キック・オーバー

相変わらずの無茶苦茶さ。ものすごい金額をマフィアから強奪した男が無法国家メキシコで刑務所に入る。その刑務所のなかはある種の町で、駆け引きを繰り広げながら、脱出と失った金を取り戻そうとする。

はい、あらすじそのまんまの流れでした。

メキシコってこんなのか？って思ってしまいつつ、これでどう解決させるんだ、と前半にバンバンでてくる無理筋が、最終的には無茶苦茶やって終わり、という形。まぁ、メル・ギブソンですからね、こんなもんでしょう。これでいいのだ、で楽しむ作品です。きっと。

メル・ギブソン久々の登場！

交通事故や人種差別発言で世間を賑わせる！？復帰困難？かと思ったら子作りが趣味？

ハチャメチャ振りは映画も私生活も変わりない。

とは言っても中年末期。禿げ上がり方や皺の多さは隠せない！パッケージ見たとき「これだ〜れ？」と思ったね。

正面面はまだ良いが角度によっては無理がある。

さてこの映画、内容そのものは単純。悪党が悪党の金をせしめるサクセスストーリー？

カネだけじゃなく女もせしめるあたりがメル・ギブソンそのもの。

普通にドラマ観る感覚ならGOODでしょう。力の入るシーンもありませ〜ん。

リーサル・ウェポンやマッド・マックスの頃のかっこよさはなくなったね。残念！斬り！

　邦題の意味は不明ですね。「私は夏休みをどう使ったか」なんて原題もスカしすぎていますけど。
　メル・ギブソンが中途半端なチンピラ役、バイオレンスはあってもアクションシーンに華はなく、トータルでは凡作という評価を免れないとは思いますが、楽しめないでもありません。
　それは実在したというメキシコの史上最悪の刑務所の、驚愕の実態を再現したところ。
　刑務所というよりはまさにひとつの町。受刑者以外は出入りも自由で、受刑者の家族も一緒に住んでいる。子供などはここから学校に通っているらしい（！）。
　中には商店もあれば酒も売っており、もはや僕らの刑務所という概念ではくくれません。この雑多な刑務所の描写はなかなか面白いと思いました。
　そこに「異邦人」としてのメル・ギブソンが入り込むわけですから、異邦人という立場を生かした戦いができれば面白くなったのではないかなと思うのですが。
　映画が進むにつれてそういう期待はしぼんで、普通のアクション映画になっていきます。ところが活劇の魅力も発揮されないので隔靴掻痒。
　刑務所のボスにとらわれた母子を救う展開はちょいと甘すぎ。もちろん終盤にはドンパチも激しくなりますが、反比例して退屈になります。95分を使って、35点。

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　何ともわかりづらいギャグてんこ盛りで笑っていいのかどうなのか戸惑うっつう映画でした。

　主人公はメキシコの刑務所に入れられますが、そこの刑務所が漫画のようなところでお金さえあれば何でもできるところ。普通に商売をやっていたり、いろんな人が歩いていたりと刑務所ではなく普通の町のようなところ。実際にメキシコの刑務所がモデルってんだから凄い国ですメキシコ。

　ほいで、そこでニコチン中毒の10歳の少年と仲良くなる主人公。そのニコチン中毒っぷりが笑えるんですが、この少年、ギャングのボスに肝臓移植するために生かされているらしいと知り。主人公は機転をきかせてギャングや警官たちと戦わせて、更に大金を奪おうと頑張ります。

　主人公の背景は全く語られないですが、頭の回転が早くてピンチになっても乗り越えて銃器の扱いにもなれている。何か高度な訓練を受けているのだと思いますが、そこはわからない。そのため少年のために動くのかがわからない。その母親に恋をしていたとも見えない。だから全編、頭脳的な行動をしても特に何も思えなかったです。

　それに96分程度の映画ですが、最初の展開がもたついていて人物紹介が続いて退屈でした。とはいえ、動かないアクションスターになってしまったメル・ギブソンを見る映画でした。

よく出来た脚本だった。

――けれど、出来すぎていて“つまらない”というのが、正直な感想。メル・ギブソン演じる主人公が、まるで“スーパーマン”に見えた。(苦笑)　特に、クライマックスの手際の良さは鼻白むほどだった。爽快でいいけど、もう少しハラハラドキドキさせて欲しかった。

マフィアから大金を盗んだ男、通称“ドライバー”。メキシコとの国境で警察に追い詰められてしまう。結局、仲間１人を失い、国境を越えたところで車は大破。逮捕される。
彼が収監されたのは、メキシコでも悪名高い刑務所だった。そこは、囚人たちが牛耳るスラム街で、酒も銃も麻薬も買える。手に入らないものはない。囚人以外は出入り自由。所長以下全員が囚人のボスに買収されている。
男はそこで１人の少年と出会う。少年は、ボスに肝臓を提供するために庇護されていた。
……というお話し。
臓器移植を目的に人間を育てる話しは、本作品が初めてではない。これまでにも、たくさんのＴＶドラマや映画で扱われて来た題材だ。

面白いのは、そこではなく、特殊な環境にある。
――囚人が王国を築いた刑務所。成る程、威勢を張る小悪党を描くにはピッタリの設定だ。
そう思っていたら、この刑務所は実在したらしい。ビックリした。監督さん自身が、母国の恥部をあっけらかんと描いてコメントを残している。やはり、これくらいノー天気じゃないと、刑務所はあんな風にはならないわな。(笑)

監督のエイドリアン・グランバーグは、メル・ギブソンの許で、『アポカリプト』や『復讐捜査線』などで助監督としてスキルを磨いた方とのこと。道理で手慣れた感じがするわけだ。
『人生の特等席』もそうだったが、クリント・イーストウッドが友人に出番を作ったように、本作品もまた、Ｍ．ギブソンが友人に出番を作ったように見える。自ら主演して友人に花を持たせている。
どちらも、スターとして役者として監督として成功をした方だ。老境に至り、後を継ぐ者を探しているのかも知れない。

本作品のメル・ギブソンは、眼光こそ変わらないものの、明らかに老いを感じさせる姿だった。深く刻まれた皺、ツヤを失って薄くなった髪、顔のサイズも上下に圧縮されたように見える。次の世代にチャンスを与えたくなったとしても、無理はない。
――でも、『リーサル・ウェポン』の頃と同じように走っている姿を見ると、「まだまだ早いンじゃないの？」という気がする。
もしかしたら、『リーサル・ウェポン５』が撮れるんじゃないかと思ったのは、私だけではあるまい。定年を迎えたマーティン・リッグスを観たいものだ。マータフは老人ホームに入っていたりして……。(笑)

メル・ギブソンは、やはりＢ級アクション映画がよく似合う。これからは、チャールズ・ブロンソンの路線を歩んで欲しいなぁ。(笑)

ちなみに、原題は『How I spent My Summer Vacation』。最後の主人公のモノローグとリンクしている。ヘンな放題が付いているが、こっちの方が断然いいな。残念ながら意味不明だけど……。(笑)

ちょっとだけオススメにしておきます！