どっちにしても、背徳的ならそれはそれでいいから、もっときちんと作ってほしい。いい役者を起用しているのだから。