ＮＡＲＣ　ナーク

「真実を語れ」。この作品は巷のドンパチ刑事物の作品と一味違った作品です。ストーリーはありふれています。しかし男達の熱い戦いを見事なカメラワークと俳優人の輝いた演技ですばらしい作品に仕上げてくれています。同僚だった潜入捜査官の死を探る２人の男、クールなテリスと熱き男オーク警部補。対照的な2人をうまく絡み合わせた人間性の相違の表現法。ストーリーをクールに持っていっていますが、男達の熱演によって実に熱いドラマに仕上げていく演出法。全てがうまくかみ合ってとても低予算で作られた作品とは思えないものになりました。とても渋くて男くさい熱い作品。一味違った「刑事ドラマ」を是非ご覧ください。
　

もの凄く地味です。でも、もの凄く渋い刑事物です。聞き込み捜査が中心で、捜査を進めるにつれ、事件の全貌が見え始めるのですが、それにしても渋いです。基本は会話劇です。派手な銃撃もない。ただ、警官が容疑者を罵り野次り殴り続ける捜査ものです。リアルなのかどうかはわかりませんが麻薬の潜入捜査官の暗部と、生活の破綻と、警官としての正義感、何のために仕事をしているのか、なにが本質なのか、などが辛辣に描かれていきますが……地味です。この地味さは、事件が転開するに連れ、徐々に渋さに変わります。基本が会話劇なので事態は二転三転してゆきます。そこが、また渋い。地味さから渋さにハマれたので「どうなるんだ？」と楽しめました。

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潜入麻薬捜査官ガルベスが殺された。

その相棒オークと、元潜入捜査官ニックはその真相を探る。

って話ですが、犯人がどうかというよりも
これ、意外な展開と、そのウラに見えてくる思惑が
なんとも切ないですなあ。

殺されたガルベスの生前の行動、
ガルベスの潜入先の黒人たち、
オークの言動、
それぞれが伏線になり
意外でなんともやりきれないラストが待っています。

細かいことを書こうとすると
ネタバレに直結しそうなので書きませんが、
とある人がとったあの行動の理由を知ると
全面的に責めることができなくなりますね・・・・。

元潜入捜査官のニックも、
この真相を知り、
果たして、真相を報告してスッキリすべきか
それとも人間的な事情を考慮するかどうか
頭が割れるほど悩むところでしょうね・・・・。


いやあ、ただの先入観殺しの犯人探しかと思いきや
良質のドラマで、予想以上に面白い映画でした。


未見の方、ぜひどうぞ！


※トムクルースがほれ込んだ監督だそうで、
製作総指揮として名前がクレジットされてましたよ。

ジェイソン・パトリックってこの映画で初めて見た顔だと思ってたら、スピード2とかにも出てた人だったのねん。
ニック・テリスの役では、ヒゲもじゃだったから全然気付かなかったわ。。。

この映画、ストーリー的には結構おもしろかったです。
最初の出だし部分も良かったしね。
潜入捜査官の苦悩などがちゃんと描かれていたとこも良かった。
しかし、レイ・リオッタってどんな映画にも必ずといっていいくらいに悪役で出るよなぁ〜〜〜。
もうこの人の顔を見た瞬間に犯人が見えちゃうっ！って感じなんだよな。。。
コレでも『あぁ〜〜〜、またコイツか、、、』って思った。けど、この映画ではいつもとちょっと違うレイ・リオッタでしたん。

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見終わった直後はどうということもない作品と思いましたが、後からいろいろと考えさせられて、結局何回も見直してしまい、見直すごとにひきこまれてしまったような気がします。
乱暴者のレイ・リオッタはとにかく暴れまわりますが、ただ暴れまわるだけではないので、ついつい感情移入してしまい、ラストはひたすらに悲しい。しかし結局のところ人に冤罪をきせようとしていますから、やはりひどいやつです。（まあ、彼にとっては、マイクを麻薬づけにした連中こそが「マイクを殺した犯人」、っていう理屈なんでしょうけど。）　そういう、いい人なんだけどわるい人・・・いや、いい人だからこそ誰かのためにわるいことをするのかも？・・・という、なにか単純でないものを描いていて、「クラッシュ」のマット・ディロンを思い出させます。
一方のジェイソン・パトリックも、場面ごとにまったく違う人のように見えるのが印象的でした。家族とくつろいでいるときの男前と比べ、捜査に行き詰まって懊悩しているときなどは急速に老け込んで見え、それもまた、ニンゲンが一様な存在ではなく、いろいろな顔をもっているのだということを示しているのでしょうか。
確かに暴力的描写は激しいですが、昨今の性描写過多！な諸々の作品群に比べてそれほどグロテスクとは感じられませんでした。血みどろだけど、内容はそれに堪えるだけのものがある、と。

それにしても、「スモーキン・エース」と同じ監督なんですね。そういわれればたしかにあちらもまた、ライトなノリのなかにもラストはスッキリとはいかなくて、ちょっとニガいものを残してましたっけ。そしてあのときも私はレイ・リオッタが死んでしまって悲しんでしまったんでしたっけ。いっつも死ぬんだね〜レイは。まつげバチバチなのにね。