ドゥ・ザ・ライト・シング

スパイク・リー自身が重要な役どころで出演する、彼が最高に光っていた頃の作品。

白人(WASP)、黒人、イタリア人、韓国人。
「人はわかりあえない」「差別はなくならない、再生産される」という絶望、ヒリヒリするようなスラム街の暑さ、それでも生きていくんだと鼓舞するポジティブさ、というような危ういバランスの上に立った名画。ヒップホップが劇中音楽として消費されるだけでなく、生き方やスタイルを表明する要素としてうまくフィーチャー作品も他にはあまりない。

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かなりオススメです。とにかくパワフル。
心の奥底でくすぶっていたものが
じわじわじわじわ掻き立てられ
ついに大爆発してしまう様子が、
キャラ個人個人のレベルでも
多人種からなるコミュニティーのレベルでも、
力強くストレートにうまく描かれていると思います。
ほんとにたくさんのキャラが登場します。
各キャラの日常的な会話を次々にならべていって、
コミュニティーに流れる緊張感を明らかにしていきます。
基本的に台詞中心なので、ちょっと舞台劇みたいな感じもします。
みんなカメラに向かってしゃべりまくります。
会話というより一種の独白みたいな感じもするほどです。
最後に出てくるキング牧師の言葉で
"dialogue"と"monologue"の違いについて語られているんですが、
それぞれ自分の言いたいことばかり言って
相手の言うことに聞く耳を持たない様子が
強調されてるのかもしれません。
舞台はブルックリンの一地区です。
人々のイライラが高ぶるような夏の暑い暑い日。
街の色がケバケバしいほど赤いのが印象的です。
朝、ピザ屋の主人が、喧嘩する息子たちにイライラして、
"I'm gonna kill somebody today"って言ってたのが、
ある意味、現実になってしまいます。
メイヤーがムーキーに言った"Always do the right thing"って言葉。
この映画のタイトルでもありますが、
正しいことって何なのか簡単には分からないこと、
分かったとしてもそれを実践することがいかに難しいか、
そんなことについて考えさせられる作品だと思います。

現代ブラックカルチャーの発祥は、この映画なのだ。劇中の黒人の暴動は、後にコリアタウン等で現実のものとなった。映画館では、怪気炎をあげた黒人たちによって暴動騒ぎが起こるところもあった。この映画を無視した全米アカデミー協会を非難し、作品を礼賛したキム・ベイシンガーはかなり長い間干された。今やラップが全編を覆う映画は決して珍しくないが、この映画は走りだった。メジャー映画で黒人監督が撮ること自体、稀有な話だったが、スパイク・リーは確実にスター監督に躍り出て、同時に主要キャラクターを演じた役者はそれぞれスターダムに上り詰めた。ハーレム発信の黒人社会の“もう我慢できない”症候群は、社会情勢の変遷で若干変わったが、実際はこの１５年以上経つ現在も本質は何ひとつ変わっていない。ラップが市民権を得、ハーレムは多少小奇麗になり、バギーパンツとバスケットシューズが売れただけだろう。スパイク・リーは、黒人軽視を恨みつつも、同時にニガー根性を追い出さない限りは、黒人の地位向上も望めない・・そんな意図も残していた。今観ると、パブリック・エネミーの“権威にたてつけ！”というラップがどこか虚しい。とにかくフェロモン過多の映画である。夏の暑い日に観ると、どこかが確実にキレる。

　スパイク・リーは、私にとって、
　徹底的に『食わず嫌い』の監督の一人であった。

　これまでにはスパイク・リー監督作だと意識せずに見た
　『マルコムＸ』（９２）が一本あるきりで、確か、これにも
　特に意識はそよがず、以後、ノータッチの日々であった。

　それが、先日ふとしたことで『２５時』（０２）を見、
　鮮やかな閃きに撃たれ、フィルムの上に
　『Spike Lee Joint』の文字を発見。
　大いに色めいた。
　私は、多分孫の代まで続くと思われるくらいの
　『熱しやすく冷めやすい』質なので、
　鉄を熱いうちに打つためにも、
　ここで、『Spike Lee Joint』を網羅しておかなければ
　ならんと痛感。
　で、『ドゥ・ザ・ライト・シング』（８９）
　『ジャングル・フィーバー』（９１）
　『クロッカーズ』（９５）
　『モ・ベター・ブルース』（９０）
　『キング・オブ・コメディ』（００）と立て続けに見、
　まだ、
　『クルックリン』（９４）
　『スクール・デイズ』（８８）
　『ゲット・オン・ザ・バス』（９６）
　が後に控え、その他まだいくつかあるわけだが、
　すでに、食傷の気配がむくむく背を起こしかけている・・・

　途中でこう言うのもなんだけれど、
　ひとまず
　『ジャングル・フィーバー』（９１）
　『ドゥ・ザ・ライト・シング』（８９）
　『クロッカーズ』（９５）
　は見るべし。
　ちなみにこの三作は上から、私的評価の高い順
　となっている。

　そうすれば『２５時』の洗練にも撃たれると思うよ。
　たぶん『クルックリン』は
　『ジャングル・フィーバー』（９１）
　『ドゥ・ザ・ライト・シング』（８９）
　とよく似たテイストなんだろうな。

　ちなみに、『ジャングル・フィーバー』（９１）
　でスパイク・リーの恋人役をやってた
　ハル・ベリーが気になったんで、
　『チョコレート』を見たところ、
　女優としての発展と成熟が静かに輝いていた。

　そんなら『ジャングル・フィーバー』のレビューを書けよ、
　という話だが、『ドゥ・ザ・ライト・シング』の方が
　足跡が一段とでかく、深い、のである。
　
　
　

これほど強烈なメッセージ性を持った作品を私はあまり知らない。そしてブルックリンの真実。
もう１６年も前の映画になる。
現在のブラック・ソサエティとはやはりずいぶん違う。

暑そうだな〜。と感じた映画。
spikeはもちろん。役者陣がすごい。
samuel L Jackson, John Turturro, Martin Lawrenceなど出ていたが、今ほどみんなBig　Nameではなかった。

Danny　Aielloなんか、本当にNYのPizza屋にいそうな感じ。
間違いなくSpike　LeeのBest　Movie

Public Enemyの'Fight The Power' がすべてをあらわしている。