ブレイン・ゲーム

作品としては 及第点。
ただ とても待たされて見たので その割には イマイチかなぁ。
ブレインゲームは 頭脳合戦かと思っていたから その点では 少しガッカリしました。
アンソニーホプキンスは 羊たちの沈黙のイメージが強すぎて 今回も つい思い出して被らせていました。
彼の 達観したような 遠くを見つめるひとみが 印象に残りました。

少し前に邦画「ドクター・デスの遺産」というのがあったが不治の病に苦しむ患者を家族からの依頼を受けて安楽死させるドクター・デスを描いた内容だったが、本作はそれを実施するのが超能力者という設定になっている。
もし現代にキリストが存在していたとすれば、彼は人々の苦しみを取り除き、安らかな死へと導いてくれる慈悲の心を実践するのだろうか。
延髄を一突きされて即死状態で発見された連続殺人事件の捜査にあたっていたFBIのジョー、相棒は精神病理学を収めた才媛キャサリン捜査官、捜査に行き詰まりを感じて昔の仲間犯罪アナリストのジョンを訪ねて手助けを求める。
演じているのはハンニバル・レクター役で名高いアンソニー・ホプキンス、この連続殺人事件に興味を示したジョンは現場を訪れる。
実はこのジョン、リーディング能力を有しており、手に触れた人間の過去と未来が断片的に見えるらしい。
そして被害者たちが不治の病に侵されていたという共通点を示唆するものの、捜査を投げ出してしまう、犯人は超能力者で自分より能力が高いので太刀打ちできないというのが理由らしい。
こうしてアッサリ超能力者対決は決着がついたように思えるがまだ続きがある。
犯人の目的はなんなのか、彼にも人の未来が見えるらしい、人が近い将来病に苦しみ耐え難い苦痛に支配されることを見越して苦しみのない死を与えてやるという、いかにも自分が神であるかのような存在を強調する。
「命は尊いものだ、最後まで見守るべきだ」とジョンは言う、どんなに苦しくても一秒でも長く生きたいと思う人もいるだろう。
でもジョンが白血病で苦しむ愛娘に行った行為はどうなのか。
病死するよりも殉職と認められた方が、遺族に対する恩給の額が違うという場合もあろう、犯人の行った行為は正義なのか。
いろいろと議論のあるところではあろうが、人の生き死に他人が拘わるべきではないという意見が大勢を占めるような気がする。
本作の前半はなかなか面白かったが、些か尻切れトンボ的な終わり方に不満が残ってしまう。
あまりにも犯人とジョンの超能力を全面に出し過ぎたのが問題でもう一工夫あっても良かったのではなかろうか。

題名からは「ブレイン・ストーム」みたいな話なのかなと思っちゃいましたけど、超能力で連続殺人犯を探すの話でした。「ブレイン・ストーム」よりは面白かった。犯人が謎のうちは引き込まれましたけど、コリン・ファレルが登場してからはイマイチでした。繊細な超能力者の役ならジョディ・フォスターあたりでもよかったように思います。ただ、アンソニー・ホプキンスががんばってたので最後までしらけることはなく、ヒューマンな雰囲気で締めくくられていてよかったです。共演のアビー・コーニッシュはどことなく太ってますけど、美人でした。歳みたらもう３７歳だそうで、なるほどと思いました。

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犯人が出てからの後半一気の展開が見せてくれるのですが、サイコメトリーと予知能力の映像演出を使いまくってるせいで、映像がゴチャゴチャしてだめでしたね。

前半の展開はわからんでもないんだけど、犯人までいくのが長すぎて、かつ、犯人の素性がイマイチつかめずに終わります。

単純に予知能力だけにすればすっきりして、主題である「本人も周りも心身ともに苦しむ病が発症す前に、痛みもなく死なす。」という神の領域の部分がはっきりと出たと思うんだけどなあ。

過去もわかり、未来もわかるのであれば、それこそ神でして、全能感がありすぎる割にはたいしたことしないホプキンス。ちょっとそこが解せんのよね。

「ブレインゲーム」とは頭脳戦の事では無いの？
この映画の展開の何処に頭脳をつかった戦いがあるの？
原題の「SOLACE＝慰め　慰安」もどうかと思うが、邦題は明らかに
内容を曲げている。
アンソニーホプキンスも羊たちの沈黙を踏襲したイメージでヒットすると思ったのかな？