北のカナリアたち

泣きました。鼻水垂らして目を腫らせて。
送られてきたDVDのタイトルを見て、内容が全く思い浮かばず、
邦画だったか洋画だったかさえ判らずに見始めました。
吉永小百合さんですよ。
木村大作さんの「画」ですよ。
きれいですねえ！どっちも！
夏の場面は「サウンドオブミュージック」を彷彿とさせ、
分校の場面は「二十四の瞳」を思わせる。
こんな先生に憧れたなあ。
小学校の同級生、３0人くらいだったけど、みんな元気かなあ。。。。。
母校は統合されて、もう無いんだよね。
感動しました。

とある殺人事件をきっかけに、過去勤めていた分校の生徒たちに会いに行く作品です。

分校を辞めたきっかけになったとある事件について、生徒たちもそれぞれに悩みをもっていたことが、徐々に明らかになっていきます。

両方の事件とも、原案者である湊かなえさんらしいものです。

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　冒頭、主人公の先生が島を出るところから始まり。20年後、生徒の1人に殺人事件の容疑がかかる。
　何で先生は20年前に島を出ることになったのか?　そして何で殺人事件が起きたのか?　というミステリーで引っ張りつつ、先生と生徒6人に20年間何があったのかというのを小出し見せていき真相を明らかにしていくという話。
　若手キャストの6人はさすがで、特に森山未來さんの印象が素晴らしかったです。全員が過去の事故に苦しみ、自分を責め続けた人たちの物語。そして人を許し、生き続けるということを見せてくれる映画でよかったです。

　が、展開がどれもが説明台詞で進行するので恐ろしく退屈ということと。教え子たちがほとんど全員「先生に言わなくちゃいけないことがあるの」とお前ら全員秘密持ってるのか?　というくらい実は、実はで進む展開にグッタリしました。
　1番驚いたのは、小池栄子さんのエピソードの不倫のくだりで奥さんがいきなり乗り込んでくる展開が急展開すぎて笑ってしまいました。

　それに主人公の不倫問題も、仲村トオルさんが手から血を流して崖に立っているという初登場シーンの意味とかよくわからないし怖すぎるし。
　実際、不倫してたんかいと突っ込んでしまいました。

　とはいえ、物語の骨格の部分は感動できる話だし。雪と海が冷たい映像が印象的でよかったです。

出演者は豪華だ。予告を見て借りてみたんだが、構成が丸見えな感じがした。

冒頭の場面で島を出てゆく吉永小百合に、教え子の一人が石を投げて額にけがを負わせるというのは、「つかみ」として成功だと思う。

しかし、６人の教え子たちの一人が殺人事件の容疑者であることが分かった後、残りの教え子たちに吉永が会いに行くのが、どうも型にはまってるというか。
何年も会っていなかった教え子たちが口にする言葉も、あまりに簡単に心の内を吐露し過ぎて「ほんまかい？」と突っ込み。

ラストの方、廃校になった分校で、吉永ほか、教え子全員が揃う場面も、感動的と言わせたいんだろうが、僕としては「なんで、ここにみんな居るの？」と思ってしまった。
実際、どうして吉永が教え子に会いに行ったのかが、理解できない。結局、分校でみんなを再会させるためだったのか？

この作品で言いたいことは、薄っすらと理解できたが、ちょっと説得力には欠ける作りだと思った。

でも白状すると、涙もろい僕はラストで泣いてしまったんだけどね。

大御所演じる、ラスト10分前のシーンに
心臓バクバク・・・

60代後半の小百合さんが魅力的すぎるのか？
仲村さんと同じ年の私は、感じたことのないドキドキだった。

健さんにも言えることだけれど、
日本映画界には、ヒット祈願をと言うより、
残り時間少ない2人の映画記憶に
「時間とお金を惜しまず飾り参加したい」
との思いだけが伝わってきた。

美しい映像ありがとうございます。