冬のライオン

ショーン・コネリーの 『風とライオン』 を借りたつもりで観始めて冒頭のピーター・オトゥール登場でびっくらこいたとゆー、大いなる間違いから出合った作品ですけども。。いや、こっちも借りて正解でしたね。 かなり気に入ったので２回観ちゃいましたよ。

やはり見どころは、オトゥール先生とキャサリン・ヘプバーンで繰り広げる愛憎の応酬でございましょう。 二人の演技も然る事ながら 脚本もたいそう秀逸なので、より一層楽しめます。 こんな王と王妃なんか見たことないっす。すごいよ、もう。。

また、（別の意味で）すごいと言えば、若きフランス王を演じたボンド、、、いやいや、若き日のティモシー・ダルトン。 本作で映画デビューしたらしいけど、この役柄にこれ以上の人材はいないだろーと思うよ （大絶賛中）。 もぅね、容姿も所作も声も、何もかもが完璧で、そのうえ妖しい色気まで発するもんだから、ほんと困ったもんです・・・ どのシーンも画面に釘付けで字幕読めなかったんだよね (^^ゞ

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「アラビアのロレンス」からたった６年目の老け役、ピーター・オトゥールが女好きで優柔不断で女房が捨てられず下心いっぱいで孤独な王、もっといっぱい複雑な性格をもっている人間を年寄り臭く演じています。
息子３人はどうしようもない奴らばかりで次期の王にふさわしくない。死後の次期の王や領地が心配でならない。

似た者同士の元女王と言っていい、幽閉中の女王はクリスマスになるとその城から出してもらえて、王と語ることができる。
憎み合いつつ、戦友のような仲なものだから、しみじみと語ったり、ののしり合ったり、過去にこだわりネチネチと責める。
せめて若い愛人となってしまっている人質のフランス王女に勝ちたいとお洒落しても年が禍をする。もう、ドロドロなんです。

「どの家庭にも浮き沈みはあるわ」時代を超えた名言です。

劇中のキャサリン・ヘップバーンに圧倒されました。
鏡を前にした独白シーンなど忘れがたく…
やっぱり凄い女優だったんですね。

一方ピーター・オトゥールは、実際はキャサリン・ヘップバーンの息子の年齢なのに、年下の夫には見えません。
これもすごいこと…

歴史上の王に題材をとった王家の物語ですが、「別れるに別れられない夫婦の愛憎ドラマ」と見ました。

夫婦間のゲームに子供達は巻き込まれます。
子供達がまた、野心あり、嫉妬心ありで仲が悪い。

王が王妃を見送るラストは何故か晴れ晴れとして、ゲームは更に続く…という感じです。
実際の歴史を知りたくなりました。

P・オトゥールとK・ヘップバーンの王位継承の駆け引きが実にスリリングで目が離せないほど引き込まれました。
気丈で抜け目ないのだが軟禁され孤独な王妃であるがゆえに時折みせる中年女性の寂しさやわびしさを見事に演ずるヘップバーン。
オトゥールも王位継承の難しさに悩み抜く姿を見事に演じており2人の名優の競演は見る価値ありです。それにA・ホプキンス他演ずる3人の息子たちが加わり意外な展開も見せてくれます。

ヘップバーンはM・モンローなどと違いセクシーさを売り物にしない自分の個性をしっかり持っていた女優で実際彼女ほど大物にモテた女優はいなかったのでは？代表的な人はJ・フォードにH・ヒューズ、のちにはS・トレーシー。凄い女優。
この作品内容重視の方におススメします！

アカデミー賞受賞ということで期待したが退屈だった。
　ただし芝居好きな方にはピーターオトール、キャサリンヘプバーン、の重厚な演技が気に入るかも。