飢餓海峡 / 三國連太郎
全体の平均評価点: (5点満点)
(48)
解説・ストーリー
水上勉の同名推理小説を内田吐夢が映画化。「砂の器」と並び、日本映画の傑作と称される。東映が監督に無断で編集した167分版と、監督自身の手による183分の完全版がある。昭和22年に青函連絡船沈没事故と北海道岩内での大規模火災が同時に起きる。火災は質屋の店主を殺害し金品を奪った犯人による放火と判明。そして転覆した連絡船からは二人の身元不明死体が見つかった。それは質屋に押し入った三人組強盗のうちの二人であることが分かる。函館警察の弓坂刑事は、事件の夜に姿を消した犬飼多吉という男を追って下北半島へ赴く。
水上勉の同名推理小説を内田吐夢が映画化。「砂の器」と並び、日本映画の傑作と称される。東映が監督に無断で編集した167分版と、監督自身の手による183分の完全版がある。昭和22年に青函連絡船沈没事故と北海道岩内での大規模火災が同時に起きる。火災は質屋の店主を殺害し金品を奪った犯人による放火と判明。そして転覆した連絡船からは二人の身元不明死体が見つかった。それは質屋に押し入った三人組強盗のうちの二人であることが分かる。函館警察の弓坂刑事は、事件の夜に姿を消した犬飼多吉という男を追って下北半島へ赴く。
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「飢餓海峡」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
水上勉の同名推理小説を内田吐夢が映画化。「砂の器」と並び、日本映画の傑作と称される。東映が監督に無断で編集した167分版と、監督自身の手による183分の完全版がある。昭和22年に青函連絡船沈没事故と北海道岩内での大規模火災が同時に起きる。火災は質屋の店主を殺害し金品を奪った犯人による放火と判明。そして転覆した連絡船からは二人の身元不明死体が見つかった。それは質屋に押し入った三人組強盗のうちの二人であることが分かる。函館警察の弓坂刑事は、事件の夜に姿を消した犬飼多吉という男を追って下北半島へ赴く。
「飢餓海峡」 の作品情報
「飢餓海峡」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
飢餓海峡の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
183分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DRTD02101 |
2004年02月10日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
23枚
|
6人
|
1人
|
飢餓海峡の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
183分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DRTD02101 |
2004年02月10日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
23枚
|
6人
|
1人
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ユーザーレビュー:48件
悲劇の再会
投稿日:2018/08/13
レビュアー:趣味は洋画
飢餓海峡(1965年、日本・東映、モノクロ183分)
日本映画の3指に入る大傑作と思っている。
「今の若い人」...こう記すこと、或いは、そう言葉に出すこと自体に、ある意味嫌悪感を覚える。
とは云うもの、この映画は「昭和」を生き抜いてきた人でなければ、映画の神髄には迫れないし、理解し難いであろう。
1954年(昭和29年)9月26日。
北海道岩内町で、市街地の8割が焼失するという大火が発生している。
同じ日、津軽海峡において青函連絡船「洞爺丸」が台風の影響により遭難・沈没、死者・行方不明者1155人という大惨事が起きている。(ウィキペディア調べ)
本作「津軽海峡」は、この2件の事件・事故を題材に、水上勉の推理小説をもとに映画化された。
監督は内田吐夢、音楽は冨田勲、脚本は鈴木尚之が務めている。
設定は戦後間もない昭和22年となっている。
北海道岩幌町で質店強盗が発生、大金を強奪した犯人は一家を惨殺し、証拠を消す為放火する。
一方、猛烈台風の影響で青函連絡船層雲丸が転覆、多数の死者が出る中、函館警察署は身元不明の2遺体を発見、乗船名簿に該当者がなかったことから、弓坂刑事(伴淳三郎)は質店強奪犯の仲間割れで殺害されたものと断定、主犯と思われる犬飼多吉(三國連太郎)をマークする。
10年後、犬飼は樽見京一郎と名を変え、京都府舞鶴市で事業家として成功していたが、犯行直後に青森県下北で大金を渡して一夜を共にした遊女、杉戸八重(左幸子)が彼を訪ねてくる...。
わざとモノクロの16ミリフィルムを使用し、さまざまな映像処理を施すことによって、登場人物の心理の陰影を巧みに表現している。
ストーリーの鍵を握っているのは、左幸子演ずる杉戸八重であろう。厳しい境遇におかれ、何とか窮地を脱したいと願う八重にとって、見知らぬ客から大金を貰うことなど夢のような話だ。八重は犬飼への恩義を忘れない。
心理の陰影と書いたが、八重は10年後、とある新聞記事を目にする。なんと犬飼多吉であろう人物の写真が掲載されているではないか。このときの八重の驚愕の表情は、まさにモノクロ映像ならではの極みだ。
三國連太郎の迫真の演技にも驚かされる。
青森の大湊で八重に出会ったときの表情、10年後、まさか八重の訪問を受けるとは思いもしなかったときの表情、この落差は言葉に言い表せない。
犬飼多吉もまた貧困に生き、だからこそ八重の境遇が理解できた。
貧困から脱却し、事業家として成功した暁には、その地位を手放すことを恐れた。
いや、10年前の自身の心理状態に立ち戻ることに恐れをなした...それだけなのだろうか。
上述の主要出演者のほかにも、さまざまな女優・男優が脇を固めている。
沢村貞子、加藤嘉、風見章子、藤田進、山本麟一、八名信夫、亀石征一郎、等々。
戦後日本の貧困、それ故に、運命に翻弄される人々。
ラスト、青函連絡船における洋上のシーンには言葉を失った。
そして、数十年ぶりに再見し、私はすっかり「昭和の人」になってしまった。
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
左 幸子という女優。
左 幸子という女優を、この映画で初めて知った。
とりたてて美人というわけではない。女優というには、少々もったりしている。スタイルも抜群とは
お世辞にも言えない。でも、この飢餓海峡という映画には、この左 幸子演じる杉戸 八重という女ぬきには
成り立たない。八重の、もしかしたら常人には理解できないほどの、一人の男への情念が、作品を貫いている。
ふとんのよじれるような動き、男の切り捨てた爪をみつめ身をよじる女。
これ以上になまめかしいものは他にない。
水没した船の死体の数が行方不明者の数より多いというエピソードは、今までにも様々な小説やドラマのモチーフとして
使われてきた。過去の事件が現在の事件に結びつき・・というストーリーもよくある。でも、3時間ほどの長尺で真新しくない
エピソードを、飽きさせずにじっくり見せるのは、杉戸 八重の人生を軸に2人の刑事と一人の男がよく描けているからだろう。
高倉 健の存在感もすごい。登場するだけで、ばっと画面が華やぐような不思議なオーラを感じた。高倉 健もとりたてて
男前とは思わないのだが、スクリーンの上で映える何かを持っているのだろう。
俳優陣の名演技が折り重なり、重厚なドラマになっていて見応えがある。
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
当時のリアリティが伝わってくる。
かなり以前にテレビドラマ化されていた作品を見た事があったが、この作品を見るのは初めてになります。
主演は先日、お亡くなりになった三國連太郎ですが、さすがに良い演技しています。
自分としては、年老いてからのキャリアのイメージが強い役者さんですが、この作品では若く、良く見ていると
佐藤浩市とやっぱり似てるな〜って思います。
三國さんの生い立ちから役者になるまでの生い立ちを見ると、これで1本のドラマが出来るんじゃないかと思うほどの
激動の人生を歩んで来ている事が分かります。
この作品の主人公の犬飼多吉も、極貧からのし上がった人物として描かれており、三國さん本人の歩んできた人生とも、
十分にクロスオーバーするのでは無いかと思う。
又この作品ですが、松本清張の「ゼロの焦点」とストーリーおよび構成が非常によく似ています。
どちらも戦後のどさくさで、のし上がった人物の過去の傷に絡んだ人間模様を描いた作品であり、
豊かになった現時点から、過去の暗闇より必死に逃げる人間像が上手く表現されています。
それは、三國連太郎の前半の演技と中盤、そしてエンディングの演技の演じ方の切り分けを見ると、非常に顕著に見えてきます。
この作品ですが三時間あります。
監督の内田吐夢は、この上映時間にこだわって東映と揉めたらしい、長すぎるとの意向から、当初は短縮したバージョンで公開されていた
との事ですが、こちらは完全版と言う事になります。
確かに、逃走中の犬飼多吉の様子や上京してからの杉戸八重を描いている部分等、少し長いのではと思える部分もありますが、
単なるサスペンスにはしたくないと言う監督の考えがあったのではないでしょうか。
このレビューは気に入りましたか?
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釣りバカの社長も昔はカッコイイ
とにかく今の重鎮俳優の昔の姿を楽しみましょう。とくに映像やストーリーそのものに凝ったところはないのですがシッカリと演技していてお薦めできますね。でも犯人は結局のところ根は良心の欠片を持つ善人だったのかな。そのあたりは最後に謎解きで描いていただければと思うのですが、わざと伏せておいたのでしょうか。あの観念したのか、机に突っ伏した短い時間に頭の中を巡っていたものは何か気になります。
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2人の会員が気に入ったと投稿しています
チョット重いかな?
投稿日:2009/01/06
レビュアー:ごりっぷー
冒頭からの北海道、青森から始まるドラマのせりふが分かりづらくとても暗い印象に思えてややテンションが落ちるが、配役に名の知れた重鎮が並び監督も山本監督でさすがに見終わるころには引き込まれる。
時間を感じさせない終盤の展開はさすがです。
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ユーザーレビュー
悲劇の再会
投稿日
2018/08/13
レビュアー
趣味は洋画
飢餓海峡(1965年、日本・東映、モノクロ183分)
日本映画の3指に入る大傑作と思っている。
「今の若い人」...こう記すこと、或いは、そう言葉に出すこと自体に、ある意味嫌悪感を覚える。
とは云うもの、この映画は「昭和」を生き抜いてきた人でなければ、映画の神髄には迫れないし、理解し難いであろう。
1954年(昭和29年)9月26日。
北海道岩内町で、市街地の8割が焼失するという大火が発生している。
同じ日、津軽海峡において青函連絡船「洞爺丸」が台風の影響により遭難・沈没、死者・行方不明者1155人という大惨事が起きている。(ウィキペディア調べ)
本作「津軽海峡」は、この2件の事件・事故を題材に、水上勉の推理小説をもとに映画化された。
監督は内田吐夢、音楽は冨田勲、脚本は鈴木尚之が務めている。
設定は戦後間もない昭和22年となっている。
北海道岩幌町で質店強盗が発生、大金を強奪した犯人は一家を惨殺し、証拠を消す為放火する。
一方、猛烈台風の影響で青函連絡船層雲丸が転覆、多数の死者が出る中、函館警察署は身元不明の2遺体を発見、乗船名簿に該当者がなかったことから、弓坂刑事(伴淳三郎)は質店強奪犯の仲間割れで殺害されたものと断定、主犯と思われる犬飼多吉(三國連太郎)をマークする。
10年後、犬飼は樽見京一郎と名を変え、京都府舞鶴市で事業家として成功していたが、犯行直後に青森県下北で大金を渡して一夜を共にした遊女、杉戸八重(左幸子)が彼を訪ねてくる...。
わざとモノクロの16ミリフィルムを使用し、さまざまな映像処理を施すことによって、登場人物の心理の陰影を巧みに表現している。
ストーリーの鍵を握っているのは、左幸子演ずる杉戸八重であろう。厳しい境遇におかれ、何とか窮地を脱したいと願う八重にとって、見知らぬ客から大金を貰うことなど夢のような話だ。八重は犬飼への恩義を忘れない。
心理の陰影と書いたが、八重は10年後、とある新聞記事を目にする。なんと犬飼多吉であろう人物の写真が掲載されているではないか。このときの八重の驚愕の表情は、まさにモノクロ映像ならではの極みだ。
三國連太郎の迫真の演技にも驚かされる。
青森の大湊で八重に出会ったときの表情、10年後、まさか八重の訪問を受けるとは思いもしなかったときの表情、この落差は言葉に言い表せない。
犬飼多吉もまた貧困に生き、だからこそ八重の境遇が理解できた。
貧困から脱却し、事業家として成功した暁には、その地位を手放すことを恐れた。
いや、10年前の自身の心理状態に立ち戻ることに恐れをなした...それだけなのだろうか。
上述の主要出演者のほかにも、さまざまな女優・男優が脇を固めている。
沢村貞子、加藤嘉、風見章子、藤田進、山本麟一、八名信夫、亀石征一郎、等々。
戦後日本の貧困、それ故に、運命に翻弄される人々。
ラスト、青函連絡船における洋上のシーンには言葉を失った。
そして、数十年ぶりに再見し、私はすっかり「昭和の人」になってしまった。
左 幸子という女優。
投稿日
2013/09/09
レビュアー
真
左 幸子という女優を、この映画で初めて知った。
とりたてて美人というわけではない。女優というには、少々もったりしている。スタイルも抜群とは
お世辞にも言えない。でも、この飢餓海峡という映画には、この左 幸子演じる杉戸 八重という女ぬきには
成り立たない。八重の、もしかしたら常人には理解できないほどの、一人の男への情念が、作品を貫いている。
ふとんのよじれるような動き、男の切り捨てた爪をみつめ身をよじる女。
これ以上になまめかしいものは他にない。
水没した船の死体の数が行方不明者の数より多いというエピソードは、今までにも様々な小説やドラマのモチーフとして
使われてきた。過去の事件が現在の事件に結びつき・・というストーリーもよくある。でも、3時間ほどの長尺で真新しくない
エピソードを、飽きさせずにじっくり見せるのは、杉戸 八重の人生を軸に2人の刑事と一人の男がよく描けているからだろう。
高倉 健の存在感もすごい。登場するだけで、ばっと画面が華やぐような不思議なオーラを感じた。高倉 健もとりたてて
男前とは思わないのだが、スクリーンの上で映える何かを持っているのだろう。
俳優陣の名演技が折り重なり、重厚なドラマになっていて見応えがある。
当時のリアリティが伝わってくる。
投稿日
2013/08/11
レビュアー
土豆
かなり以前にテレビドラマ化されていた作品を見た事があったが、この作品を見るのは初めてになります。
主演は先日、お亡くなりになった三國連太郎ですが、さすがに良い演技しています。
自分としては、年老いてからのキャリアのイメージが強い役者さんですが、この作品では若く、良く見ていると
佐藤浩市とやっぱり似てるな〜って思います。
三國さんの生い立ちから役者になるまでの生い立ちを見ると、これで1本のドラマが出来るんじゃないかと思うほどの
激動の人生を歩んで来ている事が分かります。
この作品の主人公の犬飼多吉も、極貧からのし上がった人物として描かれており、三國さん本人の歩んできた人生とも、
十分にクロスオーバーするのでは無いかと思う。
又この作品ですが、松本清張の「ゼロの焦点」とストーリーおよび構成が非常によく似ています。
どちらも戦後のどさくさで、のし上がった人物の過去の傷に絡んだ人間模様を描いた作品であり、
豊かになった現時点から、過去の暗闇より必死に逃げる人間像が上手く表現されています。
それは、三國連太郎の前半の演技と中盤、そしてエンディングの演技の演じ方の切り分けを見ると、非常に顕著に見えてきます。
この作品ですが三時間あります。
監督の内田吐夢は、この上映時間にこだわって東映と揉めたらしい、長すぎるとの意向から、当初は短縮したバージョンで公開されていた
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確かに、逃走中の犬飼多吉の様子や上京してからの杉戸八重を描いている部分等、少し長いのではと思える部分もありますが、
単なるサスペンスにはしたくないと言う監督の考えがあったのではないでしょうか。
釣りバカの社長も昔はカッコイイ
投稿日
2009/05/31
レビュアー
赤線上のマリア
とにかく今の重鎮俳優の昔の姿を楽しみましょう。とくに映像やストーリーそのものに凝ったところはないのですがシッカリと演技していてお薦めできますね。でも犯人は結局のところ根は良心の欠片を持つ善人だったのかな。そのあたりは最後に謎解きで描いていただければと思うのですが、わざと伏せておいたのでしょうか。あの観念したのか、机に突っ伏した短い時間に頭の中を巡っていたものは何か気になります。
チョット重いかな?
投稿日
2009/01/06
レビュアー
ごりっぷー
冒頭からの北海道、青森から始まるドラマのせりふが分かりづらくとても暗い印象に思えてややテンションが落ちるが、配役に名の知れた重鎮が並び監督も山本監督でさすがに見終わるころには引き込まれる。
時間を感じさせない終盤の展開はさすがです。
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