とらばいゆ

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　女流棋士という特異な設定だが扱ってるテーマは極めて普遍的で現代的な本作。

　設定だけでみるとキャラクターに共感できるかどうかは？？だが、誰もが血が通った感を受けたのは役者達の個性が活かされた所以か。あの役に塚本晋也を持ってきたのはファインプレー。

　会話が妙にリアルだったり、長回しを効果的に使ったり、脚本も演出も結構好き。この監督さん初めてなんだが他の作品も観てみたいなぁ。

　カメラは固定の所はもっとしっかりと撮っても良かったのかも。あえて手持ちなのかもしれんがその効果が良く分からん。

　もし最後負けてたらどうなったんだろうなぁ・・勝ったから良かったけどって感じてしまうって事は脚本としてはダメな所なのかな？　　・・あっネタバレか！
　
　星はちょっと甘めで★★★★☆　
　女性達の横暴振りにカチンときてしまう方もいるかもしれんが、個人的には結構楽しめた。

瀬戸朝香は映えるねー、盤に向かうときの勝負師の表情にはちょっとしびれてしまいそうだ。
さすがにしゃべり始めるとテレビドラマ品質になってしまうところが非常に惜しい。逆に市川実日子は期待を裏切らない映画映画した存在感で大満足。
姉の実和子はただの不思議ちゃんみたいな扱いが多く非常にもったいないと思っていたのだが、実日子の方はここのところ彼女の魅力を上手に活かした出演作が多いようで、かなり期待できる。
瀬戸の夫役の塚本もキャストインタビューで話していたが、自分もあまりこの作品がコメディーという気はしなかった。
姉妹対決から関係修復までのながれも自分的には文句ない「ちょうどいい」終わり方で、大絶賛というわけではないが「自分は邦画が好きだねー」なんてちょっぴり満足感を味わうことができるお勧め作品といえる。

登場人物の揺れ動く感情を丁寧に描きます。
一見シリアスなドラマに思えますが、監督はコメディのつもりで撮ったのだそう。
前者ならまずまずですが、コメディとして分かって観るならより楽しめるのではないでしょうか。

女流棋士というのは、男性棋士とのレベルの差が大きすぎるということで出来た職業だそうです。
この姉妹も大きなプライドを持って将棋と向き合い、生活も将棋を中心にして周っています。
姉・麻美は勝負に負けるたび、夕飯も作らず夫・一哉にあたり散らしてばかり。
いくら特殊な職業だからといって、共働きの夫婦は世間にはいっぱいいます。
麻美の身勝手で我ままなことろには観ながらイライラ・・
それでも話が進むほどに、彼女が好ましくなっていくので一安心。
最後には麻美がとても身近に感じられるのも良かったです〜
その彼女を優しく寛容に受け止める夫役を塚本晋也が好演していました。

姉妹を支えるのは夫も恋人も優男ばかり。
そんな彼らでも、複雑な想いを受け止める土俵を持ってることに気付くとき、なんだかほのぼのしてきて、しまいにはホロホロと泣けてしまいました。

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　女流棋士の生活みたいなのに、興味があって借りたのですが、これコメディものなんですね。シリアスものと思って、真剣に観てました。っていうか、どこが笑いどころなのか、分からなかったです。
　棋士の麻美と、夫の一哉のやり取りは、観ていて苛つきを覚えました。一哉はよく出来た夫で、優しすぎます。私ならとっくにケンカになってますね。っていうか、勝負を家庭に持ち込むなら、棋士やめろって言いたいです。映画だから極端に描いてると思うのですが、実際、女流棋士の奥さんて、どうなんでしょう。
　ラストは、上手く、つじつまを合わせられたって感じです。夫の出張が伸びたり、本当は将棋を知っていたり・・・。どうせなら、将棋に負けて離婚して、とことん落としても良かったのではないでしょうか。この辺で落ちつかせれば、観客も納得するだろうっていう、作り手の、妙な嫌らしさを感じます。
　ただラストの、瀬戸朝香さんの爽やかな顔は、印象的でしたね。

瀬戸朝香の妙な演技と、説明ゼリフっぽい会話劇に違和感を感じて、退屈だったけど、観てるうちにだんだん面白くなってきた。
特に、瀬戸朝香のキレっぷり、そしてそれに対してオロオロする塚本晋也がよかった。

こういった男女の関係性やその会話のカットで手持ちカメラを多様するところなんかも、前作「アベック・モンマリ」同様で、こういうのが好きなんだろうな、大谷健太郎監督は。
ボクも好きです。