ニューオーリンズ・トライアル＜スタンダード・エディション＞

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最初は軽い感じで出てきたニック
この男には何かある
偶然に陪審員になったのではない
謎の女と組んでどうやら裁判を操作しようとしているらしい
そして段々と全容が明らかに・・・
もうこのへんでラストが読めてくる
期待した法廷での緊迫するやりとりがない
かといって、陪審員たちの操り方も心理戦とは言いがたい中途半端な描き様。
物語としては意外性も、厚みもない平凡な終わり方だった。

ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマンという大物俳優を向こうに回してジョン・キューザックが主役級の扱い。
しかし大きな悪巧みを仕掛けるのかと思いきや、結局はいい奴だった。
一度でいいからあの優しい顔で、最後に観客をも唸らせる
「希代のワル」の役を演じてほしいものだ。

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ゴーン・ベイビー・ゴーンと同じ表題だが、この作品には「当人」が数回出て来る。
今回は「目隠し」の意味が通り「善意」が勝利するのが小気味良い。
特例第2項と言う法に守られた銃社会で起こった「銃乱射事件」と言う悲劇に対する「責任の所在」を問う裁判の行方。
しかし、その裏では「陪審員制度」自体を根底から揺さぶろうとする陰謀が画策されていた。
圧倒的な洞察力とデーター管理によって常にクライアントの期待に答えるジーン・ハックマン演じるランキン・フィッチ。
人情と正義で「弱い者」の立場に常に立つと言う実際には絶対いない（だろう）弁護士で有るウェンドール・ローアを演じるダスティ・ホフマン。
彼等の対決を見るだけでも十分に見応えが有る。
人心を司るのは不安だとするフィンチのやり方は汚いとは思うが理屈には有っている。
人は不安を解消する為に努力する生き物だ。
対するローアは人の暖かさと善意が絶対と考える。
ローアの選択は控訴国家のアメリカンライヤーとしては「甘過ぎる」とは思うが話の展開としては胸のすく気分になれる。
ジョン・キューザック演じる「いくつかの顔」を持つ「走る陪審員」ニック・イースターの正体は？。
マーリン（スペルが怪しいが円卓の騎士の魔法使いのMerlinか？だとするとかなりの皮肉だ）との関係と彼女が「背伸び」してまで完遂しなけれならない計画の実態とは？。
イースターの懐中時計に眠る秘密とは？。
全ての謎が解ける時、物語のテーマが明確になる。
蹴り飛ばした小石は元の場所には帰らない。
それは大きな連鎖の起因に過ぎない。
結果が出来過ぎな感も有るが「人の善意を信じたいモノ」にとっては納得の団円だ。
陪審員コーディネーターと言う未知の職種（？）の存在についても十分に説得力が有り、絵空事では済まされないリアリティも有る。
日本でも開始される制度だが既に「成熟」した感も有る国でさえも、この程度なのだから先行き不安以外の何者でもない。
正義とはなんだろう？。
秩序とはなんだろう？。
利益を生み出す存在が無くなれば世界は混沌とするだろう。
人は利益を得る為に労働を惜しまないのだから…。
但し「必要悪」などと言う軽口は聞きたくない。
悪は「悪」だ！。
全ては「正しく」裁かれるべきと切に願う。

ちょっとストーリーに無理があるんじゃないの？、、、なんて思うのは野暮ってものです。
入り込んで楽しんだ者勝ちの作品です。面白くて一気に観てしまいました！

レイチェル・ワイズ見たさに借りましたが、ダスティン・ホフマン、ジーン・ハックマン、ジョン・キューザックらの実力派キャストのお陰で、厚みのある人間ドラマが堪能できて大満足の一本です。

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色んな見方の出来る映画です。

・主人公の長い復讐の物語
・いかなる時も弁護士としての倫理と正義を失わない弁護士の物語
・銃社会アメリカの訴訟の物語
・陪審制度の実像についての物語
・陪審コンサルタントの物語

どの視点で観ても楽しめますが一番注目するべきは陪審コンサルタントについてだと思います。
ストーリー的に突飛な部分も、この職業の実態を際立たせるためと考えればフィクションとして許せる範囲だし、登場する伏線の多くも陪審コンサルタントと主人公の戦いに収束されます。

陪審制度の無い日本では考えられない職業ですが、訴訟社会＆陪審制度のアメリカではこの職業誕生の素地があるし、天文学的な賠償金を考えれば彼らを暗躍させるだけの資金を供給する被告もしくは被告企業の存在もうなずけます。

盗聴・買収・恐喝、ここまでやるかという流れ。
対抗する主人公もよく研究してます。この対立軸が最後まで映画を面白くしてます。

そして主演のジョン・キューザックは本当にいい演技をしてますね。大好きです。
個人的には配役的に誰一人としてハズレがないのも映画にとってプラスです。

オススメです。

　私もこの作品は全然ノーマークで、ＤＩＳＫＡＳで初めて知ってレンタルしました。公開中もさほど話題にならなかったようですが、どうしてどうして、こりゃー久々の傑作です。法廷の裏で繰り広げられるドロドロした裏取引や陪審員制度の現実、そして、二転三転するストーリー。息もつかせぬ展開は「ザ・ファーム」や「ペリカン文書」でブイブイ言わせてた時のグリシャム作品とまったく変わりがありません。原作がいつのものか知りませんが「枯れてもＪ・グリシャム」て感じです。俳優陣も豪華！リーガルサスペンスが好きで、まだこの映画を見ていない人は絶対見るべき！オススメです。