パーフェクト・センス

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某レビュアーさんのタイトルにたまたま目が行ったのですが、「うまい！」と思いました。
ほんとその通りな作品。クセがあるなーという印象。

内容は悪くないんですよ。でも主点がよくわからんなーという印象。

「次第に蔓延していく謎の奇病」
「絶望の中で互いを必要とし惹かれ合う2人」

……どっち？？
どっちも中途半端な印象。どっちかに絞ればもっと高評価をあげたくなるのに。

ありふれた日常。人々はそれぞれが担う仕事に努める。笑い、考え、会話し、食事をし、眠る。
そして突然の奇怪な事態。さっきまで普通に日常を過ごしていた彼らは問答無用で「味覚」を失っていく。

中心になるのは流行りのレストランのシェフ「マイケル」と感染学者の「スーザン」
2人は運命的に出会い、惹かれ合い、恋に落ちる。
だが奇怪な事態は容赦なく2人にも牙を剥く。

味覚・嗅覚・聴覚・視覚…人間が生きて行く上で必要不可欠。
これらはそれぞれが上手く伝達し合い、人間に「悦楽」や「情報」を提供する。
それらが不意に、そして確実に欠落していく恐怖。
……の筈が、この作品ではあまり絶望感を重視していない印象。
「あー、おれもかー」という程度。
でも、各感覚を失う前に不可解な感情の暴走があるのはいい意味で違和感があって面白かった。

だからと言って、特に対処法が開発される訳でもなく、「世界は大変な事になりました〜」で終了。
後はご想像に…的な余韻を鑑賞側に与えたかったのかもしれないが、それが逆に「だから？」という印象しか残らない。
特にパニック的な描写もなく、淡々と感染を描いて終了。
まあ、パニック作品ではないし、それはそれでありかもなんですが。
でも、ヒューマンドラマにしては中途半端。
結局ラストはあの感覚さえ失くしてしまうって事？？

特に感動もなく、特に緊迫もなく、ちょっと絶望感(実際にこうなるとやっぱり怖いし)を感じたかなーという作品でした。



オススメ度 50%
絶望感度 20%
期待ハズレ度 30%

五感が失われる感染症が広がる中で愛し合う２人の話。

嗅覚をはじめとする人間の感覚が失われ、
徐々に崩壊していく世界を描くが、
淡々とした雰囲気ばかりで盛り上がりに欠けた。

感覚が失われたことや
感染が広がっている様子もわかりにくいし、
やたらと悲観的で自暴自棄になっている人々に
まったく感情移入できなかった。

設定としては興味深いものの映画としての面白さがなく、
ただ風呂敷を広げただけで収束しない作品。

臭覚、味覚、聴覚、視覚、触覚。この順番で五感を失っていくとすれば最後に残るものは無味乾燥な記憶だけとなる。そんな状況で人を愛することができるだろうか？（映画では最後の触覚だけは残っているようだが。）
この状況をperfect senseと呼ぶのかそれとも五感を総て持ちながらもなかなか純粋に人を愛せない人間はperfect senseが却って愛の邪魔をしていると言いたいのだろうか？意味深な原題だ。

映画ではこの疫病につき一切の説明が無い。勿論全員が冒されるのか？一過性ではないのか？伝染病か？対抗手段はなにか？など一切分からない。ただ発症前に「喪失の悲しみ」と猛烈な食欲が襲ってくるのが特徴だ。だから２人が互いに強く求めあうのも触覚を亡くす前触れかも知れない。疫病の内容につきこれほど無視する映画もめずらしい。ただこんな状況でもどうにか平静を装って生きている人間を見るとこの症状は

何かの暗喩であろうことは想像がつく。しかし五感を全部働かせてもそれが何か良く分からなかった。五感の持ち腐れだ。

淡々とすぎて行く日常と徐々に五感を失って行くすべての人々。
人はそうなった時どう行動するのだろう。
と、真剣に見てしまいました。

なす術がない状態の時、この映画のように出来るだけいつものようであろうと思う物かもしれない。
自分だけに起こる事ではなくすべての人に同じ様に起こるのなら、人をうらやむ事も恨む事もなくなって行くかもしれない。

感覚の重要性を考えさせられた。味覚が無くなり、それによって失う事の大きさ、嗅覚 聴覚 視覚も無くなり、絶望感になるが、愛だけが残るのは解ったが、触れ合う感覚が無かったらと思うと。自分では想像が出来ない領域で怖いと思った。ギリギリ救いが合って良かったが。ふと怖さが残る