ファクトリー・ガール

「愛のむきだし」の　ユー君のようにアンディー・ウォーホルも懺悔するシーンがある　イーディーをめぐる愛の物語　少し前までこれら過去をハイエナのように漁る映画が多く排出したね　過去のトリヴィアを持ってくるこれらの映画それぞれが悪いわけではないけど　いかにも題材が枯れてます状態にはボクは呆れていた　いずれジェリー・ガルシアやフランク・ザッパやカントリー・ジョーなんかの自伝映画が出てくるんだろうね

この映画に関しては１０分で見るのが嫌になってしまった　ウォーホルの芸術をうわっつらだけの内容と見ている　うわっつらだけの映画だ　最初にかかる楽曲がクィックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスで　次が「ジャストライク・ロミオ＆ジュリエット」ボクが当時孤独に聴いていたポップ・ミュージックで誰も回りにわかるやつがいなかったね　そんな選曲はいいと思ったけど　結局映画の中で浮いているだけ　それはヴェルベット・アンダーグラウンドの曲を一曲もまともにかけられない事にもよく表われている　ディランの曲が使えなかっただろう事も絡めて　権利上の何かがあったのだろうか　これでは音楽の面では映画にならないね　大体いくらなんでもあのニコはないではないか　フォトジェニックなカラー撮影でいくらごまかしても　ファクトリーを描くことはできないんだよ

アンディーもディランも天才で本物の芸術家だよ　こんな安っぽい人間像に到底納まるものではない　この映画を見てあらためて思ったんだけど　いまのアメリカ映画の真剣さだ　例えばエメリッヒの「２０１２」でさえ　映画の力だけで自立しようとの真剣勝負が痛いほどわかる映画なのだ　そうなんだよ「ファクトリー・ガール」などの有象無象は何も描くことがないわからない時代に　映画の外部に逃げる　過去のスキャンダルから映画題材を選んでいるだけの態度無策の結果なんだ　２０１０年代アメリカ映画からはそれらは完璧に淘汰されるだろうね

また別の観点からすると　アンディーに関するつまらぬトリヴィア映画を作ることなんかじゃなくて　アンディー・ウォーホルの映画自体を美術館などに幽閉しないで世界的に公開すべきなんだよ　アンディーの前衛映画は今でも映画にインスピレーションを与え続けてくれるはず　ボクはそう信じますね　　　

本来の自分に自信の無い人間は
出来るだけ 人との間に 遮蔽物を置くために
髭を生やしたり サングラスを掛けたりしてみるのですって
つけぼくろも その一種かしら ・・・
イーディー が 口角の斜め上 頬の下辺りに
小さく でも 色っぽく 描き足す点
この映画を観た次の日に 真似をしてみた
魅せたいと思った相手には 気づいて貰えなかったけど （笑）
浴びるほど薬を飲むことには どんな意味があるのだろう
きっと “ 私は怒っている ” と 遠まわしに 周囲に教えているの
怒りの表現が 自分に向く人と 他人に向く人がいるとすれば
イーディー は 自分に向いてしまう人
薬に溺れてイイコト なんて ひとつも無いよ
心は病んで行くばかり ・・・
止めなければね
そう 止めなければね
分かっていて 止められれば 問題ないよね

そろそろ 午前 ４ 時 ・・・
さぁ 私も お薬のカクテルで 赤子のように眠るとしよう

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「さほど親しくもなかった」

衝撃的な一言だった。
憎しみを覚えるほど。

事実を脚色して撮って美しくも悲惨な人生を描き、実際の彼女の映像は魅力的なポートレイトだけ。
なのに、ウォーホールは最後に実際のインタビュー。
もう言い訳のできない亡くなっている人だ。
彼を責めるような映画をわざと作ってるとしか思えない。
ボブ・ディランが名前を出すのを嫌がったのも納得だ。

そうは思っても、この映画を観る前とでは、ウォーホールに対しての私の印象はがらっと変わってしまった。
なんともやるせない映画だ。

愛情を求めて求めて生きて、結局得られないで死んでしまったイーディー。
人間が幸せな条件なんて、美しさとお金が揃っていても足りないんだろうか。
または揃いすぎてると不幸になるのかな。
家族に愛情を得られなかったから飢餓状態になり、少しでも優しさを自分に向けてくれたら飛びついてしまい、手放せなかったのかも。

あの時、ビリーに付いてっていれば・・と悔やまれます。
ちらちらと幸せの扉は見えていたのに。

ウォーホール役の人、これから顔見るたびにむかつきそうと思ったら、ガイ・ピアース！？
うわ、全然気付かなかった。
チャック役は、「２番目のキス」でドリューの相手役だった人か〜。これもびっくり。
何気に配役が豪華だ。

映画としては面白かったけど、見るには覚悟が必要です。
恋人や家族と見るような映画じゃないかと。

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　劇場で見たときの感想です。アンディ・ウォーホルが崇拝し、ボブ・ディランの恋人だったイーディ・セジウィックという女優、モデル、画家の物語。ボブ・ディランは映画の中ではボビーとか何とか呼ばれていて、はっきり名前は出てきませんが、実話だそうです。あまり期待はしておりませんでしたが、６０年代サブカルチャーの世界を鮮やかに描いた秀作でした。
　何といっても、主役のシエナ・ミラーがいいです。実際のイーディにも似ているんですが、石油成金のお嬢様からセックス、ドラッグ＆ロックンロールの６０年代アングラ世界のミューズ、さらにそこから没落して矯正施設に入れられるまでを、実に生き生きと演じていて、とても魅力的でした。ガイ・ピアースは驚くほどアンディ・ウォーホルに似ていて、オカマっぽい仕草まで完璧でした。それに比べ、ボブ・ディラン役のヘイデン・クリステンセンは今一つ。しゃべり方とかはソックリなんですが、目つきがアレですから、凶悪なんですよね。
　画面はビデオクリップでよく使われるような効果をいろいろ付けていて、白黒にしたり、粒子を粗くしたり、いろいろやって６０年代っぽい雰囲気をちゃんと出しております。間があんまりなくて、ポンポンといくんですけど、この映画には合ってますね。最初も最後も、イーディが走る場面で始まり、走る場面で終わってますから、６０年代を駆け抜けた感じがとてもよく出ていて、私は感動しました。イーディに対する距離の撮り方が凄く良かったです。ラスト、あれほどイーディにほれ込んでいたウォーホルがインタビューされて、「あまり親しくなかった」とかしゃべっている場面がとてもいいです。まるでアメリカン・ニューシネマみたいな苦い終わり方でした。それでいて、最後まで映像はスタイリッシュ（というんですかね。こういういろんな効果を付けたやつを）でした。
　この映画を劇場で見たのと同じ頃、恵比寿でフラワー・メグのライブショーを見ました。
　フラワー・メグは１９７１年から７２年まで、１年間だけ活躍したヌードモデル、歌手、女優で、もちろん私は現役時代を知りませんが、後にヌードグラビアを見たり、また、「不良番長口八丁手八丁」に出ているのを見たりして、ひどく興味を持っていたのでした。
　アンディ・ウォーホル、ボブ・ディランと関係したイーディに比べ、フラワー・メグは「平凡パンチ」のグラビア、「２３時ショー」のカバーガール（テレビで最初に上半身裸になった人です）なのでスケールは小さいのですが、「ヌード歌手」なんて呼ばれ、新藤兼人の「金輪」なんかにも出たという、やはり一種の時代のミューズで、アングラシーンにおける立ち位置は非常に似通っております。イーディ、フラワー・メグと、６０年代から７０年代にかけてのセクシー・アイドルたちが今、注目を集めているのは、「セクシー」という価値感の一般化とも連動して、理由があることだと思います。

イーディという女性の生きざまを見ると、マリリン・モンローの精神的もろさを思い出す。

アンディ・ウォーホールも、ネクラでシャイで自意識過剰な人物がたまたま時代の流れのおかげで
名声と権力を手にしただけだったんだなぁと、つくづく思った。

精神的に自立できていない、他人の価値観でしか自分の価値を推しはかることのできない
若い美しい女性が、男（父親、恋人）に翻弄されて醜く堕落していく姿というのは、どんなに美化しても
同じ女性として、見ていて気持ちいいものではない。

こういう映画をみるたびに、自分というものを確立する大切さを感じてしまいます。

ガイ・ピアーズのウォーホール、白塗りな感じが少し気持ちわるかったけど、
癖のあるしゃべり方、演技はよかった。

シエナー・ミラーは美しかった。美しい人をみるのは気分が明るくなるものです。
いずれにせよ。

How could I possibly be bankrupt? My grandfather invented the elevator.
（私が破産するわけないでしょ。祖父はエレベーターの発明者よ）
Then you should be familiar with the concept of up and down.
（それなら、なおさら株や経済のアップ＆ダウンのコンセプトがおわかりのはずだ）
　　　↑
うまい！と思ったセリフのやりとり。（笑）