ニューオーリンズ・トライアル＜スタンダード・エディション＞

息もつかせぬ程で、なかなか見応えあり。米社会ならではの作品。銃訴訟の裁判の裏で行われる駆け引きは、壮絶な戦い。陪審制度の盲点を突き、評決の売り買いまで起こるとは・・・近い将来、日本でも起こり得る事か？と怖くなった。『十二人の怒れる男』では陪審の人々の視点でしたが、この作品は、その陪審員の人々を操るという、更に上を行く複雑さ。陪審コンサルタント、弁護士、そして謎の女、真の勝利は、一体誰の手に？出演者の熱い演技を堪能して下さい。

リアルな法廷ものとは一線を欠く、法廷アクションとも言える作品で
オープニングからラストまで、ノンストップで繰り広げられる三竦みが面白い。

まず陪審コンサルティングなるものが馴染みないんで、それだけでも興味津々
これは公的機関やないのに、どうやって操作できるんかが不思議やったんやけど
弁護士２人が法廷で選別するんやね、これは公平に見えて穴があるのが面白い
ほんま欲ってのは怖い隙間産業生み出すもんやねｗ
このコンサルティング組織を指揮するのがジーン・ハックマン演じるフィッチ、ほんま嫌なヤツ（笑）
事件の詳細な概要は語られないが、銃で殺害された被害者が殺害に使われた銃製造会社を訴えたもの
フィッチは製造会社に雇われるんやけど、陪審員操作は元より雇い主に泣かされるのも面白い
相対する被害者側の弁護士は、ダスティン・ホフマン演じるローで最後まで地味
昔気質で直感タイプなんやけど、もう時代に着いて行けてない憂い漂う演技が秀逸やね
そして、一陪審員候補でありながら何やら画策が見えるジョン・キューザック演じるイースター
その恋人であり含みのある行動が伺える、レイチェル・ワイズ演じるマーリー
この二人の意味不明な行動をラストまで引っ張る、本作最大の面白味はここで間違いない。

さて、要の法廷劇やけどここはえらく地味なんよね〜
場外でのやり取りがメインなんは分かるけど、製造会社社長のポカ以外サプライズ無し
まあ、フィッチの思惑通りってことなんやろうけど残念かな
そして、一番の私的マイナスポイントはイースターとマーリーの動機
どうしても「そこまで？」ってのがあって、その辺をもう少し詳細に描いてくれれば納得できたかもｗ
執念は伝わるんやけど、その執念の元が私的には明確なものを感じんかったです。

数多な法廷ものの中でも、ストレートやなく変化球で攻めたのは珍しくて面白い
俳優陣も豪華で、パーフェクトな演技を見せてくれてるのも素晴らしい
私的に最大のネタバレがもどかしいってだけなんで（笑）
手放しでオススメと言える作品なのは保証します。

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前半は、これはやばいと思うほど、面白かった。陪審員を選ぶところ辺りまでは。
ジョン・キューザック達の素性が少しづつわかってきはじめた頃から当然ながら
裁判ものという概念から復讐もの（裁判はそのツールにすぎない）になってから
は中の上のサスペンスって感じかな。

これが裁判をあくまでもメインでやっていけばかなりの面白さだったはず。
普通だといろいろとわかってくると盛り上がっていくものだが私的には逆効果
であった。それぐらい前半は面白かった。ジョン・キューザックが陪審員にもぐり
込んでいるところが実はよくないと思う。

陪審員制度の開始をひかえた今の日本には今こそタイムリーな作品ではないだ
ろうか。日本では2009年5月までに開始されるらしく、呼称も陪審員制度と言わ
ず裁判員制度と言うみたいです。
「陪審コンサルタント」この存在がの作品の肝であるが、現実的なことは追いとい
て存在には激しく納得。確かに、ここを抑えてしまえばかなり有利に裁判を進めら
れる。諜報活動などを考えれば事前に陪審員を見つけだすことも出来そうだし、
その人々を調査し有利か不利かで決めていくことを考える人間は必ずいる。
裁判そのものもそうだが個人の思想や信念はなかなか変えられるものではない。
またそのような訓練をされているわけでもないのだから。今回のケースで言えば
銃に対し否定的であればどんな証拠や弁論が行われようとやはり銃はNOのはず
だしね。

とは言っても、途中から復讐劇と化した本作は肝心の陪審員たちが判決に至った
経緯は何故か中途半端。それは本作が復讐がメインのサスペンスであることに
他ならないことを表している。更に本作は「十二人の怒れる男」を嫌でも思い出して
しまうが、「十二人の怒れる男」とは全く別のコンセプトであることは間違いない。

本作をサスペンスとしたときに秀作と呼ぶにはあと一歩だったように思う。

ストリーが進むにつれ、あれ？この話。。そうそう、ジョン・グリシャム原作の小説じゃあない？
知らずに借りていました。
たしか原作では銃製造会社ではなく、タバコ会社を告訴するんだけど、映画では銃に置き換えてよりリアリティーを出していますね。
原作は文庫本で上・下ある超長編だったと記憶しているので、あの長編を２時間で描くのはちょいと無理があるのでは？？と疑問に思っていたけれと、銃に変えたことで無難にまとめたのかな？
映画もそれなりに楽しめました。
でも、やっぱり原作はかなり面白いので、ぜひ原作もお読みくだされ。

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どちらも渋いですね。
観終わってから、この二人の役が全く逆でも、案外イケたんじゃないかと思いました。
陪審員の選考方法には興味津々。

・事件に対する答えをすでに決めていないか。
・同様の事件で、過去に自身、あるいは身内が被害者になって
いないか。
・報道などで、その事件に対して予備知識や偏見はないか。
などが質問され、陪審員に採用か否かが決められるようです。
しかし、驚きなのは、陪審コンサルタントという職業があることです。
自分たちに有利な票を入れてくれそうな人物、味方に出来そうな人物を、候補者の中からふるいにかけて選んでいくのです。
その駆け引き、目の付け所が、とても面白かった。

陪審員の選考。
銃乱射事件の被害者の妻が、犯人が使用した銃の製造会社を訴えた事。
ニックとマーリーの正体。
ジーン・ハックマンとダスティン・ホフマン。彼らのどちらが高額で票を買うのか？
陪審員の評決は如何に？
これらがポイントでしょうか。

法廷でのやりとり、相手をイライラさせて失言や暴言を吐かせる事。そのテクニック。知らず知らずのうちに引き込まれていました。