夕陽のガンマン

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昔、テレビで何度となく観てました。しかし、ラストで明らかにされる確執は、当時の私に理解できていたでしょうか。

普通に観てふつーうに面白い映画なのですが、登場人物の描き方が少し変わってます。
まずいの１番に登場するのがリー・バン・クリーフであり、彼の射撃の腕はイーストウッドを上回り、理性と知性を併せ持った老獪なる男として物語に占める存在感が大きいため、彼が主役のように見えてきます。しかし幾度となくテーマソングにのって登場するイーストウッドの姿には、彼が主役であると高らかに宣言しているようなので、相棒のような師弟のような新旧価値観の相違を持った者のような２人の関係が、なんとも曖昧なる立ち位置に写ってしまうのです。
そして登場する強盗団のボス。彼の登場と共に、人物描写の割合は彼とその一味へと移ります。時代的に残酷描写は控え目ではありますが、一味の持つ異様さ、軽々しく生命を扱う残虐性が浮き彫りにされ、更にはボスの過去のシーンまで挿入されるのです。人物の経緯を明らかにする描写はクリーフもウッドですらないのですが、物語の後半においては、ボスの心理描写が大きな比重を占めてくるのです。
これは正義（純粋な正義ではありませんが）というものは分かり易いので、男達の佇まいや行動で表し、忌み嫌われる悪に人間味を加えるがための、イタリア的な描写だったのかと観ていたら、ラストではっきりされる唐突で意外な確執に、結局この描写の割合が大きな伏線だったと気付きました。

やはり主役はクリーフってことを、隠すがための筋書きだったとも思えるのですが、物語においての人物描写に微妙な抑揚をつけることで、３人共が主役に成り得たとも思わされる筋書きでした。

そう考えると、かなり凝った筋運びなんですねぇ。でも、そんなこと気にしちゃいけないんでしょう。クリーフやウッドのガン捌きを無心で観たほうが楽しめます。
でも勝手に納得して、思い込みで観ても楽しい作品でした。★４個。

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久しぶりに見ました。
クリント・イーストウッドはやはりかっこいいです。
この映画と「荒野の用心棒」は大好きですね。
登場シーンからして凄腕を感じさせてくれます。
ガンマンの大切な右腕は一切使わず、左手一本で相手を伸してしまうところとか、相手の帽子を飛ばして己の腕を自慢するなど現実ではありえない設定が漫画チックでまさにマカロニウエスタン？
日本の時代劇と同じで、撃たれても血は出ません。
脇役は１発で死にますが、重要な人物は撃たれても即死しません。
それもお約束です。
主演はイーストウッドとなっていますが、リー・ヴァン・クリーフが主演ともいえます。すごくいい感じ。
目つきや鋭くとがった鼻の形が独特で冷徹な感じがします。
ジャン・マリア・ボロンテも敵役として渋い。荒野の用心棒でも敵役として出ています。

リー・バン・クリーフに主演の座を譲っています。最後の決闘シーンを高みの見物しているイーストウッドも渋い。

また、純粋な賞金稼ぎに徹しているところもさすが。

雨の中登場するシーンなど、その後のイーストウッド作品の特徴が伺われます。

荒野の用心棒と同じくらい面白いです。

前作「荒野の用心棒」が手探りの作品とすれば、この「夕陽のガンマン」（1960）は完成された名作です。
セルジオ・レオーネ監督（1929〜1989）の傑作は、「ウエスタン」（1968）、「夕陽のギャングたち」（1971）、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」（1984）が存在し、再見し、レビューを上げたいと思っています。監督は寡作であり、60歳で亡くなっています。
最初のタイトル・デザインと音楽に注目します。荒野、「口笛、エレキギター、合唱」、ライフルの銃声で一人の騎馬の男が撃たれる。エンニオ・モリコーネの音楽は、「ヴィン ヴィン」というゴムを口端で指で弾き奏でるような不可思議な音を使います。「シシリアン」（1969）でも使われていました。音楽の素晴らしさは、結末の三角決闘で、小さなオルゴール時計の単純で哀しいメロディとエレキ、合唱の劇的な音楽で高潮します。
この映画は三角形で成立しています。
〇「名無しの男」（クリント・イーストウッド）
〇「ダグラス・モーティマー大佐」（リー・ヴァン・クリーフ）
〇「エル・インディオ」（ジャン・マリア・ヴォロンテ）

三人がどういう関係であり、▲決闘は誰が生き残るのかは、映画を最後まで見るまで
分かりません。どうぞ、スリルと哀しみを……。

約５０年前の映画。クリント・イーストウッドの若いこと…メッチャ格好いいです。
マンゴー（クリント）と大佐（クリーフ）はインディオを賞金稼ぎとして殺すと言う同一の目的から手を組む。
マンゴーは激しい性格で素早く動き、片付けるのが得意。大佐は身のこなしも上品で、冷静に計算してから片付けると言う正反対の二人。

マンゴーは振り返り様に3人の悪党を一気に打ち殺す早打ち。大佐は、慎重に計算して銃を撃つ。どちらも確率100％と凄いシーンばかり。
インディオ達は一番守りの硬い銀行を強奪することになるが…その方法が素晴らしい。あっと言う間にお金を盗み走り去る様子は「お見事！」と扇を広げたい。
そんな二人もインディオの一味を片付けるのに苦労する。そしてやっと片付けるが大佐はお金は要らないとマンゴーに手柄を譲る。

マンゴーは死体の懸賞金を数え始め、一人足りないと思うが…この場面のマンゴーと大佐のやり取りが、もうお洒落で最高に面白い。
ぜひ、このシーンを映画で観て楽しんでください。クリントと大佐との息のあったコンビが…「続・夕陽のガンマン」へと続くのでしょうか？