シェルブールの雨傘 / カトリーヌ・ドヌーヴ
シェルブールの雨傘
/ジャック・ドゥミ
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(57)
解説・ストーリー
傘屋の娘ジュヌヴィエーブと工員の青年ギイの恋が、アルジェ戦争によって引き裂かれ、互いに愛し合いながらも、別々の道を歩くまでを描いた悲恋劇。台詞というものは無く、全編、歌によってストーリーが進行していく、という歌曲形式をとっている。
傘屋の娘ジュヌヴィエーブと工員の青年ギイの恋が、アルジェ戦争によって引き裂かれ、互いに愛し合いながらも、別々の道を歩くまでを描いた悲恋劇。台詞というものは無く、全編、歌によってストーリーが進行していく、という歌曲形式をとっている。
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「シェルブールの雨傘」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
傘屋の娘ジュヌヴィエーブと工員の青年ギイの恋が、アルジェ戦争によって引き裂かれ、互いに愛し合いながらも、別々の道を歩くまでを描いた悲恋劇。台詞というものは無く、全編、歌によってストーリーが進行していく、という歌曲形式をとっている。
「シェルブールの雨傘」 の作品情報
「シェルブールの雨傘」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
91分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/ステレオ/フランス語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
50DRJ20473 |
2009年07月17日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
46枚
|
0人
|
0人
|
シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
91分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/ステレオ/フランス語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
50DRJ20473 |
2009年07月17日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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46枚
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ユーザーレビュー:57件
宝石商カサールの人生
投稿日:2009/12/25
レビュアー:映画三昧
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
超お気に入りの一本
とにかく、何から何まで美しい!
その中でもとくに楽曲提供者ミシェル・ルグランは特筆もの。
その他の素晴らしさについては今更触れません。
皆さんのレビューの通りです。
私はこのオペレッタとも言うべき映画の主要人物の一人、宝石商カサール氏にスポットを当ててみようと思います。
カサール(傘アルとも読めます)って、この作品にピッタリの 名前ではありませんか。
「シェルブールの雨傘」の監督ジヤック・ドゥミのデビュー作は「ローラ」(1960年)と言う映画ですが、そのヒロイン・ローラ(アヌーク・エーメ)の相手役ローラン・カサールと言う人物こそが実は「シエルブールの雨傘」のカサール氏と同一人物だったんです。
演じているのも同じマルク・ミシェルです。(但し「ローラ」のカサールは髭ナシ)
「ローラ」でのカサールはヒロインに愛を告白しますが、彼女は子までなしたのに蒸発してしまったミシェルという男が忘れられず、カサールのプロポーズを断ってしまうのです。失意のカサールはローラを忘れようと旅に出るところで映画は終わります。
そのあとカサールがどうなったかは「シェルブールの雨傘」の中で語られます。彼は世界の果てまで旅をした結果、宝石商になっていたのです。
そして、ジュヌビェーブに逢った途端に人生が変わったとまで言っています。
つまり「シェルブール」はカサール氏の人生で言えば明らかに「ローラ」の続編だったのです。
そうです。ジヤック・ドゥミ監督はきっとカサール氏に幸になってもらいたくてこの「シェルブールの雨傘」を作ったのではないでしょうか。
カサール氏はジュヌビエーブと結婚することによって今度こそ幸を
掴んだようです。が、その陰で「シェルブール」の二人の主人公の若い恋は実を結ぶことなく、余りにも儚く終わってしまいました。
しかしジュヌビェーブがカサールと結ばれたように、ギイも又マドレーヌと言う素敵な伴侶を得て幸福を掴んだことが判り、切ないけれど、とても感動的なあのラストシーンになったのです。
「ローラ」はDISCASにはありませんがジャツクドゥミコレクションとしてDVDは発売されております。
ちなみに音楽はミシェル・ルグランの担当で、「シェルブール」の曲もチラリと流れたりします。
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7人の会員が気に入ったと投稿しています
珠玉のミュージカル
投稿日:2009/07/12
レビュアー:neko
赤、青、ピンク、水色、白…、
雨の中をカラフルな傘が行き交う。
流れてくる、どこかできっと耳にしたことがある切ない音楽。
ギュッと心を鷲掴みにされるオープニング。
全編、全台詞、“歌”!!
とりあえず面食らう。でも続けて観てほしい。
ジュヌヴィエーヴのピンクの部屋、ピンクのコート。
華やかで色鮮やかで、その中で、カトリーヌ・ドヌーヴがとびきり美しく輝く映画。
16歳のジュヌヴィエーヴの恋。
恋人ギイの2年の兵役。
待ちわびる手紙に、母親の反対。
揺れ動く心に、切ない音楽が響き渡る。
明るくカラフルな色の中で描かれる恋の悲しさ。
すれ違う二人に、その結末に、思わず泣きそうになる。
ジュヌヴィエーヴの選択、母親の思い、ずっと待っていたマドレーヌ。
この胸の中で渦巻く色々な感情は何だろう。
少し鬱陶しいと思っていたミュージカルが、胸をいっぱいにさせる瞬間。
だから映画は素晴らしい。
台詞をかぶせていない間のミシェル・ルグランの音楽がとてもすてき。
白い窓に白いカーテン、窓の外には白い雪。
白の洋服を纏ったドヌーヴのその美しさ。
幸せと悲しみを行き来する珠玉のミュージカルです。
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6人の会員が気に入ったと投稿しています
「シェルブールの雨傘」を鑑賞して思うこと
1964年フランス映画
監督:ジャック・ドゥミ
音楽:ミッシェル・ルグラン
いきなりですが、私はミュージカルが大好きです。
人生初のミュージカル映画は「メリー・ポピンズ」で、シャーマン兄弟の楽曲に乗せたジュリー・アンドリュースと、ディック・ヴァン・ダイクの歌声が心にビンビン響き、えらく感動したものです。今まで慣れ親しんできたミュージカルで言うと、例えばフレッド・アステアやジーン・ケリー、ジュディ・ガーランドらの歌やダンスは「素晴らしい」の一語に尽きる。何よりも見ていて楽しい。これはミュージカルの醍醐味だと思っている。ところがこの前、「ロシュフォールの恋人たち」を鑑賞した際、何故か違和感を覚えてしまったのだ。ミュージカル好きの私が何故?と。そんな事を漠然と思いながら、この「シェルブールの雨傘」も昔観たつもりになっていたけれど、もう一度確かめておきたい衝動に駆られた。
結果、やはり再見ではなく初見だったようだ。
舞台は1957年アルジェリア戦争の最中、フランスの港町シェルブール。
雨傘屋の娘ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーブ)と自動車整備工のギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)の悲哀を描いたラブストーリーで、死ぬほど愛し合った二人だったが、ギイの兵役を境に次第にお互いが過去の存在となり、新しい相手を見つけ出し別々の人生を歩み始める・・というもの。あらすじを簡単に言うとそんなところ。
名作にケチを付ける気は更々ないが、率直に感想を述べると、“可もなく不可もなく”という感じ。ストーリーもよくある話ながら、切なさは伝わってくる。ミュージカルではない形で観たらまた違った味わいだったのに、とも思う。作品の特徴としては、多くの方が語っている通り、台詞の全てに音程がついています。つまりぜーんぶ歌っています。
私が驚いたのは、戦地から帰還したギイが上司に怒られ「畜生!」と発する単語にまで音程がついていた事。会話だけでなく短い単語にも音程を付けるだなんてスゴイと思います。
この何ともアンニュイな感じが好きな人にはハマるのかもしれませんが、私はどうも落ち着かない気分が続きました。
ハ長調の音階で例えるとドレミファソラシドの「シ」は次の主音のドに向かう導音なので、ドレミファソラシ→「ド」に行く事で私達の気持ちも落ち着く訳です。この主音の「ド」を飛び越えて、ドレミファソラシ→「レ」と歌えば不安定な感じになります。こういった不安定さが随所にあり、法則のない音程から出来ているフレーズの上に、フランス語のイントネーションが乗ると、何か落ち着かない感じに陥り、一体次はどんな音から始まるのか居心地が悪くワソワしてしまうのだ。
でも主題曲の“I WILL WAIT FOR YOU”は切なくて美しい。
この曲を知らない人は居ないだろう。そう言い切っていいほどの名曲だ。
オープニングは上空から見下ろすカメラアングルに興味をそそられる。幾つもの色とりどりの傘たちがクルクルと回り、雨に濡れた石畳までお洒落でした。
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ドヌーヴの心の震え
投稿日:2017/09/01
レビュアー:趣味は洋画
「シェルブールの雨傘」(1964年公開、製作國はフランス・西ドイツ)
1960年代といえば、ミュージカル映画はアメリカの独壇場の感があった。
そこにフランスでただ一人、積極的に挑戦した人物が、本作監督のジャック・ドゥミである。
果たして、この時代、どれほどのミュージカル映画が公開されていたのだろうか。
61年「ウエストサイド物語」、64年「マイ・フェア・レディ」、64年「メリー・ポピンズ」、65年「サウンド・オブ・ミュージック」、68年「オリバー!」、68年「ファニー・ガール」
と、60年代の有名米作品だけで6本を数える。
その前後にも、56年「王様と私」、58年「恋の手ほどき」、或いは72年「キャバレー」といった作品があった。
この作品群の中に、他国のミュージカルとして燦然と輝くのがこの「シェルブールの雨傘」である。
しかも全編、台詞が歌になっているという大胆な試みが成功し、ミシェル・ルグランのテーマ音楽とともに世界的なヒットとなったのである。
雨傘屋の娘ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、近くのガレージで働くギイ(ニーノ・カステルヌウォーボ)を深く愛していたが、ある日、ギイに召集令状が届く。
その夜、2人は愛し合い、やがて彼女はギイの子供を身ごもった。しかし、戦争に行ったギイからは何の音沙汰もなく、諦めたジュヌヴィエーヴは宝石商のカサール(マルク・ミシェル)のもとに嫁いでいく...。
恋人の子を宿しながら、他の男に嫁ぐ娘の悲哀を表現し、一躍スターダムにのし上がったカトリーヌ・ドヌーヴ、当時19歳。
このリアルさは、ロジェ・バディムの私生児を産みながら離別、という作品の内容に類似したドヌーヴ自身の哀しみからであろうか。
65年「反撥」での少女の怯え、66年「昼顔」における究極の頽廃美、そして80年「終電車」で成熟した美貌の頂点を極めた彼女。
世界的なトップスターに変わりはないが、実生活では最愛の姉フランソワーズ・ドルレアクの死、写真家デヴィッド・ベイリーとの離婚など、様々な難局を乗り越えた強い女性の現実がある。
ラストシーンは、さすがにドヌーヴの心の震えが伝わってくる。
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
これも初鑑賞です。
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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私は初鑑賞だったのですが、横で見ていた夫が
「これってこんなに色あざやかな映画だったっけ?
モノクロというイメージだなあ。」
「ロシュフォールの恋人たち」とは対極にあるような、物悲しいストーリーが、そんなイメージを持たせたのかな。
幼い一途な恋は、戦争によって引き裂かれてしまう。
私を雨や雪から守ってくれる傘になってくれる人は、一体どこに??
カトリーヌ・ドヌーブの美しさはわざわざ書くまでもありませんが、恋人を窓ガラスごしに見たときの輝くばかりの笑顔、別れの時の悲しみの表情、恋人からの便りを待って憔悴してゆく表情、とにかくそれぞれが別人とも思えるほど違うのに、どれもこれもため息がでるほど美しいのに圧倒されます。
他の皆さんも書かれていますが、誰かの名前を呼ぶだけのちょっとしたせりふも音楽。これには驚きましたが、そもそも言葉というものは音楽そのもので、ちょっとしたイントネーションや強弱で伝わり方がかわるんだということを改めて感じました。
石畳に雨が降り始めるオープニング、さまざまな色あいの服装と傘が通り過ぎてゆくのですが、その色がだんだん黒っぽくなってゆくところが、若い恋人たちの未来を暗示しているようです。短いオープニングのなかにもちゃんと物語があるんですね。
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ユーザーレビュー
宝石商カサールの人生
投稿日
2009/12/25
レビュアー
映画三昧
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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超お気に入りの一本
とにかく、何から何まで美しい!
その中でもとくに楽曲提供者ミシェル・ルグランは特筆もの。
その他の素晴らしさについては今更触れません。
皆さんのレビューの通りです。
私はこのオペレッタとも言うべき映画の主要人物の一人、宝石商カサール氏にスポットを当ててみようと思います。
カサール(傘アルとも読めます)って、この作品にピッタリの 名前ではありませんか。
「シェルブールの雨傘」の監督ジヤック・ドゥミのデビュー作は「ローラ」(1960年)と言う映画ですが、そのヒロイン・ローラ(アヌーク・エーメ)の相手役ローラン・カサールと言う人物こそが実は「シエルブールの雨傘」のカサール氏と同一人物だったんです。
演じているのも同じマルク・ミシェルです。(但し「ローラ」のカサールは髭ナシ)
「ローラ」でのカサールはヒロインに愛を告白しますが、彼女は子までなしたのに蒸発してしまったミシェルという男が忘れられず、カサールのプロポーズを断ってしまうのです。失意のカサールはローラを忘れようと旅に出るところで映画は終わります。
そのあとカサールがどうなったかは「シェルブールの雨傘」の中で語られます。彼は世界の果てまで旅をした結果、宝石商になっていたのです。
そして、ジュヌビェーブに逢った途端に人生が変わったとまで言っています。
つまり「シェルブール」はカサール氏の人生で言えば明らかに「ローラ」の続編だったのです。
そうです。ジヤック・ドゥミ監督はきっとカサール氏に幸になってもらいたくてこの「シェルブールの雨傘」を作ったのではないでしょうか。
カサール氏はジュヌビエーブと結婚することによって今度こそ幸を
掴んだようです。が、その陰で「シェルブール」の二人の主人公の若い恋は実を結ぶことなく、余りにも儚く終わってしまいました。
しかしジュヌビェーブがカサールと結ばれたように、ギイも又マドレーヌと言う素敵な伴侶を得て幸福を掴んだことが判り、切ないけれど、とても感動的なあのラストシーンになったのです。
「ローラ」はDISCASにはありませんがジャツクドゥミコレクションとしてDVDは発売されております。
ちなみに音楽はミシェル・ルグランの担当で、「シェルブール」の曲もチラリと流れたりします。
珠玉のミュージカル
投稿日
2009/07/12
レビュアー
neko
赤、青、ピンク、水色、白…、
雨の中をカラフルな傘が行き交う。
流れてくる、どこかできっと耳にしたことがある切ない音楽。
ギュッと心を鷲掴みにされるオープニング。
全編、全台詞、“歌”!!
とりあえず面食らう。でも続けて観てほしい。
ジュヌヴィエーヴのピンクの部屋、ピンクのコート。
華やかで色鮮やかで、その中で、カトリーヌ・ドヌーヴがとびきり美しく輝く映画。
16歳のジュヌヴィエーヴの恋。
恋人ギイの2年の兵役。
待ちわびる手紙に、母親の反対。
揺れ動く心に、切ない音楽が響き渡る。
明るくカラフルな色の中で描かれる恋の悲しさ。
すれ違う二人に、その結末に、思わず泣きそうになる。
ジュヌヴィエーヴの選択、母親の思い、ずっと待っていたマドレーヌ。
この胸の中で渦巻く色々な感情は何だろう。
少し鬱陶しいと思っていたミュージカルが、胸をいっぱいにさせる瞬間。
だから映画は素晴らしい。
台詞をかぶせていない間のミシェル・ルグランの音楽がとてもすてき。
白い窓に白いカーテン、窓の外には白い雪。
白の洋服を纏ったドヌーヴのその美しさ。
幸せと悲しみを行き来する珠玉のミュージカルです。
「シェルブールの雨傘」を鑑賞して思うこと
投稿日
2022/03/17
レビュアー
かつ
1964年フランス映画
監督:ジャック・ドゥミ
音楽:ミッシェル・ルグラン
いきなりですが、私はミュージカルが大好きです。
人生初のミュージカル映画は「メリー・ポピンズ」で、シャーマン兄弟の楽曲に乗せたジュリー・アンドリュースと、ディック・ヴァン・ダイクの歌声が心にビンビン響き、えらく感動したものです。今まで慣れ親しんできたミュージカルで言うと、例えばフレッド・アステアやジーン・ケリー、ジュディ・ガーランドらの歌やダンスは「素晴らしい」の一語に尽きる。何よりも見ていて楽しい。これはミュージカルの醍醐味だと思っている。ところがこの前、「ロシュフォールの恋人たち」を鑑賞した際、何故か違和感を覚えてしまったのだ。ミュージカル好きの私が何故?と。そんな事を漠然と思いながら、この「シェルブールの雨傘」も昔観たつもりになっていたけれど、もう一度確かめておきたい衝動に駆られた。
結果、やはり再見ではなく初見だったようだ。
舞台は1957年アルジェリア戦争の最中、フランスの港町シェルブール。
雨傘屋の娘ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーブ)と自動車整備工のギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)の悲哀を描いたラブストーリーで、死ぬほど愛し合った二人だったが、ギイの兵役を境に次第にお互いが過去の存在となり、新しい相手を見つけ出し別々の人生を歩み始める・・というもの。あらすじを簡単に言うとそんなところ。
名作にケチを付ける気は更々ないが、率直に感想を述べると、“可もなく不可もなく”という感じ。ストーリーもよくある話ながら、切なさは伝わってくる。ミュージカルではない形で観たらまた違った味わいだったのに、とも思う。作品の特徴としては、多くの方が語っている通り、台詞の全てに音程がついています。つまりぜーんぶ歌っています。
私が驚いたのは、戦地から帰還したギイが上司に怒られ「畜生!」と発する単語にまで音程がついていた事。会話だけでなく短い単語にも音程を付けるだなんてスゴイと思います。
この何ともアンニュイな感じが好きな人にはハマるのかもしれませんが、私はどうも落ち着かない気分が続きました。
ハ長調の音階で例えるとドレミファソラシドの「シ」は次の主音のドに向かう導音なので、ドレミファソラシ→「ド」に行く事で私達の気持ちも落ち着く訳です。この主音の「ド」を飛び越えて、ドレミファソラシ→「レ」と歌えば不安定な感じになります。こういった不安定さが随所にあり、法則のない音程から出来ているフレーズの上に、フランス語のイントネーションが乗ると、何か落ち着かない感じに陥り、一体次はどんな音から始まるのか居心地が悪くワソワしてしまうのだ。
でも主題曲の“I WILL WAIT FOR YOU”は切なくて美しい。
この曲を知らない人は居ないだろう。そう言い切っていいほどの名曲だ。
オープニングは上空から見下ろすカメラアングルに興味をそそられる。幾つもの色とりどりの傘たちがクルクルと回り、雨に濡れた石畳までお洒落でした。
ドヌーヴの心の震え
投稿日
2017/09/01
レビュアー
趣味は洋画
「シェルブールの雨傘」(1964年公開、製作國はフランス・西ドイツ)
1960年代といえば、ミュージカル映画はアメリカの独壇場の感があった。
そこにフランスでただ一人、積極的に挑戦した人物が、本作監督のジャック・ドゥミである。
果たして、この時代、どれほどのミュージカル映画が公開されていたのだろうか。
61年「ウエストサイド物語」、64年「マイ・フェア・レディ」、64年「メリー・ポピンズ」、65年「サウンド・オブ・ミュージック」、68年「オリバー!」、68年「ファニー・ガール」
と、60年代の有名米作品だけで6本を数える。
その前後にも、56年「王様と私」、58年「恋の手ほどき」、或いは72年「キャバレー」といった作品があった。
この作品群の中に、他国のミュージカルとして燦然と輝くのがこの「シェルブールの雨傘」である。
しかも全編、台詞が歌になっているという大胆な試みが成功し、ミシェル・ルグランのテーマ音楽とともに世界的なヒットとなったのである。
雨傘屋の娘ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、近くのガレージで働くギイ(ニーノ・カステルヌウォーボ)を深く愛していたが、ある日、ギイに召集令状が届く。
その夜、2人は愛し合い、やがて彼女はギイの子供を身ごもった。しかし、戦争に行ったギイからは何の音沙汰もなく、諦めたジュヌヴィエーヴは宝石商のカサール(マルク・ミシェル)のもとに嫁いでいく...。
恋人の子を宿しながら、他の男に嫁ぐ娘の悲哀を表現し、一躍スターダムにのし上がったカトリーヌ・ドヌーヴ、当時19歳。
このリアルさは、ロジェ・バディムの私生児を産みながら離別、という作品の内容に類似したドヌーヴ自身の哀しみからであろうか。
65年「反撥」での少女の怯え、66年「昼顔」における究極の頽廃美、そして80年「終電車」で成熟した美貌の頂点を極めた彼女。
世界的なトップスターに変わりはないが、実生活では最愛の姉フランソワーズ・ドルレアクの死、写真家デヴィッド・ベイリーとの離婚など、様々な難局を乗り越えた強い女性の現実がある。
ラストシーンは、さすがにドヌーヴの心の震えが伝わってくる。
これも初鑑賞です。
投稿日
2009/08/16
レビュアー
パープルローズ
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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私は初鑑賞だったのですが、横で見ていた夫が
「これってこんなに色あざやかな映画だったっけ?
モノクロというイメージだなあ。」
「ロシュフォールの恋人たち」とは対極にあるような、物悲しいストーリーが、そんなイメージを持たせたのかな。
幼い一途な恋は、戦争によって引き裂かれてしまう。
私を雨や雪から守ってくれる傘になってくれる人は、一体どこに??
カトリーヌ・ドヌーブの美しさはわざわざ書くまでもありませんが、恋人を窓ガラスごしに見たときの輝くばかりの笑顔、別れの時の悲しみの表情、恋人からの便りを待って憔悴してゆく表情、とにかくそれぞれが別人とも思えるほど違うのに、どれもこれもため息がでるほど美しいのに圧倒されます。
他の皆さんも書かれていますが、誰かの名前を呼ぶだけのちょっとしたせりふも音楽。これには驚きましたが、そもそも言葉というものは音楽そのもので、ちょっとしたイントネーションや強弱で伝わり方がかわるんだということを改めて感じました。
石畳に雨が降り始めるオープニング、さまざまな色あいの服装と傘が通り過ぎてゆくのですが、その色がだんだん黒っぽくなってゆくところが、若い恋人たちの未来を暗示しているようです。短いオープニングのなかにもちゃんと物語があるんですね。
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