Ｌ．Ａ．コンフィデンシャル

昔、ビデオで見た記憶のある本作
今回ＤＶＤ登場ということで再鑑賞しました
見終わった後、無性にもう一度見たくなって
予想外の立て続け２回鑑賞(笑)

ロスの街である日起こった残虐な殺人事件
その捜査に乗り出した３人の刑事たち
それぞれが持つ信念とそれぞれが信じる正義に導かれて
事件解決へと進む彼らにやがて汚職という文字が影を落とし始めて・・・

バド(ラッセル・クロウ)とエド(ガイ・ピアース)
全くの対角線上にある２人
バドは女性に対する暴力が一番許せない腕っぷしのいい刑事
一方でエドは出世のためなら仲間をも売るエリート頭脳派刑事
普通ならこの２人の持つ正義の対比でストーリーが進むところですが
もう１人の刑事ジャック(ケヴィン・スペイシー)を置くことで
奥行きと立体感が更に際立っていました

このジャック、ＬＡ特有のゴシップネタで裏金を稼ぎ
刑事ドラマのアドバイザーで私腹を肥やす、この映画ならではのキャラクター

バドとエドがお互いの正義の下にしばし衝突するその裏で
ジャックがとてもいい味を出していて
バドとエドは刑事になった理由をそれぞれ口にしているのに対し
ジャックは尋ねられてもしばらく黙って「忘れてしまった・・・」の一言
この辺、男の哀愁たっぷりでとても好きです

マフィアの暗黒街、警察内の汚職と
今となっては語りつくされた感のある、そして少し暗いテーマですが
ダニー・デビート扮する記者のスクープ風演出で始まる導入部などが
ＬＡ独特の華やかさを添えていて
出演者の味付けも濃くもなく薄くもない絶妙さ

それに若かりしラッセル・クロウがとっても男前☆
今よりずっとシャープで、その分アゴの割れ目具合が半端なく(笑)
そこがまたかっこよかったです♪

わたしは元々、どしゃ降りの雨っていう演出に弱いんですが
バドがびしょ濡れになってキム・ベイシンガー演ずる娼婦の前で詰め寄る
あの時の、男泣きがすごく印象的でした

エドが秘かにポケットを探ってメガネを探していたり
そして最後の鏡越しのあの笑み・・・
俳優それぞれの演技がどのシーンでも心底楽しめて
う〜〜ん、これは３回目に突入してもいいかも♪です

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原作はJ・エルロイ。デ・パルマの『ブラック・ダリア』も彼の原作の映画化で、『ホワイト・ジャズ』『ビッグ・ノーウェア』と合わせて「暗黒のLA４部作」を構成しているそうです。
ラッセル・クロウが渋いです。この作品で惚れてしまいました（今はビミョウですが）。当時、『タイタニック』とオスカーを争った作品でもあります。

舞台は１９５０年代のロサンジェルス。街を牛耳るマフィアのボスや幹部達が殺害される事件が頻発し、その事件に対応するロス市警の刑事たち。市警の幹部たちは、刑事たちの“目には目を”的な暴力に頼る捜査方法からくる悪いイメージの払拭に躍起となっている。
バド刑事（ラッセル・クロウ）は典型的な熱血漢で、法を破ることをいとわず自分の信念を貫く。エド刑事（ガイ・ピアース）は法の遵守が第一で、身内であろうと情けをかけずに罪を告発する。ジャック刑事（ケヴィン・スペイシー）、彼は日和見ながら中庸なる堅実さを持つ男で、バドとエドにとっては敵か味方か、それぞれ持つ正義の立ち位置を引っ掻き回す。この３人の男達、それぞれが持つ自分の信念が、犯罪の捉え方とその対処を変え、様々な葛藤を呼び起こす。
この男達に波乱をもたらす女がキム・ベイシンガー演じる娼婦リン。その生業から時に利用されもするが、その容貌からは想像できない、純粋な穢れを知らぬ一面を持ち合わせる女。
物語は「ナイト・アウル」というダイナーでの大量殺戮事件を迎え、大きく動き出す。

バドは辛い過去を持ち、そのために女性が暴力を受ける事件には、ハルクの如きキレっぷりで犯人を痛めつけます。そんな彼がリンと出会い、ものすごい不器用でストレートな感情表現を行うので、飾らない愛情にほだされたリンはしだいに心を開きます。リンの愛情を得たバドは、殺伐とした自分の生き方に疑問を持つように変わっていくのでした。
エドはバドとは相反するモラルを重んじる、それゆえ冷徹な男で、出世を第1義と捉える男です。しかし、彼もバドと同様に過去に傷を持つ男で、なぜ自分が刑事になりたかったのかの自分の基本を顧みることで、小役人めいた打算の生き方をやめバドが持つような情熱を得るのでした。
２人の対決にいやおうなく絡むことになるリン。しかし彼女は強い意志を持つ女性で、大きな包容力で男達を見守り続けます。
一方ジャックは、ロスという土地柄もあり、刑事ドラマの顧問をしたり三流ゴシップ紙の経営者（ダニー・デヴィート）とつるんで事件をでっちあげたりするちゃらんぽらんで浮ついた男なのですが、事件を追ううちに、彼もまた自分を見つめ直し変わっていきます。

男達がかっこいいんです。その生き様が。守るものと倒すものを見極める揺らぎない信念が。
そして女も美しいんです。やや男目線かもしれませんが自らの置かれた立場を考えた諦めと、でもそれを乗り越えるほどの大きく包み込む愛情に溺れたいのよという熱望の、生の感情がひしひしと伝わってきます。
また音楽も良いです。トランペットの、哀愁を掻き立てるような、独り路地裏で咽び泣くかの高音の旋律には、生命が持つ悲喜こもごもを感じさせてくれます。

原作が８年もの歳月を書いていて、そこからエピソードを抽出した脚本が少し話を分かりにくくしているようにも思えます。しかし本作が描いている男達の葛藤と揺れる心情、変わらずにあり続ける女の姿は、ぶれることなく貫かれています。
正義とは何か、個人が巨悪に対抗するにはきれい事では済まされないのかといった社会性も、ハリウッドの独特な空気感も交えながら提示しています。
男臭くて艶っぽい、古き良きハードボイルド作品です★４

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公開直後に観て非常に面白い映画だったので、その後何度か再見したいと思ったのにDVDレンタルして無いんで残念だった作品です。ラッセル・クロウはこの映画１本でファンになったけどその後これを越える作品に出てないし、ケヴィン・スペイシーもガイ・ピアースもこの映画がきっかけで注目し始めたんです。そして何と言ってもキム・ベイシンガー。前からキレイなヒトだとは思ってたけど贔屓に加えたのはやはりこの映画からです。
この映画、何がイイってつまりサスペンス（ポリス・アクション）とラブストーリーの絶妙な配合具合がイイんです。と言うより、凡百のサスペンス・アクションでは「添え物」でしかないラブストーリーが、この映画では立派に物語の中核に位置付けられ、しかし基調はやはりサスペンスでありアクションであることを妨げていない。サスペンス、アクションに「ドラマ」性を付与して「艶」と「厚み」を増す重要な役割を果たしている。
しかし、初見から10年以上を経て私もトシを取ったし、その間にも数々の優れた作品を鑑賞してきて、今回は少々感動に翳りがありましたね。前回は素直に感動出来た「ラスト」に文句付けたくなりました。このユルいハッピーエンドはちょっと戴けない、と思ったんですね。
この映画のラブストーリーとしてのキモは武闘派刑事のバド（ラッセル）と高級娼婦のリン（キム）が「恋に落ちる」というプロットですが、一方のサスペンス、アクションのほうはバドと、彼とは正反対のキャラで出世主義者の刑事エド（ガイ）が互いに反発、対立し合った挙句、最後は協力して敵を倒すというプロットになっています。そしてこの2つのプロットを結び合わせるために、リンがエドを誘惑しバドが嫉妬に狂う、というエピソードが用意されている。それは「敵」が仕組んだ「罠」だった、と説明されて観客である我々は一応納得するのですが、相当に「ドラマティック」な「作者の意図」が感じられるエピソードです。女性への暴力を過剰なほどに嫌悪してきたバドが（この経緯についてもかなりの場面を割いて「説明」してます）思わずリンを殴りつけてしまったことに自ら傷つき、リンは愛するバドが最も毛嫌いするエドを敢えて誘惑したことで「愛する人を傷つけてしまった」罪悪感に苛まれる。しかも彼女は「娼婦」ですから誘惑はお手の物で、その「誘惑」が「成功」することも、後でそのことがバドにバレることも分かっている、という正に「悲劇（＝ドラマ）」性十分のエピソードなんです。これはとてもサスペンス、アクションの「添え物」のラブストーリーでは無い、と私には思えます。
映画はこのエピソードから「アクション」のクライマックスに一挙になだれ込み、多勢に無勢の銃撃戦を二人は生き残る（まさかバドまで生き残るとは！）。エドは手柄を一人占めして念願の「出世」を勝ち取り、バドはリンと共にロスを去る、というハッピーハッピーなエンディングなんだけれど、私は今回ここには全然納得がいきませんでした。「悲劇」というのは「取り返しがつかない」から悲劇なのだと思うんですね。エドはさて置き「取り返しがつかない」罪を犯したはずのリンがエドに「貴女は権力を手に入れ、バドは娼婦あがりの私を手に入れたのよ」と晴れやかな笑顔で告げる、この何ともノー天気な結末は如何なものか？包帯だらけで後部座席に横たわりエドと握手を交わすバドは無言です。嫉妬に駆られて愛する女に手を上げた自分と、事情があったにせよ明白に自分を裏切った女をいつか彼は許すことが出来るんでしょうか？
ルンルン気分で運転席に戻るリンと無言でエドに手を振るバドを映す最後の映像を観ながら、もしかしたら作者は本当の悲劇はこれから始まるんだって言ってるのかも、って思えた私がヒネクレ過ぎなんでしょうかね。

大好きな映画です♪
店でも　こちらでも　ＤＶＤレンタルがなくて・・・・・・
なんで　こんな名作がＤＶＤでレンタルされないのか不思議でしたが　やっと念願かなってのリリース♪♪♪

なんてったって　ラッセル・クロウの魅力満載のこの映画。
私は　この映画で　ラセル・クロウのファンになりましたよ。

出演者も演出も人間描写も素晴らしい作品です！

カッコイイ映画です。

　高評価に惹かれて、再鑑賞。どこかで観た記憶はあるのだが、どうしても思い出せない。

　事件の真相や犯人を追及するだけではなく、けん制し合う男同士の微妙な人間関係を描いた骨太の刑事ドラマ。人はどこまで貪欲で、冷酷かつ非情な悪者になれるものなのか、という映画でもある。「メンタリスト」の主役の人が端役で出演していたりして、キャストも興味深い。

　とんでもない悪人が大人の事情で殉職した英雄になるというような決着は好きではないので、そこまでの高評価はできない。最初から最後まで殺し合いで、殺伐とした映画だが、エンディングはどこか爽やか、格好いい。決して後味は悪くない。