最初の人間 / ジャック・ガンブラン
最初の人間
/ジャンニ・アメリオ
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全体の平均評価点: (5点満点)
(6)
解説・ストーリー
『異邦人』などで知られるノーベル文学賞作家アルベール・カミュの自伝的遺作を「家の鍵」のジャンニ・アメリオ監督が映画化。フランスで作家として成功した主人公が、フランスからの独立運動に揺れる祖国アルジェリアに帰郷し、母と過ごす日々の中で少年時代を振り返りながら、アルジェリアの行く末に思いを馳せる姿を描く。1957年、夏。フランスで活躍する小説家のジャック・コルムリは、独立を巡って激しい紛争が続くフランス領アルジェリアに帰郷する。そして大学で講演を行い、平和的な解決を呼びかけるが、激しい非難に晒され、会場は混乱に陥ってしまう。翌日、ジャックは一人で暮らす母のもとを訪ねる。やがて彼の脳裏を、幼少の頃のさまざまな思い出が去来していく。
『異邦人』などで知られるノーベル文学賞作家アルベール・カミュの自伝的遺作を「家の鍵」のジャンニ・アメリオ監督が映画化。フランスで作家として成功した主人公が、フランスからの独立運動に揺れる祖国アルジェリアに帰郷し、母と過ごす日々の中で少年時代を振り返りながら、アルジェリアの行く末に思いを馳せる姿を描く。1957年、夏。フランスで活躍する小説家のジャック・コルムリは、独立を巡って激しい紛争が続くフランス領アルジェリアに帰郷する。そして大学で講演を行い、平和的な解決を呼びかけるが、激しい非難に晒され、会場は混乱に陥ってしまう。翌日、ジャックは一人で暮らす母のもとを訪ねる。やがて彼の脳裏を、幼少の頃のさまざまな思い出が去来していく。
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「最初の人間」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
『異邦人』などで知られるノーベル文学賞作家アルベール・カミュの自伝的遺作を「家の鍵」のジャンニ・アメリオ監督が映画化。フランスで作家として成功した主人公が、フランスからの独立運動に揺れる祖国アルジェリアに帰郷し、母と過ごす日々の中で少年時代を振り返りながら、アルジェリアの行く末に思いを馳せる姿を描く。1957年、夏。フランスで活躍する小説家のジャック・コルムリは、独立を巡って激しい紛争が続くフランス領アルジェリアに帰郷する。そして大学で講演を行い、平和的な解決を呼びかけるが、激しい非難に晒され、会場は混乱に陥ってしまう。翌日、ジャックは一人で暮らす母のもとを訪ねる。やがて彼の脳裏を、幼少の頃のさまざまな思い出が去来していく。
「最初の人間」 の作品情報
「最初の人間」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
最初の人間の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
105分 |
日本語 |
仏:ドルビーデジタルステレオ |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
VUBH10013 |
2013年11月08日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
10枚
|
0人
|
0人
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最初の人間の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
105分 |
日本語 |
仏:ドルビーデジタルステレオ |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
VUBH10013 |
2013年11月08日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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10枚
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ユーザーレビュー:6件
わが幻想の都市【6】アルジェ
「最初の人間」(2011年、フランス/イタリア/アルジェリア、カラー、105分)。
北アフリカの、今は、「アルジェリア民主人民共和国」として独立している国。
「アルジェリア」は、アフリカ大陸の北端。地中海を狭間に、対面のフランスと近い。
海に近いので、港湾都市ができている。
この国が独立したのは、1962年。
原作者のアルベール・カミュ(1913〜1960)は、アルジェリアに生まれ、フランスからの独立を望んでいたが、
ついに、立ち会うことができなかった。
映画「アルジェの戦い」(1966公開)は、1954〜1962年の、アルジェリアの独立運動を描いている。
多くの男、女が、死んだ、戦いだ。
カミュ。
家は貧しかったが、奨学金を得て、パリの進学校に進む。
彼は、勤勉であったので、20代の終わりに「異邦人」という小説を書く。(1942)
同じ年「シーシュポスの神話」(1942)という、詩的論考を書く。
戦後、「実存主義」という、誰が名付けたか知らないが、つまらぬ風潮が流行し、
サルトル、ハイデッカーのような爬虫類的人物と、カミュは同じグループに収容される。
けれども、彼は、詩人であるにすぎなかった。哲学にも、興味はなかたろうと推察する。
小説家として立とうとし、彼は「ペスト」(1947)という長編を書く。好評だった。
僕も、「ペスト」は好きだ。
黒死病の流行した都市で、誰が、どのように行動するか、を検証しようとした物語だった。
「蜘蛛女のキス」(1985)の監督、ヘクトール・パベンコによって映画化されている。
医師「リュー」を、ウィリアム・ハート(1950生)が演じていた。(「蜘蛛女のキス」の「モリーナ」役)。
最後に、宗教の無力を感じた司教の行為に、納得がいった。
さて、ノーベル文学賞を与えられた、カミュは、パリから、故郷アルジェに帰還する。
彼は、母に会うことを楽しみにしていた。
独立運動で、かまびすしい。
予想通り、父祖の土地での彼の帰郷は、失敗に終わる。
母とも、心の通った言葉をかわせず。
彼は、今、書いている「最初の人間」という小説に向かおうとする。その行為で、すべてを代償しようとする。
父祖の地へ、母へ。
1960年1月4日、彼は交通事故で亡くなる。自分が運転していたのではない車が、樹木に衝突した。
この映画「最初の人間」は、彼の未完の遺稿をもとに、作られたものだ。
母と話そうとし、突き放され、帰る前の場面が、とてもいい。
ここは地の果てアルジェリア。「望郷」(1937)のぺぺ・ル・モコ(ジャン・ギャバン)を思い出す。
このレビューは気に入りましたか?
3人の会員が気に入ったと投稿しています
「49ページを開いて」 父探しの旅。
「最初の人間」(2011年、フランス/イタリア/アルジェリア、カラー、105分)。
監督はジャンニ・アメリオ(1945〜)、原作はアルベール・カミュ(1913〜1960)。
カミュの作品は、20歳前後のころ、読んでいました。
「異邦人」(1942)が処女作ですが、この中編小説が、やはり最もいいと思っています。(自分の読んだ中では。)
そこには思想はなく、主人公の思いと行動が、みずみずしく詩的で簡潔な文章で書かれています。
(原文ではなく、新潮文庫の窪田啓作・訳で読んでいます。)
併行して書かれ、同年に発表された「シーシュポスの神話」(1942)は、哲学書ではなく、長編エッセイ、あるいは散文詩の集合のようなものです。
シーシュポスは、ギリシア神話に登場する人物ですが、神々を二度欺いた罰を受け、巨大な岩を押し上げ、山頂に置くという苦役を命じられます。
山頂に到る手前、急傾斜と重みによって、岩は底まで転がり落ちてしまう。それを何度も繰り返す。
これは永遠の「徒労」ですが、人の生はその連続であり、人の「実存」を問えば、それは苦役の日常のなかに突然現れる青空や太陽、
次に起こる行為、最後の裁き(神による審判ではなく、人による裁決)しかない、ということと思います。
当時、サルトルも無理して読みましたが、嫌いでした。血も涙もない文章は、苦痛です。
サルトルとカミュは、交わらない別次元の人間と思いました。自分はカミュを選択する。
カミュは戯曲がいいと友人から聴き続けていましたが、「誤解」(1944)以外は未読、舞台でそれも観たことはありません。
長編小説「ペスト」(1947)は力作です。
彼の詩的資質が基底にあり、しかも物語の骨格と帰結を備えている。
「異邦人」で死刑になった「ムルソー」の疑問が、リウーという医師に引き継がれ、グランという役人、コタールという犯罪者、神父パヌルーらとともに、疫病から都市を守ろうとする。
@「異邦人」はヴィスコンティ監督が1967年に映画化しています。「ムルソー」をマルチェロ・マストロヤンニが演じています。
A「ペスト」は「プレイグ」という題名で、1992年、ルイス・プエンソ監督によって映画化、
「リウ―」をウィリアム・ハートが演じています。
@は未見。VHSでも観たことがありません。何か大人の事情があるのでしょう。
AはVHSで見ました。原作を超えるものではありませんが、これも未DVD化。
さて、前置きが長すぎて、失礼します。
「最初の人間」は、カミュの最後の、未完の小説です。
自伝的小説ですが、作者は何を書こうとしていたのか。
一人の人間が、世界を変えることができるのか。
キリストでない最初の人間が、存在し得るのか。
北アフリカのアルジェリアは、1830〜1962までフランスの植民地であった。
そこで生まれ、フランスで成功した作家コルムリは、独立運動が激しくなった故郷に行く。
講演の場で、平和を呼びかけるが、罵倒を受ける。
市場で働いている老女へ「マダム・コルムリ!」と呼びかける。彼の母だ。
母は父の名前を教えてくれない。
自分が昔寝ていたベッドに横たわり、母の後ろ姿を見つめる。
次の瞬間、顔は同じ姿勢で、少年になる。
自分を育て、進路へ導いてくれた教師ベルナール。
小学生のとき、教室で、コルムリは歴史の教科書の49ページを読ませられる。
そこには、ナポレオン(一世)のフランス統治と植民地拡大のことが書かれていた。
ベルナールは「教科書を閉じて」と言う。
「自分のお父さんのことをひと言でいい表したまえ」
一人の生徒が「コン(馬鹿)です。ナポレオン万歳!」という。
ベルナールとコルムリの眼が合う。授業はそのまま終わる。
休み時間、裸足でサッカーをしているコルムリに、「本を読んでいるか?」とベルナールが聴く。
カミュは「最初の人間」を書き上げる前に、不慮の交通事故で死亡する。
このレビューは気に入りましたか?
1人の会員が気に入ったと投稿しています
ダラダラしていて結論も結末もない映画
ノーベル賞作家カミュが書いた話だとは知らずに観た。面白くはない。未完成の遺稿を映画にしたためか、ストーリーというほどの展開がない。が、最後まで観た。
小説「異邦人」は学生のころに読んだが面白い作品だった。改めてあらすじをウィキで見たら、これはアラブ人を殺して死刑判決を受けるフランス人の話だった。この主人公は母親が死んでも生活態度が変わらなかったことを糾弾され、冷血漢の烙印を押される。この映画の主人公はマザコンかと思うほど母親との関係を重要視している。ちなみに、その母親は文盲である。
カミュという人はアラブ人とフランス人との共生について考えつづけていたらしい。この件は、今なおフランスでもっとも深刻な社会問題である。で、カミュは共生を主張したものの、同調してくれる人が少なくて嘆いていたのだろう。映画としてはどうかと思うが、悩める小説家の雰囲気は多少出ていた。
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
最初の息子
投稿日:2013/12/16
レビュアー:ひろぼう
美しく力強い映像に『卵』等を撮ったセミフ・カプランオールを想起しました。それは物語の舞台となる土地柄が近かったためと、どちらにも胸を締め付けられるような郷愁を味わったからなのかも。
本作にはセミフの作品にあるファンタジックな表現がありません。それはフランス占領下のアルジェリアにおける、作家ジャックの自分探しが題材となるからなのでしょう。アルジェ生まれでフランス在住のジャックは、フランス人でありアルジェリア人でもあると自らを認め、現地で暮らす貧しき民衆に自分のルーツを見つけようとします。面影すら覚えていない第1次大戦で死んだ父の、初めての男の子(邦題の「最初の人間」のことかな)ジャックは、母の元を訪ね旧友と再会し、現地の息吹を感じることで父の暮らした過去を追体験するのでした。
暮らしは貧しく学も無く働き詰めの植民たちは、わずかな希望を明日への糧とし今日を生き延びることしかできない。しかし小さな嘘さえ許さない誇りと地元愛には溢れており、これに昭和の下町にあった匂いを感じ郷愁に誘われるのでした。
支配権を巡って紛争中である両国民に、ジャックは中立の立場を置き和平を呼びかけます。それは自分を植民の息子、両国間の息子、「最初の人間」として訴えているのかもしれません。
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
過去を描くことで、未来への希望を描く!
人種や思想を乗り越えて、お互いが共存しあえる世界は、やがてやってくるのだろうか・・・
イタリア、フランス、アルジェリアの合作映画
フランスからの独立紛争に揺れるアルジェリアを舞台に
平和への願いと、私たち人間の尊い繋がりを描く!
静かで地味とはいえ、そこに込められたメッセージは、それに反比例して抑制されることはない
未だ実現されない、紛争のない世界への願い・・・
一人の男性(少年)に込められた、生きることへの力強さ
過去を回想することで、未来への希望が紡がれる
少年を取り巻く、一つ一つのエピソード
大人になってからの、一つ一つの再会
どんなに小さな出来事にも、人間本来の優しさと美しさと尊さに満ち溢れ
それと同時に、
争いを繰り返す、人間への嘆きも漏れ出しているような気がしてくる
兵士の姿に、亡き父親を重ね合わせ
恩師との再会
祖母と行ったサイレント映画
母親の手料理
アラブ人の同級生とのケンカ
素朴でも味わい深くて余韻を残す、名シーンの連続です
たまには、真剣にマジメな映画を観ないといけない!w
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6人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
わが幻想の都市【6】アルジェ
投稿日
2017/02/18
レビュアー
ちゅく
「最初の人間」(2011年、フランス/イタリア/アルジェリア、カラー、105分)。
北アフリカの、今は、「アルジェリア民主人民共和国」として独立している国。
「アルジェリア」は、アフリカ大陸の北端。地中海を狭間に、対面のフランスと近い。
海に近いので、港湾都市ができている。
この国が独立したのは、1962年。
原作者のアルベール・カミュ(1913〜1960)は、アルジェリアに生まれ、フランスからの独立を望んでいたが、
ついに、立ち会うことができなかった。
映画「アルジェの戦い」(1966公開)は、1954〜1962年の、アルジェリアの独立運動を描いている。
多くの男、女が、死んだ、戦いだ。
カミュ。
家は貧しかったが、奨学金を得て、パリの進学校に進む。
彼は、勤勉であったので、20代の終わりに「異邦人」という小説を書く。(1942)
同じ年「シーシュポスの神話」(1942)という、詩的論考を書く。
戦後、「実存主義」という、誰が名付けたか知らないが、つまらぬ風潮が流行し、
サルトル、ハイデッカーのような爬虫類的人物と、カミュは同じグループに収容される。
けれども、彼は、詩人であるにすぎなかった。哲学にも、興味はなかたろうと推察する。
小説家として立とうとし、彼は「ペスト」(1947)という長編を書く。好評だった。
僕も、「ペスト」は好きだ。
黒死病の流行した都市で、誰が、どのように行動するか、を検証しようとした物語だった。
「蜘蛛女のキス」(1985)の監督、ヘクトール・パベンコによって映画化されている。
医師「リュー」を、ウィリアム・ハート(1950生)が演じていた。(「蜘蛛女のキス」の「モリーナ」役)。
最後に、宗教の無力を感じた司教の行為に、納得がいった。
さて、ノーベル文学賞を与えられた、カミュは、パリから、故郷アルジェに帰還する。
彼は、母に会うことを楽しみにしていた。
独立運動で、かまびすしい。
予想通り、父祖の土地での彼の帰郷は、失敗に終わる。
母とも、心の通った言葉をかわせず。
彼は、今、書いている「最初の人間」という小説に向かおうとする。その行為で、すべてを代償しようとする。
父祖の地へ、母へ。
1960年1月4日、彼は交通事故で亡くなる。自分が運転していたのではない車が、樹木に衝突した。
この映画「最初の人間」は、彼の未完の遺稿をもとに、作られたものだ。
母と話そうとし、突き放され、帰る前の場面が、とてもいい。
ここは地の果てアルジェリア。「望郷」(1937)のぺぺ・ル・モコ(ジャン・ギャバン)を思い出す。
「49ページを開いて」 父探しの旅。
投稿日
2016/01/16
レビュアー
ちゅく
「最初の人間」(2011年、フランス/イタリア/アルジェリア、カラー、105分)。
監督はジャンニ・アメリオ(1945〜)、原作はアルベール・カミュ(1913〜1960)。
カミュの作品は、20歳前後のころ、読んでいました。
「異邦人」(1942)が処女作ですが、この中編小説が、やはり最もいいと思っています。(自分の読んだ中では。)
そこには思想はなく、主人公の思いと行動が、みずみずしく詩的で簡潔な文章で書かれています。
(原文ではなく、新潮文庫の窪田啓作・訳で読んでいます。)
併行して書かれ、同年に発表された「シーシュポスの神話」(1942)は、哲学書ではなく、長編エッセイ、あるいは散文詩の集合のようなものです。
シーシュポスは、ギリシア神話に登場する人物ですが、神々を二度欺いた罰を受け、巨大な岩を押し上げ、山頂に置くという苦役を命じられます。
山頂に到る手前、急傾斜と重みによって、岩は底まで転がり落ちてしまう。それを何度も繰り返す。
これは永遠の「徒労」ですが、人の生はその連続であり、人の「実存」を問えば、それは苦役の日常のなかに突然現れる青空や太陽、
次に起こる行為、最後の裁き(神による審判ではなく、人による裁決)しかない、ということと思います。
当時、サルトルも無理して読みましたが、嫌いでした。血も涙もない文章は、苦痛です。
サルトルとカミュは、交わらない別次元の人間と思いました。自分はカミュを選択する。
カミュは戯曲がいいと友人から聴き続けていましたが、「誤解」(1944)以外は未読、舞台でそれも観たことはありません。
長編小説「ペスト」(1947)は力作です。
彼の詩的資質が基底にあり、しかも物語の骨格と帰結を備えている。
「異邦人」で死刑になった「ムルソー」の疑問が、リウーという医師に引き継がれ、グランという役人、コタールという犯罪者、神父パヌルーらとともに、疫病から都市を守ろうとする。
@「異邦人」はヴィスコンティ監督が1967年に映画化しています。「ムルソー」をマルチェロ・マストロヤンニが演じています。
A「ペスト」は「プレイグ」という題名で、1992年、ルイス・プエンソ監督によって映画化、
「リウ―」をウィリアム・ハートが演じています。
@は未見。VHSでも観たことがありません。何か大人の事情があるのでしょう。
AはVHSで見ました。原作を超えるものではありませんが、これも未DVD化。
さて、前置きが長すぎて、失礼します。
「最初の人間」は、カミュの最後の、未完の小説です。
自伝的小説ですが、作者は何を書こうとしていたのか。
一人の人間が、世界を変えることができるのか。
キリストでない最初の人間が、存在し得るのか。
北アフリカのアルジェリアは、1830〜1962までフランスの植民地であった。
そこで生まれ、フランスで成功した作家コルムリは、独立運動が激しくなった故郷に行く。
講演の場で、平和を呼びかけるが、罵倒を受ける。
市場で働いている老女へ「マダム・コルムリ!」と呼びかける。彼の母だ。
母は父の名前を教えてくれない。
自分が昔寝ていたベッドに横たわり、母の後ろ姿を見つめる。
次の瞬間、顔は同じ姿勢で、少年になる。
自分を育て、進路へ導いてくれた教師ベルナール。
小学生のとき、教室で、コルムリは歴史の教科書の49ページを読ませられる。
そこには、ナポレオン(一世)のフランス統治と植民地拡大のことが書かれていた。
ベルナールは「教科書を閉じて」と言う。
「自分のお父さんのことをひと言でいい表したまえ」
一人の生徒が「コン(馬鹿)です。ナポレオン万歳!」という。
ベルナールとコルムリの眼が合う。授業はそのまま終わる。
休み時間、裸足でサッカーをしているコルムリに、「本を読んでいるか?」とベルナールが聴く。
カミュは「最初の人間」を書き上げる前に、不慮の交通事故で死亡する。
ダラダラしていて結論も結末もない映画
投稿日
2014/04/10
レビュアー
勇光
ノーベル賞作家カミュが書いた話だとは知らずに観た。面白くはない。未完成の遺稿を映画にしたためか、ストーリーというほどの展開がない。が、最後まで観た。
小説「異邦人」は学生のころに読んだが面白い作品だった。改めてあらすじをウィキで見たら、これはアラブ人を殺して死刑判決を受けるフランス人の話だった。この主人公は母親が死んでも生活態度が変わらなかったことを糾弾され、冷血漢の烙印を押される。この映画の主人公はマザコンかと思うほど母親との関係を重要視している。ちなみに、その母親は文盲である。
カミュという人はアラブ人とフランス人との共生について考えつづけていたらしい。この件は、今なおフランスでもっとも深刻な社会問題である。で、カミュは共生を主張したものの、同調してくれる人が少なくて嘆いていたのだろう。映画としてはどうかと思うが、悩める小説家の雰囲気は多少出ていた。
最初の息子
投稿日
2013/12/16
レビュアー
ひろぼう
美しく力強い映像に『卵』等を撮ったセミフ・カプランオールを想起しました。それは物語の舞台となる土地柄が近かったためと、どちらにも胸を締め付けられるような郷愁を味わったからなのかも。
本作にはセミフの作品にあるファンタジックな表現がありません。それはフランス占領下のアルジェリアにおける、作家ジャックの自分探しが題材となるからなのでしょう。アルジェ生まれでフランス在住のジャックは、フランス人でありアルジェリア人でもあると自らを認め、現地で暮らす貧しき民衆に自分のルーツを見つけようとします。面影すら覚えていない第1次大戦で死んだ父の、初めての男の子(邦題の「最初の人間」のことかな)ジャックは、母の元を訪ね旧友と再会し、現地の息吹を感じることで父の暮らした過去を追体験するのでした。
暮らしは貧しく学も無く働き詰めの植民たちは、わずかな希望を明日への糧とし今日を生き延びることしかできない。しかし小さな嘘さえ許さない誇りと地元愛には溢れており、これに昭和の下町にあった匂いを感じ郷愁に誘われるのでした。
支配権を巡って紛争中である両国民に、ジャックは中立の立場を置き和平を呼びかけます。それは自分を植民の息子、両国間の息子、「最初の人間」として訴えているのかもしれません。
過去を描くことで、未来への希望を描く!
投稿日
2013/12/16
レビュアー
パンケーキレンズ
人種や思想を乗り越えて、お互いが共存しあえる世界は、やがてやってくるのだろうか・・・
イタリア、フランス、アルジェリアの合作映画
フランスからの独立紛争に揺れるアルジェリアを舞台に
平和への願いと、私たち人間の尊い繋がりを描く!
静かで地味とはいえ、そこに込められたメッセージは、それに反比例して抑制されることはない
未だ実現されない、紛争のない世界への願い・・・
一人の男性(少年)に込められた、生きることへの力強さ
過去を回想することで、未来への希望が紡がれる
少年を取り巻く、一つ一つのエピソード
大人になってからの、一つ一つの再会
どんなに小さな出来事にも、人間本来の優しさと美しさと尊さに満ち溢れ
それと同時に、
争いを繰り返す、人間への嘆きも漏れ出しているような気がしてくる
兵士の姿に、亡き父親を重ね合わせ
恩師との再会
祖母と行ったサイレント映画
母親の手料理
アラブ人の同級生とのケンカ
素朴でも味わい深くて余韻を残す、名シーンの連続です
たまには、真剣にマジメな映画を観ないといけない!w
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