ジェイン・オースティン　秘められた恋

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『プライドと偏見』・『いつか晴れた日に』（原題『分別と多感』）の作者ジェイン・オースティンの、若き日の苦い恋の物語です。
二作品共彼女の生きた当時、女性にとって結婚が全てだった頃の愛に悩む若い娘達の物語ですが、共にハッピー・エンドなのは現実が満たされなかった作者自身の願望の現れなのでしょうか。

手塩にかけた愛娘を少しでも有利な結婚に導きたい親達（特に母親の狂奔ぶりは見苦しくも微笑ましい）と、理想と現実の狭間で悩む娘達の構図は何れも同じです。
そして本作では、家柄や財産が女性達は勿論若い男性達をも縛り、翻弄する様を観せてくれます。
表面的には愛だ恋だとウツツをぬかしている様でいて、とても現実的。
放蕩を自認する恋人でさえ、頼りの叔父に一旦結婚を反対されるとたちまち防衛体制に転じ、彼女との別れを決断します。
冷静になればそれも無理からぬ事で、男性は社会的に自立し世間的に認められねば愛も恋も何の役にも立たぬ道理。
対して恋人に未練を残さず、玉の輿にも乗り換えず、自らも自立の道を選ぶジェインは、キャリア・ウーマンのはしりであったのでしょう。
但し、作家として大成出来たから良かった様なものの、危険な選択であったのは確かで、私が彼女の母親ならば、何としても「玉の輿」に無理矢理ねじ込んだでしょうね。
たとえあの「漬け物石の様な（重量感極まる）姑」が居ようと、です（笑）。
しかし、このマギー・スミスの何という貫禄！

この度も舞台は、美しい英国の田舎。
クラシックな衣装も建物も、内装も調度も風景も、そして礼儀正しい人々も全てが美しい。
目尻の盛大に下がったアン・ハサウェイのファニー・フェイスが、思いがけずその背景に映えて、クリケットに興じる、原っぱを疾走する彼女のドレスの裾を翻す躍動感に見とれてしまいました。

安心してゆったりと観られる、落ち着いた一本です。

評価７５点（１００点満点）
イギリスの女流作家ジェイン・オースチンの短い生涯で唯一の恋を描いた文芸ロマン作品でなかなか渋いが古色蒼然としていて主演のアン・ハサウェイやジェームズ・マカヴォイのファンでないとちよっと退屈してしまうかも。本作はオースチンが年頃だった１７９５年頃のイギリス、ハンプシャーが舞台になっている。田舎の中流家庭で育ったジェインが伯爵夫人の甥から求婚を受けながらも別の男性と激しくはかない恋を経験するというストーリー、この恋物語特に奇異なものではなく、すごく当たり前のお話。結局二人とも全てを捨ててまで未来に賭けることができずに、ジェインが生涯独身を貫くことになるのだが、数十年後の再会シーンがなかなかよい。
彼が自分の娘を「ジェイン」と名づけていた事に、彼の想いを垣間見ることができる。
ジェイン・オースチンと言えば「高慢と偏見」「いつか晴れた日に」なんかの代表作があり映画化された作品もある。その作品は田舎の平凡な出来事を綴ったものが多いと聞くが、あの時代に女性で作家として後年名をなしたということは、実に驚くべきことであったろう。この恋の経験が彼女の作品になにか影響を与えたのだろうか。

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ただ一度の恋。

タイミングが合えばうまくいっていたハズ。
最初はトムが家族を取ってしまった・・・
でも彼はやっぱり忘れられないと彼女を迎えに行き、駆け落ちをする。でもその時に彼の背景をしったジェインはトムと別れを決心する・・・

当時は女性の立場が弱く結婚がすべて。。。そんな中でジェインは大富豪との縁談よりも法学生を選んだ。どの世代でも『愛』に生きる女性はいる。でも家族を犠牲にしてまでの愛はどんなにつらいものだったでしょう。そして結局は自ら身を引いた彼女。

時が経ち、再会した際に彼には同じジェインという名前の娘がいた・・・あの時別れたからこそ彼が幸せになってよかった、という想いと、彼はのちに誰かを愛し、そして彼の家族がある、という複雑な想いとが入り混じってたことでしょう。

とても気品のあるイングリッシュアクセントが私は大好きです☆ジェームズ・マカヴォイも『キングオブスコットランド』とはまったく違った顔で、プレイボーイを演じつつも家族想いのよい青年。
二人の競演、なかなかよかったと思います。

ジェイン・オースティンのものはみんな大好き。
と言っても原作は「高慢と偏見」ぐらいしか読んでませんけど。

イギリスのBBCのドラマで、やはりこのジェイン本人のただ1度の恋を描いたものがありましたが、ここまでドラマチックではなかった気がします。
映画としてかなり脚色されているんでしょうかね。

女性が自立できなかった時代のお話。
結婚しなければ生きていくことができなかった時代。
それでも、結婚はやっぱり愛する人としたいですよね、男も女も。
そんな気持ちをジェインは自分の小説で思い切り書いたんでしょうか。
彼女の小説はたしか、みんなハッピーエンドでしかも結婚で終わりですよね。そんな風に書いた気持ちが、この映画では切ない彼女の恋でわかります。

この時代の服装とか家とか、ちょこんと膝をまげるあいさつとか、とっても素敵。
中でも今回はジェームス・マカボイが本当に素敵でした。
細身の体に細いコートを着て、とっても似合ってます。
現代劇より、こっちのほうがいいですね。

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そんなに期待しないでレンタルしたけど、
何か、どっぷりハマってしまいました！
キーラ・ナイトレイの『プライドと偏見』を観たくらいで、
ジェイン・オースティンの事は何も知らないけど、
切ない恋にグッと来ました。

ジェイン役のアン・ハサウェイの知的さ、
トム役のジェームズ・マカヴォイのちょっと悪そうな感じ、
主役の２人が役にピッタリだった。

２人共、家庭が貧乏だった為に諦めた恋。
無理に結ばれても幸せになれないと、身を引くジェイン。
理性的な彼女に共感してしまって、とても切なくなりました。
そんな彼女だからこそ作家として成功したのか。

見終わった後も、ずっと切ない余韻が残る。
本当に良い作品でした。