ハッスル＆フロウ

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JUCEさんにお勧めして貰った。
観た。
いきなりサウンドに鷲掴みにされた。
サザエさんの様な、大阪のおばちゃの様な髪型に目が点になった事以外は全てに意味があり、全てが渋い、愛のある作品。

JUCEさんは、まるで迷子になっている私の手を引きてくれた
そんな気がした。JUCEさん、ありがとう。


主人公、Dジェイは法に触れる事をしているが、
心は熱く、優しい。そんなDの周りを取り囲む面子も又熱く優しい。
あからさまな「優しさ」の押し売りで無い。

見守る優しさ、そっと手を差し伸べる優しさ、すっとと背中を押してやる優しさ、ちょっとした贈り物、ほんの気持ち、心身共に捧げる身体を張った優しさ。


時折、なんでも無い様なシーンに涙がこぼれる。
洒落た会話に、クスリと笑う。

Dはしゃべりだ。良くしゃべる。
が、彼の言葉は心にグッとくる物がある。

くだらない能書きなんかじゃない。

タランティーノ？と思える作りに見える点もあったけど、
タランティーノには悪いが、本作はシュールでもくだらなくも無く、全てに意味があり、愛が溢れている。
言っておくけど、タランティーノは大好きです。

この映画をわかりやすく語る為、どんな作品だか伝える為に引き合いに出しただけ。ごめん。タラちゃん。

クールでもあり、ホットでもあり、セリフには一切の無駄は無く、男は男らしくあり、女は女らしく有り、それぞれに内に秘めた想いがあり、それが上手く表現されている。

ストーリーが良いのは勿論、その演技に吸い込まれる。
感情移入するからきっと涙が出たんだろう。

ちょっとした優しさが随所に溢れまくっている。憎いぜ。

あいにく、私の想像していた、「きっとこんなハッピーエンド」は、あっさり外れた。が、これはかなり良い意味でのはずれ。


映画を気に入ったのは勿論、サントラが欲しくなった。
最高の音楽。何やら賞を貰ってる。納得。


JUCEさんお勧めで観た物の、これは一発私からもみんなに勧めたい。

pokorou保証付き。気に入らなければ返金します！

ジャンルの好み云々は無視して、絶対見て欲しい。

同じ感動を是非！！！


　　　　　　　　　　　　　　　　最高やわ。。。



　　　　　　　　　　　　　　　　pokorou

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　昭和の人間にはラップなんて未だにクエスチョンなんだけれども、これは良かったＹＯ！（無理して言ってみた）

　どん底暮しの主人公が夢を取り戻して奮闘し這い上がっていく物語。ポン引き、ドラッグ、ラップ…と、ダーティな要素ばかりだけれど、どぎつい描写が一つもないのでむしろ爽やかな印象だ。主人公は売春婦たちを気遣っているし、女たちも協力的だし、仲間もイイ奴ら。今どきのこの手の作品なら誰かしらどうしようもないクズがいて、裏切りだの決裂だのってあっても不思議ではないのに。後半で主人公が辛酸を舐めるエピソードが出てくるが、そこでさえ「邪悪さ」や「冷酷さ」ではなく、「過失」もしくは「不運」ぐらいの話になっているのだ。このストレートさ（単純というより“真っ直ぐ”の意で）は昭和の人間には大変に心地良い。こういう根本的に人間を信頼している作品に出会うとホッとする。

　あんまり賢くない売春婦のノラに説教する主人公が、彼女に「じゃあ、アンタが自分でやれば？アンタは何もしないじゃない」と言い返されるシーンがある。虚をつかれて一瞬言葉を失う主人公。女を使って女に稼がせている今の自分・・・。このままでいいのか？・・・ここできちんと自分自身に向き合えたからこそ彼は立ち上がれた。そう、彼はラップの才能だけじゃなく、人として「あるべき姿」を求める心や「善きもの」に向かう精神を、ほんの僅かかもしれないが確実に持っている。ポン引きにそんな高尚な心があるわけないと思われる方もいるだろうが、それは性風俗に対する価値観による温度差だ。別に私は性風俗を擁護しはしないが、遠藤周作のエッセイか何かで、ヨーロッパで売春婦が教会のミサに参列していることが「当り前」の風景として見られる、なんて読んだりすると非常に合点がいくのだ。環境ゆえにそういう商売を選ばざるを得ない人はいるだろうし、それが当人の心の軟弱さ故であっても私は断罪したくない。高価なマイクを手に入れるためにノラを店の主人にあてがう主人公は、確かに無神経なヒドイ奴なんだけれども、それでも、彼が売春婦たちを虫ケラのように蔑んだり暴力で押さえつけたりしていないことに私は感心した。そして、ゴスペルに涙する彼に何か救いがある気がした。

　語り全体もコケおどし的な映像など一切なく、堅実なドラマ作りに徹しているのが好印象。ラヴァースさんが「ヘイズコードもない時代に、古風な倫理観」と評されていましたが、いや、ホントにあの時代の空気を感じました。この監督さんの作品は初めてだけど、面白い人に出会ったなぁと。これは嬉しい邂逅。

正直、ラップもヒップホップもよくわかりません。
でも、見終わった今も、なんとなく身体が勝手にリズムを
とっている自分がいます。

メンフィスのダーティサイドのケチなポン引き野郎が
忘れかけてた夢にかけるストーリー。

あんまり見たくない現実をつきつけられる感覚。
こんな暮らしもあるのか、いや、こんな暮らししか出来ない人が
いるのか・・・

主人公Dジェイの昔の友人で、Dジェイの才能を認め協力するキーの
奥さんの姿に自分の気持ちが重なる。
応援したい気持ちと裏腹、どこか上から目線になってしまう・・
私はあなたとは違うんです！は今大流行の言葉になってしまったけれど
私はあなた達みたいなクズとは違う、係わり合いになりたくない・・・
そんな風に思ってしまう自分にもイヤになる。

そんなわけで、私はこの映画を十二分には楽しめなかったと思います。
それでも、テレンス・ハワードの好演とともに
耳に残る映画であるのは間違いないですね。

2005年アカデミー賞最優秀主演男優賞ノミネート、最優秀歌曲賞でレンタル候補にしていたら、NEWマークなんて、ほとんど借りれないのに借りれた作品。（Ｍプランは悲しい…）
私、ラップが大好きってわけではなく、ノーマーク、ノー期待。
それが、エミネムの『８マイル』より、かなりストレートに伝わってきた映画です。

70年代映画のおもむきを完璧に再現したオープニング・タイトルのツカミ。
そこからの116分は、こっちまで汗かきそうな熱い映像と音でグイグイ引き込まれます。
後半からラストの展開も良い。
Ｄジェイの夢はどうなる？世の中そんなに甘くない？ の感情移入で最後までドキドキ。

テーマは「夢は誰でも持てる」。
題名の Hustle は、映画の中では裏稼業（俗語で売春婦）。
flow はラップ用語で曲の個性「あいつのフロウ は真似できねぇ 」って感じ。
アメリカ南部出身のラッパーたちによるヒップホップ・サウンド、通称“ダーティ・サウス”と呼ばれる音楽文化があるんですね。
で、メンフィスで子供時代を過ごしたというブリュワー監督が、底辺で暮らす人たちのリアルな現状（汚さ）をＤジェイのキャラで熱く描いてるので、女性が観るとかなりきついエピソードもあります。そこを受け入れれば、夢を抱いたことのある人なら、誰もが感情移入できる作品。

見（聴き）所…。
自作スタジオでのデモ・テープつくりは圧巻。
フレーズの響き、自分の声とトラックの一体感、仲間と共有できる喜び…。
左後方スピーカーから自作スタジオ２件先のかすかな雑音臨場感も伝わるから、できる限り音響良くして観てください。
アカデミー最優秀歌曲賞の「It's Hard Out Here for a Pimp」（イッツ・ハード・アウト・ヒア・フォー・ア・ピンプ）は、観終わった後、しばらく口笛吹いてしまう。

それと、やはりＤジェイ役のテレンス・ハワード。
『クラッシュ』では群像劇のため目立たなかったけれど、『クラッシュ』とは環境が正反対の役。女優の夢をあきらめた自分の母を参考にした演技。すべてのラップ・シーン吹き替えなし。主演男優賞ノミネートは、この作品であることに納得の演技と歌。
（感動キスシーンのタラジ・Ｐ・ヘンソンも含め、脇もみんな良いのです）

生まれ育った環境がどんなものであれ、誰でも持てる夢。
もっとましな人間になりたい。
後は実行するかしない…。
と思えてくれる佳作です。

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主演のテレンス・ハワード、「クラッシュ」や「ブレイブワン」のスマートな黒人の面影なし。黒人ラッパー特有のにちゃにちゃした英語が板についていて、ポン引き稼業のダメ男を熱演。アカデミー賞ノミニーも納得だね。ラップもすげえうまいぞ。白人ピンプ、ノラのスレンダーなミニスカ姿を道ばたからぐいーんとあおる、そのカットの美しさ。キメたいショットがびたーっと決まるのが、サイコーに気持ちいい。それは、おそらく、車で売春、そこから醸しだれるイヤらしさを敢えて見せていないから。

これ例えば日本で言うと、売れない演歌歌手が一旗揚げてやろうみたいな、ベタで泥くさいストーリー。今どき「Dジェイ」なんて名前もダサすぎるし、有名人と知り合いなんてうそぶくのもカッコ悪いし。でも、そのダサさが、演出次第で「かっけー！」みたいな瞬間をキラリと生み出す。そこが、この作品の醍醐味。

タランティーノもそうだけど、やっぱり車の映像を撮るのが、アメリカ人はうまい。ガチャガチャとカーラジオのボタンを押したり、銀色に輝くホイールがぐいんぐいん回るのを路面からとらえたり。ラップという音楽の力強さ、シンプルさと、映像がぴったりマッチしてる。汚ねーボロアパートで、録音作業。Dジェイの魂の叫びが、ビートに刻まれる。うまくいかなくて、ケンカしたり、投げ出したり。あんたら高校生かってくらい、青いし、熱いし。そんでもって、スタジオにはこれがないと、ってシャグが持ってきたもの。おいおい、それ、ラバーライトじゃん。アタシは、ラバーライトだけの照明が光るショットバーを開くのが夢なのよね。BGMはラップじゃなくて、ソウルだけどさ。一つ買ってみるかな、アタシも夢に近づけるかな。こりゃ、めっけもんの1本。未だに、Whoop That Trick！のフレーズが頭駆けめぐってる。