コンプライアンス　服従の心理

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

米国の大手ファストフードチェーン店で実際に起きた事件を基に映画化されたと言う。
観終って”信じられない(ー_ー)!!””有り得なーーーい(>_<)”と叫んでしまった。腹の底から怒りと憤りを感じた作品でした。

ファストフード店に１本の電話があった。警察官でダニエルズと名乗るその男は、店長のサンドラに女性従業員が店の客からお金を盗んだので調べて欲しいと言う。
ダニエルズに誘導されベッキーなのではと思う。個室にベッキーを呼び、客のお金を盗んだのなら白状するように言う。身に覚えがないので盗んでいないとキッパリと言う。
しかし、ここからダニエルズは警官と言う武器と権力を用いそれに色々と御託を並べサンドラを誘導していく。そして、なぜか従ってしまうサンドラだった。
その後、ベッキーを裸にし身体検査するよう強要される。暫くして、サンドラは裸で脅えるベッキーをお店が忙しいこともあり、自分の婚約者を店に呼び出し管理するよう頼む。
そして、ダニエルズに言われるまま婚約者は要求に不信を感じながらも従ってしまう。しかし、なんとそれは性的な暴力行為に等しいものだった・・・。

私はサンドラにとっても腹が立ちイライラしながら観ていました。警察官の代わりに自分が服を脱がせる行為まで簡単にしてしまう。可笑しいでしょ！
警察署はすぐ近くにあったらしい。なのにすぐ駆けつけないことも変です。もっともらしい理由に簡単に騙されるなんて・・・。
それに、最後まで「お金を探し出せ！」と言うのは変です。裸にした後も「まだ隠す場所はある」と言っている。・・・そこまでやらせますか？
もう少しサンドラが冷静に受け止めていたら、こんなバカな事件はなかったと思いました。
・・・でも、ダニエルズは同じような事件を７０回も起こしていたが捕まらなかったと言う。とっても不思議なことだと思いました。
ダニエルズには「コンプライアンス　服従の心理」と言うタイトル通りの才能があったのでしょうね。
おススメの作品です。イライラしながらの鑑賞かも知れませんが、惹き付けられること間違いありません。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

おそろしく不愉快で、とても怖いんだけど、目を離せなくなってしまう作品でした。

中身はすでに他のレビューアーさんが詳しく書かれているので省略。
これが実際にあったことだとはにわかに信じられないし、
そもそもこんな電話に簡単にだまされてしまうなんてありえない！と思う一方で、
実際に自分の身に起こったらだまされてしまうかもしれないなあと思ったり。

だいたい一般人はみんな権威に弱い。
だから「警察」の名を出されるとつい信じてしまったりする。
そしてこの犯人の話術がまたすごい。
「警察」の名を出しながらも、相手をさりげなくほめておだててる。
被害者は早い段階で裸にされてるので、抵抗する気力をそがれ、服従するしかなくなっているし。
「bend over」だの「jumping jack」だの酷すぎて気分が悪くなるくらいなんだけど、
従うしかない心理状態なんだろうなあ。

犯人が、きちんとした仕事に就き、ちゃんとした家庭生活を送っている人物だというところは
「チャット〜罠に落ちた美少女」を思い出しました。
被害者は、服を脱がせた上司と、事件が起こったファーストフードの会社を訴える準備をしているようでしたが、
犯人にこそちゃんと社会的制裁を受けてほしい！！
そして、犯人におそろしく上手い話術を教えてたであろう、犯人の勤め先に責任はないのでしょうか。

これも３ヶ月近く前、目の具合が悪くなる前に観た作品です。私は３月まで所謂大企業に勤めるサラリーマンだったのですが、５年ほど前から日本とアメリカの企業界ではこの「コンプライアンス」という言葉が大流行していて、ヒネクレ者の私はこの言葉が大嫌いでしたからこの映画も最初あまり魅力を感じなかった。しかしよく見ると大変面白い「副題」（服従の心理）が付いてるんで、俄かに興味を惹かれましたね。企業界で使われる「Compliance」は普通「法令遵守」と訳されて「企業の犯罪」を企業自身が自戒自粛しようというものですから、この趣旨には如何にヒネクレ者の私でも何ら反対するつもりは無かったんです（本当です）。しかしよく考えてみれば、企業の一員とは言え法治国家の一国民である以上国の法律法令を遵守するのは社会人として当然の義務であり、違反すれば処罰され社会的にも制裁を受けるのは「当たり前」であり、殊更企業内で社員に執拗に注意を促すのは「バカな子供をアホな親が『躾け』してる」みたいで何とも「みっともない」話だなぁ、って思ってました。企業による「不祥事」が頻発したアメリカではCEO（Chief Executive Officer、最高経営責任者）に次ぐCCO（Chief Compliance Officer）なんて地位を新設して「社員教育」の徹底を図ったほど熱心で、すぐアメリカの真似をする日本でもCCOを作った企業は多かった（私が勤めていた会社もいち早く導入しましたね）。
しかし「親の躾け」がいつか親の「思い込み」を子供に「押しつけ」る口実に堕すのと同様、Complianceも専ら「法律法令」よりも「経営者の（勝手な）価値観」に社員を「服従」させるための「錦の御旗」として機能し、企業内の「風通し」「自由な個人の発想」が減殺され、企業自体の「活力」が失われる結果になった、と私には感じられます。何故そうなるのか？この映画は見事にその点に焦点を当てていると思われますね。多くの人間は「服従」を強制されるのではなく、自ら「望んで」権威に服従「したい」んですね。
主人公のオバサン店長は刑事を名乗る男の電話「だけ」に踊らされて、部下の女店員を裸にしたり「婚約者」にその娘の「見張り」をさせたり、観客の我々から見れば「アホか！」なことばかりやっちゃうんですが、
彼女が実はそれを「強制されて、嫌々」やっているの「では無い」のは明白です。若くて男にモテる娘に恥かかせたい、自分の収入だけを当てにしているダサい婚約者の本性を暴露してやりたい、という彼女自身も意識していない「本音」を「刑事」という「権威」に「服従」する形で実現することの「快感」に彼女が酔いしれているのがアリアリです。
事件はアメリカで実際に数十件もあった「実話」を基にしているそうですが、この「犯人」の巧みな会話術と言い、オバサン店長のキャラ造型と言い、何よりこのオハナシに「Compliance」というタイトルを付けた作者の「意図」が素晴らしい。こういうのを本当の「フィクション」と言うのだ、と思いますね。

米国、オハイオ州のファストフード店に、警察官を名乗る男ダニエルズから電話があった。
「19歳くらいの若い女性従業員が客の金を盗んだ。捜査協力して欲しい」というものだ。
店長のサンドラは、該当する従業員ベッキーの身体検査をする…

クレイグ・ゾベル監督作品。
ダニエルズはベッキーの持ち物検査だけでなく「服を脱がせろ」とサンドラに指示する。
彼女は女性副店長を同席させ、ベッキーに服を脱ぐよう促す。ベッキーは困惑しつつ従う。
警察という権威、ダニエルズの高圧的な口調、女性同士という安心感等の結果かもしれない。
だが、ダニエルズは全裸にして検査することを指示し、事態は異常な様相を見せ始める。
この日は客で混み合う金曜日だった。
サンドラは勤務に就くためその場を離れ、ベッキーの監視を男性に委ねた。
このあたりから、ベッキーが気の毒で胃が痛くなってきた…

本作は、2004年にケンタッキー州で起きた事件に基づいている。
驚いたことに、似たような事件が米国30州で70件以上も起こったそうだ。えっ…
警察や会社上層部など権威をちらつかされると、深く考えずに従ってしまうのだろうか。
異常に気づいていながら「関わり合いたくない」と無視する者がいたことも恐ろしい。

温厚そうな中年女性サンドラ（アン・ダウド）に闇を感じた。
物語の序盤で、サンドラは「交際中のヴァンと婚約したの」と明るく語っていた。
複数の男性と交際しているベッキーの恋愛話を聞いたサンドラは「ヴァンも際どいメールを送ってくるの」と言う。
彼女が立ち去った後、ベッキーと副店長は「際どいメールだってｗ」と嘲笑する。
その様子を物陰から見つめるサンドラの暗い表情が不吉だった…
店長としての資質に欠けるサンドラも描かれる。
彼女は職場でのミスを「なんとかなる」と判断し、本社に報告しない。
「清潔第一」であるはずの店内は、あまり清潔ではない。従業員にも覇気が無い。

無実を訴えるベッキーに対して、サンドラは「警察はあなたが盗んだと名指しした」と言う。
事実ではない。ダニエルズは「19歳くらいの若い女性従業員」としか言っていないのだ。
思い込みが強いのか、ベッキーを追い詰めたかったのか。
下劣な捜査を指示するダニエルズと談笑するサンドラに、嫌悪感を覚えた。
（事の成り行きに笑いを噛み殺す変質者ダニエルズは言うまでもない…）
ラスト「あなたのご出身はどちら？」と微笑んで問うサンドラの得体の知れなさに震撼する…

これ実話かーい！
ゲロゲロゲーだなおい！
イライライライラライラライ！
モヤモヤモヤモヤさまぁ〜ず呼んで来い！
なんなんだ！
一体なんなんだ！
バカばっかりか！
と、怒りの獣神サンダーライガー降臨ですよ全く。
掌底からのライガーボムだぞコラ！
あ〜イラっとしすぎて疲れるというか・・・
呆れるというか・・・・
気持の中でグオングオンしたものが渦巻いてどんよりします。
そして理解しがたい反応についていけない。

これは遮光です。
部屋に閉じ込められ。
遮光カーテン引かれ
光を失い
早くカーテン開けてよ。
光をちょうだいよ。
って、思ってたのに。
いつのまにか思考がゆがみ
いつのまにか暗いことが当たり前になり
暗い中でなんとかしようと思い込む
選択肢を減らす
選択を委ねる
なんとも胸クソ悪い展開でした。
腹立つ度ではここ数年で一番かもしれません。
また、遮光が既成事実となって思考の中に巣食い
その連鎖が救いを失っていく様が怖すぎます。
なんてことはない。
暗いな・・・
カーテン開けよう。
こんな簡単なことができない。
この単純な行為が選択肢から消えて
消えたことを認識できないという空間。
闇は恐ろしいものだ。

おかしなポイントだらけです。
おい！
おい！！！とツッコミ入れまくりです。
電話一旦切れ、と。
そして警官の名前を警察署に電話して調べろ、と。
闇の外から眺めているから思うわけです。