長いお別れ

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ごく普通の両親と二人娘の４人家族の、父親の認知症をきっかけにした家族の日々の出来事を数年毎の節目を取り上げて淡々と描いていくホームドラマなのだが、変に奇をてらう様なドラマチックな出来事も起きず、リアルに淡々と描写していく脚本が自然体でリアルで好感が持てる。特に娘二人の、その時々の生活にふりかかる日々の細かいトラブル等を丁寧に描写していて、生活というものがきちんと描かれているのも好感が持てる。演じる二人姉妹が、蒼井優と竹内結子という実力者なので安心して観ていられるのだが要所要所に二人の芝居の見せ場が個々に用意してあって女優冥利に尽きる脚本だと思う。特に竹内結子の芝居を観ていると、あぁもう彼女はこの世にいないんだと思うと何とも云えない気分になる。彼女と同時期に亡くなった三浦春馬もそうなのだが、こんな第一線で活躍していた若い役者達が何で自ら命を絶つなんて事をしてしまったのか、こちらには理解出来ようも無い、個々の深い苦悩と困難があったのかとこちらは推測するしかない。竹内は以前、女優賞を獲った「サイドカーに犬」や人気のＴＶ刑事ドラマだった「ストロベリー・ナイト」みたいな主演作が最近無かったのが彼女自身にとってはプライドとして厳しかったのだろうか、なんて思ってしまう、ゲスの勘繰りだが・・・。「コンフィデンスマンＪＰ」映画版で竹内と三浦、二人がやり手の詐欺師同志で同じ画面に映っているのを見ると何とも云えない気分になる。本作は大御所、山崎努の貫禄で余裕の演技、久し振りに見れて嬉しい松原智恵子、アメリカで家族で住んでいる竹内の旦那役で頼りない感じの芝居が絶妙に上手い北村有起哉など皆、配役がいい。ラストもこの流れでいけば、従来のこのテのドラマなら当然山崎の臨終を持ってきてお通夜、葬式場面、その後の家族全員のやり取りあたりがクライマックスで順当かと思うのだが、本作は大胆にそういうシーンの一切全て省略するエンディングを持ってきた。唐突に竹内の一人息子、山崎の孫がアメリカの学校で彼の教師らしき男性との校内の教師部屋で会話するシーンを持ってきて、そこで山崎が既に亡くなった事を孫の彼が教師に話す事で、こちらに知らされる。そして、孫の彼が、おじいちゃんと自分だけの想い出を教師に簡単に告げて退室して廊下を歩いて行くシーンで終了するという実にあっさりしたエンディングとなっている。この変に、べたついたクサイ場面を用意しなかった潔い普通さが、自分には好感が持てる。

老いや認知症は誰にも避けらない
イヤだイヤだではなく、長いお別れの間に子や孫に何かを伝えるとか、家族の結束を強くするとか、ボジティブに見ようとする姿勢には共感できた
人生に行き詰まった次女が認知症の父に悩みを打ち明ける縁側のシーンは悪くなかった
しかし、長女の家族については、夫婦間の愛情に関しても、息子の不登校についても、中途半端に問題をほのめかされるだけでみていて物足りなかった
孫が校長先生に呼ばれてお爺ちゃんの話をする・・・お爺ちゃんは孫の中で生き続けるということだろうが、呼ばれた理由については想像をたくましくするばかり・・・

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こんな風に穏やかに介護できたらいいなと

でも、現実的ではないと思う。。。
腹もたつし、しんどいし、切なくなる・・・

見送って、数年たって、笑えるようになって、いい思い出になれたら理想

山崎さんが　私の亡くなった父親と体つきとか　髪の感じとか似ていて　なんだか重なりました。　登場人物は　みんな　自然体で穏やかで良かったと思います。　確かに介護の大変なところはスルーしてたけど　そこが良かったかな・・・と思います。