おと・な・り

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麻生久美子を目当てに見た。
思ったより今回の麻生久美子はかわいくない役だった。
レトロなアパートに住んで、洗練された素敵な花屋で働き、
フランス留学の為にフランス語のお勉強。な女性役。
オシャレ感を出しすぎて逆に、「気取りやがって、ケッ！」って感じだ。
しかし、もちろん、これからも麻生久美子が大好きなのは変わりない。

ここからネタバレです。

前半、まったく絡むことのないサトシとナナオ。
後半、二人はまさかの急展開をむかえる。えーーー！そうゆうことだったの！？
それはそれで面白い展開。でも、腑に落ちないことがある。

それはこういうことだ。
私は二人はお隣同志、お互いの生活音を感じることで少しずつ親近感を覚え、
顔は見えなくとも信頼関係のようなものが生まれ、
少しずつ恋愛に発展していくんだと思ってた。
っていうか、もしかしたら、この映画を見終わった後にそういう風に、
恋愛に発展したんだなって感想を持っている人もいるのかもしれない。
だけど、それは騙されてる。というと言葉が悪いが、ウヤモヤにされてると思う。
だって、サトシもナナオも、お隣の誰かに恋したんではなくて、
謝恩会で会ってちょっと恋心を持った相手が偶然となりの人だったってことじゃないか！
ナナオは後ろを通り過ぎる鍵の音にすこし反応していたが、
サトシにいたってはまったく気づいていないだろう。
はっきり言ってナナオの顔と雰囲気に惹かれている。
たしかにナナオが泣いている時、サトシが鼻歌でなぐさめることで、
なんか目には見えない絆みたいなものがお互いに感じられた様子。
だが、それは恋心とまではいかないだろう。
少しでも恋心があったなら、ナナオは引っ越すときに、
例えばちょっとした花束でもサトシの部屋の前に置いとくはずだろう。
それとか、「お世話になりました」みたいな手紙を置いとくとかさ。
しかし、そんなお隣の人に後ろ髪を惹かれるような描写はまったくなかった。
せめて、ナナオはサトシの部屋の前で立ち止まって想いにふけるくらいしようよ。

お隣による音によるコミュニケーションがテーマなのはなんとなくわかってたので、
絡むことがなくても不思議には思わなかったが、会う前に恋に落ちてなきゃ腑に落ちない。
同級生だからじゃなくて、お隣ってだけで恋に落ちてくれなきゃ、
ロマンチックでもファンタジックでも全然ないのだ。

結局、見た目かよって思ったのでした。

評価７６点(１００点満点)
一枚の薄い壁を隔てて生活する男と女、毎日「音」を聞きながらそれとなく相手を意識している二人、なんとなくありそうでなさそうな題材だが丁寧にゆっくりと時間をかけて調理したお皿のような作品である。コーヒー豆を挽く音、フランス語の会話練習の声、ハミングの声、でも顔は合わしたことがない。いくら壁が薄いといってもちよっと聞こえ過ぎじゃないかとは思うが、互いの部屋がたてつけの悪い安アパートの一室ではなくちよっとレトロ風の雰囲気が舞台としてはもってこいの感じである。
モデル撮影を生業にしてはいるが本当はカナダに行って風景画を撮りたいカメラマンの聡(岡田准一)、親友のモデルのシンゴの問題で心を悩ませるがなかなか優しい男、一方の七緒(麻生久美子)は花屋でバイトしながらフラワーデザイナーを目指し、フランス留学を計画しているが恋愛経験はあまりなさそう。隣合わせに住む男女の生活を描きながら二人の接店を巧く演出し、ラストのシーンまで盛り上げてゆく。なんといってもラストシーンのためにそれまでの時間を費やしたといつても過言ではない。二人の爽やかな笑顔が今後の二人を充分に暗示しているので、エンドロールでの会話がある方がよいのかどうかは微妙で、議論の分かれるところかもしれない。
伏線になる「音」を上手く使っているが、「音」についていい話しを七緒にしたコンビニ店長の豹変ぶりはちよっとやりすぎの感がしないでもない。いずれにせよ美男美女は「写真(絵)」になるなぁ。

お話もさることながら、空気、主人公の上品さ、切なく懐かしい感じが好きです。
あ〜私も、こんな恋がしたかったな〜なんて思っちゃいました。
岩井俊二監督の「Love Letter」に似た感じがあるな〜と思いました。
とてもとてもよかったです。

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隣から聴こえてくる音に惹かれあう二人を描いた作品。
物語は、たいして面白くないし、それを期待はしてなかったのだけれど。
きっと、主演が岡田准一と麻生久美子ぢゃなかったら借りてなかったと思うし。

やはり、主演の二人が魅力的に映し出された映像でしたねぇ〜。
柔らかな感じで、美しい二人が代わる代わる映し出され、
壁の向こう側から聴こえてくる、鼻歌だったり、コーヒーを挽く音だったり、
時にはくしゃみに、時にはキーチェーンが揺れる音、
互い音を愛おしく感じてる様子は、こちらもなんだか愛おしかったです。

相手に微かに惹かれあいながらも、すれ違う様子が映し出されるだけなので、
正直、途中飽きてきてしまいますね。
それぞれの立場も描かれてはいるけど、それが全然現実的ぢゃないところが白々しいような・・・
聡と親友との関係だったり、押しかけてくる親友の彼女の登場には若干引きますｗ
かたや、七緒に告白してきた男との一件なんて、リアルさの欠片もない気が・・・

ということで、夢見がちな感じで観れば、いいのかなぁ〜
ラストもとっても夢見がちですからね！！！

えぇ、でも、まぁ、二人が、綺麗だったってことで。

かなり含みのあるタイトルです。
タイトルが「お隣」でなく。「と」と「な」の間にスペースが空いている理由に気付いたのは終盤になってからでした。
中盤を過ぎても主役の二人が会話はおろか顔すら合せないのでかなりやきもきします。
派手な盛り上がりはありませんが、いい感じです。