評決 / ポール・ニューマン
評決
/シドニー・ルメット
平均評価点:
予告編を検索
全体の平均評価点: (5点満点)
(41)
解説・ストーリー
酒びたりの日々を送る弁護士が、ある訴訟をきっかけに再び真実と正義を問いただすようになるまでを描く法廷ドラマ。主人公ギャルビンは新聞の死亡欄から裁判になりそうな事件を見つけては、葬儀に紛れ込んで依頼を受けようとするまでに落魄れた毎日を送っていた。そこに医療ミスで植物人間にされた患者の弁護の仕事がやってくる。始めは金になりそうと言うだけで引き受けたが、調査を進める内に再び弁護士魂に火が点り、法廷に立ち上がるギャルビンだったが……。
酒びたりの日々を送る弁護士が、ある訴訟をきっかけに再び真実と正義を問いただすようになるまでを描く法廷ドラマ。主人公ギャルビンは新聞の死亡欄から裁判になりそうな事件を見つけては、葬儀に紛れ込んで依頼を受けようとするまでに落魄れた毎日を送っていた。そこに医療ミスで植物人間にされた患者の弁護の仕事がやってくる。始めは金になりそうと言うだけで引き受けたが、調査を進める内に再び弁護士魂に火が点り、法廷に立ち上がるギャルビンだったが……。
もっと見る▼
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
新作をレンタルする方法はこちら
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
「評決」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
酒びたりの日々を送る弁護士が、ある訴訟をきっかけに再び真実と正義を問いただすようになるまでを描く法廷ドラマ。主人公ギャルビンは新聞の死亡欄から裁判になりそうな事件を見つけては、葬儀に紛れ込んで依頼を受けようとするまでに落魄れた毎日を送っていた。そこに医療ミスで植物人間にされた患者の弁護の仕事がやってくる。始めは金になりそうと言うだけで引き受けたが、調査を進める内に再び弁護士魂に火が点り、法廷に立ち上がるギャルビンだったが……。
「評決」 の作品情報
「評決」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
評決の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
129分 |
日本語英語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語 2:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
FXBR1188 |
2008年12月17日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
9枚
|
0人
|
1人
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
2:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
評決の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
129分 |
日本語英語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語 2:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
FXBR1188 |
2008年12月17日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
9枚
|
0人
|
1人
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
2:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!
洋画・邦画
約35,500
タイトル以上
国内ドラマも一部含まれております
※2022年2月 現在のタイトル数
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
新作をレンタルする方法はこちら
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ユーザーレビュー:41件
最終弁論
投稿日:2009/05/09
レビュアー:ひきむすび
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
大人になるたびに
私たちは何を身につけ 何を捨ててきたのでしょう
現実と折り合うための嘘
どうにもならない現実から目を逸らすこと
ごまかし あいまいであること
全てに折り合いをつけること
幼い頃 夢みた自分はこんなはずじゃなかったじゃない?
まっすぐでありたい心に この映画はうれしい
思いを貫かせてくれるから。
すっかり落ち目の弁護士ギャルビンが引き受けたのは医療訴訟。
示談金目当ての‘軽い’仕事のはずが
植物状態の患者を目の当たりにして正義に目覚める。
問題を公にしたくない病院サイド、当然 勝ちたい被告側弁護団
町の有力層を敵に回したくない裁判長のえこひいき
そして真実よりも生活のためのお金が欲しい原告夫婦。
ギャルビンはどこまでも追い込まれ どこまでもひとり。
もちろんサポートしてくれるベテラン弁護士の存在もあるでしょう。
でも法廷に立ったときの いてもたってもいられない孤独感 緊張感が好きですね。
そして 非常に孤独な戦い どうにも不利な戦いクライマックスに
切々と最終弁論はひとびとの良心へと語りかける。
その言葉にはまったく派手なところがないものの熱くなります。
良心を 正義を 正しいことを正しいといえる勇気
最終弁論にはいつも 普遍的な‘願い’があり いつも感動してしまいます。
これが見たくて 法廷劇を見ている気がします。
以下ネタバレ、、、(の気がする)−−−−−−−−−−−−−−−−
さて
真実が勝ったんでしょうか。
そうなんでしょうね。たぶん。。。たぶん。
結局のところ私たちもケイトリンの証言を信じざるを得ません。
ただ それが何らかの意図での偽証だったなら・・・
そうした終盤の揺らぎを シャーロット・ランプリング電話が消し去る。
すごく上手い締めくくりだと思いました。
よふかしさんのレビューに惹かれて借りました。ありがとうございました。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
「法廷モノ」としての出来は良く無い
投稿日:2010/12/31
レビュアー:忙中有閑
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
私、法律に明るい方では無いですが、陪審員制度には非常に疑問を持っています。原告側、被告側がどれほど綿密に証拠、証言を提示し論理的に有罪、無罪を証明したとしても、最終的な結論が陪審員の「心証」で決まる、というのはどうしても納得がいかないんですね。裁判官の裁定にも恣意や誤謬がある可能性は否定しませんが、少なくとも法律のプロであり職業倫理を問われる立場にある裁判官の判断のほうが責任の無い素人の判断より信頼出来る、と思ってしまう。それこそ素人考えかもしれませんが。
それにしてもこの映画、アメリカ人の大好きな「法廷モノ」としてはあまり出来がいいとは思えませんね。法廷に於いて原告側が勝訴する決定的要因となったのは最後の証人である病院の受付係の女性の証言ですが、この証言が「決定的」であるのは被告の医師の処置に過誤があったか否かでは無く、医師自身が過誤を認めて隠蔽工作をこの女性に指示したことを証言しているからです。この場合彼女が持参した受付票の「コピー」が「証拠」として採用されるか否かは問題では無く、彼女の証言は「証言」としては採用されざるを得ない、というのが論理的帰結でしょう。被告側弁護士の「証言不採用」の主張、及びそれを支持した判事の裁定は明らかに論理的誤謬ですし、「陪審員の心証」はこの時点で「決定的」です。被告側としてはこの証言が「偽証」であることを証明する(印象付ける)以外に手は無いのであって、あそこで「うろたえ」て証言不採用を主張するのは経験豊富なプロにしてはリアリティに欠けます。実際この女性が「偽証」した可能性だって十分にあるのですから。さらに弁護側がこのような「決定的」証人の存在を知らずに裁判に臨んだ、というのはオハナシとして全くリアリティに欠けます。まぁ最初からあの判事の分かり易過ぎる恣意的言動が「法廷モノ」としてこのオハナシのリアリティを決定的に損なってしまっていたことは否めませんねぇ。
とは言えこの映画、P.ニューマン演ずる落ちぶれた初老のアル中弁護士フランクと妖しい中年女性ローラ(S.ランプリング)の恋愛を単なるサイドストーリーとしてでは無くなかなか味わい深く丁寧に描いており、私は寧ろそちらのほうが気に入りました。ラストシーン、ローラからの電話(であることをフランクは分かっている)のベルが鳴り続けているのに受話器を取らないフランク。彼は自分を裏切ったローラを許せないのではありません。一度壊れてしまった二人の恋がもう「取り返しがつかない」ことをフランクは理解している。そして実は電話を掛け続けるローラもまたそのことを理解しつつ掛けずにいられない。大人同士の恋は切ないですねぇ。S.ランプリングってあの三白眼がどうにも好きになれないんですが、
ほんとに上手い女優ですね。あの顔で女の可愛さを表現出来るってのがスゴい(笑)。
評決レビュー内容を入力(全角2,000文字まで)
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
正義への祈り
皮肉の利いた静かな社会派映画。ヒューマンドラマの要素が強く、法廷ミステリーらしい華々しさに欠けるので、もの足りなく思われるかもしれない。舞台は1970年代のボストン、正義感溢れる弁護士だったフランク・ギャルビン(ポール・ニューマンが実に好演)は、3年前に所属していた大手法律事務所の不正を告発して失脚し、妻とも離婚して、それ以来酒浸りの荒んだ日々を送っている。仕事にも事欠く有り様で、仲間の先輩弁護士ミッキー・モリッシーが、そんな彼を見かねて、4年前に起きた医療過誤の案件を紹介してくれる。病院側と示談交渉をするだけという簡単な案件のはずだったのだが…。
訴訟内容は、出産のため入院したデボラ・ケイという女性が麻酔の不手際で窒息し、蘇生後も植物状態のまま入院を続けているという医療過誤事件で、その世話に疲れたデボラの妹夫妻の依頼によるものだった。依頼主の希望通りそれなりの金額が提示されて、示談が成立して終わりになるはずだったのに、昏睡状態でベッドに横たわるデボラの姿を目にしたフランクは、どうしても担当医師や病院側の重大な過失をそのまま見過ごすことができず、裁判に持ち込んでしまう。相手はカトリック教会が経営する病院で、正義と真実を重んじる教会自らが過失の隠蔽に加担し、保身に走るという皮肉。
被告側弁護士は、勝つためなら何でもするという百戦錬磨の大手法律事務所のコンキャノンで、この裁判のために10人以上の精鋭のスタッフを揃え、被告の病院や担当医師のイメージアップのためには新聞やテレビを活用し、証人尋問の予行演習までするという用意周到さ。原告側のフランクの戦略を探ろうと、スパイまで送り込む。また、公正であるべき担当判事は強者に忖度して、被告側に有利な裁定さえする。フランクと彼を手助けするミッキーは、法的には絶対的不利の状況に追い込まれる。
フランクが最終弁論で陪審員たちに訴えかける「正義を切に願う祈り」は、そうであってほしいというこの映画のメッセージでもあるだろう。暗闇に迷い神に祈っても、正義はなく、貧しい者は常に無力。それでも、もし正義を信じたいと願うのなら、「まず自分自身を信頼し、正しく行動する。正義は誰の心にもある。」 現実には、こんな理想は、すぐに裏切られてしまうだろう。けれどもやはり、正義を祈るしかないのだ。
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
圧巻!
投稿日:2016/11/12
レビュアー:趣味は洋画
バリー・リードの原作をデヴィッド・マメットが脚色した裁判劇の秀作。
出産のために入院した女性が、麻酔処置のミスで植物人間になってしまった責任が争われる。
ボストンの中年弁護士ギャルヴィン(ポール・ニューマン)は、医療ミスから植物人間にされてしまった女性の、病院を相手取った訴訟の弁護人を引き受ける。
病院側は21万ドルという大金で示談を申し込み、看護に疲れ果てた被害者の姉夫婦はこれに納得する。しかし、嘘をついている病院と医師への怒りを燃え上がらせたギャルヴィンは、示談を蹴って事件を法廷に持ち込む。
病院側は、一流弁護士のコンキャノン(ジェームス・メイスン)を立て、ギャルヴィンの証人をつぶしにかかる...
社会派サスペンスの巨匠、シドニー・ルメット監督作品である。
個人的には、ルメット監督デビュー作の57年「十二人の怒れる男」が、私目の映画鑑賞歴NO.1の作品で、レビューは1000作目に書こうと思っている。
この「評決」は「十二人の...」にはやや及ばないものの、かなりの傑作である。
ポール・ニューマン扮する落ち目の酔いどれ弁護士が、裁判を通じてプライドを取り戻すまでを描いているが、彼は正義感の人一倍強い弁護士でもあり、まさに「正義」とは何かを訴えている。
地味だが、破綻のない作りで、中盤以降の法廷場面は目が離せない。
この映画の特徴的なこととして、「描き方、描写のこだわり」がある。
ギャルヴィンは落ちぶれた弁護士として登場するが、彼の過去についての説明はしごく簡単に終わらせている。詳細な説明をあえて排除することによって、現在の、そしてこれからのギャルヴィンの存在感を際立たせるものだ。
又、病院を辞めている看護師ケイトリン(リンゼイ・クローズ)に証人として出廷してもらうため、現在、彼女の住んでいるニューヨークに出向くシーンがある。
ニューヨークの街中で、ギャルヴィンと老弁護士ミッキー(ジャック・ウォーデン)が何やら話しているが、その内容は一切明かされない。
しかし、視聴者にはその話の内容が大体想像がつくのだ。
謎の女ローラ(シャーロット・ランプリング)が、実はコンキャノンが仕掛けた女であり、このニューヨークに来ている...それをミッキーがギャルヴィンに教えているのだろう。
一方で、ギャルヴィンが正義感に目覚める様子や、法廷でのやりとりは実に詳細に描かれている。
病院で、廃人となった患者を目のあたりにし、怒りにふるえるギャルヴィンの表情。
法廷で、涙ながらに訴える看護師ケイトリンの証言の様子。
陪審員に向かって、「正義」を問うギャルヴィンの真摯的かつ勇気ある言葉の選択。
これらが相まって、「絶妙な間」のとれたサスペンスに仕上がっている。
57年「十二人の怒れる男」に出演した名優が2人揃って出演している。
ジャック・ウォーデンとエドワード・ヴィンスである。
前者は主人公の良き理解者で、常にギャルヴィンに付き添い、あるときは厳しく、あるときは優しく、行動を共にしている。彼の力がなければとても裁判には勝てない...それくらい重要な位置づけの人物に扮している。J・ウォーデンこそ、助演男優賞ものの演技だ。
後者は、訴えられた病院を経営するカソリック教会の司教役で登場する。
その司教が高額な金で示談を持ち込むのだが、ギャルヴィンに蹴られたため、コンキャノンを雇うという流れだ。
まだまだ書き足りないところ満載だが、睡魔との闘いに敗れ、筆を置くこととする。
秋の夜長に最高の映画を再鑑賞した。
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
「なかったことに」などできない
ロキュの69日連続レビューU (参考記録 )その61
いろはレビューの「ひ」
(,ネタばれあり )
デビュー作の『 12人の怒れる男 』から、シドニー・ルメットは法と正義をテーマに名作をたくさん撮ってきました。
しかし、『12人』のヘンリー・フォンダ演じる主人公が自分自身と法、社会に対して強い信念と信頼を抱いていたのに対し、『 セルピコ 』『 プリンス・オブ・シティ 』など、時代を経るに連れて、主人公は法や社会に裏切られて深い傷を負い、信念も自分自身への信頼も大きく揺さぶられていきます。
本作の主人公のフランク (ポール・ニューマン)もその一人。
若い時は正義感に燃え前途洋洋の弁護士でしたが、大きな挫折から自信とやる気をなくしてしまい、今はただ金の為に仕事をあさり、自己嫌悪から酒びたりの負け犬。
見かねた友人のミッキー( ジャック・ウォーデン。 「12人」では野球のことが気になる陪審員役) が回してくれた医療過誤の民事裁判に、正義への情熱を思い出し、出会ったローラ(シャーロット・ランプリング)ともいい関係になって、運が向いてきたと色気を出してしまうのだが・・・・・。
( 自分の青臭さが呼び覚まされた時、股間を押さえて飛び跳ねるポール・ニューマン。 一方絶望のふちに追いやられた時には呼吸困難になってしまう。 希望が持つ身体性が実に良く出てます )
脚本は劇作家のデヴィッド・マメット。 ボブ・ラフェルソン監督ジャック・ニコルソン主演の『 郵便配達は二度ベルを鳴らす 』を書きました。
被告側の辣腕弁護士コンキャノンにジェームズ・メイスン。 圧倒的存在感でポール・ニューマンに立ちはだかります。
他にも舞台で活躍する演技派らで固めたキャストが見ごたえある法廷サスペンスを盛り上げます。
大人を感じさせる女優シャーロット・ランプリングを、アメリカ映画はなかなか使いこなせないのですが、本作のローラ役は強い印象を残します。
ローラの視点から映画を見直すと、また違う発見があります。
彼女をくどこうとフランクが語る理想、情熱を聞くときの表情。
知られてしまったと悟った時のあの眼、あのまなざし。
フランクが窮地に陥ったとき、ローラが突き放したことに大人の愛を感じただけに、フランクの手の痛み、哀しみを感じます。
判決が出た後のあの眼、あのまなざし。
世の中はきびしい。
医療過誤で意識もなく寝たきりになってしまったことを「なかったことに」などできない。
示談を蹴って裁判に負けて、一銭も補償金を獲れなくても「なかったことに」などできない。
今の証言は無効で、陪審員は「聴かなかったことに」と言われても、そんなことはできない。
フランクもローラも以前に大きな挫折をして、自信と愛を失い、深く傷ついた。
心に一度、ぽっかりと大きく開いた穴は「なかったことに」などできない。
酒でまぎらわしても、誰かがなぐさめてくれても、穴はなくならない。
穴に落ちた恐怖は消えない。 穴にまた落ちないようにするしかないないが、また穴に落ちてしまいそうで
自分がこわい。
酒に溺れることを反省して、何年も酒を絶っても、一杯呑んでしまったら自分がどうなるかわからないのと同じ。
傷をなめあったら、共倒れになってしまうのがこわい女と男。
逆に、うっかり声を聞いたら、思わず、なじって恨み言を言ってしまうかもしれない男。
たとえ相手が許してくれても、思い出すたびに、自分が許せなくなるかもしれない女。
それがわかっていても求めてしまう女と、受け止められない男。
「 正義があることを信じたいなら、自分自身を信じること 」と法廷で説くフランク。
だが、愛を信じたいが、自分自身を信じることは、ほんとうにむずかしい。
傷ついたことなど「なかったことに」などできないし、出会ったこと、愛し合ったことを「なかったこと」になどできない二人がせつない。
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
最終弁論
投稿日
2009/05/09
レビュアー
ひきむすび
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
大人になるたびに
私たちは何を身につけ 何を捨ててきたのでしょう
現実と折り合うための嘘
どうにもならない現実から目を逸らすこと
ごまかし あいまいであること
全てに折り合いをつけること
幼い頃 夢みた自分はこんなはずじゃなかったじゃない?
まっすぐでありたい心に この映画はうれしい
思いを貫かせてくれるから。
すっかり落ち目の弁護士ギャルビンが引き受けたのは医療訴訟。
示談金目当ての‘軽い’仕事のはずが
植物状態の患者を目の当たりにして正義に目覚める。
問題を公にしたくない病院サイド、当然 勝ちたい被告側弁護団
町の有力層を敵に回したくない裁判長のえこひいき
そして真実よりも生活のためのお金が欲しい原告夫婦。
ギャルビンはどこまでも追い込まれ どこまでもひとり。
もちろんサポートしてくれるベテラン弁護士の存在もあるでしょう。
でも法廷に立ったときの いてもたってもいられない孤独感 緊張感が好きですね。
そして 非常に孤独な戦い どうにも不利な戦いクライマックスに
切々と最終弁論はひとびとの良心へと語りかける。
その言葉にはまったく派手なところがないものの熱くなります。
良心を 正義を 正しいことを正しいといえる勇気
最終弁論にはいつも 普遍的な‘願い’があり いつも感動してしまいます。
これが見たくて 法廷劇を見ている気がします。
以下ネタバレ、、、(の気がする)−−−−−−−−−−−−−−−−
さて
真実が勝ったんでしょうか。
そうなんでしょうね。たぶん。。。たぶん。
結局のところ私たちもケイトリンの証言を信じざるを得ません。
ただ それが何らかの意図での偽証だったなら・・・
そうした終盤の揺らぎを シャーロット・ランプリング電話が消し去る。
すごく上手い締めくくりだと思いました。
よふかしさんのレビューに惹かれて借りました。ありがとうございました。
「法廷モノ」としての出来は良く無い
投稿日
2010/12/31
レビュアー
忙中有閑
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
私、法律に明るい方では無いですが、陪審員制度には非常に疑問を持っています。原告側、被告側がどれほど綿密に証拠、証言を提示し論理的に有罪、無罪を証明したとしても、最終的な結論が陪審員の「心証」で決まる、というのはどうしても納得がいかないんですね。裁判官の裁定にも恣意や誤謬がある可能性は否定しませんが、少なくとも法律のプロであり職業倫理を問われる立場にある裁判官の判断のほうが責任の無い素人の判断より信頼出来る、と思ってしまう。それこそ素人考えかもしれませんが。
それにしてもこの映画、アメリカ人の大好きな「法廷モノ」としてはあまり出来がいいとは思えませんね。法廷に於いて原告側が勝訴する決定的要因となったのは最後の証人である病院の受付係の女性の証言ですが、この証言が「決定的」であるのは被告の医師の処置に過誤があったか否かでは無く、医師自身が過誤を認めて隠蔽工作をこの女性に指示したことを証言しているからです。この場合彼女が持参した受付票の「コピー」が「証拠」として採用されるか否かは問題では無く、彼女の証言は「証言」としては採用されざるを得ない、というのが論理的帰結でしょう。被告側弁護士の「証言不採用」の主張、及びそれを支持した判事の裁定は明らかに論理的誤謬ですし、「陪審員の心証」はこの時点で「決定的」です。被告側としてはこの証言が「偽証」であることを証明する(印象付ける)以外に手は無いのであって、あそこで「うろたえ」て証言不採用を主張するのは経験豊富なプロにしてはリアリティに欠けます。実際この女性が「偽証」した可能性だって十分にあるのですから。さらに弁護側がこのような「決定的」証人の存在を知らずに裁判に臨んだ、というのはオハナシとして全くリアリティに欠けます。まぁ最初からあの判事の分かり易過ぎる恣意的言動が「法廷モノ」としてこのオハナシのリアリティを決定的に損なってしまっていたことは否めませんねぇ。
とは言えこの映画、P.ニューマン演ずる落ちぶれた初老のアル中弁護士フランクと妖しい中年女性ローラ(S.ランプリング)の恋愛を単なるサイドストーリーとしてでは無くなかなか味わい深く丁寧に描いており、私は寧ろそちらのほうが気に入りました。ラストシーン、ローラからの電話(であることをフランクは分かっている)のベルが鳴り続けているのに受話器を取らないフランク。彼は自分を裏切ったローラを許せないのではありません。一度壊れてしまった二人の恋がもう「取り返しがつかない」ことをフランクは理解している。そして実は電話を掛け続けるローラもまたそのことを理解しつつ掛けずにいられない。大人同士の恋は切ないですねぇ。S.ランプリングってあの三白眼がどうにも好きになれないんですが、
ほんとに上手い女優ですね。あの顔で女の可愛さを表現出来るってのがスゴい(笑)。
評決レビュー内容を入力(全角2,000文字まで)
正義への祈り
投稿日
2023/09/13
レビュアー
hinakksk
皮肉の利いた静かな社会派映画。ヒューマンドラマの要素が強く、法廷ミステリーらしい華々しさに欠けるので、もの足りなく思われるかもしれない。舞台は1970年代のボストン、正義感溢れる弁護士だったフランク・ギャルビン(ポール・ニューマンが実に好演)は、3年前に所属していた大手法律事務所の不正を告発して失脚し、妻とも離婚して、それ以来酒浸りの荒んだ日々を送っている。仕事にも事欠く有り様で、仲間の先輩弁護士ミッキー・モリッシーが、そんな彼を見かねて、4年前に起きた医療過誤の案件を紹介してくれる。病院側と示談交渉をするだけという簡単な案件のはずだったのだが…。
訴訟内容は、出産のため入院したデボラ・ケイという女性が麻酔の不手際で窒息し、蘇生後も植物状態のまま入院を続けているという医療過誤事件で、その世話に疲れたデボラの妹夫妻の依頼によるものだった。依頼主の希望通りそれなりの金額が提示されて、示談が成立して終わりになるはずだったのに、昏睡状態でベッドに横たわるデボラの姿を目にしたフランクは、どうしても担当医師や病院側の重大な過失をそのまま見過ごすことができず、裁判に持ち込んでしまう。相手はカトリック教会が経営する病院で、正義と真実を重んじる教会自らが過失の隠蔽に加担し、保身に走るという皮肉。
被告側弁護士は、勝つためなら何でもするという百戦錬磨の大手法律事務所のコンキャノンで、この裁判のために10人以上の精鋭のスタッフを揃え、被告の病院や担当医師のイメージアップのためには新聞やテレビを活用し、証人尋問の予行演習までするという用意周到さ。原告側のフランクの戦略を探ろうと、スパイまで送り込む。また、公正であるべき担当判事は強者に忖度して、被告側に有利な裁定さえする。フランクと彼を手助けするミッキーは、法的には絶対的不利の状況に追い込まれる。
フランクが最終弁論で陪審員たちに訴えかける「正義を切に願う祈り」は、そうであってほしいというこの映画のメッセージでもあるだろう。暗闇に迷い神に祈っても、正義はなく、貧しい者は常に無力。それでも、もし正義を信じたいと願うのなら、「まず自分自身を信頼し、正しく行動する。正義は誰の心にもある。」 現実には、こんな理想は、すぐに裏切られてしまうだろう。けれどもやはり、正義を祈るしかないのだ。
圧巻!
投稿日
2016/11/12
レビュアー
趣味は洋画
バリー・リードの原作をデヴィッド・マメットが脚色した裁判劇の秀作。
出産のために入院した女性が、麻酔処置のミスで植物人間になってしまった責任が争われる。
ボストンの中年弁護士ギャルヴィン(ポール・ニューマン)は、医療ミスから植物人間にされてしまった女性の、病院を相手取った訴訟の弁護人を引き受ける。
病院側は21万ドルという大金で示談を申し込み、看護に疲れ果てた被害者の姉夫婦はこれに納得する。しかし、嘘をついている病院と医師への怒りを燃え上がらせたギャルヴィンは、示談を蹴って事件を法廷に持ち込む。
病院側は、一流弁護士のコンキャノン(ジェームス・メイスン)を立て、ギャルヴィンの証人をつぶしにかかる...
社会派サスペンスの巨匠、シドニー・ルメット監督作品である。
個人的には、ルメット監督デビュー作の57年「十二人の怒れる男」が、私目の映画鑑賞歴NO.1の作品で、レビューは1000作目に書こうと思っている。
この「評決」は「十二人の...」にはやや及ばないものの、かなりの傑作である。
ポール・ニューマン扮する落ち目の酔いどれ弁護士が、裁判を通じてプライドを取り戻すまでを描いているが、彼は正義感の人一倍強い弁護士でもあり、まさに「正義」とは何かを訴えている。
地味だが、破綻のない作りで、中盤以降の法廷場面は目が離せない。
この映画の特徴的なこととして、「描き方、描写のこだわり」がある。
ギャルヴィンは落ちぶれた弁護士として登場するが、彼の過去についての説明はしごく簡単に終わらせている。詳細な説明をあえて排除することによって、現在の、そしてこれからのギャルヴィンの存在感を際立たせるものだ。
又、病院を辞めている看護師ケイトリン(リンゼイ・クローズ)に証人として出廷してもらうため、現在、彼女の住んでいるニューヨークに出向くシーンがある。
ニューヨークの街中で、ギャルヴィンと老弁護士ミッキー(ジャック・ウォーデン)が何やら話しているが、その内容は一切明かされない。
しかし、視聴者にはその話の内容が大体想像がつくのだ。
謎の女ローラ(シャーロット・ランプリング)が、実はコンキャノンが仕掛けた女であり、このニューヨークに来ている...それをミッキーがギャルヴィンに教えているのだろう。
一方で、ギャルヴィンが正義感に目覚める様子や、法廷でのやりとりは実に詳細に描かれている。
病院で、廃人となった患者を目のあたりにし、怒りにふるえるギャルヴィンの表情。
法廷で、涙ながらに訴える看護師ケイトリンの証言の様子。
陪審員に向かって、「正義」を問うギャルヴィンの真摯的かつ勇気ある言葉の選択。
これらが相まって、「絶妙な間」のとれたサスペンスに仕上がっている。
57年「十二人の怒れる男」に出演した名優が2人揃って出演している。
ジャック・ウォーデンとエドワード・ヴィンスである。
前者は主人公の良き理解者で、常にギャルヴィンに付き添い、あるときは厳しく、あるときは優しく、行動を共にしている。彼の力がなければとても裁判には勝てない...それくらい重要な位置づけの人物に扮している。J・ウォーデンこそ、助演男優賞ものの演技だ。
後者は、訴えられた病院を経営するカソリック教会の司教役で登場する。
その司教が高額な金で示談を持ち込むのだが、ギャルヴィンに蹴られたため、コンキャノンを雇うという流れだ。
まだまだ書き足りないところ満載だが、睡魔との闘いに敗れ、筆を置くこととする。
秋の夜長に最高の映画を再鑑賞した。
「なかったことに」などできない
投稿日
2012/08/08
レビュアー
ロキュータス
ロキュの69日連続レビューU (参考記録 )その61
いろはレビューの「ひ」
(,ネタばれあり )
デビュー作の『 12人の怒れる男 』から、シドニー・ルメットは法と正義をテーマに名作をたくさん撮ってきました。
しかし、『12人』のヘンリー・フォンダ演じる主人公が自分自身と法、社会に対して強い信念と信頼を抱いていたのに対し、『 セルピコ 』『 プリンス・オブ・シティ 』など、時代を経るに連れて、主人公は法や社会に裏切られて深い傷を負い、信念も自分自身への信頼も大きく揺さぶられていきます。
本作の主人公のフランク (ポール・ニューマン)もその一人。
若い時は正義感に燃え前途洋洋の弁護士でしたが、大きな挫折から自信とやる気をなくしてしまい、今はただ金の為に仕事をあさり、自己嫌悪から酒びたりの負け犬。
見かねた友人のミッキー( ジャック・ウォーデン。 「12人」では野球のことが気になる陪審員役) が回してくれた医療過誤の民事裁判に、正義への情熱を思い出し、出会ったローラ(シャーロット・ランプリング)ともいい関係になって、運が向いてきたと色気を出してしまうのだが・・・・・。
( 自分の青臭さが呼び覚まされた時、股間を押さえて飛び跳ねるポール・ニューマン。 一方絶望のふちに追いやられた時には呼吸困難になってしまう。 希望が持つ身体性が実に良く出てます )
脚本は劇作家のデヴィッド・マメット。 ボブ・ラフェルソン監督ジャック・ニコルソン主演の『 郵便配達は二度ベルを鳴らす 』を書きました。
被告側の辣腕弁護士コンキャノンにジェームズ・メイスン。 圧倒的存在感でポール・ニューマンに立ちはだかります。
他にも舞台で活躍する演技派らで固めたキャストが見ごたえある法廷サスペンスを盛り上げます。
大人を感じさせる女優シャーロット・ランプリングを、アメリカ映画はなかなか使いこなせないのですが、本作のローラ役は強い印象を残します。
ローラの視点から映画を見直すと、また違う発見があります。
彼女をくどこうとフランクが語る理想、情熱を聞くときの表情。
知られてしまったと悟った時のあの眼、あのまなざし。
フランクが窮地に陥ったとき、ローラが突き放したことに大人の愛を感じただけに、フランクの手の痛み、哀しみを感じます。
判決が出た後のあの眼、あのまなざし。
世の中はきびしい。
医療過誤で意識もなく寝たきりになってしまったことを「なかったことに」などできない。
示談を蹴って裁判に負けて、一銭も補償金を獲れなくても「なかったことに」などできない。
今の証言は無効で、陪審員は「聴かなかったことに」と言われても、そんなことはできない。
フランクもローラも以前に大きな挫折をして、自信と愛を失い、深く傷ついた。
心に一度、ぽっかりと大きく開いた穴は「なかったことに」などできない。
酒でまぎらわしても、誰かがなぐさめてくれても、穴はなくならない。
穴に落ちた恐怖は消えない。 穴にまた落ちないようにするしかないないが、また穴に落ちてしまいそうで
自分がこわい。
酒に溺れることを反省して、何年も酒を絶っても、一杯呑んでしまったら自分がどうなるかわからないのと同じ。
傷をなめあったら、共倒れになってしまうのがこわい女と男。
逆に、うっかり声を聞いたら、思わず、なじって恨み言を言ってしまうかもしれない男。
たとえ相手が許してくれても、思い出すたびに、自分が許せなくなるかもしれない女。
それがわかっていても求めてしまう女と、受け止められない男。
「 正義があることを信じたいなら、自分自身を信じること 」と法廷で説くフランク。
だが、愛を信じたいが、自分自身を信じることは、ほんとうにむずかしい。
傷ついたことなど「なかったことに」などできないし、出会ったこと、愛し合ったことを「なかったこと」になどできない二人がせつない。
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
新作をレンタルする方法はこちら
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ご利用の流れ
@ 会員登録
申し込みフォームへ記入したら登録完了!
A 作品をレンタル
借りたい作品をリストアップするだけ!
発送可能な商品を自宅にお届けします。
B ポストに返却
商品をポストに投函すればOK!
各プランはこちら
※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。
評決