ＫＩＲＩＫＯＵ　キリクと魔女

懐かしいようで実に新しいアニメでした。
シンプルだからこそ普遍を感じるデザイン。とてもわかりやすいけど決してわからないストーリー。上質な絵本を堪能したときのような心地よさにはほんと参りました。

母親のお腹からとっても小さなキリクが自力で出てくる冒頭でもうやられてしまいました。あとはもう、軽快なリズムとストーリーにただただのっかっていくだけでした。これほどまでに、最初から最後までずっと作品で描かれる架空の異界にどっぷり浸かってたなんて経験は、最近じゃほとんどなかったんじゃないかな。それほどまでに、この世界は新しいんだけどしっくり来る。

ラストがまたすばらしい。安易な勧善懲悪でもなく、だからって悲劇では終わらない。歴史だったり、現実社会だったり、哲学だったり、なんだかいろんなことを考えてしまうとても奥行きの深い作品でございました。

フランスの有名な作曲家にドビュッシーやフォーレやラベルやサティがいますが、共通する美しさを感じました。

アフリカの方向に独自の美意識、感性を感じます。
きっと他の文化でも見られるのでしょうね。

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ずっと見たいと思っていたアニメの１つ。とても良かったです。

まさにアンリ・ルソーの世界…！！
色鮮やかな世界にうっとりとしてしまいました。
アフリカの豊かな大地を思わず彷彿とさせる色使いの中で、
黒いシルエットが映えて、とても美しかったです。

「どうして魔女は意地悪なの？」
小さくて力のないキリク。
１人で生まれてきたキリクは、１人で魔女の秘密を探っていきます。
小さな彼の武器は知恵と勇気。時には孤独に苛まれながらも、自分の疑問を
解決するために進んでいきます。
最初子供たちや村の人は小さな彼を相手にしません。
そんな時でも母はけしてキリクを甘やかさずに淡々と真実を説いていきます。
そして次第に周囲の人たちが彼の持つ人一倍の勇気と知恵に気づいていきます。

人は見た目に捉われて本質を見失いがちです。
小さなキリクは自分の小さな体について悩みながらも進んでいき、
ようやく辿り着いた山向こうでお爺さんに言われます。

「おまえは小さいからここまでこれたのだ。」と。

小さい事はキリクのコンプレックスだと思います。
しかしコンプレックスも気持ち次第で自分の最大の武器へと変える事が
できるのだということが伝わってきました。
キリクが美しく成長し、皆をひきつける存在へと変わっていく姿は、
努力の果てに悩みながら立派に成長した証だと思いました。

私には知恵と勇気を武器にした素敵な生き方がキリクを通して見えました。
人の生き方を描いた大人のテイストのアニメだと思います。

いよいよ６月・・・梅雨入りも間近、木々の緑も美しさを増し、日差しが眩しい良い季節ではありますが・・・ちょこっとばかり暑さの厳しい日々が続きすぎなのでは・・・（汗）・・・まあ、それならそれでＤＶＤ観賞＆「ＤＳ」三昧の毎日に磨きをかけるきっかけとしましょうかね（笑）・・・あ、あらあらまたまた関係のない草道はこの辺で止めて、えっと、話をレビューに戻しましょうね、はい（苦笑）ｗｗｗ・・・さて、ではこの作品のレビューはこちらからど〜〜〜ぞ♪♪♪↓↓↓・・・
このような摩訶不思議な秀作アニメがフランス作品に存在していたなんて今更ながら今回初めて知った（９８年→知らなかったよ、この頃は）・・・はい。冒頭から出会う影絵のようななんとも言い表し難い人物画と色鮮やかな美しい背景色の融合は、今までには見たことも無いようなキモかわいい雰囲気と怪しさを醸し出して、観るモノを一瞬にしてこの独特な変てこな世界に引っ張り込む。はい。生まれたばかりのキリクが魔女退治に挑む冒険モノかと思わせておいて実は、大人ぶる大人の汚れた矛盾、したたかさ、弱さ、卑怯さを見事に描き上げている。何故魔女は意地悪なのか？？？この純粋な疑問は、物語の展開と共に、本当に意地悪なのは誰なのか？？？という点に辿り着き、やがて、ひどいめに遭わされたと口走る村人たちの集団心理の傲慢に目をむけざるを得なくなる。生まれたばかりのキリクに対する「自分の方がなんでも知っている」という年配者の持つ驕り、口出しするキリクを「知ったかぶり」と見下して自分の知識を誇示しようとする知識人の弱い感情＋嫉妬心・・・例えあげれば限りなく描かれる大人感情の汚れを、それが世の中というもの、と、分かったつもりになればなんの発展もない。魔女だけではなく、村人（集団）も変わらなければなんの解決も無い・・・そのことをキリクの暴走とも思える勇気ある行動が指し示していく。もちろん強いばかりではないキリクの言動も見逃せない。闘いの途中途中で結構「疲れたぁ・・・」と言って眠りだしてしまうキリクがかわいいと思え、微妙なリアル感に何故かほっとしてしまう・・・疲れも弱さも見せない「頑張り系キャラ」が最近の世間風潮のようだが、逆にそういうキャラには人間味を感じないんだなぁ・・・私的に・・・ロボットみたいで・・・（苦笑）・・・結局、眠ったり、休憩したり、時にはさっさと窮地から逃げ去ってしまうキリクを、意外に応援してしまうのでした。失敗をいちいち失敗として捉えていたらキリがない、自信につながろうがそうでなかろうが、限りある時間を自分の好き勝手しほうだいの方法で一つ一つ乗り切るだけ。成功か失敗かは一人一人が自分で決めて進むもの。そのことを小さいキリクが教えてくれる。アンテナを無理に広げなくても純粋なモノは自然とココロにどんどん響くよ。はいはい。肝心のラストはもちろん省略いたしますが、とにかく、ワクワクしながら最後まで完食できるおいしい点も多々ありますし、逆にリアルに怖〜〜〜い点も印象にしっかり残る甘いだけじゃあない秀逸品でございます。はい。私的に気に入った超おすすめ作品ですね♪♪♪それほど長〜〜〜い作品ではありません、なので、ぜひ×３チェック＆よろしく、お願いお願いいたせます☆★☆・・・

私は葛飾北斎の描く空の色（青や赤の不思議なグラデーション）が好きで、キリクを観たとき「これは北斎じゃないか！」と直感したのでした。あとでホームページで確認してニンマリ。やっぱりオスロ監督は来日して墨絵を勉強していたのですね。
ストーリーは最後のほう（お祖父さんによるトゲの解説）でちょっとフェミニズムっぽいところが好きではないけれど、その他はとても楽しめるし、映像や音楽（カラバやスカンクの呪術的なテーマ）とか秀逸です。ちょっとしばらく頭から離れない感じです。