スノー・ロワイヤル

『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』は観ていないので
それは後で見ることにして
本作のリーアムさん演じる除雪作業員のネルズ・コックスマンさんは
決して除雪車で次々と敵を始末はしませんね。
始末はしますよ。
始末はするけど、その手口はいろいろです。
除雪車で捻りつぶすが如くのイントロダクションですが、違います。

終始ブラックなコメディタッチで案外楽しめました。
市から模範市民として表彰されるほどの真面目人間のコックスマンさん。
警察は息子は薬物過剰摂取での死亡であって、事件性はないと取り合ってもくれない。
そんなこんなでコックスマンさん、怒りましたわ！
復讐の鬼と化しましたわ！
真の犯人を探し当てるまで問答無用で
関係者一同殺しまくりですわ！
遺体の処理が済むと、十字架マークが登場し合掌。
雇った殺し屋さんの顛末もお笑いです。

それにしてもコックスマンさんは本当にただの除雪作業員さんなんですか？
強いです！
お兄さんはマフィア？みたいなので、やはりただ物ではなかったのかな？
そう思えばあの巧みな大暴れぶりも納得です。
ラストのオチもブラックですが
果たして、コックスマンさんは、罪は償わなくて良いのだろうか？（←え？そこ？）

ヤクザ者をテーマとしたコメディ。
休憩なしで一気に観られる。

とにかくテンポがいい。
生かしておく価値のない者ばかりが登場し、それらがどんどん死んでいく。
人間の命は皆平等だとか、ひとりの命と万人の命を天秤にかけてはいけないとか、そういう左巻きの空疎な議論が吹き飛ぶ。人間にはいろいろあって、殺してもいいヤツがいくらでもいるし、そいつらの命の重さはイヌやブタの命よりも軽い・・そういうお話。
冒頭でリーアムのおっさんの息子がヤクザの勘違いで殺されるのだが、そこまではシリアス。そのあとはコメディ。最後に生き残ったエスキモーの麻薬組織のボスだけは生かしておくべきということのようだったが、わたしはそうは思わなかった。

スノー・ロワイヤル（２０１９年・アメリカ、カラー、１１９分）

２０１４年「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」を２月２２日に観ています。
ノルウェー、スウェーデン、デンマーク３国の北欧映画でした。監督は両作品ともハンス・ペテル・モランド（ノルウェー出身）ですから、ストーリーや登場人物の設定もほぼ同じです。

どちらに軍配を挙げるか．．．挙げません。
点数も付けません。（私は映画に点数をつけるのは、なにか ‘上から目線’ のようで性に合いません）
北欧版は確かに面白かったのですが、このアメリカ版も負けていません。
特にリーアム・ニーソンの、いつもの孤独感と寂しさの混合したような表情が作品に合っていました。

アメリカ・コロラド州キーホー（架空の町）。除雪業を営むネルソン・コックスマン／通称ネルズ（リーアム・ニーソン）が模範市民として表彰されていた頃、息子のカイルが何者かに襲われ殺害される。ネルズは妻のグレース（ローラ・ダーン）と共に遺体安置所を訪れるが、警察はドラッグの過剰摂取が原因だとして捜査する気など毛頭ない。ネルズは息子の知人から、犯行は麻薬密売組織の者だと聞かされ、復讐に立ち上がる。実行犯を見つけ出し、殺害を指示した者など次から次へと始末していく。妻に家出されたネルズは、兄のウィングマン（ウィリアム・フォーサイス）を訪ね、殺し屋稼業で麻薬密売組織のボスであるヴァイキング（トム・ベイトマン）の情報を得る．．．。

北欧版と同じく、死んだ男たちの墓標マークが次々と出てきます。
その数を数えながら観ていました。（どうでもいいことなのに、変なところで執着心が湧く）
北欧版は合計２２だったのに対し、本作は２６だったと思います。
最初は１人ずつ出ていたのですが、後半の組織同士の銃撃戦で大勢が死に、北欧版では墓標は画面一度に
９人出たと思います。本作は一度に１２人出ました。（ほんと、まあどうでもいいけど）

麻薬組織のボスは、北欧版は「伯爵」と呼ばれていましたが、本作は「ヴァイキング」でした。
怖さは「伯爵」のほうが数段勝っていたと思います。カリスマ性が違っていました。（笑）
「ヴァイキング」を演じたトム・ベイトマンは、２０１７年「オリエント急行殺人事件」に出ていました。ポアロの捜査を依頼する鉄道会社の男の役でした。

本作では女性警官キム（エミー・ロッサム）の出番が結構多く、その点は北欧版とやや趣を異にしていました。コンビを組んでいる年配の警官との間では、仕事に向き合う姿勢で大きな開きがありました。

リーアム・ニーソン、１度くらいは笑うかな？．．．と思って観ていましたが、
笑いませんね彼は。この映画に限らずですが。

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淡々と簡単に人が死に、人が死ぬ度に十字架と名前などがスクリーン上に現れる演出は面白かったです。
それなりに楽しめたのですが、登場人物たちの背景が曖昧で、惜しむらくは作品に入り込めませんでした。

奥さんは何で出ていったの？
あれだけ大っぴらにコカインを取扱い、簡単に人を殺す麻薬王は野放し？
殺された息子を巻き込んだ友人はあの状態で、麻薬の過剰摂取？
敵対する麻薬組織のボスと友達だったの？
なんていろいろな疑問がよぎりながら見てしまいました。
最後やっとパラセイリングの人が除雪車で粉砕されますが、意味がわからず苦笑いしてしまいました。

淡々と進むストーリー。
もう少し設定をしっかりと作りこんでいるともっと良かったと思います。

それなりに楽しめましたが、惜しい作品でした。

９６時間シリーズみたいに気分爽快に敵を倒していくわけではないが
それなりに面白かった。
悪者が死んだ後の演出とか結構悪ふざけ感があって
シリアスな話なのにどこかコメディ調な感じ。

ちなみに
あらすじに「除雪車で次々と敵を始末していく」と書いてあるけど
そんなシーンあったっけ？