バッド・ジーニアス　危険な天才たち

もちろんカンニングは いけない事なのですが、
まるでスパイ映画のようにスリル満点で 応援したくなります。
あんなカンニング方法を思い付くなんて、本当に頭が良い証拠。
アメリカに留学できず、自分で起業したとしても 成功できるのでは？

珍しいタイ映画で音声もタイ語、高校生のカンニングを題材とした映画だが単なる学園モノではなく緊迫感のあるなかなかの仕上がりで、エンタメとして優れ、そこに社会要素を織り交ぜるという質の高い作品。
天才や秀才というのはどこの学校にもいるものだ。
主人公リンは小学校からオールAの成績、特に数学は得意分野のよう、高校入学の面接でその片鱗を披露し、特別奨学生の特典をかち取り高校生活が始まる。
あまり成績の良くない親友に試験で自分の答えを教えてやる、試験の解答はマークシート方式だからA-Dを消しゴムに書いて靴の中に落として後ろの席に送るという方法。
見事成功して親友は及第点、その親友の彼氏が富豪の息子、リンのカンニングをビジネスにしようと持ち掛けて希望者を募る、つまり解答を教える対象が一対一の関係から拡大されることになり、今度はピアノの指の動きからヒントを得て指で解答を仲間に伝える伝達方法、そして少なからずの報酬を得るリン。
ものすごいスピードで問題を解き、それを仲間に伝えるというのはやはり彼女の人一倍優れた才能があるから可能なのであろう。
ここでもう一人の天才、バンクがこの問題をチクったりするので少しややこしくなるが、次なるビジネスチャンスは国際的な大学入試テスト(STIC)世界同時に行われるこの試験、時差を利用してリンと仲間になったバンクが海外で試験を受けその答えを暗記してタイの受験生に送るという方法、ここからはスパイ映画顔負けの緊迫したシーンが展開される。
リンもバンクも裕福な家庭ではない、一方では親友の彼氏のように優雅に暮らし、海外留学も簡単にできる環境にいる者もいる、貧富の差、格差社会、権力の横暴、持つ者と持たざる者、そんな社会を際立たせている側面も見えてくる。
カンニングは勿論不正行為、それを腐敗だらけの現代で堂々と叱れる大人たちが何人いるのだろうかとフト考えさせられる。
最後にリンとバンクの選んだ人生の道、果たして二人の将来はどう違ってゆくのだろう。

浮気してもいいけど、絶対私にわからないようにやってね（彼女）。
違反してもいいけど、絶対事故起こすなよ（警察）。
カンニングしてもいいけど、絶対みつからないようにやってね（先生）。
みたいな。
自分で責任取れるなら、100％ダメとは言えない気がしてきた。
とはいえ、みつからずに無事合格できても、いつか報いを受けるような気もする。
採点が楽なように、手を抜いてマークシートにしている方も悪いよね。
自分もカンニングやったけど、これからもなくならないのかな、とか、いろいろなことを考えさせられました。

タイ映画はあまり見る機会がないのですが、始まりから終わりまで楽しめる作品でした。
学歴と貧富の格差はどの国でもありますね…。
カンニング、ホントはいけない事なんだけど、なんか応援しちゃいました（苦笑）

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久々に新作を鑑賞しましたが、面白かったです。

多少の中弛みはあったものの、中盤から後半にかけてはスピード感もありスリル満点でした。
アクション映画でもサスペンス映画でもないのに、ハラハラドキドキしちゃいました。
タイではスリラー映画に分類されるみたいですね。

主役の頭脳明晰なリンが新しい学校で友達になったグレースに試験の最中、答えを教えてしまう事がきっかけに「カンニング」がエスカレートしてしまい、他の生徒も加わって、一儲けしようと企む話です。

主役のリンを演じたチュティモン・ジョンジャルーンスックジンが素人っぽい感じがいいなぁって思ったら、これがデビュー作だそうです。
他の高校生達も役者としての経験が浅いらしく、唯一リンの父親役の方が経験ある俳優さんだとか。
この映画の原題を訳すると『悪知恵が働く』という意味だそう。なるほどね〜！

実際に中国で起きた事に基づいて作られた映画らしいけど、確かに中国だったら実際にあっても不思議ではない気がします。老婆心ながら、これを観た若者が似たような事をしなければいいけど・・・なんて少し心配になりました（←大きなお世話でしょうけど）。
まぁ、カンニングなんて事をしたら、大きなリスクが付きまとうって事ですよね。
真面目にお勉強しましょうね。