父、帰る

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オッス！おらイワンだ。

おらん家、なんだか大変だったんだ。いきなり父ちゃん帰って来てさ、旅に行こうって兄ちゃんと二人むりやり車に乗せられてさ、会ったおぼえもないおらに、自分のことパパってよべって言うんだよ。

おら、母ちゃんがすきだ。やさしいから。困ってるとたすけに来てくれて、だきしめてくれるんだ。でも、この男はちがうんだ。おこるばっかで、頭をなでてもくれない。おらのすきにさせてくれず、命令ばっかするんだ。きらいだよ。家に帰りたいって何度も思ったんだ。
でも、兄ちゃんはパパってよべたんだ。父ちゃんのこと少しでもおぼえてたのかな。でもなんだか、レストランでお金をわたさせたり、不良をなぐれって言われたり、みぞに落ちた車を出す時に運転まかされたりして、一人前の男としてみとめられてたのかな。何だかうれしそうだったんだ兄ちゃん。

横で知らないおっさんが言ってるんだけど、『子の成長をたすけたいとか、社会で生きることのルールを示してやりたかっただけで、ふつうの親子がいしきせずにやってること』って、よく分からないんだけど、そういうことなの。
『かざりも無いただの親子愛がぼくとつにかかれてる』って、いみわかんないよ。このおっさんも二男だから、おらの気持ちはよく分かるって言うんだ。

でも、おらも今ならよべるよ、パパって。

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久々に奥の深い良い作品に出会ったなと思いました。

多分多くの人が体験するであろう、親と子の心のすれ違い、そして親と子の間の愛情が、とてもリアルに描かれた作品です。

よくよく見てみると、何気ないひとつひとつの事が、次に起こる場面に繋がってくる。ラストで父親が息子の名前を呼ぶシーンは、まさに出だしの母親が息子の名を呼びながら梯子を上ってくるシーンと重なってきます。あの無愛想で、愛情表現の少ない父親も、また同じように子供を思っていたのだと・・・。でも真実に気づいた時にはもう手遅れってことも、人生の中にはいくらでもあって。

ハッピーエンドじゃないんだけど、ハッピーエンドじゃないところに現実味があるというか。この作品には謎の部分も多いけど、やっぱり謎が謎のままだからいいのだと思える。

とにかく、まるで誰かの日常の一部分をみているかのようにリアルで、美しくも悲しい（でもなんか悲しすぎない）作品です。
お勧め！！

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すぐに返したくて、夜中まで本編を観たのでメイキングを途中で止めてしまいました、後悔。。長男役の子、事故で亡くなっていたのですね。長男という役を凄くうまくこなしていただけに残念です。父親と弟の間で、どっちつかず・・分かるな〜。確かに、この映画、観る者の想像力を煽るだけの作品です、今まで離れていた為に他人と同類の父親と何故旅をしないといけないのか？言うことをきかないといけないのか？謎だらけ・・・。私はてっきり父親が麻薬の密売とか武器売買とかやってるのかと思った、それを息子たちが知って、そこからまた話しが展開するのかな・・なんて。最後、あんな展開になるとは予想だにしませんでした。父親が帰ってくる設定では「ベルンの奇蹟」に似てました、こちらも男兄弟だし、父親が厳しい、車で旅するし。次男役の子が、うちの家族は優しいから叩かれたり、怒鳴られたことがないと特典で話してました、ちょっと安心。

１２年間不在だった父親が息子たちに父親として伝えたいものがあって旅にでたという、親子愛を描く映画としてみるには、ラストが悲劇的だし、見ていて疑問に思うことがしばしば、雨の中置き去りにしておきながら、弟が塔へ上っていくのを必死に追いかけていくなんて、ラストはただ意味深にしたくてみたいな無理やりこじつけたえんしつを感じる。まあ冒頭のシーンとラストのシーンを結び付けたかっただけかも・・・ひょっとして箱の中身は子供たちの写真なんてことはないよね。

よくある父親と反抗する息子が少しずつ距離が近くなる平凡なストーリー展開を想像していると意外な急展開に戸惑った映画です。
また、映画の深みを増すためなのかワザと謎を散らばしている、謎の意味が良く分からない。まあ、見ておいても損はないでしょう。