オンリー・ゴッド

なんだ！？
なんなんだ！？
なんなんだコレはーーーー！！！！？？？
「ドライヴ」の監督＆主演コンビが
再び手を組んだこの作品。
ドライヴで突き進んだ結果たどり着いたのは
退廃でも荒廃でもない
ただの退屈の地だったてか！！！
やばすぎる退屈さ
やばすぎるつまらなさ
「ドライヴ」の良さはどこへ行ったんだ？
期待感を粉々に打ち砕きます。
しかも、つまらないのに印象的
つまらないのに鮮烈
忘れ難い色彩のシーンの数々
忘れ難い個性の登場人物
意味わからんのにキョーレツ
そんな得たいの知れない作品でした。
それはまさにデヴィッド・リンチ風とでも言いましょうか。
観ててなんとなく似通った雰囲気を感じます。
でも、リンチよりは手が届きそうな距離で
そんな距離で意味不明。
手が届きそうだからこそ出来損ない感もあり
かといって手が届かないと最早「宇宙」で意味不明という・・・・
救いようのない作品でもあります。

ライアンを差し置いて
最もキョーレツに印象に残るのがチャン警部
これは早速もって「今年一番印象に残ったキャラクター」にノミネート
限りなく受賞しそうな雰囲気です。
いやー凄かった。
神のような存在。
仕事終わりでのカラオケシーンが一番リンチ的
リンチ的宇宙！！！！！
感じるしかナシ。

クリスティン・スコット・トーマスの毒っぷりが凄まじい。

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　タイの首都バンコクのアンダーワールドで展開されるバイオレンスアクション。米国人兄弟のビリーとジュリアンは麻薬売買やムエタイ（の八百長？）で稼いでいる。やりたい放題の度が過ぎて、兄のビリーは16歳の少女をレイプの果てに殺してしまう。バンコク警察の必殺仕事人、チャンは少女の父が仕返しにビリーを殺すのを手助けする。アメリカからママが飛んできて、兄を殺した犯人の首を取って来い！とジュリアンに厳命するが・・・。
　けっこう血が飛びますが、色彩や陰影に凝ったカメラワークは楽しめます。バンコクの下町の雰囲気もいい。タイの女性も美しいです。娼婦しか出てきませんせんけど。
　上から目線の米国人の理不尽な逆恨みを、必殺仕事人のチャンが返り討ちにする、つまりアジア人が白人をやっつけるストーリーになっていて、とてもスッキリ。お茶目なチャンの歌唱シーンはバイオレンスの血なまぐささを薄めているようです。
　ライアン・ゴスリングは「drive」のときより若くみえます。家族愛と正義感の間で悩むマザコン青年を演じています。

ゴスリングはかっこいいけど（だから観たけど）この作品は、とんでもなく残酷なシーンが多かったし
二度と観たくない。

でも、一つだけ評価できるのは母役のクリスティン・スコット・トーマスが超怖かったこと。
こんなこわいおばさんの役できる人だとは・・・新しい発見だった。

タイの警察にこんな人が実在したらこれは国際社会で問題になると思う。仕事人にしては残酷すぎる。

脳内の整理（解読力）をつけるのが困難になるほどの不可解な構図、色調、意味深なキャラクター、ストーリーを独特の映像表現でもって観る者を弄ぶかのようなデヴィッド・リンチの作品にも似ているようであり、そうでもないような・・・。
面白いか面白くないかというより、むしろ好きか嫌いかというところに落ち着くのかなぁと。
自分は嫌いではないけど、もう一度観たいとは思わなかった。
時間と興味があれば確かめてください。

ストーリーは型です。
この世にはいくつかの型しかないし、シンプルだろうと複雑だろうと応用に過ぎません。
ストーリーがないと言う人々は小説のあらすじ読んで満足するタイプでしょうか。
それとも、ストーリーという言葉の意味を誤解しているのでしょうか。

あまりにも主人公の主観にフォーカスした映像表現なので最初は混乱するかもしれません。
しかし、現実と妄想の境界がなんとなくでも掴めれば、あとはすんなり理解できると思います。

主人公は自身が罰せられることを夢見て、腕を切り落とされることを妄想しています。
母の愛を渇望するあまり、期待に応えようと罪を犯してきた。
重い罪悪感を抱えて生きている主人公にとって、ラストシーンは救いとなったのです。

けっして難解ではないし、ストーリーは古典的です。
たしかに主人公目線の映像表現は感覚的すぎたもしれませんが。

もっと柔軟性をもって映画を見てほしいです。
素晴らしい才能が正当に評価されないのはもったいない。