戦場のアリア

冒頭にフランス・英国・ドイツの順番でその国の子供が登場、夫々の国の言葉で戦争プロパガンダを述べる。各々の国の兵士のバックボーンのエピソードを挿入した後、映画はフランス軍の突撃シーンになる。塹壕への突撃と機関銃の掃射によるドイツ軍の応戦。「塹壕戦と歩兵を主役とした近代戦」と言う第一次大戦の特徴を端的に描写した後、主題となる「クリスマス休戦」が語られる。

組み立ての良い秀逸なシナリオです。ストーリーその物が非常に良いのですが、それが実話を基にしていると言う点がなにより素晴らしい。ヨーロッパ作品の悲しさで認知度は低いようだが掛け値なしの名作だと思う。今年見た映画の中ではナンバーワン。


第一次大戦では戦車や戦闘機の原型となるべき物が登場してはいるものの、まだまだオモチャの域を出ていない。しかしながら銃器の進歩により従来の戦争の主役であった騎兵は無力化されてしまった。結果として戦闘の主役はあくまで歩兵であり、お互いの顔すら見える数十メートルと言う距離を挟んで睨み合う塹壕戦が特徴となった。

戦争と言う非人間的な行為の中でも、生身の人間が主役であった時代だからこそ起こりえた美しい奇跡。殺し殺されると言う極限の状況の中でも「敵」が自分と同じ人間である事を前線の兵士は理解できた。


後の時代の戦争は機動兵器の著しい進歩の中で歩兵は脇役となった。現代戦に至っては精密誘導兵器が戦争の主役。「敵」を肉眼で目視する事すら無く、何十キロの彼方からディスプレイ上に表示されたターゲットを殲滅する。「敵」の叫び声も聞こえず、流す血も見る事が無いテレビゲームの世界。余程想像力が無ければその先に人間の死があるとは感じられないだろう。本作の様な出来事が起こり様が無いのも何をかいわんやだ。

戦争など起こらないに越した事は無いが、起こるならせめて人間が主役の戦争であって欲しいと不謹慎な思いを持ってしまった。

途中中断を余儀なくされたのを幸いに
分かりにくかった最初の20分を最初から観ました。

私の軍服や言葉への識別能力が低く歴史認識が浅いせいで
スコットランド、フランス、ドイツの兵士の区別や
場面（協会や舞台）が良く飲み込めなかったのです。
二度見たことで最後までスムーズに理解できました。
私みたいな人は映画館じゃなくてよかった。

実話だそうですが、
さっき、同胞が相手の銃弾で殺されたばかりでありながら
そして子どものころから敵意を教育で刷り込まれていながらも
たいした小競り合いのもなく、背を向ける人もなく
あっという間に酒を飲み交わし、打ち解けるなんて
ちょっと現実味にかけ、にわかに信じがたいるような気がしましたが
宗教と音楽の力？。
いつの世も最前線で命を張る兵士には政治的目的はなく
国家に振り回され、ほんのひとときの安らぎにも枯渇していたのでしょう。
『戦争を忘れる為に集まった。だが戦争は我々を忘れてくれない。』
『国の戦争と我々の戦争は違う。我々の戦争はあの塹壕です。』
確かな言葉。印象に残る台詞です。

学校で歴史の勉強が嫌いだった為、知識欲の出たときは
映画が一番の教材です。
現在の戦争、テロ、民族紛争、は今始まったわけではなく
古い昔の火種が繰り返し再燃しているのですね。

戦場に響く清らかな歌声が心に染みるいい映画だったと思います。

時に事実は小説よりもドラマチックなこともあるんですねぇ。敵同士がワインを交わし、お互いにクリスマスを祝福する姿を見ていると、戦争なんて何のためにしているのだろう？と思わずにはいられない。しかし、結局は再び戦場へと戻って行かなければならない兵士たち。なんとも切ない。

ただ、この事実はとても素晴らしいことだと思うけれど、それとは別に、映画としてはやや優等生過ぎるというか淡白というか…、ドラマ的な深みが感じられず物足りなかった。音楽は素敵でしたが。

実生活で夫婦であるダイアン・クルーガーとギヨーム・カネが共演しています（絡みは少ないけど）。この夫婦、美男美女カップルでいいな〜と思ってたら、離婚しちゃったのね…がっかり（笑）

感動した。
戦争映画は結構みているが、この映画は本当にしみいるような映画。

戦争ってなんだろう、平和の大事さとか、戦うシーンとかあまりないんだけど、考えさせられる。

実話を元にした話、とのことだけど、クリスマスに戦場でこんなことがあったなんて、まさに「戦場のメリークリスマス」

歌が全部吹き替えってのがスゴクわかりすぎるのは難点だが、テノール歌手役のBenno Fürmann とアナ役 Diane Krugerは見目麗しいのでよしとしよう。

Diane Krugerは実生活で今離婚調停中だが、その夫、 Guillaume Canet がフランス将校役で出演していたのでビックリ。
いつから調停はじめたんだろ？？

Diane Krugerってドイツ人だよね？名前も Krugerだし。

吹き替えだけどアヴェマリア歌う姿は聖マリアに見えた。神々しい。

最初、２カ国で闘っていると思ってたから、頭がぐちゃぐちゃになったけど、よく観たら３カ国だった。
それぞれの軍服に特徴があり、ドイツ軍って軍服も着こなしもお洒落だな〜と思ってしまった。

私は願わくばもっと歌が聞きたかった。吹き替えだからあんまり見せるのもどうかと思ったのかな？

言葉が通じなくても人はコミュニケートできるんだ、ということ。
英語を話して満足している私は、言葉に頼ってちゃ本当のふれあいは出来ないのかな？と少し感じた。

いい映画です。クリスマスシーズンにはぴったりです。

なんとなくかりたので、最初は歌ってる女の人がパッケージに出てるので、この人の名前がアリアで歌って兵士の気持ちを癒すお話かな？って思っていた。

しかし全然違った。

戦場のド真ん中で
実際にあったクリスマス休戦のお話だった。

多少誰がどの軍なのかどの役なのかと
見慣れるまでは区別が難しかったが

音楽をきっかけに、国籍を問わず
皆の心がつながった瞬間は思わず涙が出た。

戦争映画だから、似てしまうのは仕方ないが、以前観た「硫黄島からの手紙」に通じる部分もあった。

結局国は違っていても
同じ人間で、家族、故郷を想う気持ち、
そして音楽を愛する気持ちは
同じだということ。。。
誰もしたくてやっている戦争ではなかったということ。

実際にいたこれにかかわった人達はこの後処分されたのでしょうか。。。
この１夜をひどく後悔したのでしょうか。。。後悔しないで欲しい。
神父さんや歌手のその後が知りたい
ネコは実際にはスパイとして殺されたそうですね(;_;)

一番きたのは・・・・
生まれた息子の名前を知り、
それを父親に伝える人の表情・・・・

硫黄島も悪くないけど
それ以上の名作でした。

あの預けた手紙が検閲されてしまったのはとても残念でした。
せめてその後家族のもとに届けられていたら良いのですが・・・