宮廷画家ゴヤは見た

ナタリー・ポートマンが出演しているのでみました
彼女のルックスは時代物のほうが魅力を発揮できると思うので・・

映像はどのシーンも構図・色彩ともに絵画的です
美術館で絵画を観ていて、その中に吸い込まれてしまったかのような感覚に陥ります
・・・がしかし、ストーリーが重たい
腐敗したキリスト教会とか、女性が虐げられるとか・・あげく公開処刑とか私の苦手な物ばっかりで辟易してしまう

ナタリーポートマンの二役（実際には娘時代と15年後そしてイネスの娘役の3パターン）の演じ分けは見事でした
ちょっと重い気分になっちゃうかもしれないけど、一見の価値ありだと思います

私はもっとナタリー・ポートマンのお姫様が観たくなってしまって
「あ〜・・シンデレラやったらいいのにな」って終止思ってました
もちろん監督はティム・バートンです！
継母役はね・・まちがいなくジョニー・デップですよっ！！
ちょうど一緒に届いたのが「アクターズスタジオ　ジョニー・デップ」でして
インタビューで「女性役はやってもいいよ〜」的なことをおっしゃってましたので
ピン！と来てしまったというわけ（笑）

ワーナーさんならびに関係各所の皆様「アリス」の次は「シンデレラ」で・す・よ♪

だと思います。私のボキャブラリーでは足りない…。
1792年マドリッドで、実在の画家ゴヤが、修道士ロレンゾの肖像画を描いていた。
彼はカトリック教会の権勢をとりもどすために、教会に異端審問を提案していた。
なぜか人は時に凶暴な行動に出てしまい。歴史を見ても、こういう法律は極端な結果に陥ることが多い。
ゴヤは、富裕な商人ビルバトゥア家の美しい娘イネスの絵も描いていたが、彼女は豚肉を食べなかったというだけで、異教徒として捕らえられてしまう…。
ビルバトゥアは、友人でもあるゴヤを介して、ロレンゾに娘を返してもらえるよう懇願するが…。

イヤなヤツばかり出てきて、胸くそ悪いっ！（失礼）…という気分が、観始めてからずっと続いていた。
人権を無視した拷問。未だに世の中から無くならないけど、ふざけるな！許せない！何の権利があって、人の人生の何もかもを奪うのか！と怒りがこみ上げてしまう。
ゴヤも同じ気持ちだったのでしょうか。
ロレンゾ神父の、イヤな人間の「イヤ度」最高。ということは、ハビエルは上手いということなのでしょう。
それはもう本当に悪いヤツで、保身のためなら何でもする。心底腹を立てながら観ていた。
メイクもあるでしょうけれど、奪われた人生をすべて表現できていたナタリー・ポートマンの演技は凄みがあった。
すごく驚いた。これは一見の価値あり。
ストーリー自体は実話ではないけれど、実在の画家がいてリアルだし、スペインの歴史上の闇の部分などを知ることができて興味深かった。
監督は宗教や国家の力の恐ろしさを表現した、とどこかで読みました。
ラストはこの世の皮肉を描くけれど、すっきりするような、どうにも悲しいような複雑な気持ちになります。
全体的に重厚で役者も熱演のせいか、観てる間、力が入ってしまって疲れました。
それだけ見入ってしまった映画でした。

ゴヤの絵は好きではないけど、絵の背景＝当時のスペインの時代の雰囲気がよくわかりました。
そしてあのグロテスクな一連の絵を描いた気持ちも（自宅に飾る、その気持ちは解せませんが〜）

人間の社会が堕ち得うる狂気や混乱が描かれていていた。
社会の基盤になる価値や基準が矛盾をかかえ、それが崩れていく。
それが人々の立場や地位、生死にまで軽々と及び、
人々の生活を混乱させ命を奪う。

登場人物の誰にも感情移入させてもらえない描き方で
重たかったけど見ごたえはあった。
最後のシーンは悲しいけれど結構好きでした。

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ひたすら暗く、かなり気持ちも沈んでしまった・・。
でも芸術的というか、こういう映画をいいと思う人もいるだろうとは思います。
考えてみると、ゴヤさえよけいなことをしなければ少なくともイネスがロレンソに犯されるなんてことにはならなかったんです。
それに、いくら獄中だからといって自分を犯した人間を愛するなんておかしい。
これは男の勝手なものの見方でしょう。女の立場からはありえないと断言させていただきます。
なんかいやな気分。
唯一よかったのはゴヤの絵の暗さの意味が少しわかった気がしたことでした。