ファミリー・ツリー

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アレクサンダー・ペイン監督作品はそんなに好きじゃない、
というか「サイドウェイ」での飲酒運転描写が気になって仕方が無い←
でも、パリ・ジュテームの最終話は素晴しかった←

とかなんとか考えながら、恐る恐る「ファミリーツリー」を観てみました！

・・・

なんて繊細な映画なんだ！
経験したことがない人生に、こんなにも「あるある感」を感じるって、
どんだけ繊細な感情を捉えるのが上手いねん！？

人生の整理と感情の整理、見失っていた本当の自分を見つける物語。

逃げていたことに、向き合わざるを得ない状態になったことで、
初めて見えてきた「本当に大切なこと。」と「本当はどうでもいいこと。」

様々なことがあった後、最後に主人公が妻につぶやくセリフに涙する・・・

【ネタバレします】

さようなら、エリザベス、
さようなら、私の愛する人、
さようなら、私の友・・・
私の痛み・・・
私の喜び・・・

【印象に残った場面や思ったことの羅列】

走り難いサンダル（？）を履いて走るジョージ・クルーニーに泣き笑い。
始めは娘の彼氏の言葉遣いにイライラして、じーさんの一発にスカっとした！
なのに、最後には言葉遣いなんて些細なことじゃないか！っと自分に怒る（笑）
「サイドウェイ」で気になった飲酒運転への答えがあのエピソードなのかもと思う。
病室で、あの女性の発した言葉に、そりゃその人悪くないもんな、そうなるわな、っと苦笑い。
そりゃ父娘やもんなと、父同士の想いに泣く。
娘の混乱した感情の中に、愛が見えることにも涙。

とにかく、この映画は素晴らしい。

アレクサンダー・ペイン監督はそんなに好きじゃなかったけど、パリジュテームと本作は本当に素晴しい。

ということで、大好きです！

個人的満足度　８７点！
オススメ度　８５点！

ジョージ・クルーニーとは相性が悪いのか、彼の出ている作品では、あまり良いと思ったことがない。
しかし、このファミリー・ツリーでは、等身大の中年男を演じていて、なかなか宜しいと思った。（笑）
妻の事故をきっかけにして、妻が関与できない状況でどんどん話が進んでいく。
突然、娘から聞かされた妻の浮気にうろたえるジョージ・クルーニーだったが、長女は何故、あのタイミングで父に告げるんだろう？
私なら、多分言わない。
浮気相手の男を探し出し、妻の病床を見舞って欲しいと男の別荘に押しかける。
帰り際、浮気相手の男の妻の唇にキスをしたのは、あれは男に対する復讐のつもりなんだろうなあ。
それが精一杯の仕返しだなんて、ちょっと可愛い。

妻に最期の別れを告げる時のジョージ・クルーニーの言葉に、綺麗ごとじゃない本音が見えて、お！？と思った。
愛してるけど、君はボクの痛みでもあったなんて、なかなか言わないよ。
尊厳死のことにも触れて、君は何でも自分で決めちゃうんだなっていうのも、夫としての存在の薄さが感じられた言葉。

家族の再生の物語というほど、この家族が壊れていたとは感じなかったし、絆を取り戻すというほどの絆で結ばれていたワケでもないと思う。
ただ、妻のベッドに掛けられていた一枚のキルトに、父と娘ふたりが入っているラストのシーンは、胸にジーンと来た。
ああいうことを普通に出来るというのが、一番なんだよね。

次女が病院で友達に父と姉を紹介し、寝ているのがママと紹介していたのが面白くて好きなシーン。
最初は、長女の彼がお馬鹿にしか見えなかったけれど、一人でソファに寝ていたり、妻の両親が見舞いに来た時、ちゃんと姉妹を病室から連れ出したりして、根はしっかりしたいい子なんだと見直した。

ハワイを舞台に家族愛を描いたホームドラマなのですが・・使い古されたテーマを使い古されたありきたりな手法で描いていて、安っぽくて退屈。
ハワイでなければめっちゃ退屈だったでしょうが、ビッグアイランドの風景でちょっぴり癒し効果。
びっくりしたのは配役です。
ハリウッドきってのブレイボーイで独身主義者、恋人が結婚をにおわすと、即効別れるという、子供も欲しくない、そんな金と地位と酒と女の世界に生きる、そんなおとこの夢？を体現する
クルーニーが、家族愛に目覚める父親役なんてｗ
娘をおもう演技をしていても、似合わないことすんなよ〜と心の中で突っ込んでしまう。
唐突にジョージが猛ダッシュかますシーンがながなが挿入されますが、なんとなく見せ場っぽいです。
走り方必死すぎておかしいです。
運動不足の人が突然走るとこうなりますって見本のようでした。
なんかあとの感想は・・ないなあ。

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舞台は、ハワイ州オアフ島。静かでハートフルなファミリードラマですが、背景には悲しい死とそれにかかわる家族の心の内が描かれて行きます。
ハワイの真っ青な空と海、そしてのんびりとした人々の暮らし、BGMはハワイアン音楽・・・。
ある日、マットの妻エリザベスが突然ボートの事故でこん睡状態に陥った。17歳の娘アレックスと10歳の娘はママがもう助からないことを告げられる。
仕事中心で家庭を顧みなかったマットは、これからはエリザベスを大切にしようと心に誓います。アレックスも我が儘で反抗ばかりしていたが改心します。
そんな矢先、マットは、妻が浮気していたことを知る。離婚も考えていたというのです。怒り心頭のマットは、偶然に妻の浮気相手スピアーを知り、それとなく聞いてみる。
やはり2人が逢っていたことそしてエリザベスが離婚を考えていたことも知る。でも、スピアーは「彼女とは体の関係でしかない。僕は妻を心から愛している」と冷たく返す。
マットはスピアーに「エリザベスが昏睡状態なので会ってやってくれ」と言うが・・・。マットは、先祖から受け継いだカウアイ島の土地を売却しようと考えていた。
そして、親族会議を開くのだが、実は売却先にはスピアーが係っていたのです。マットは果たして先祖から受け継いだ土地を素直に売却することは出来るのでしょうか・・・。
やがて、静かに息を引き取ったエリザベス・・・。これから親子3人だけの生活が始まります。ママが亡くなって一段と強い絆で結ばれた姿が微笑ましく、ハワイの気候のようにあたたかい・・・。
☆悲しい死がメインのドラマなのに、とてもハートフルで心が温まる映画でした。お薦め致します。。。

作り手の、この映画に対する温かみを感じます。
それが画面から伝わってくる気がしました。
ハワイの風景がその温かみを後押しして
なんとも言えない雰囲気を醸しています。
面白かったか？
と、言われればそうでもなかったけど。
温かみだけは感じました。
どんなに裏切られても
裏切った側が生命の灯火を消し去ろうとしているとき
人は「許すしかない」という境地に陥るのでしょうか。
ジョージを含め様々な人々の思いの揺れ動きを見て
そんなことを思いました。
死というキーワードの前では
人は「許す」ことでしか決着をつけられないのかもしれません。
許さなければ残り。
残れば生き続け。
それが未来を幸せにするとは思えない。
裏切られても
愛や友情、絆など様々なキーワードで結ばれた人々は
その相手に、最後の最後は「美しさ」を贈るしかないんですね。
贈り、送る。
そして「死」というキーワードは
それがどんな場合であれ強力な接着剤です。
その結果が「ひとつの毛布の温もり」なんでしょう。

奪われたジョージが奪ったもの
あの瞬間
あれは言葉にし難いものですね。
とても印象に残りました。
せめてもの仕返しなのか・・
それとも・・・

破壊なくして創造なし
それはわかります。
新しいものを創造するには
古いものを破壊しなければ進めないこともあります。
しかし、守らなければ継承もない。
身勝手にも思えたジョージの選択
（親族にすればまさに身勝手、前言撤回もいいとこ）
それは未来に対する継承だったのでしょうね。