マルホランド　ドライブ

それは昔、テレビで「エレファントマン」を観て感激し、劇場で「ブルーベルベット」を観て、なんじゃこりゃと思い、現在に至っている私なので、この映画は結構楽しめました。
レビュアーの皆様が書かれている通り、この監督はこういう映画を撮るんだと思って観たら、がっかりはしません。

でも、最近で言えば「ストレートスト−リー」しか観てない方が本作を観られたら、昔の私と同じ状況に陥るんだろうな〜

当たり前だけど、まぎれもなく『ツイン・ピークス』の世界観。
すごいです。
何がすごいって、いろんな人が出てきて、いろいろなことが起こって、
繋がってるんだかどうだかわからないのに、なんとなく観られてしまうこと。
でもさすがに、まとまらないままどころか、
終盤へ向かっているはずなのに、逆に謎が増えてきて、
これ、ちゃんとカタがついて終るのかーと不安になっていたら、
結局やっぱり頭の中を？？？に占領されて、１回めの鑑賞が終了してしまいました。

ってことで、ネタバレにしてる皆さんのレビューを読みました。
うーん。そういうことかー。
と、やっと意味がわかったような気はしたものの、
もう一度観て咀嚼できる自信がなかったので、
更に、Wikipediaでも検索して“デヴィッド・リンチによる10個のヒント”なるものを読んで、
気合いを入れ直して再挑戦しました。

そして、１回めと大差ない理解度でまた終ってしまいました。
ヒントすらどれのことだか見つけられたのは、３つ、いや２つ半…
それも、だから何なのかがわからなかったので、見つけた意味なし。
皆さん、大絶賛なのに。
わからない自分が悔しいですが、もう一度という気にはなれず、無念のリタイアです。

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デヴィッド・リンチが炸裂している作品。
監督の他に脚本も書いている作品がこの独特の世界感なのだが
本作もまさにそう。ツインピークスが好きな人にはたまらない作品。
ちなみに私はツインピークス大好きです。

現在、過去、未来、回想、夢とにかくごちゃ混ぜのような散りばめられていて
どれがどうなのか非常にわかりずらい。更には、ほとんど関係ないシーンまで
はさんであるのだから余計に混乱する。
しかし、リンチの作品の面白いところは必ずといっていいほどキーワードが
描かれていること。もちろん、一度観ただけではわかるはずもなく何度も観ないと
わからないし、全てわかったからと言っても解釈がまたいくつも存在する。
非常にやっかいな作品なんだけど、これ以上面白い趣向はないとも言える。

本作品は公開当時、１０の鍵があると言われていたらしく、オフィシャルサイトに
も掲載されていたらしい。私はこれを知って鑑賞に望んだのだが、すんなりわか
ったのは半分。半分はわからない。。。ｗ
しかもそれが何を意味し、どこへ影響するのかまで考えると実に複雑怪奇。

だけど、私はこの世界感は非常に好きでこの複雑怪奇な気持ちが心地よく
ワクワクしながら観てしまう。ゆえに本作も良作。
最低３回は観ないといけない作品ですけどｗ

ナオミ・ワッツ熱演してます。

ツインピークスのレンタル開始を記念して、リンチ作品をいくつか振り返ってみたい。

このマルホランドドライブなんて、ツインピークスを彷彿とさせる場面が何箇所も出てきたりする。ビロードの赤いカーテンを見るとゾクゾクするね。

この作品は、もともとテレビドラマのパイロット版としてつくられたものがお蔵入りして、その後新たに追加撮影されて映画化されたものだそうだ。完成版を見ると、そんな事情は微塵も感じさせない作品となっている。

よく「難解」だといわれてるし、私も正直言ってよくわからないんだけど、ストーリーがどうこうという以前に、とにかく登場人物がおかしくてしようがないので、そこだけ見てても十分楽しめると思いますよ。特に好きなのは、エスプレッソこぼすシーン、監督が妻の浮気を見てぶちきれるシーン、カウボーイが監督と話すシーン、間抜けな殺し屋のシーン…ですかね。…まあこれらのシーンがコミカルなのにはそれなりの理由があるというのが通説なのですが。

ＤＶＤの特典映像で、リンチがインタビューに答えているのですが、「難解なので解説してくれって？とんでもない。映像で全てを語りつくしているのにそれに解説を加えることなんて無駄なことだ。音楽に解説はいらないだろ。それと同じことだよ。」と言ってます。おっしゃるとおり、音楽を論理的に分析しても無駄なようにこの作品を論理的に読み解こうとしても必ず矛盾を生じます。

人は、一見不条理に思える難解な作品に出会うと、なんとか論理的な解釈を見つけようと必死になります。そして自分の解釈が正しいかどうかを確認するために何度も何度もその作品を見返すことになるのです。この論理の迷宮に迷い込む行為そのものが、リンチワールドに捉えられてしまった証拠なのです。

ようこそ、このけだるい目覚めることのない悪夢の世界へ。

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本作のレンタル開始当時、何の前情報もなく(しかもビデオレンタルで)観たので1回目は？？？の連続。鑑賞後色々調べたり見たり聞いたりしていた覚えがあります。
今回、久しぶりに観て他のレビュアーさんの見解なんかも読んで、前より少しは理解出来たかなと。
皆さん書いておられるように、前半はベティの「理想の夢」後半は「辛い現実」だと捉えます。［masamune]さんを始めみなさん素晴らしい「謎解き」をされているので少し違った視点から…

前半、車椅子(？)に座っている謎の人物とこの部屋、これはどう考えても「ツインピークス」からの流れかと。「ツインピークス」では主人公クーパー捜査官(カイル・マクラクラン)が見る夢にも出てきた赤いカーテンの部屋です。もちろん謎の人物も同じ俳優さんです。そして、本作では夢の中であろう謎の部屋、劇場のカーテン
リンチ曰く『カーテンは隠す事も、暴く事もする。背後に隠れているものがあるときには、とても美しい。想像力を掻き立てられる。でも劇場では、カーテンを開くとファンタスティックな幸福感を覚える。何か新しいもの、これから明かされるものを見る事になるんだ。』とか。
そして、泣き女が口パクで歌う「Crying」(スペイン語カヴァー版）は「ブルーベルベット」でも口パクで使われたロイ・オービソンの曲（ブルーベルベットでは「In Dreams」）こういった過去作品からも見えてくる繋がりをも楽しませてくれるあたりもリンチワールドを炸裂させてくれている。

私はこういった夢か現実かの境界線のあやふやな世界観は好きな所ではあるが、好みは分かれるかもしれない。
久しぶりに自分のリンチ熱に火をつけてしまったみたいだ。過去作品を順番に見直してみようかな。それにしても「ツインピークス セカンドシーズンDVDBOX」は何時になったら発売されるんだろう…(涙)