ランナウェイ／逃亡者

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所謂「オールスター・キャスト」、「顔見世興行」というのは映画、演劇の「企画」手法としてかなりオーソドックスなもので、贔屓の役者が次々に顔を出す、というのはファンにとってそれだけで「堪らん！」という楽しみですから、正直オハナシの方が少々雑でも許せてしまう。最近私自身がトシを取ったせいか、「往年の」人気スターを多数取り揃えた「同窓会、送別会」映画がやたらと多いように感じられますねぇ。「マチェーテ」「RED」「エクスペンダブルズ」等々。本作は「大御所」ロバート・レッドフォードが「またも」製作、監督、主演した「社会派サスペンス」という「売り」に「またも」乗せられて「新作」で借りてしまいましたが（笑））、同じ「顔見世興行」でも出て来る俳優たちのほとんど全員が、主演級人気スター「じゃ無くて」シブい脇役で光ってたヒトばかり、という私のようなヒネクレ映画ファンにとってはダブルで「堪らん！」映画でした。
オハナシは1970年頃アメリカ国内でかなり派手に爆弾テロや銀行強盗もやった実在の反政府ゲリラ組織「ウェザーマン」の「生き残り」メンバーが30年間も潜伏した末、しつこく追い回してたFBIに発見され再び「逃亡(犯罪)者」になる、って割と凝った設定ですが、原題「The Company You Keep」からも明らかなとおり、本作は元々（原作読んでませんが）「逃亡（追走）劇」には全く重点を置いて無くて、老境に差しかかった「元」テロリストたちが、昔の仲間（Company）ジム（レッドフォード）との再会によって、記憶の片隅に追いやっていた「若きテロリスト」の自分や、「赤の他人」として別々の人生を生きて来た仲間たちの「来し方」に向き合う、という言わば「追想劇」であり、ジムを追いかけ回す新聞記者（シャイア・ラブーフ）やFBI（テレンス・ハワード、アナ・ケンドリック）どころか、実はジムすらも「狂言回し」「脇役」なんですね。
レッドフォードは撮影時75歳（！）。60歳頃に急に顔の皺が増えて「美男子」じゃ無くなったけどその後もずっと元気で、本作ではジョギングして見せるだけじゃなく山林地帯を警察犬に追われて逃げる、なんて「荒業」やっちゃいます。それはそれでファンには「堪らん」のでしょうが、ちょっと頑張り過ぎで「出過ぎ」で痛ましい感じもする（やっぱり「人気スター」を長くやってたヒトが監督・主演すると、どうしてもそうなる。クリント・イーストウッドなんかも同様）。そこへ行くとクリス・クーパー、ブレンダン・グリーソン、リチャード・ジェンキンス、サム・エリオットなど「名脇役」で鳴らした連中は、短い出番、短いセリフでキッチリキャラを立たせて見せて流石の貫録です。女優はスーザン・サランドン「姉御」と「まだ生きてた（どころか、全く「女」演ってる70歳）」ジュリー・クリスティで、元気あり過ぎてレッドフォード始め老優たちの名演を「喰っちゃった」のが残念。「ミスキャスト」って言ったら言い過ぎでしょうが（笑）。
レッドフォードは「若作り」し過ぎだし、ブレンダンは老け過ぎ（実年齢は56歳）だけど後はほぼ実際の「ウェザーマン」のメンバーたちと同年齢（65〜70歳）で、日本で言う「団塊の世代」です。彼らのすぐ後ろを歩いてきた私の世代からすると「ウェザーマン」も「日本赤軍」も「ハネ上がり」の「若気の至り」にしか見えないんですが、同世代の彼らにはそれなりの「思い入れ」もあるんでしょう。正直オハナシ（脚本）は「上滑り」気味で、あの世代独特の軽薄な「思い込み」がチラついてキモいところも多いんですが、ともかくも老優たちの名演には素直に感動出来ました。

ロバート・レッドフォードの監督作品はけっこう好きなのが多いです♪

サスペンスでありながら、人物（犯罪者）の心理を炙り出す系なので
派手さはなく、ちょっと長く感じるんですけど
とにかく

キャスティングのセンスの良さ！ったらないですよね♪

それぞれのキャストが、それぞれの役割を終えれば
はい、退場・・・ってな形で
重なり合ってゆく重厚感はないんですけど
役者の持ち味を最大限に活かした個々のシーンがどれも印象的☆
ただ
ちょっと回りくどい展開なので、ゴール地点のミミに辿り着くまで
少〜しだけ、イライラしますねｗｗｗ
特に、リチャード・ジェンキンスなんて、いい仕事してるんですけど
“中継ぎ”にしか過ぎんという・・・
そっくり無くても、成立してしまいそうなんで、気の毒ですｗｗｗ

たとえ自分が正しいと思ってきた道であっても
犯罪である事には変わりなく
その罪を認めるということ
そして、つぐなうということ
あるいは、ある側面に於いては潔白を証明するということ
それらのことが
年老いた本人の身と心
そして、家族を持つということによって
正当化されてきた革命の精神が
少しずつ形を変えてきたことを
かつての仲間たちの台詞や表情から読み取ることが出来た

追う視点よりも
逃げる始点
それによって描かれる、罪を背負った者のドラマが、なかなか哀愁ただよう感じでよかったです♪

レッドフォード監督
けっこう、いい感じにお爺ちゃんになってますけどｗ
これから、まだまだいけるっ！！ちゃいますかね〜♪
いっぱい撮ってほしいです♪

ランナウェイ 逃亡者（２０１２年アメリカ、カラー１２２分）

何が凄いって、まあ豪華共演陣のメンバー、これだけ揃えるのはホント凄いと思います。
恥ずかしながら、映画の中身よりもキャストで作品を選ぶ傾向があるので、どうしても最初に目が行ってしまうのです。
ロバート・レッドフォード主演（監督、製作も）。
ジュリー・クリスティ、ニック・ノルティ、クリス・クーパー、シャイア・ラブーフ、スーザン・サランドン、テレンス・ハワード、スタンリー・トゥッチ、ブレンダン・グリーソン、サム・エリオット、
アナ・ケンドリック、リチャード・ジェンキンス、少なくともこの１２名は、顔と名前が即刻一致します。

「ウェザーマン」という名前の組織は聞いたことがありますが、この映画を観るまで具体的なことは知りませんでした。ベトナム戦争に反対を唱えた過激派グループだったのですね。

映画は、２０１１年１０月に元ウェザーマンのメンバーだったシャロン・ソラーズ（スーザン・サランドン）が逮捕されたことから動き出す。彼女の古い友人ビリー（スティーブン・ルート）は、かつて世話になった弁護士ジム・グラント（ロバート・レッドフォード）にシャロンの弁護を依頼するが、ジムは拒否する。ジムもかつてはウェザーマンに所属し、今は弁護士として一人娘と生活している。一方、新聞記者のベン（シャイア・ラブーフ）は、シャロン逮捕によって、元ウェザーマンの面々の動きを察知、元恋人でＦＢＩ捜査官のダイアナ（アナ・ケンドリック）の協力を得ながら、ジムや、かつてのジムの恋人でありウェザーマンの同志であったミミ（ジュリー・クリスティ）らに迫っていく．．．。

これだけ有名俳優が出ると、それぞれの役柄が気になるところですが、さすがにレッドフォード監督、上手く起用しています。特にテレンス・ハワードはＦＢＩ特別捜査官役がピッタリでしたし、ブレンダン・グリーソンも元刑事役として、ストーリーの鍵となる立ち位置でした。因みにニック・ノルティはレッドフォードの古くからの親友役。

全般的にはスローな展開で悪くはないんですが、チョット盛り上がりに欠ける感は否めません。
それにしても、カマンベールさんの記されているとおり、この邦題、何とかならなかったのでしょうか。

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３０年間、逃亡をし続けていた学生運動家たちの物語でして、懐古趣味的な物語かなと思っていたらなかなかどうして・・・でも多分、今の若者は、この映画を観ても作中に出てきたように「すごい時代があったんだ！！」って思ってFacebookに投稿しても、まぁ運動にはならんでしょうね。

中身は結構深くて、運動の意義とかそんなのは否定しない、でも、やっぱり家族が・・・っていうアメリカ的な話でした。いや、大事なんだよ、家族。それでいいのか革命戦士って思うけど、やっぱり家族は大事よね。だから若い時にしか出来んのだろうな、きっと。

ただ、ちょっと思うのには、ロバート・レッドフォードの家族は最終的に救われるけど（でも、３０年の重みってどうなんだろうか。）他はね・・・物語って主人公が主体だから仕方ないんだけど、あまり救いがないよなぁ、って思いました。彼は信念を貫けていいんだろうけどね・・・

ジイさんとバアさんばっかりが出てきて昔話をする映画。けど、出だしのスーザンの意味深な演技で引き込まれる。前半はサスペンス的に引っ張るが、中盤からミステリー的になってくる。なにかスゴイ秘密があるんだなと思わされる。終盤に入って、その秘密が見えてくると多少だれるが、ラストはレッドフォード映画特有のヒューマンドラマ的な終わり方で、けっこう余韻が残る。
いい映画でした。