エンジェルス・イン・アメリカ

これって、原作者はゲイ？ゲイの人って変わったイメージ想像力を持っていて、不思議。やたらと屁理屈っぽい、難しい単語を使ってウダウダ喋るのもゲイ。
これって本物のゲイでしか作れない話じゃないかな？

それと、ユダヤ教、カトリック、モルモン教（うーん、これはちょっと異端ｍカルトすぎるけど）の信仰する神は、「同じ」ですよ。無知な人はこういうのを機会に勉強しましょう。ちなみに、イスラム教の神も同じだよ。

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エンジェルス・イン・アメリカ　Vol.3

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エンジェルス・イン・アメリカ　Vol.1

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エンジェルス・イン・アメリカ　Vol.2

（その1は、Vol.3のほうに書いてます。）

人形の芯となる発泡スチロールを太いカッターでざくざく刻みながら丸三日繰り返し、繰り返し見たのが、この戯曲のテレビシリーズ化された「Angels In America」だった。経済界の黒幕、マフィアすれすれの悪漢ロイ・コーンを演じるアルパチーノに見入り、文字通り七変化でクローゼットゲイの息子を持つ母親から、通りすがりの浮浪者というちょい役まで演じたメリルストリープの無駄に美味い演技にももちろん魅せられたのだけれど、それでも結局あたしを釘付けにし、一枚終わると次のＤＶＤをまた入れさせたのは、荒唐無稽な演出やＮＹという街の持つ抗いがたい魅力ではなく、一人一人の人間が必死に生きる生き様、それだけだったと思う。このドラマの中で好きなキャラクターはたくさんいるけれど（これだけ暗くて嫌な設定の映画の中で珍しいことのようにも思う）、特に気に入っているのは、メアリー・ルイーズ・パーカーの演じるゲイと知らずに結婚した夫の不可解な言動に悩まされ、心を病んでゆく妻ハーパー。設定だけ書くとえらく暗いけれど、実際、暗い。暗いといいながら、ハーパーは一見ちっとも悩んではおらず、ケロッとして夢の中で女装のダンサーと夫がゲイであるかもしれないという話をしたりする。暗いけれど、深刻になりきれない。問題と真っ向から向き合えない。向き合えないけれど、それでも問題はあちらからやってくるから、薬漬けになり、悪夢を見ながら次々にばっさばっさとなぎ倒してゆくしかない現実がそこにある。心の病のからくりの一部がそこにも潜む気がしてくる。

もう一人の好きなキャラクターは、主人公カップルを見守る（というか、野次を飛ばす）ベリーズという黒人青年。視覚的にはもっとも分かりやすい、オネエ系のお尻の振り方のお美しいタイプのゲイキャラクター。分かりやすいけれど、もちろんクシュナーの描く人物はそれだけのものではなく、随所に濃い毒を撒き散らす。アル・パチーノの演じる悪漢でホモフォビア（実はゲイ）のＨＩＶ患者がありとあらゆる手で手に入れ隠し持つ特効薬を友人のためになんの躊躇もなく盗む。彼が亡くなったときに「これで友達が助かる」と喜ぶのみ。中途半端に悲しんだりはしない。その逞しさを私は羨み、そのまま自分の中に取り込めたらと。むりなのに。あたしはあたしの中途半端さで生きてゆくしかないのに。

この映画にはレズビアンが一人として登場しない。男性のゲイとヘテロ男女のみ。今おもうと呆れた偏りなのだけれど、それをこれほど好きと思うのはなぜなのか。確かに私はクローゼットゲイの犠牲者たるへテロ女性ハーパーに思いいれを感じるけれど、同時にそこにあるいはあたし自身に逃げ場を見出しているのかもしれない。なにしろレズビアンであるという自覚がないのだから。DVD boxを買って楽しんでいるthe L Word（Lの世界という邦題がどうにも馴染めない）だけれど、誰に共感を覚えるかといわれると、物語の始めにはただ一人へテロであって、次第に女性との恋愛を知ってゆくジェニーの、ジェンダーアイデンティティと無関係なトラウマに強く頷いている。

では結局あたしはセクシュアリティの問題を棚上げして逃げているのだろうか。
以前から思っていたことは変わらず、セクシュアリティは数多くある問題のひとつに過ぎず、365日一日中それについて考えているわけにはいかないのだ、ということ。そして、セクシュアリティについて一度も考えたことのない人とは話をとてもしにくいけれど、それ以上に、逆にほぼ毎日それについて考えている人とは、おそらく喧嘩するしかないだろうということ。

なにを云いたいのか分からなくなってきた。あたしの中で重要な位置を占めている問題に違いはない。けれど、同時にそれはtrivialなことでもあり。。。いや違う。trivialなことにしてゆきたいのだ。あまりに多くをそれに費やしてきたという意識があるから、こうなる。
今のあたしはハーパーや、ジェニーのように「自分のものではなかったはずのsexual minorityの壁」に否応なしに向き合わされる女性に心を沿わせることで、なにか得られるものがあるのかどうか。私に恋人がいなかったらどうだろう。タラレバは無意味なのに、また考えてしまった。