ゆれる / オダギリジョ-
全体の平均評価点: (5点満点)
(418)
解説・ストーリー
「蛇イチゴ」で注目を集めた新鋭・西川美和監督が、オダギリジョーと香川照之という実力派2人を迎えて贈る上質のミステリー・ドラマ。ある出来事をきっかけに対照的な兄弟の間に巻き起こる心理的葛藤が巧みな構成で描かれてゆく。東京で写真家として成功し、自由奔放に生きる弟・猛。母の一周忌に久々に帰郷した彼は、そこで父と共にガソリンスタンドを経営する兄・稔と再会する。翌日、兄弟はガソリンスタンドで働く幼なじみの智恵子と3人で近くの渓谷に足をのばす。ところが、川に架かる細い吊り橋で、智恵子が眼下の渓流へと落下してしまう。その時、そばにいたのは稔ひとりだった…。
「蛇イチゴ」で注目を集めた新鋭・西川美和監督が、オダギリジョーと香川照之という実力派2人を迎えて贈る上質のミステリー・ドラマ。ある出来事をきっかけに対照的な兄弟の間に巻き起こる心理的葛藤が巧みな構成で描かれてゆく。東京で写真家として成功し、自由奔放に生きる弟・猛。母の一周忌に久々に帰郷した彼は、そこで父と共にガソリンスタンドを経営する兄・稔と再会する。翌日、兄弟はガソリンスタンドで働く幼なじみの智恵子と3人で近くの渓谷に足をのばす。ところが、川に架かる細い吊り橋で、智恵子が眼下の渓流へと落下してしまう。その時、そばにいたのは稔ひとりだった…。
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「ゆれる」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
「蛇イチゴ」で注目を集めた新鋭・西川美和監督が、オダギリジョーと香川照之という実力派2人を迎えて贈る上質のミステリー・ドラマ。ある出来事をきっかけに対照的な兄弟の間に巻き起こる心理的葛藤が巧みな構成で描かれてゆく。東京で写真家として成功し、自由奔放に生きる弟・猛。母の一周忌に久々に帰郷した彼は、そこで父と共にガソリンスタンドを経営する兄・稔と再会する。翌日、兄弟はガソリンスタンドで働く幼なじみの智恵子と3人で近くの渓谷に足をのばす。ところが、川に架かる細い吊り橋で、智恵子が眼下の渓流へと落下してしまう。その時、そばにいたのは稔ひとりだった…。
「ゆれる」 の作品情報
「ゆれる」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ゆれるの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
119分 |
英語 |
1:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
BCDR1457 |
2007年02月23日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
47枚
|
3人
|
4人
|
ゆれるの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
119分 |
英語 |
1:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
BCDR1457 |
2007年02月23日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
47枚
|
3人
|
4人
|
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ユーザーレビュー:418件
最後のワンカット、わたしはオダギリくんと一緒に泣きました
投稿日:2007/02/10
レビュアー:吟遊旅人
パープルローズさんがおっしゃっているように、去年の日本映画では「ゆれる」と「フラガール」が群を抜いてよかったです。あとは「博士の愛した数式」と「かもめ食堂」も捨てがたくよかった。
「ゆれる」についてはわたしのお気に入りレビュアーさんやその他の方が既に書かれている以上のことはありませんが、ただ一つ追加すると、わたしの友人知人の間でこの映画のラストシークェンスについて大激論になっているということ書いておきます。せっかくドストエフスキーの小説のような趣だったのに、裁判のシーンで止めておけばいいものを、最後に大衆小説に落としてしまったと怒っている人もいます。
では、劇場で観たあとに書いた感想文を以下に貼り付けます。
兄と弟の葛藤をこれほど見事に痛いほど描いた映画がかつてあっただろうか。本人達も気付かない嫉妬・後悔・愛情・義務感・後ろめたさ、兄弟ゆえに抱く複雑な感情を、襞の襞まで描いた若き女性監督の才能に改めて感動した逸品だ。
「蛇イチゴ」でその才能に驚かされた西川美和がまたしても脚本を書き下ろした。西川が見た夢をもとに作った物語だという。彼女はたいへん才能ある人のようで、映画「ゆれる」を小説にも著している。時間があれば小説もぜひ読んでみたいものだ。
郷里で実家のガソリンスタンドを継いで堅実に働く真面目で温厚な兄・稔と、東京で成功して派手に暮らす写真家の弟・猛。この典型的に異なるタイプの兄と弟が、ある事件をきっかけに大きな亀裂を味わう。二人は互いに傷つけあい、これまで見たこともないお互いの中の憎悪と向き合わねばならなくなる。その事件とは、幼馴染の女性の転落死だった。揺れる吊橋の上から落ちた女性は果たして事故死なのか、稔が突き落としたのか……。
兄と弟のキャラクターも対照的なら、演じた役者もオダギリジョーと香川照之という、まったく異なる雰囲気・芸歴をもつ者たち。この二人の演技力に改めて感嘆させられるが、とりわけ香川照之の演技には身震いするほどだ。瞬きだけで心理描写を変えてみせるすごさは、本作のきめ細かな脚本とあいまって手に汗握る緊迫感を見る者に与える。
西川美和の人間観察眼の鋭さはドストエフスキーの小説を読むような快感と恐怖を味わわせてくれる。稔と猛兄弟だけではなく、その父の世代の兄弟の確執をも剔抉してみせる脚本を歳若い(今年32歳)女性が書いたとはにわかには信じ難い。
兄は殺人者なのか? いったい何があったのか。橋の上で起きた事件の真相は何なのか。映画は一見、事件の謎を解くサスペンスのようにもとれる。だが、事件の真相などどうでもいいこと。ここに描かれた兄弟の葛藤は日本的な、あまりにも日本的な風土が生んだものだ。家を継ぐべき長男、都会で好きなことができる次男。長男の悔しさも侘しさも諦念も、彼が夜遅く一人洗濯物をたたむワンカットを背中から撮ることで見せた西川監督の才能の煌きにまたしても舌を巻く。
そして、結末を観客に委ねてしまったラストシークェンス。これは、どのような結末を観客が望むのか、ということと、物語の登場人物に与えられた人物造形から当然導かれる結末とは必ずしも一致しないという事例の一つだ。
この映画が描いたものは小さな世界に過ぎない。だが人々の日常の中に眠る感情の均衡がさざめきゆらぎ、噴出し、溶岩となり草木を溶かす瞬間を切りとって観客を唖然とさせた。他人事には見えないその痛みをわたしはヒリヒリと感じ取る。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、何度か、あるカットが登場する。それは事件の真相を明らかにする証拠なのだが、その描き方に映画的なトリックがあって、これまた観客を混乱に陥れるようにできている。西川美和は意地悪なのかもしれない。観客に謎とほのめかしを残して後を引かせる。憎いね。
映画を観終わったあと、その映画について誰かと語り合いたくなる、そんな優れた映画です。
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12人の会員が気に入ったと投稿しています
深い余韻の残る映画
まもなくレンタル解禁ですが、近くで1日だけ上映していたので見に行ってきました。
見終わってからもずっといろいろ考えてしまう、深い余韻の残る映画でした。
顔も性格も全く異なる兄と弟。深く心の奥底に閉じ込めていた、幼い頃からの確執や互いに対する嫉妬が、ひとりの女性をめぐって顔をのぞかせ、ふたりの心はゆれる。
事件の真相は一体なんだったのか?真相を暗示させるようなカットが登場するが、どのようにも解釈することができるので、いろいろ考えてしまいます。
私のメル友吟遊旅人さんは、去年のベスト10に「フラガール」ではなくて「ゆれる」をいれておられまして、「どっちもよかったけど、好みの問題。」とおっしゃったのですが、なんとなく納得しました。要はこの映画のようにどのようにも解釈できる映画が好きか、すっきり納得できる映画が好きかで、評価が割れるところなのでしょう。私はどっちも好きですけど。
香川照之は「鬼が来た」で何てすごい役者なんだろうとびっくりしましたが、この映画でもすごくいいです。
唯一違和感があったのが木村祐一。もともと何をする人なのか知らないんですが、何でひとりだけ関西弁なの?
このレビューは気に入りましたか?
12人の会員が気に入ったと投稿しています
一番ゆれていたのは腕の傷跡
投稿日:2011/12/03
レビュアー:まみもぉ
小説を読んでいるようでした。
挿絵が動いているみたいな。
奇麗な挿絵。
やっぱり西川美和監督の中には、♂根があるんだと確信しました。
同性でなくては分からない神経部位
『ディア・ドクター』でそれを感じて感心しましたが、
神経だけではなかった…。
私的ぞっこんな俳優、香川照之さんのその才を存分に引き出し、露わにしていただき、
感謝の念もこみあげてきました。
面会シーンは、画面に文字が連なりました。
行間を読みながら、その有様が観えているという不思議な感覚。
自分の顔は、表情は自分では見えませんが、
香川さんには見えているのではないかと思いました。
脇役にしっかりした方が多すぎて、少々窮屈なところもありましたが、
そんな中で木村祐一さん、新井浩文さん(その娘)そしてピエール灘さん、ほどよく緩衝材的でよかったです。
『蛇イチゴ』ちゃんが声変わりして『ゆれる』君となり、
森の奥で成長し成人して『ディア・ドクター』氏となった…気持ちのよい流れ。
面白い、興味深い監督さん。性別♀なところが魅力的。
次作、楽しみです。
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11人の会員が気に入ったと投稿しています
なかなか面白い表現するねー!作家としては天才かも!?
西川美和監督の映画は初鑑賞やったんすけど、なっかなか面白い(興味深い)監督さんやねぇー!
"作家"としては天才やと云ってもええと思うし、"表現者"として必要な情熱(←コレ大事)も画面から伝わってくる。もしかすると、10年後には日本を代表する"映画監督"になってるかもしれんね(←言い過ぎではないと思う)
まぁでも、現段階では、"映画監督"としては、まだまだかなぁーって感じ(逆にいうとまだまだ伸びしろがあるってことでもあるけどね)
□■□■□■□■□
どこがまだまだかっていうと、とにかく画の作り方が下手!(センスが無ぇー)
あまりにもあまりにもでこっぱずかしくなってもーた・・・(/o\)ミテラレナイヨー
どういうつもりでこういう中途半端に画角にこだわった映像を使ってもーたんやろ?
カメラがカメラとして存在してもーてるんよねー・・・(これは前半と後半のバランスの悪さも大きい!)
この素人くささが消えてくれたらええんやけど・・・どーも染み付いてもーた感性のような気が・・・
□■□■□■□■□
ストーリーは胸に響くエエ映画やけど、これからの成長も期待してちょっと辛めでいっときます!
まぁ、自分はイマイチ好きやない(評価は低くないけどね)けど、観て損は無い作品やとは思います♪
個人的満足度 72点!
このレビューは気に入りましたか?
11人の会員が気に入ったと投稿しています
秀逸な心理ドラマですね
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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「ゆれる」というタイトルは言い得て妙というか
巧いタイトルですね。
ゆれる吊橋を舞台に、3人の心がそれぞれにゆれる・・・
そんな様を描き出した作品です。
ここからは、ネタバレです。
できるだけネタバレレビューを避けているのですが
この作品はネタバレしても3人の心理を書いてみたくなります。
香川照之演じる稔。
カメラマンの弟を自慢に思う気持ちもあるし、弟のことはとても大切に
思っている。
でも、そんなカッコいい弟にコンプレックスも抱いている。
幼なじみで従業員の智恵子に好意を寄せているものの
あと一歩踏み出せずにいる。
彼女の気持ちを試したくて、法事で田舎に帰ってきた弟を
わざと彼女に近づけてみる・・・
オダギリジョー演じる猛。
真面目な兄のことは尊敬しているけれど
一方で不器用で要領の悪い彼を馬鹿にする気持ちもあわせ持っている。
昔、自分を好きだったはずの智恵子が兄と親しげなのが
どうも気に入らない。
押しの弱い兄よりも、女は少し強引なくらいの男に惹かれるはず・・・
なんていう計算とちょっとした意地悪心で智恵子をモノにする。
そんな兄弟と幼なじみの智恵子。
彼女の心にも女の打算と本音が見え隠れする。
打算の部分では、なかば諦めのように稔との結婚を思い描いていたはず。
そこへ、忘れたはずの弟・猛の帰郷。
彼女の心はゆれにゆれたはず・・・
心の中の女の部分が目覚めてしまった智恵子は生理的に稔を受け入れられなくなる・・・
嘘、駆け引き、打算・・・
いろいろなものが渦巻く人間の心理を描いた秀逸な作品です。
このレビューは気に入りましたか?
11人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
最後のワンカット、わたしはオダギリくんと一緒に泣きました
投稿日
2007/02/10
レビュアー
吟遊旅人
パープルローズさんがおっしゃっているように、去年の日本映画では「ゆれる」と「フラガール」が群を抜いてよかったです。あとは「博士の愛した数式」と「かもめ食堂」も捨てがたくよかった。
「ゆれる」についてはわたしのお気に入りレビュアーさんやその他の方が既に書かれている以上のことはありませんが、ただ一つ追加すると、わたしの友人知人の間でこの映画のラストシークェンスについて大激論になっているということ書いておきます。せっかくドストエフスキーの小説のような趣だったのに、裁判のシーンで止めておけばいいものを、最後に大衆小説に落としてしまったと怒っている人もいます。
では、劇場で観たあとに書いた感想文を以下に貼り付けます。
兄と弟の葛藤をこれほど見事に痛いほど描いた映画がかつてあっただろうか。本人達も気付かない嫉妬・後悔・愛情・義務感・後ろめたさ、兄弟ゆえに抱く複雑な感情を、襞の襞まで描いた若き女性監督の才能に改めて感動した逸品だ。
「蛇イチゴ」でその才能に驚かされた西川美和がまたしても脚本を書き下ろした。西川が見た夢をもとに作った物語だという。彼女はたいへん才能ある人のようで、映画「ゆれる」を小説にも著している。時間があれば小説もぜひ読んでみたいものだ。
郷里で実家のガソリンスタンドを継いで堅実に働く真面目で温厚な兄・稔と、東京で成功して派手に暮らす写真家の弟・猛。この典型的に異なるタイプの兄と弟が、ある事件をきっかけに大きな亀裂を味わう。二人は互いに傷つけあい、これまで見たこともないお互いの中の憎悪と向き合わねばならなくなる。その事件とは、幼馴染の女性の転落死だった。揺れる吊橋の上から落ちた女性は果たして事故死なのか、稔が突き落としたのか……。
兄と弟のキャラクターも対照的なら、演じた役者もオダギリジョーと香川照之という、まったく異なる雰囲気・芸歴をもつ者たち。この二人の演技力に改めて感嘆させられるが、とりわけ香川照之の演技には身震いするほどだ。瞬きだけで心理描写を変えてみせるすごさは、本作のきめ細かな脚本とあいまって手に汗握る緊迫感を見る者に与える。
西川美和の人間観察眼の鋭さはドストエフスキーの小説を読むような快感と恐怖を味わわせてくれる。稔と猛兄弟だけではなく、その父の世代の兄弟の確執をも剔抉してみせる脚本を歳若い(今年32歳)女性が書いたとはにわかには信じ難い。
兄は殺人者なのか? いったい何があったのか。橋の上で起きた事件の真相は何なのか。映画は一見、事件の謎を解くサスペンスのようにもとれる。だが、事件の真相などどうでもいいこと。ここに描かれた兄弟の葛藤は日本的な、あまりにも日本的な風土が生んだものだ。家を継ぐべき長男、都会で好きなことができる次男。長男の悔しさも侘しさも諦念も、彼が夜遅く一人洗濯物をたたむワンカットを背中から撮ることで見せた西川監督の才能の煌きにまたしても舌を巻く。
そして、結末を観客に委ねてしまったラストシークェンス。これは、どのような結末を観客が望むのか、ということと、物語の登場人物に与えられた人物造形から当然導かれる結末とは必ずしも一致しないという事例の一つだ。
この映画が描いたものは小さな世界に過ぎない。だが人々の日常の中に眠る感情の均衡がさざめきゆらぎ、噴出し、溶岩となり草木を溶かす瞬間を切りとって観客を唖然とさせた。他人事には見えないその痛みをわたしはヒリヒリと感じ取る。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、何度か、あるカットが登場する。それは事件の真相を明らかにする証拠なのだが、その描き方に映画的なトリックがあって、これまた観客を混乱に陥れるようにできている。西川美和は意地悪なのかもしれない。観客に謎とほのめかしを残して後を引かせる。憎いね。
映画を観終わったあと、その映画について誰かと語り合いたくなる、そんな優れた映画です。
深い余韻の残る映画
投稿日
2007/02/07
レビュアー
パープルローズ
まもなくレンタル解禁ですが、近くで1日だけ上映していたので見に行ってきました。
見終わってからもずっといろいろ考えてしまう、深い余韻の残る映画でした。
顔も性格も全く異なる兄と弟。深く心の奥底に閉じ込めていた、幼い頃からの確執や互いに対する嫉妬が、ひとりの女性をめぐって顔をのぞかせ、ふたりの心はゆれる。
事件の真相は一体なんだったのか?真相を暗示させるようなカットが登場するが、どのようにも解釈することができるので、いろいろ考えてしまいます。
私のメル友吟遊旅人さんは、去年のベスト10に「フラガール」ではなくて「ゆれる」をいれておられまして、「どっちもよかったけど、好みの問題。」とおっしゃったのですが、なんとなく納得しました。要はこの映画のようにどのようにも解釈できる映画が好きか、すっきり納得できる映画が好きかで、評価が割れるところなのでしょう。私はどっちも好きですけど。
香川照之は「鬼が来た」で何てすごい役者なんだろうとびっくりしましたが、この映画でもすごくいいです。
唯一違和感があったのが木村祐一。もともと何をする人なのか知らないんですが、何でひとりだけ関西弁なの?
一番ゆれていたのは腕の傷跡
投稿日
2011/12/03
レビュアー
まみもぉ
小説を読んでいるようでした。
挿絵が動いているみたいな。
奇麗な挿絵。
やっぱり西川美和監督の中には、♂根があるんだと確信しました。
同性でなくては分からない神経部位
『ディア・ドクター』でそれを感じて感心しましたが、
神経だけではなかった…。
私的ぞっこんな俳優、香川照之さんのその才を存分に引き出し、露わにしていただき、
感謝の念もこみあげてきました。
面会シーンは、画面に文字が連なりました。
行間を読みながら、その有様が観えているという不思議な感覚。
自分の顔は、表情は自分では見えませんが、
香川さんには見えているのではないかと思いました。
脇役にしっかりした方が多すぎて、少々窮屈なところもありましたが、
そんな中で木村祐一さん、新井浩文さん(その娘)そしてピエール灘さん、ほどよく緩衝材的でよかったです。
『蛇イチゴ』ちゃんが声変わりして『ゆれる』君となり、
森の奥で成長し成人して『ディア・ドクター』氏となった…気持ちのよい流れ。
面白い、興味深い監督さん。性別♀なところが魅力的。
次作、楽しみです。
なかなか面白い表現するねー!作家としては天才かも!?
投稿日
2010/01/16
レビュアー
KASPAR
西川美和監督の映画は初鑑賞やったんすけど、なっかなか面白い(興味深い)監督さんやねぇー!
"作家"としては天才やと云ってもええと思うし、"表現者"として必要な情熱(←コレ大事)も画面から伝わってくる。もしかすると、10年後には日本を代表する"映画監督"になってるかもしれんね(←言い過ぎではないと思う)
まぁでも、現段階では、"映画監督"としては、まだまだかなぁーって感じ(逆にいうとまだまだ伸びしろがあるってことでもあるけどね)
□■□■□■□■□
どこがまだまだかっていうと、とにかく画の作り方が下手!(センスが無ぇー)
あまりにもあまりにもでこっぱずかしくなってもーた・・・(/o\)ミテラレナイヨー
どういうつもりでこういう中途半端に画角にこだわった映像を使ってもーたんやろ?
カメラがカメラとして存在してもーてるんよねー・・・(これは前半と後半のバランスの悪さも大きい!)
この素人くささが消えてくれたらええんやけど・・・どーも染み付いてもーた感性のような気が・・・
□■□■□■□■□
ストーリーは胸に響くエエ映画やけど、これからの成長も期待してちょっと辛めでいっときます!
まぁ、自分はイマイチ好きやない(評価は低くないけどね)けど、観て損は無い作品やとは思います♪
個人的満足度 72点!
秀逸な心理ドラマですね
投稿日
2008/10/25
レビュアー
ムーミンママ
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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「ゆれる」というタイトルは言い得て妙というか
巧いタイトルですね。
ゆれる吊橋を舞台に、3人の心がそれぞれにゆれる・・・
そんな様を描き出した作品です。
ここからは、ネタバレです。
できるだけネタバレレビューを避けているのですが
この作品はネタバレしても3人の心理を書いてみたくなります。
香川照之演じる稔。
カメラマンの弟を自慢に思う気持ちもあるし、弟のことはとても大切に
思っている。
でも、そんなカッコいい弟にコンプレックスも抱いている。
幼なじみで従業員の智恵子に好意を寄せているものの
あと一歩踏み出せずにいる。
彼女の気持ちを試したくて、法事で田舎に帰ってきた弟を
わざと彼女に近づけてみる・・・
オダギリジョー演じる猛。
真面目な兄のことは尊敬しているけれど
一方で不器用で要領の悪い彼を馬鹿にする気持ちもあわせ持っている。
昔、自分を好きだったはずの智恵子が兄と親しげなのが
どうも気に入らない。
押しの弱い兄よりも、女は少し強引なくらいの男に惹かれるはず・・・
なんていう計算とちょっとした意地悪心で智恵子をモノにする。
そんな兄弟と幼なじみの智恵子。
彼女の心にも女の打算と本音が見え隠れする。
打算の部分では、なかば諦めのように稔との結婚を思い描いていたはず。
そこへ、忘れたはずの弟・猛の帰郷。
彼女の心はゆれにゆれたはず・・・
心の中の女の部分が目覚めてしまった智恵子は生理的に稔を受け入れられなくなる・・・
嘘、駆け引き、打算・・・
いろいろなものが渦巻く人間の心理を描いた秀逸な作品です。
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