なごり雪

素人並みの演出と演技とせりふの棒読み、結局のところ最後まで物語の世界に入り込めないで終了。「ひょっとしてそれがねらい？−まさか？」アマチュアの作品を観ているみたい。この曲が好きで、なつかしくて、楽しみにしていたけど、ぜんぜん駄目。思い出すとこの監督の作品でおもしろいと思った作品はひとつもなかったなあ。生理的に駄目なのかも。曲はイイのになあ。

"尾道三部作"（『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』）で有名な大林監督。　

本作の舞台は大分県“うすき”　学生の頃　八幡浜〜臼杵航路フェリーで訪れたことがあります。　丁度本作で描かれた時代です。　映画で描かれているように若者が楽しいような遊び場所なんてありません。　でも不思議に落ち着くんですよね。　初めて訪れたのになんだか“なつかしい”感じ！　観ていてあの頃のことをふと思い出しました。　

甘酸っぱい切なさとセピア色のノスタルジックな郷愁が　画面一杯に感じられる。　あぁ、これも大林さんの作品なのですね。　観ている間に劇中に引き込まれて

「祐作くん、しっかりしろよ！　雪ちゃんは君に惚れてるんだよ。　ちゃんと答えてやれよ。　宙ぶらりんのまま、生殺しは“卑怯”だ。　優柔不断な中途半端なやさしさは相手を逆に傷つけるんだ。」

そう主人公の祐作に呼び掛けていたのでした。　でも、本当は祐作にきっとあの頃の自分を重ねていたからなのでしょう。

伊勢正三氏の名曲『なごり雪』の唄に籠められた“想い”をあなたはどう感じるだろうか？

　

大林宣彦映画というものは当たり外れが多く、観るのに思いっきりが必要です。私にとってこの映画もついに劇場では観ることなく終わった映画でした。この映画はＤＶＤになったからこそいい映画だといえそうです。特典映像での大林監督の解説があったからこそ「どうして棒読みの台詞があるのか？」、「どうして雪というものを想像し難い九州の街が舞台になっているのか？」などの疑問が解決できました。ついでにどうしてイルカの“なごり雪”ではなく伊勢正三の“なごり雪”なのかも解決できました。商業的には成功ではなかった作品だったかもしれませんが、私の中では成功した作品でした。

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　前半部は、他の人のレビューに有る様に駄作に思えたが、後半部は良かったように思う。
　「なごり雪」はイルカさんのが好みなので、違和感を感じていたが、特典の監督のインタビューを見て、敢えて使わなかったことが解った。
　竹の灯篭が綺麗だった。
　宝生舞さんのＸＸＸが見れてラッキーだった（作品名が解らなかったので・・・）。

「なごり雪の降るときを知り、ふざけすぎた季節のあとで、いま春が来て君はきれいになった、去年よりずっときれいになった」というあの有名な歌をモチーフに作られた青春映画に、自らの若かりしあの頃に回帰すべく期待して見たのだが、ヒロイン雪子が７０年代の生硬な時代の少女を体現しているのは認めるものの、彼女の台詞回しの大仰さ、ただ追憶の中で立ち尽くすかに見える中年男二人の存在感の薄さ、加えてプロットを歌詞に合致させるためだけに捻じ曲げたと見られる不自然さに、最後まで鑑賞するに耐えなかった。期待した分、失望も大きかった。このレビューをご覧になった諸兄・諸姉、レンタルチョイスの前に御一考あれ。而して時間の無駄を省かれよ。これはまさに世紀の駄作と断言できる作品である。