私が、生きる肌

登場している二人の母に焦点を合わせると日本受けするような感もしますが、・・・
アントニオ・バンデラスが倫理的に間違ってはいるが論理的な狂気に捕らわれた医者を、抑制を利かせて演じていると思います。
その一方で倫理や論理すら感じさせず、ただ悪に突き進む狂気の兄弟を生んだ母親の視点をもっと掘り下げてみればよかったのかもしれません。
しかし、そういったややこしいストーリー展開を避け、狂気に取り込まれていく科学が、最後は正気な一般市民によって修正されるのを期待したのかもしれませんが・・・。

この映画では何が言いたかったのか。ロベルは妻と娘、両方から拒絶され、受け入れられることがなかったのですが、妻は事故によって、娘は精神の病によって彼の看護下に置かれます。
彼としては二人を看護することでかろうじて関わりを持っていたのですが、二人とも自殺されてしまいます。
彼は結局、母性以外は女性を信じられなくなったのでしょうか。
女性であることを超越した形の彼の愛情を注ぐべき伴侶を得ようとしたのですから・・・・。

評価６４点(１００点満点)
世界的な形成外科医ロベルの屋敷に監禁されモニターで古くからこの家に仕えているメイド、マリリァが監視している美女ベラ、全身ボディーストッキングに覆われ、
ヨガなんかをやっている。ちよっと冒頭からナニコレという感じで、このベラという女性がロベルの死んだ妻ガルに瓜二つだということやロベル自身の出生に関わる
複雑な人間関係が徐々に明らかになって行き、そして６年前の出来事が後半にかけて映しだされ、そこで起こった驚愕的な事実を知ることになる。
ロベルの狂気、倒錯した愛情と歪んだ復讐がこのストーリーを創り出しているのだが、あまりにも非現実的すぎてちよっとついて行けない感じ。
話題のIP細胞の技術が進化すればこんなことも可能になるのかもしれないが、やはり悪趣味としか言いようがない。
スペイン映画でアントニオ・バンディスが抑えた感じの演技。映像もイマイチかなぁ。

いやあ、すごい話だった！
久しぶりに時間を忘れてハラハラしながら映画を見ました。
面白かった〜。
今まで見たペドロ・アルモドバル監督の作品の中で一番好きです。

しかし、あの女の人のきれいなこと。
ヨガをするポーズもしなやかで素敵です。
この人、前の映画の時はこんなにきれいだと思わなかったんだけど。

終わってから見ると、ジャケットも全然違う気持ちで見れる。
映画ってこうじゃなくっちゃね。
万人向けではないと思うけど、私は堪能しました。

バンデラスの何を考えているのかわからないあの顔が、物語に一層深みを加えていて良かったです。

ティエリ・ジョンケの「蜘蛛の微笑」を映画化。
形成外科医ロベルに監禁されている美女・ベラ。
ベラは、ロベルが開発した人工皮膚の被験者である。
しかも、彼の亡き妻・ガルそっくりに整形されているのだ。

本作の内容を全て把握したうえで視聴しましたが、やはり衝撃的というか、
「あー、変質者だわー」としか思えないです…
「狂気」「アンビバレンツ」のような一種カッコいい言葉で表したくないｗ

ベラが行う「ヨガ」と「部屋の壁」が泣ける。
彼女にとってヨガは、心の奥に「誰にも踏み込まれず、誰にも破壊されない場所」を作り、
「平和、静寂、自由」を得るためのものだった。
壁に書かれた細かな文字や絵も、彼女の心の均衡を保つためのものである。
彼女の過ちは、もう許されたのではないだろうか…

ロベルがベラを監禁し、人工皮膚の被験者にした理由はわからないでもないが、
彼女を愛し関係するに至っては理解の他だった。

ロベルの邸宅のインテリア、ドレスの色彩が美しく目を奪われました。

アルモドバル監督にしてはビジュアルにしても、内容にしてもエグくて衝撃度は高いです
正直気分悪くなりました

ネタバレ厳禁なんで書けないことが多いです

見終わってから考えると主人公のやっていることの意味がよくわからないところがあるんですよね
何のための実験だったのか復讐にしては、これがどういう復讐になっているのかわかりませんしね

女性目線で描いた作品が多い監督ですが、本作品に関しては女性の心を描いた部分は少なく、内容の衝撃度のほうが印象に残ります