ＳＰＹ／スパイ

ちょっと前に観た作品で、その時にレビューをつらつらと読んだ限りでは、
主演のメリッサ・マッカーシー演じる“おばさんスパイ”が大活躍！楽しい！って、
おおむね好評だったので、別に自分が付け加えることもないかなと
レビューは書かないつもりだったのだけど。

その後、新しいレビューが加わるごとに「オバサン・バッシング」が増えてきた気がして（泣）。
援護射撃に乗り出すことにしました。オバサンとしては黙っちゃいられねー（笑）。

思うに、「スパイ映画」を期待する男性にはダメでしょう、この作品は。
スパイ映画と言ったら「男の夢」でしょうからね。
世界を股にかけた「お仕事」と、美女との後腐れのない「アバンチュール」。
この２つの醍醐味が味わえない・・・、活躍するのは太ったオバサンで
キレイなお姉ちゃんの裸のひとつも拝めないんじゃあ、そりゃガッカリもするでしょう。

でも・・・。
この作品はコメディですから・・・。
（あ、ジャンルがアクションになってる！ディスカスのトラップだ）
内容は「もしもオバサン事務員がスパイだったら・・・」っていうコントですから。
（スパイ・アイテムが「お尻拭き」って・・・！笑）

当然ジェイソン・ステイサムだってお笑い要員。
個人的には、あの「般若（はんにゃ）顔」がどうにも好きになれない役者さんだったけど、
このたびのコメディ・リリーフぶりにちょっとポイントが上がった。
シャレの分かる人って良いよなぁ。

とにかく私はこの作品、とっても気持ち良く大笑いして観たのだけど、
考えたら、本作は「オバサンの夢」がいっぱい詰まってたんだな（笑）。
現実には記憶力も判断力も鈍くなって若い頃のように仕事をこなせない自分がいて、
容姿も衰えて女としての自信が持てなくなっていたりする訳で・・・。トホホ。
本作の「かっこいい」オバサンに夢を見させていただいたと言うことです。
オバサンは若いツバメを食い散らかすような下品なことはせず、
ずっと片思いっていう乙女チックがまたよろし。

エンドロールの最後は御愛嬌（苦笑）。

このジャケットでいけば
なんか知らないおばちゃんが
ジェイソン・ステイサムと
ジュード・ロウと一緒に
コミカルに活躍するんだろうと想像するのが
一番全うなイメージだと思います。
「スパイ」というタイトルだし
意見を対立さえる凄腕スパイのジェイソンとジュードが
おばちゃんをフォローして大活躍、みたいな。
それがそれが
そんなイメージ全部とってエイっ！技あり〜〜
イメージを放り投げる
遥か彼方に放り投げてしまう
そんな活躍を見せるのが
ジュエイソンでもジュードでもない
おばちゃんだなんて！
そんなの聞いてない（笑）
言ってないだろうけど聞いてない（笑）
話が違う（笑）
してないだろうけど話が違う（笑）
ジュード・ロウ出てこねぇ〜〜〜〜
出番少ねぇ〜〜〜〜
ジェイソン・出てこねぇ〜〜〜〜
出番少ないしマヌケ〜〜〜〜〜
求めてるものが提供されないモヤモヤ
モヤモヤモヤモヤ
しかしそんなモヤモヤ吹っ飛ばすおばちゃん！
おばちゃん！
活躍するおばちゃん！
アレ、そんなにイヤじゃない（笑）
それなりに楽しめる（笑）
およそスパイらしからぬおばちゃんが
その「らしからなさ」を最大限に活用して
世界の悪を退治します。
やっつけます。
こらしめます。
なんかこういう表現をしたい感じのおばちゃんです（笑）
恋するおばちゃんです（笑）

きっとジェイソンとジュードがそれほど出てこないからでしょう
世界的には興行成績で成功しながらも
日本では劇場未公開作品となりました。
だもんで
期待してなかったけど拾いもの♪的な扱いで
鑑賞していただくと楽しめるのではないかと思います。
くれぐれも注意してほしいのは
カッコよくてキレッキレのアクションを駆使する
ジェイソンは登場しないということです。

今までのアクション・コメディとは一味違った、新しいタイプのバージョンだ。
何より映像がスタイリッシュで、観る者に新鮮な感覚を感じさせてくれる。

何といってもメリッサ・マッカーシーの魅力満載の映画で、明らかに主演は彼女。
ジュード・ロウも、ジェイソン・ステイサムも、彼女の前には「ひれ伏してしまうただの男」にすぎない。（これは言い過ぎか．．．＜笑＞）

多分に００７シリーズをパクッている部分が見受けられるが、これがまた楽しい。
前半部で、Ｍ・マッカーシー演じるスーザン・クーパの役柄を、観客に十分認識させておき、その後は手のひらを返したようにアクションで大活躍する彼女。この流れの演出も見事だ。

小型ジェット機を操縦したり、バイクで敵を追撃したりと、ジェームズ・ボンドばりのカッコよさをみせるＭ・マッカーシーに、気がつかないうちに心で拍手を送っていた。

もうひとつの面白さは、セリフに洒落が効いている点。
短い会話の中にも「笑い」が仕組まれていて、ウィットに富んでいる。
関西人流にいえば、話にオチがあるのだ。

Ｍ・マッカーシーばかりのレビューになるが、彼女は１９７０年８月２６日生まれで、４６歳になったばかり。
本作にも出演している米コメディアン俳優のベン・ファルコーンが旦那サン。
彼女は９０年代後半から映画に出始め、２０１１年「ブライズメイズ史上最悪のウェディングプラン」（本作と同じポール・フェイグ監督）でアカデミー助演女優賞にノミネートされている。
（本作にも出演しているローズ・バーンと共演）
彼女の出演作品は０３年「ライフ・オブ・デヴィッド・ゲイル」（アラン・パーカー監督）しか観ていないが、現在公開中の２０１６年「ゴースト・バスターズ」（アビー・イェーツ監督）が好評のようだ。

本編に戻るが、舞台もブルガリアのヴァルナから始まり、パリ、ローマ、ブダペストと、本格的。
（撮影の大半はハンガリーのブダペストとのことだが）
ラストのエンドクレジットのあとに出てくるシーンも、これまたジェームズ・ボンドのお決まりのシーンをパロッているようで楽しい。

とにかく、この映画の面白さ、楽しさが分からない人は損してると思う。

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　現場に出たことのないCIAの事務担当が現場に出て大活躍する話。

　全く強そうに見えない主人公が意外な活躍をしていく姿のそのギャップの面白さで魅せてくれる作品でした。太った主人公がカーチェイスしたり格闘技がめっちゃ強かったり銃撃戦をしたりする姿が面白かったです。

　主人公が最初はまるで何もできないという紹介があったのに、それがしっかりとフリになっていてからのカッコいいアクションという見せ場がコメディとしてしっかり機能していました。それでいて主人公以外の周りのキャラクターたちとのやりとりもしっかりとしたコメディとして成立しているもので笑えました。イケメン役のジュード・ロウもよかったですが、個人的には口だけで全く使えないスパイのジェイソン・ステイサムが笑えました。役柄はいつもなアクション俳優な役回りだけど、実際は物事を悪い方向に広げてしまうかっこ悪いキャラクター。

　ピンチになったら、横から誰かが狙撃。というのの繰り返しなのがワンパターンで飽きてしまいましたが、100分間世界を股にかけるスパイ映画としてのルックも安っぽくなくて面白かったです。

ジェイソン・ステイサム、ジュード・ロウと、どっかのオバはん。
このメンツで、オバはんが主役だったなんて。

なんか編集でブツ切れになってるみたいな場面がチラホラ。
まるで香港映画。

好みの問題だろうが好きになれない。