ブラインドネス

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思わずハプニングを引き合いに出さずにはいられない作品。ハプニングでは自殺であ
り、こちらでは失明。その事実を受け入れたとこらからが話しの本筋。何故、そうなっ
たか、今後どうなっていくのかということには訴求していない。脚本としてそうなのだか
ら違和感があったとしても受け入れざる得ないところだ。

ハプニングはあえて訴求しないで観るものへのメッセージともとれたが、本作ではちょ
っと異なっている。人間の本能や性にフォーカスして人間ドラマを描こうとしていて、そ
のこと自体が目的のようだ。つまり失明ということ自体、あまり意味をもっていないとも
いえる。人間が何かひとつ失うとしたら一番辛いのが視力だと考えればてっとりばや
くそのシチュエーションをつくりだしということ。更には、軟禁状態にされ人として扱われ
ず（この扱いが一番、違和感があった）といったオプションをつけて極限状態の設定を
つくりあげたわけだ。

さて、その極限状態での場面が長いわけだが、はっきりいって退屈。この場面を作り
だしたくて作ったのだから脚本もっと練らないと。脚本家や製作に関わる人は２〜３日
でいいから目隠しして真剣に暮らしてみればよかったのにね。そしたら細かいところま
で描ききれただろうに。皆、失明しているとは思えない。ただ、手探りで歩くだけでち
ょっとものにつまずく程度。こんなもんじゃないと思うけどな。更には見えないというこ
とはかなりの恐怖がついてまわると思うのだが、そこもほぼ無視。場面設定にこれを
採用したはいいが、つい足元がおろそかになってしまったようです。

”全世界、失明。　恐怖の伝染病。　地獄と化した街。　生き残るのは誰なのか。”
いやはや壮大なキャッチコピーに心を奪われ劇場にまで出向いたSF好きな私は何だったのでしょう？？
もう不条理劇は飽きましたよ。
安易に作るのだけは止めて下さい。
当方の時間の無駄です。

よくぞここまで壮大（風呂敷を広げればもっと面白い物を作れたものを・・・）なテーマをピンポイントにまとめてくれました。
逆に拍手を贈ります。
一緒に観た友人と二人エンドマーク後も違うカタルシスを味わい無口になってしまいました。

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正直、イヤな映画だった。伝染性の失明症により世界が麻痺してゆく様を描くのだが、前半は失明症患者の収容施設内でドラマが展開する。施設はアンタッチャブルとなり、ほとんど外部からのフォローが為されないため、収容者達の自治運営となってゆく。しかし一部のグループが配給食糧を抑えて専制的にふるまい始める。彼等は銃を所持しているうえ、メンバーに元々の盲人（感覚が鋭い）が居るため、他のグループより優位に立ってしまうというわけだ。

こういう設定で思い出すのが、楳図かずおの『漂流教室』だ。やはりグループ間で意見が対立し、食糧の配分を巡っての争いが起こったりする（小学生なのにね）あの作品と比べてもこちらは、閉鎖空間で腐敗していく人間関係の描き方が、いかにも強引だし「浅い」と感じた。

不快だったのは、配給と引き換えに女性が身体を要求されるシーンがあって、葛藤の末、グループがその要求に応じてしまうところだ。「その場面」も省くことなく見せてしまう。もちろん『シティ・オブ・ゴッド』を撮ったフェルナンド・メイレレス監督だから、その場面も編集されない。そもそも、他に全く手段が無いわけでは無い（こちら側には、視力が残っている人間が居るのだから）絶対的優位にありながら、他の方策をとらない確たる理由が分からない。極限状況での冷徹な理（ことわり）を示す為、いやそもそも、人の（男の）醜さを描く為に必要なシーンだったのかもしれないが。

あの一場面ゆえに、私はこの映画を生理的に嫌悪する。　

後半、所外に出てからの画面は、よく出来ていた。派手派手しいＣＧシーンよりも、見慣れた街がわずかの間に荒廃する様を、あの規模で作りだしていることに感心した。実際に街なんて真っ当な市民の公共心と、掃除をしてくれる人達の苦労で綺麗になっているに過ぎない。その両方が無ければ、あっという間にあの様になってしまうだろう。

終盤、宗教的寓意をちらりと感じさせるが、それも唐突に付け加えたように思えた。もっと序盤から、匂わせてくれれば、納得も出来ただろうが。

【劇場鑑賞時に書いたものです！】

『トロピックサンダー　史上最低の作戦』と一緒に観る作品を探してたら、オモロそーやったんで前売りを買ってあった『ブラインドネス』を観ました♪

なかなか評判が悪かったんで不安いっぱいで観たんすけど、案外悪くなかったっす！まぁ、期待せずにハードルが下がってたのが良かったのかもしんないっすけどね〜

ただまぁ、ちょっと映す必要があるんやろか？っつー汚いだけで特にテーマが響く方に働いていない場面が多いんで、そこに不快感を抱く人も多いかもしれんけどね・・・

□■□■□■□■□

個人的にはそんなに嫌いな作品や無いけど、今年観た同じようなパニックもんの『ミスト』とか『ハプニング』に比べると、サスガにちょっと物足りひんのは確かかやねぇー・・・

こんなことゆーとアレやけど、あまりにもオーソドックスな展開なんよねー・・・

まぁ、実際こういう状況になったら人間はこういう行動をするんかもしれんけど、そういうのって今までも山のように描かれてるんで、なんか新しい切り口が無いとちょっとツライかなー・・・

ちょっと映像に凝るとか、通常見せなかった部分まで映像で見せるとか、そういう小手先のもんでは観客の心に深く突き刺さるとこまではいけへんわな〜

□■□■□■□■□

決して悪い映画では無いけど、今年はこの手の作品にエエ作品が多すぎたかなぁー・・・自分は嫌いや無いけど、オススメっつーほどでは無いんで、レンタルで十分っつーとこかな！？

個人的満足度　75点！

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「急に目が見えなくなる」という前情報を聞いて、
病原菌が元のサスペンスかパニックか…
と予想してきたが、全く違っていた。
目が見えなくなる原因は不明だが感染すると失明者を隔離、
その収容施設でのできごとがメインの映画である。
閉鎖された状況では、やはり君臨したがる人物が出てくるわけで
イヤなことが次々おこっていく。（↓かなりのネタバレあります）

ただ一人目が見える、眼科医の妻（ジュリアン・ムーア）は、夫のために
見えないと偽って収容施設に入るのだが、立場の違いや疲れから二人の間に
行き違いがでてくる。妻は夫の裏切り行為も見てしまう。

そのほかにも思い出すのも嫌な出来事がおこる。
人間の悪い一面をえんえんと見せられ、とことん嫌な気分になってくる。

第一、政府って、こんないい加減な対応するかなあ…まあそれは置いといて
ふとしたことで、外に出られるのだが、予想どおり外も同じ状況。
ここにもまた本能に支配された人間の姿が…!
目が見えない、こんな状況になったら、自分だって同じような状態に
なるのだろうけど。

教会のシーンで、この出来事の原因らしきものがわかる。
イエスはパウロの視力を奪ったと聖書に書いてあるらしい。
（調べてみると、イエスはパウロの信仰心を取り戻させるために、視力を奪い
あとで回復させたらしい）
あ〜やっぱりキリスト教絡みでしたか！
すると、視界が真っ白になるというのも神がなさったからという意味なんですね。

そうすると、収容所の出来事も、人間の７つの大罪
（傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲）を示していたのかなと思う。

ラストも聖書のとおりになるわけで…どうも無宗教の私にはピンと来ない話でした。

木村佳乃と伊勢谷友介の出番が多いのはいいのですが、
二人で普通に日本語で話しているときは、字幕つけるのやめてほしいですね。