僕の美しい人だから

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この映画、あまり期待して見なかったのですが、なかなか良かったと思います。特に、スーザンサランドンが・・・・

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セントルイスに住む27歳のエリート広告マンであるマックスと、ハンバーガー・ショップで売り子をしている43歳の女性ノーラのラブストーリー。
そんな二人が年齢や生活環境のギャップに戸惑いつつも真の愛を見つけていくというもの。

ハッピーエンドは悪くはないけど、僕的にはちょっと消化不良かな。
似たような経験をしているからなのかもしれませんけど（汗）
マックスがすべてを捨てでもノーラを求める理由があまりに足らないのです。
セックスの相性がいいってだけの理由では、自分の築いたすべてを捨て去る理由としては弱い。
そこにはもっと「何か」がなければならない。
その「何か」が仮に「自分らしさ」だとしても、やはり描き方が足らないのである。
もっともっと「ノーラを求めなければならない心の姿」を描いて欲しかった。
ハーレクイン的でちょっと惜しい。

マルチプルオスカー受賞のアルヴィン・サージェント。「羊たちの沈黙(1992)」でオスカー受賞のテッド・タリー。25歳の年齢差の脚本家がタッグを組んだ映画が悪いわけが無い。

主人公は1990年製の新車のボルボ、家にはグランドピアノ、子供の頃はバイオリンを習い、カーステレオでかけるCDはオペラのアリア。ボルボの型といい、オーミオ・バッビーノ・カーロを歌うルチア・ポップの声といい、1990年当時の香りがいっぱい。ルチア・ポップは1993年に亡くなりましたが。

ということで、格差恋愛の話しだ、とすぐに分かる。この映画で大事なポイントはよっつ。

(1) 格差と言ったって、人間に格差があるわけじゃなくて収入に差があるのが格差社会であると言う事。だから、ウエイトレスだから恥ずかしいなんてことは無いと言う事。自分がマックスだったらウエイトレスの年増の彼女は恥ずかしいだろうな、と、そういう考え方をした方は、思い違いである。職業に貴賎は無いのである。

(2) セックスと愛とはそれぞれ別々に存在して、それぞれに意味と価値があると言う事。愛の無いセックスは存在するし、それはなにも悪いことではない。セックスしたら愛するようにならないといけないのでもない。ここは子供には分からないだろう。私もそうだったし。だから、ノーマがマックスにブロウジョブしたのも(寝技という字幕は誤訳である)、大人のノーマが思うように、マックスにはそれが必要だったからだ。そもそも、ブロウジョブにしてもクンニリングスにしても、奉仕でしょう。自分に気持ちいいことは何も無い。ノーマがまず与えたのである。無償のものを。この意味ではセックスも愛も同じである。ただし、愛していたという訳ではないという事だ。

(3) 年増の女のセックスにおぼれたのではないと言う事。マックスはジェニーという傍目には理想的な妻を事故で失っているのである。なぜわざわざそういう設定にしたか？ジェニーは最重要登場人物である。マックスは美しいものを一貫して選び続けたのだ。ジェニーとノーマはマックスの中では全然同じではない。と、セリフでも言っている。人が違えば愛も違うのは当たり前だが、マックスはジェニーしか愛したことが無いからそのことが自分で説明できない。それが理解できたときがノーマに一直線に行けるときだ。ジェニーを忘れるときが来たわけではない。ノーマが最初に子供の死の話をしたとき、「もう終わったことよ　そうでしょう」と言うではないか。もう人生は先に進まなくてはならないのだ、ということをずっと前からノーマは理解していた。大人だから当然だが。

しかし、この脚本はやはり素晴らしい。小説と、映像化を創作しなければならない脚本とは、絵画と音楽のように違うものだと私は常々思う。赤いドレスを着たノーマはマックスの奥さんの死んだ話しをなぜか笑い続け、画面の色に注目させといて次に「死んだのは私の子供よ」というセリフで今度は観客の心をわしづかむ。。。小説では出来ない芸当だ。

大事なポイントの四つ目を忘れていた。(4) ボルボのヘッドライトを直すのにあんなに時間がかかったのを深読みしている方がいらっしゃるが、1990年当時のボルボは部品の供給が非常に遅かっただけである。私も乗っていたからよく覚えている。私のボルボも左ヘッドライトだった。今はどうか知らない。


ひとつ気がついたけど、エグゼクティブ・プロデューサーは、シドニー・ポラックなんだね。この人も魅力的な人だった。(ことし亡くなりました) 「アイズ・ワイド・シャット(1999)」でコールガールとセックスしてたおじさん。




オーミオ・バッビーノ・カーロ　天井の音楽　アーニャ・ネトレプコでどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=deztqFs-gfQ

　ラブストーリーは好きですが・・・・・

　これは、普通のラブストーリーとしてはとらえにくい醜さがあります。心の中で、もういいから〜〜若い娘を探そうよ〜〜と訴えたくなってしまう。歳の差を綺麗に表現している映画が多く、憧れることもありますが、これは・・・　　　　好青年と、肉の垂れ下がったお母さん的彼女とのＳＥＸシーン。私的に、感動はありえません。
　＃若かりし日のスペイダーは　素敵ですね！

運命的な恋の物語を期待していたのに残念！！悪くはないけど、抑揚が少ない。どうしてお互いじゃないといけないのかが描かれてなくて、もうひとつでした。これなら、プリティーウーマンとか、ポワゾンとかの方が数段上です。