魚が出てきた日 / トム・コートネイ
魚が出てきた日
/マイケル・カコヤニス
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(10)
解説・ストーリー
『その男ゾルバ』のマイケル・カコヤニス監督が手掛けたブラックコメディ。ギリシャの小島にふたりのパイロットが不時着。彼らは飛行機の墜落前に落とした2個の原爆と金属製ケースを探して島を右往左往するが、ケースは村人によって拾われ…。
『その男ゾルバ』のマイケル・カコヤニス監督が手掛けたブラックコメディ。ギリシャの小島にふたりのパイロットが不時着。彼らは飛行機の墜落前に落とした2個の原爆と金属製ケースを探して島を右往左往するが、ケースは村人によって拾われ…。
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「魚が出てきた日」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
『その男ゾルバ』のマイケル・カコヤニス監督が手掛けたブラックコメディ。ギリシャの小島にふたりのパイロットが不時着。彼らは飛行機の墜落前に落とした2個の原爆と金属製ケースを探して島を右往左往するが、ケースは村人によって拾われ…。
「魚が出てきた日」 の作品情報
「魚が出てきた日」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
魚が出てきた日の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
109分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
FXBR1857 |
2012年01月07日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
6枚
|
1人
|
0人
|
魚が出てきた日の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
109分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
FXBR1857 |
2012年01月07日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
6枚
|
1人
|
0人
|
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ユーザーレビュー:10件
懐かしい映画
投稿日:2022/02/20
レビュアー:リスベット
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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昔よく、テレビ放送されてて映画の中で、久しぶりに見たくなりました。
踊る場面で出てくるリズムが頭に残る映画です。
数十年ぶりに見ましたが、そうそう映画の始まりはあのカスタネットでしたね。
ブラックユーモア溢れる恐ろしい映画。
ラストの海に浮かぶ魚は、忘れられない映像です。
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魚が出てきた日
投稿日:2014/12/07
レビュアー:片山刑事
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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アバンタイトルがカスタネットを叩きながらフラメンコを踊る女性たちで、いきなりのインパクトが凄いです。
核兵器を3つ落としてしまって、それを回収する特殊部隊が観光客のフリをして島にやってきますが。男だらけなのでゲイ集団に間違われたり。のどかなカフェの2階には悲鳴が響き渡る歯医者があったりと、コミカルですがあんまり笑えるものではなかったです。
3つのうち2つまでは発見されますが、残りの1つは羊飼いの夫婦が見つけて。金属の箱だから何かお宝が入ってるのに違いないと、何とか開けようとします。
特殊部隊は、ホテルの建設予定地として広い土地を買収して。島民たちは喜びます。しだいに島には、観光客達があふれかえるようになっていきますが。そのファッションのサイケデリックさが凄いことになっています。
生き残ったパイロットたちは核兵器のことを言う事ができず右往左往するばかり、秘密を守るために嘘をつき続けることになる軍、宝の箱だと信じ続ける羊飼い、何も知らずバカ騒ぎをする若者達。この対比の恐怖。けど、コメディ映画なので緊迫感は一切ないです。しかも、あんまり笑えないコメディでした。
羊飼いが箱には何も入ってないと、中身を飲み水のタンクに捨ててしまいます。するとタイトルの通り、魚の死骸が島中に浮かび始めます。それでも、のんきに遊ぶ観光客達。そして、最後は青白い光に覆われて終わる。静寂。あれほど、騒がしかったのにいきなりの静寂が怖かったです。
コメディ映画なので、緊迫感は一切ないですが。むしろくだらない描写が続いて深刻さを感じることができないですが、今の日本で見ると考えるものがあってよかったです。
果たして、自分はどの立場の人なのか考える映画でした。
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他済
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生き地獄にカタルシスはない
( ネタばれあり)
1967年作。 1972年という「近未来に起こるかもしれない」という設定ですが、冒頭に出てくるスペインでの事故は実際に起こったことで、「パロマレス米軍機墜落事故」でネット検索できますが、この作品を観るまで知りませんでした。
社会派ブラック・コメディですが、あまりに生々しくて笑えないし、まあ地味なキャストです。 ( 笑 )
墜落機のパイロット・コンビ。
トム・コートネイ。 デビュー作の『長距離走者の孤独』を僕は観てないですが、『 ドクトル・ジバゴ 』『 将軍たちの夜 』『 ドレッサー 』などに出演。 最近また『 モネ・ゲーム 』などに出ていますが、どちらかというと舞台俳優かな。
コリン・ブレイクリーは『 オリエント急行殺人事件 』に出てましたね。
隠ぺい工作のリーダーを演じるサム・ワナメーカーは赤狩りの時はブラックリストに載りイギリスで活動。 『 さすらいの航海 』『 真実の瞬間 』など出ていました。
キャンディス・バーゲン。 当時20歳だから大人っぽいというか、老けてるというか。
前年出た『 砲艦サンバブロ 』の清楚さとはガラッと違ったキャラクター。
父親がエドガー・バーゲンというアメリカでトップの腹話術師ですが、14歳でスイス留学しフランス語も堪能なインテリ女優。 本作でも流暢なイタリア語のセリフを言っています。 『ソルジャー・ブルー』にも出ていてまじめでカタいイメージでしたが、後年コメディエンヌとして成功しました。
写真家でもあり、ミノルタ・カメラのCMに出てましたし、『 ガンジー 』では写真家マーガレット・ホワイト役をしていましたね。 そしてルイ・マルと結婚してました。
監督のマイケル・カコヤニス。 前の年に『 その男ゾルバ 』を監督。 他にキャサリン・ヘップバーン主演で『 トロイアの女 』を撮ってますが、これも地味な作品なのでDVD化はなし。
さて本作、核をテーマにしたブラック・コメディということで『 博士の異常な愛情 』と比較可能ですが、名作で今も人気と評価が高い前者と比べ、正直に申しますと笑えないし、あまりおもしろくない。
キューブリックの創作力の違いも大きいでしょう。
しかし、それ以外にはシチュエーションが決定的に違います。
『 博士の異常な愛情 』が描く、冷戦時代の米ソによる全面核戦争は、短時間で人類滅亡してしまう緊張の高さがあり、それだけに笑うことができ、そのカタストロフィーにはある意味で後腐れのなさ、カタルシスがありました。
代わって、今は地域核戦争や核兵器テロの可能性があるのに、世界に緊張感はないですねえ。 仮にどこかの街で使われても人類滅亡になる可能性は低く、それを契機に核廃絶には向かわず、逆に疑心暗鬼を抱えたまま核にしがみつく恐怖の現実、そして恐怖に耐えきれず他人事と忘れてしまう現実が進行しそうです。
チェルノブイリも結局他人事でした。 フクシマ後でも、京都に住む僕は現地ほどの危機意識は薄く、ニュースへの関心も緊張感もないですね、 福井にはたくさんあるのに。
日本は唯一の被爆国と言われるが、被害者意識とアレルギーのように核への嫌悪感はあっても、意識も知識も高いと言えるだろうか。 ヒロシマ、ナガサキのとこ、第五福竜丸のことどれだけ知っていて、次の世代に継承しているだろうか。
原発事故に対する嫌悪感、政治家、官僚、学者、マスコミに強い不信感を持ちながら、この期に及んで、ぼくはまだ原発ゼロは非現実と漠然と思っていて、それどころか反原発を叫ぶタレントや活動家、政治家に偏見や嫌悪感がある。
オーウェルの「1984」の二重思考そのままに矛盾する二つの考えを受け入れる。
食品添加物でも、放射能でも、戦争でも悲惨さ難しさ重さに、まともに考えたらウツになってしまいそうで、心は折れ頭は関心と思考を拒否してしまう。
この作品は生々しく笑えない。
ブリーフ姿のまぬけな姿、トム・コートネイは頭にまでかぶってがんばっているのに笑えない。
俳優たちの生白い体が赤く日焼けして大変だったろうなと思わせても、痛々しくて笑えない。
プカリと浮かぶ魚、腐臭が匂ってきそうで笑えない。
一瞬で世界が滅ぶカタストロフィーのカタルシスでなく、じわじわとゆっくりと悲惨な事態が限られた場所で進行していく。 悲惨なことは考えたくなくて、その場しのぎでごまかしていく。 生き地獄にカタルシスはない。
そうした現実を投影した本作が、映画としては面白くなく萎えてしまい、人気がないのもまた当然のことかもしれません。
( ykk1976さんの映画会 第40回のレビュー )
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正月は冥土の旅の一里塚
投稿日:2014/01/15
レビュアー:さっちゃん
映画会新年第1回がめでたく40回であります。まぁ途中、東日本大震災などで休みもありましたが、続いていることは嬉しい限りであります。今後とも末永く続けていきたいものです。
さて、本題に移りまして、今回のお題『魚が出てきた日』であります。冒頭に実際に起こった、核爆弾を積んだアメリカの爆撃機がスペイン沖に墜落した事故の言及があり、それに続いてタイトルに移ります。このタイトルがセンスが良いので、クレジットを見ているとモーリス・ビンダーでしたね。道理でと納得。
エーゲ海の小島カロスに故障した爆撃機から2発の核爆弾と正体不明の特殊合金製の箱がパラシュートで投下され、それを秘匿したい米軍(ペンタゴンをオクタゴンと言い換えてるのはコメディゆえか、それとも同盟国ということで製作者側が遠慮したのか)が観光業者に化けた捜索隊を派遣する。一方、墜落した爆撃機からパン一で島に泳ぎ着いた乗員は島民に見つからないように基地に連絡を取ろうと悪戦苦闘する。というのがおおまかなプロットですが、これも『博士の異常な愛情』などに通じるブラックヒューモアがあります。
物語を駆動するのは秘密と欲望でしょうか。爆弾の存在を秘密にしようとするためにパンツだけで空きっ腹を抱えたまま岩山で隠れている搭乗員や、ホテル業者にカムフラージュして爆弾を捜索に来る軍関係者などの行動自体が核兵器というシリアスな存在とのギャップを生んで笑いにつながるという構造になっております。これに島民の欲望が絡んでお話はとんでもない方向へ転がり出す訳です。観光客を呼び込んで金を儲けようとする町長はじめ島民たち、箱を拾った山羊飼いは金目の物が入っていると思い込み、なんとか箱を開けようとする。それに米軍がホテル用地と偽って購入した土地から古代遺跡が見つかるに至って、瓢箪から駒で観光客がカロスに押しかける破目になる。全てがカタストロフへ向かって一直線に進行する怖さ。それがラストの爆撃機の搭乗員の笑いにつながる。これはあれですね。恐怖が極限に達して限界を突破すると、あとは笑うしかない。ブラックでヒステリックな笑いでも。
ラストで繰り返される「アテンション・プリーズ」は『博士の異常な愛情』の「また逢いましょう」や『渚にて』の「まだ遅くない」という皮肉なメッセージも連想させます。この時期、熱核戦争が現在よりも更に身近だったのだなと改めて思いました。そういえば冷戦の最終形態がMAD(相互確証破壊)というのも笑えないジョークですね。
(ykk1976さんの映画会:第40回)
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ユーザーレビュー
懐かしい映画
投稿日
2022/02/20
レビュアー
リスベット
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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昔よく、テレビ放送されてて映画の中で、久しぶりに見たくなりました。
踊る場面で出てくるリズムが頭に残る映画です。
数十年ぶりに見ましたが、そうそう映画の始まりはあのカスタネットでしたね。
ブラックユーモア溢れる恐ろしい映画。
ラストの海に浮かぶ魚は、忘れられない映像です。
魚が出てきた日
投稿日
2014/12/07
レビュアー
片山刑事
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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アバンタイトルがカスタネットを叩きながらフラメンコを踊る女性たちで、いきなりのインパクトが凄いです。
核兵器を3つ落としてしまって、それを回収する特殊部隊が観光客のフリをして島にやってきますが。男だらけなのでゲイ集団に間違われたり。のどかなカフェの2階には悲鳴が響き渡る歯医者があったりと、コミカルですがあんまり笑えるものではなかったです。
3つのうち2つまでは発見されますが、残りの1つは羊飼いの夫婦が見つけて。金属の箱だから何かお宝が入ってるのに違いないと、何とか開けようとします。
特殊部隊は、ホテルの建設予定地として広い土地を買収して。島民たちは喜びます。しだいに島には、観光客達があふれかえるようになっていきますが。そのファッションのサイケデリックさが凄いことになっています。
生き残ったパイロットたちは核兵器のことを言う事ができず右往左往するばかり、秘密を守るために嘘をつき続けることになる軍、宝の箱だと信じ続ける羊飼い、何も知らずバカ騒ぎをする若者達。この対比の恐怖。けど、コメディ映画なので緊迫感は一切ないです。しかも、あんまり笑えないコメディでした。
羊飼いが箱には何も入ってないと、中身を飲み水のタンクに捨ててしまいます。するとタイトルの通り、魚の死骸が島中に浮かび始めます。それでも、のんきに遊ぶ観光客達。そして、最後は青白い光に覆われて終わる。静寂。あれほど、騒がしかったのにいきなりの静寂が怖かったです。
コメディ映画なので、緊迫感は一切ないですが。むしろくだらない描写が続いて深刻さを感じることができないですが、今の日本で見ると考えるものがあってよかったです。
果たして、自分はどの立場の人なのか考える映画でした。
他済
投稿日
2014/06/19
レビュアー
不肖人の備忘録
生き地獄にカタルシスはない
投稿日
2014/01/15
レビュアー
ロキュータス
( ネタばれあり)
1967年作。 1972年という「近未来に起こるかもしれない」という設定ですが、冒頭に出てくるスペインでの事故は実際に起こったことで、「パロマレス米軍機墜落事故」でネット検索できますが、この作品を観るまで知りませんでした。
社会派ブラック・コメディですが、あまりに生々しくて笑えないし、まあ地味なキャストです。 ( 笑 )
墜落機のパイロット・コンビ。
トム・コートネイ。 デビュー作の『長距離走者の孤独』を僕は観てないですが、『 ドクトル・ジバゴ 』『 将軍たちの夜 』『 ドレッサー 』などに出演。 最近また『 モネ・ゲーム 』などに出ていますが、どちらかというと舞台俳優かな。
コリン・ブレイクリーは『 オリエント急行殺人事件 』に出てましたね。
隠ぺい工作のリーダーを演じるサム・ワナメーカーは赤狩りの時はブラックリストに載りイギリスで活動。 『 さすらいの航海 』『 真実の瞬間 』など出ていました。
キャンディス・バーゲン。 当時20歳だから大人っぽいというか、老けてるというか。
前年出た『 砲艦サンバブロ 』の清楚さとはガラッと違ったキャラクター。
父親がエドガー・バーゲンというアメリカでトップの腹話術師ですが、14歳でスイス留学しフランス語も堪能なインテリ女優。 本作でも流暢なイタリア語のセリフを言っています。 『ソルジャー・ブルー』にも出ていてまじめでカタいイメージでしたが、後年コメディエンヌとして成功しました。
写真家でもあり、ミノルタ・カメラのCMに出てましたし、『 ガンジー 』では写真家マーガレット・ホワイト役をしていましたね。 そしてルイ・マルと結婚してました。
監督のマイケル・カコヤニス。 前の年に『 その男ゾルバ 』を監督。 他にキャサリン・ヘップバーン主演で『 トロイアの女 』を撮ってますが、これも地味な作品なのでDVD化はなし。
さて本作、核をテーマにしたブラック・コメディということで『 博士の異常な愛情 』と比較可能ですが、名作で今も人気と評価が高い前者と比べ、正直に申しますと笑えないし、あまりおもしろくない。
キューブリックの創作力の違いも大きいでしょう。
しかし、それ以外にはシチュエーションが決定的に違います。
『 博士の異常な愛情 』が描く、冷戦時代の米ソによる全面核戦争は、短時間で人類滅亡してしまう緊張の高さがあり、それだけに笑うことができ、そのカタストロフィーにはある意味で後腐れのなさ、カタルシスがありました。
代わって、今は地域核戦争や核兵器テロの可能性があるのに、世界に緊張感はないですねえ。 仮にどこかの街で使われても人類滅亡になる可能性は低く、それを契機に核廃絶には向かわず、逆に疑心暗鬼を抱えたまま核にしがみつく恐怖の現実、そして恐怖に耐えきれず他人事と忘れてしまう現実が進行しそうです。
チェルノブイリも結局他人事でした。 フクシマ後でも、京都に住む僕は現地ほどの危機意識は薄く、ニュースへの関心も緊張感もないですね、 福井にはたくさんあるのに。
日本は唯一の被爆国と言われるが、被害者意識とアレルギーのように核への嫌悪感はあっても、意識も知識も高いと言えるだろうか。 ヒロシマ、ナガサキのとこ、第五福竜丸のことどれだけ知っていて、次の世代に継承しているだろうか。
原発事故に対する嫌悪感、政治家、官僚、学者、マスコミに強い不信感を持ちながら、この期に及んで、ぼくはまだ原発ゼロは非現実と漠然と思っていて、それどころか反原発を叫ぶタレントや活動家、政治家に偏見や嫌悪感がある。
オーウェルの「1984」の二重思考そのままに矛盾する二つの考えを受け入れる。
食品添加物でも、放射能でも、戦争でも悲惨さ難しさ重さに、まともに考えたらウツになってしまいそうで、心は折れ頭は関心と思考を拒否してしまう。
この作品は生々しく笑えない。
ブリーフ姿のまぬけな姿、トム・コートネイは頭にまでかぶってがんばっているのに笑えない。
俳優たちの生白い体が赤く日焼けして大変だったろうなと思わせても、痛々しくて笑えない。
プカリと浮かぶ魚、腐臭が匂ってきそうで笑えない。
一瞬で世界が滅ぶカタストロフィーのカタルシスでなく、じわじわとゆっくりと悲惨な事態が限られた場所で進行していく。 悲惨なことは考えたくなくて、その場しのぎでごまかしていく。 生き地獄にカタルシスはない。
そうした現実を投影した本作が、映画としては面白くなく萎えてしまい、人気がないのもまた当然のことかもしれません。
( ykk1976さんの映画会 第40回のレビュー )
正月は冥土の旅の一里塚
投稿日
2014/01/15
レビュアー
さっちゃん
映画会新年第1回がめでたく40回であります。まぁ途中、東日本大震災などで休みもありましたが、続いていることは嬉しい限りであります。今後とも末永く続けていきたいものです。
さて、本題に移りまして、今回のお題『魚が出てきた日』であります。冒頭に実際に起こった、核爆弾を積んだアメリカの爆撃機がスペイン沖に墜落した事故の言及があり、それに続いてタイトルに移ります。このタイトルがセンスが良いので、クレジットを見ているとモーリス・ビンダーでしたね。道理でと納得。
エーゲ海の小島カロスに故障した爆撃機から2発の核爆弾と正体不明の特殊合金製の箱がパラシュートで投下され、それを秘匿したい米軍(ペンタゴンをオクタゴンと言い換えてるのはコメディゆえか、それとも同盟国ということで製作者側が遠慮したのか)が観光業者に化けた捜索隊を派遣する。一方、墜落した爆撃機からパン一で島に泳ぎ着いた乗員は島民に見つからないように基地に連絡を取ろうと悪戦苦闘する。というのがおおまかなプロットですが、これも『博士の異常な愛情』などに通じるブラックヒューモアがあります。
物語を駆動するのは秘密と欲望でしょうか。爆弾の存在を秘密にしようとするためにパンツだけで空きっ腹を抱えたまま岩山で隠れている搭乗員や、ホテル業者にカムフラージュして爆弾を捜索に来る軍関係者などの行動自体が核兵器というシリアスな存在とのギャップを生んで笑いにつながるという構造になっております。これに島民の欲望が絡んでお話はとんでもない方向へ転がり出す訳です。観光客を呼び込んで金を儲けようとする町長はじめ島民たち、箱を拾った山羊飼いは金目の物が入っていると思い込み、なんとか箱を開けようとする。それに米軍がホテル用地と偽って購入した土地から古代遺跡が見つかるに至って、瓢箪から駒で観光客がカロスに押しかける破目になる。全てがカタストロフへ向かって一直線に進行する怖さ。それがラストの爆撃機の搭乗員の笑いにつながる。これはあれですね。恐怖が極限に達して限界を突破すると、あとは笑うしかない。ブラックでヒステリックな笑いでも。
ラストで繰り返される「アテンション・プリーズ」は『博士の異常な愛情』の「また逢いましょう」や『渚にて』の「まだ遅くない」という皮肉なメッセージも連想させます。この時期、熱核戦争が現在よりも更に身近だったのだなと改めて思いました。そういえば冷戦の最終形態がMAD(相互確証破壊)というのも笑えないジョークですね。
(ykk1976さんの映画会:第40回)
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